私は〈元〉小石でございます! ~癒し系ゴーレムと魔物使い~

Ss侍

文字の大きさ
182 / 378

181話 進化してからの練習でございます!

しおりを挟む
<___、恋愛ってどう思う? は? お嬢様がいればそれでいいとか……そうか、それでいいのか>

<っ!? ち、違うって! 誤解だ。ただ偶然、寝てたらこういう形になってただけであって、何もしてないって、ほんとだって!>

<ねぇ、婆や。婆やにとってあのお兄さんってなんなの? へー、幼馴染なんだ! 違う? ただの腐れ縁だって?>


…………
………
……



 目を覚ました。
 なんだか久しぶりに前世の記憶だかなんだかよくわかんない夢を見たわね。
 まあ、未だに過去の自分の名前がわからないし、別人の体験をしてると考えれば楽しいものなのかしら。

 それよりも、よ。
 鍛冶屋のおじさんは、紹介した本人のパーツを彼の武器に使うなんて何を考えてるんだろ。
 ガーベラさん、私になにか気を使ってるところがあるから…武器を使いにくくなってたりしないかしら。それが心配。


「おはよう、アイリスちゃん!」
「ふああ……今日はみんな一斉に起きたね」
「そのようですね」


 背伸びして腰から離れた上寝間着の間から見える健康的なお腹とお臍が2人ともエロい。朝からいいもの見ちゃった。にしし。


「じゃあケル起こすね」


 幼体化してケル君専用丸ベッドに丸くなっていたケル君をロモンちゃんは起こした。この子は寝起きがいいからすんなりと目を開けたの。


【ファア…オハヨウナンダゾ!】
【はい、おはようございます】
【おはよー、ケル!】
【おはよっ!】
【キョーモ イイテンキ! マルデ オイラノ カラダ ミタイナンダゾ!】
【ええ、そうですね】


 ケル君はドヤ顔でそう言った。
 テキトーに受け流したけれど、実のところとても可愛らしい。進化した翌日の晴れ晴れとした気分は私にもわかる。
 私達は朝食を作って食べ、服を着替え(眼福タイム)、出かける準備を万端にした。でも行き先が決まっていない。


「今日はどうします? ダンジョンの攻略を続けるか、ケル君にモノを再び教え始めるか」
「そうだね、そろそろ身体を使った特技とかも覚えさせたいし、魔法も上級魔法に挑戦できるはずだもんね」
「それに私が言葉の聞き取りと流暢な念話の方法を教えるというのもありますね」


 案外やることはたくさんある。半分以上がケル君に関することだけどね。
 進化はしたけどまだまだ発展途上。そう、まるで日々成長していっているお二人のお胸のように。


「……? アイリスちゃんどこ見てるの?」
「へぁ!? い、いえ、なんでもありません。お気になさらず」
「そんなことよりどうする?」
「やっぱりここはケルに訊くのが早いよね」


 ロモンちゃんはケル君に念話をしはじめる。
 しばらくして、なんとも言えない表情をしながら結果を伝えてくれた。


「えっとね、魔法と体術特技を練習しながら、アイリスちゃんに言葉を教えてもらいつつダンジョン攻略しよう…だって」
「うわぁお」
「……大丈夫ですかね、覚えられますかね?」
「アイリスちゃんの特技の効果もあるし大丈夫じゃないかな?」


 というわけで私たちは前回の続き、つまりダンジョンの隠し部屋の中にワープしてきた。
 一回外に出たにも関わらず、本当に何も変わってない。
 つまりもう一度、リスドゴドラムリザードと戦うことはできないってことね。


【イマノ オイラナラ コノトキモ ナニカシラ オテツダイ デキタト オモウゾ】
【しかし進化してから一回もレベルを上げてませんので、当初よりステータスは弱いですよ…?】
【アッ…。ソウダッタゾ】


 魔法陣を剥がし、隠し部屋を出る。
 相変わらず廃坑みたいなダンジョンね。
 しばらく歩いて行くと、本日初の魔物、リトルリザードマンに遭遇した。


【ゾ…タオスゾ!】
【そうだね、まずはどのくらい強くなったか見せてよ!】
【リョーカイ ナンダゾ!】


 今度は何も補助をしない。ステータスはともかく、ケル君の経験という名の実力で勝負できるはずだし、Dランク同士の戦いだから。

 今回のリトルリザードマンは石器ではなく、鉄製の質素なナイフを握っている。
 ケル君の背中はナイフで刺されたことあるし…トラウマになっていたりしていないかしら?


