上 下
131 / 136
第二部

◇ 第二部 所持宝具設定集 その1

しおりを挟む
今回は主人公達が持つ宝具の一覧です。
二人の持つものを一話分で紹介仕切ろうと思いましたが、無理でした。なのでザン編とロナ(とその他)編に分けます。

簡単な効果説明や、ザン達が各々の宝具に対してどう思ってるか、メタ的に見てどういう意味を持つアイテムなのか等を記していきます。では、ご覧ください。


※ちなみに、特大アップや極大アップなどの、強化やダメージ減少のランク順は以下の通りとなっています。

(普通の)アップ、ダウン<大 (宝具はこれより上が確定)
<超大<特大<極大<条件付き特大2倍

=====



〔ザンの持つ宝具一覧〕


《武器系》

・「半月の銃弓 ハムン」

{説明}
所有者の光属性の攻撃の威力が特大アップ、夜はこの効果が二倍。
術技が無くとも魔力消費のみで無限に光属性の矢が放てるクロスボウ。

{詳細}
ザンが初めて手にした武器、半月をモチーフにしたもの。
弱くはないどころかクロスボウとしてはかなりの性能を誇るのだが、ザンはステータスがほぼ無いため一発の威力がとても低くい。
その上、最近は威力の出る遠距離攻撃方法も充実してきたため、彼の中でちょっと評価が悪くなってきている。


・「四つ身の剣 フォルテット【融合】」

(説明)
進化:融合→『巨大化する大槌 バイルトン』
魔力を40消費すると4つに増える(これ以下の本数に調節不可)。
装備者の土属性の攻撃の威力が超大、爆発系の攻撃の威力が特大アップ(融合により追加)。
魔力を注いだ分だけ巨大化する。大きさによって必要魔力は増える(融合により追加)。

(詳細)
「ソーサ」で投げ飛ばす用の剣。
ザン達が初めて進化させた宝具であり、四つに分身する効果と「バイルトン」の巨大化する効果を同時に使うことができる。
融合したことで不遇気味だった扱いから一点、ザンのメインウェポンにまで昇格した。が、実際は彼が使う前提だからこそ輝く効果であり、普通の冒険者はまず念術操作系の魔法を覚えていない限りまともに使えない代物。
なお、ザンは色デザインが「フォルテット」より「バイルトン」の方が好みだったため、そのうちこの剣を塗装し直そうと思っている。


・「治癒のナイフ メディメス」

(説明)
装備者の回復魔法の効果が極大アップ。
魔力を30消費して刺した対象を回復できる。この際、このナイフによる刺し傷は残らない。

(詳細)
刺した相手を回復するという矛盾の塊のような真っ白なナイフ。治癒性能は宝具だけあって高く、これ一本あれば大抵の治癒用ポーションは買わなくて良くなる。なお、魔力消費量や魔力強度に効果の強さが影響せず、誰が使っても回復量が同じである。
人体に刺して使うものなので、綺麗好きなザンはこれを武器として使ったり、食材を捌いたり、多目的に使用しないと決めている。そのため、内心ではちゃんと作業に使える宝具のナイフが欲しいなと思っている。
また、もし仮に自分やロナ以外の人物にこれを使う場合、回復アイテムであることを丁寧に説明しなければ変な誤解をされることは明白なので、少し面倒臭いと感じている。


・「炎紅の戦斧 アルクレッド」

(説明)
装備者の炎属性の攻撃の威力が特大アップ。
魔力を消費した分の強さを持つ炎を刃部分に纏い、術技をともわないこの斧による攻撃に火属性を付与する。

(詳細)
「ソーサ」で投げ飛ばす用の真っ赤な斧。
「術技には火属性を付与できない」という明らかに要らない一文を抱えている困った代物。その上、通常攻撃に火属性を付与するだけなら既存の「付与エンチャント魔法」で十分なため、もし売却しても宝具にしてはかなり安めの値段がつく。
ただしザンにとっては別。「ハムン」の光の矢以外の属性攻撃ができるようになって、戦いの幅が少し増えた(気がする)。
なにより、いざという時に火種や暖房として使えるのが嬉しいのだそう。