【ユクゾ! リシャイ! リシャイ!】


 どうやらそれは杞憂だったみたいね。
 特に何も気にした様子はなく、光弾を2発発射する。流石の命中精度で、両方とも見事にヒットした。

 リトルリザードマンは転倒する。
 その間にケル君はさらに中級光魔法を3発唱え、1発だけナイフで弾かれ2発命中。
 探知から反応が消えた。


【……ウゴカズニ、イリョクタカイノ ウッテルダケデ タオセタゾ!】


 なるほど、特技ってやっぱり効果高いわね。
 何も補正がなかったらもう少し当てなきゃいけなかっただろうし。


【すごいね、ケル! よし、どんどん行こうか】
【ゾ!】


 さらに進んで行くとEランクのトカゲ3体が立ちはだかった。しかしケル君の中級範囲光魔法の前では無意味で、あっという間に片付けられてしまう。
 そしてもっと進むと、またまたリトルリザードマンが現れた。


【……ネェ! アイツ ヲ マト 二 、オイラガ オボエルベキ ワザ ヲ ミセテホシイン ダゾ!】
【なるほどねー、うん、いいよ!】
【じゃあロモンの魔法からどうぞ。体術はそのあとね】
【うん。じゃ、まずは凍らせて……】


 ロモンちゃんは私がよく作る闇氷魔法を同じように唱え、リザードマンを捉えた。
 全く身動きが取れていないのが一目でわかる。


【じゃあいーい? まず普通に『リファイム』を撃つからね?】
【オネガイダゾ!】


 ロモンちゃんは普段の詠唱時間の2.5倍くらいの時間でリファイムを放った。
 試しだから見せるには適さない速さで撃ったのでしょう、真面目に覚えさせたい時は10倍くらいの速度でやるわね。
 ちなみにリザードマンは拘束されていない上半身だけこんがり焼けててちょっとグロい。


【……ゾォォ! ツギノアイテ ミツケテ モッカイ ミセテホシイゾ!】
【うん、もちろん! でもその前に少し仕組みを理解しようか】
【ゾッ! デモ……】


 ケル君は辺りをキョロキョロと見渡し、目をしばしばと瞑った。あれはおそらく、暗くてお勉強がわからないというアピールだろうね。
 ということは。


「……結局外でなきゃだめかー」
「まあロモンが全面的に飼育するんだし、それが最善ならそうしようよ」
「ごめんね、お姉ちゃん、アイリスちゃん。また私が先で……」


 ということで私たちは割とすぐに今日はダンジョンを出た。上級魔法だからね、いくらケル君でも1つ覚えるのに数日間はかかることを考えたほうがいい。

 そしてまた、別々に行動することになる。
 つまりそれって!


「いいよ、ぼくはアイリスちゃんとデートするから」
「私、最近してない…」
「近いうちしましょう、ね?」
「うん」


 リンネちゃんからのデートのお誘いキタっ!
 どうしようかしら、今日はどんなお店でどんなお洋服着てるところ見よう。普通のスカートは見たから…次のステップはゴスロリかなぁ。
 可愛すぎるし、ギャップで萌えるんだけだ、似合いすぎてて鼻血出しちゃう……かもしれない。


「デートですねぇ…ふふふ」
「あ、ごめんね。今日は剣の練習手伝って欲しいな」


 な、ななな、なん…だと。
 しかしリンネちゃんの頼みなのだから仕方ない。デートより先に強くやることよね。
 
 私は自分の剣を抜いた。
 あんまり剣として使わないこの杖剣で、いざ参らん。
 
 なんて意気込んでたんだけど、……結局数時間、うち合ってた結果は私の惨敗。リンネちゃんが嬉しそうな顔をしたから別にいいけどね。


#####

次の投稿は10/23です!
しおりを挟む
感想 142

あなたにおすすめの小説

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

第5皇子に転生した俺は前世の医学と知識や魔法を使い世界を変える。

黒ハット
ファンタジー
 前世は予防医学の専門の医者が飛行機事故で結婚したばかりの妻と亡くなり異世界の帝国の皇帝の5番目の子供に転生する。子供の生存率50%という文明の遅れた世界に転生した主人公が前世の知識と魔法を使い乱世の世界を戦いながら前世の奥さんと巡り合い世界を変えて行く。  

神様の忘れ物

mizuno sei
ファンタジー
 仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。  わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。

神様から転生スキルとして鑑定能力とリペア能力を授けられた理由

瀬乃一空
ファンタジー
普通の闇バイトだと思って気軽に応募したところ俺は某国の傭兵部隊に入れられた。しかし、ちょっとした俺のミスから呆気なく仲間7人とともに爆死。気が付くと目の前に神様が……。 神様は俺を異世界転生させる代わりに「罪業の柩」なるものを探すよう命じる。鑑定スキルや修復スキル、イケメン、その他を与えられることを条件に取りあえず承諾したものの、どうしたらよいか分からず、転生した途端、途方にくれるエルン。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

不倫されて離婚した社畜OLが幼女転生して聖女になりましたが、王国が揉めてて大事にしてもらえないので好きに生きます

天田れおぽん
ファンタジー
 ブラック企業に勤める社畜OL沙羅(サラ)は、結婚したものの不倫されて離婚した。スッキリした気分で明るい未来に期待を馳せるも、公園から飛び出てきた子どもを助けたことで、弱っていた心臓が止まってしまい死亡。同情した女神が、黒髪黒目中肉中背バツイチの沙羅を、銀髪碧眼3歳児の聖女として異世界へと転生させてくれた。  ところが王国内で聖女の処遇で揉めていて、転生先は草原だった。  サラは女神がくれた山盛りてんこ盛りのスキルを使い、異世界で知り合ったモフモフたちと暮らし始める―――― ※第16話 あつまれ聖獣の森 6 が抜けていましたので2025/07/30に追加しました。

企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する 

namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。  転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。  しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。  凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。  詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。  それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。  「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」  前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。  痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。  そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。 これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。

処理中です...