・「迅雷の槍 バリスギア」

(説明)
装備者の雷属性と風属性の攻撃の威力が極大アップ。
雷・風どちらか一方の属性が含まれている術技をこの槍を使用して放つと、含まれていない方の属性が付与される(=その分、能力や宝具の属性強化の恩恵を受けられる)。
この槍の効果の使用前から雷・風属性の両方が含まれている術技を放った場合、一定時間、装備者の速度の数値が一割上がる。

(詳細)
非常に強力な効果を持つ槍の宝具。武器の宝具の中でもとりわけ大当たりと言える効果を持っており、もし世に出回れば大勢の槍使いが喉から手が出るほど欲しがること間違いなし。
ザンもそのことは十分承知しており、「ソーサ」の力で浮かせて投げ飛ばすだけじゃ勿体ないし、この宝具が可哀想だと考えているが、かと言って簡単に手放す気もない。



《防具・衣服系》

・「月夜の羽付き帽 ルナル」

(説明)
装備している間、宝具による魔力消費を全て「1」に抑える。

(詳細)
ザンのお気に入り圧倒的No.1の金の羽の装飾がついた黒い中折れ帽。デザインを特に気に入っており、家にいる時や寝る時以外はずっと被っている。
宝具で消費する魔力を全て「1」にするというとんでもない効果を持っており、これさえ身につけていればこの世の全ての宝具を使いたい放題と言っても過言ではない。特に魔力が"2"から絶対に減らないザンとの相性は抜群。
宝具に対して知識がなかった最初の頃、ザンはこれを「シンプルで便利な良い効果だな」くらいにしか考えていなかったが、宝具を集めていくうちにヤバい代物だと認識を改めている。
この宝具自体、持ち主に大切にされていることを感じ取っているようで……?



・「巨大化する丸盾 バイルド」

(説明)
装備者が受ける土属性の攻撃のダメージが超大ダウン、爆発系の攻撃のダメージが特大ダウン。
魔力を注いだ分だけ巨大化する。大きさによって必要魔力は増える。

(詳細)
大きなトゲの装飾が真ん中についてる黒い丸盾。「バイルトン」もほぼ同じ効果を持つ。
「ルナル」との併用によってザンはこれを好きなだけ巨大化させることが可能であり、様々な用途で運用している。
例を挙げると、そのままシンプルに盾として使ったり、巨大化させて強固な壁代わりに。また、乗れる空飛ぶ円盤にしたり、投げて鈍器としても扱える。雨天なら屋根に、必要ならばドーム状の小屋にもできる。
さらに小さな街一つ壊滅させられる巨核魔道爆弾を防ぎきった上で、宝具なため全く壊れずに済んだということもあり、ザンは「バイルド」にかなりの信頼を寄せている。
そのため所持している宝具の中でも五本の指には必ず入るくらいのお気に入りである。不満点を挙げるとすれば、装飾のトゲが邪魔なことくらいだそう。
(※ちなみに登場当初はここまで活躍させるつもりじゃありませんでした。まさに出世武器です)


・「不死聖鳥のマント ルフェ二ス」

(説明)
魔法や物理攻撃からの被ダメージを減らす(鎧などの防具の共通効果)。
装備者の受ける火属性と光属性の攻撃のダメージが極大ダウン。
装備者してる間、暑い環境でも活動できるようになる。
装備者が負傷した場合、魔力を必要な分だけ消費して自動回復(オンオフ切り替え可)。

(詳細)
ザン達が初めて手に入れた、鎧の役目を担う宝具。不死鳥を思わせるような真っ赤なデザインと能力を有している。
属性耐性だけでなく、自動回復効果、そして一切のコストが要らない防暑効果など効果が盛りだくさんであり、そこらの宝具とは明らかに一線を画す力がある。これでザンの命はまた一歩、失われにくくなった。
ちなみに、彼自身はこの赤いマントに黒い帽子があんまり似合わないと考えており、「ルナル」にマッチするよう染め直しを検討中。



《アクセサリー系》

・「操りの指輪 ソーサ」

(説明)
装備している間、魔力消費で念動系・重力系に属する力で物体を動かせるようになる(生き物は直接動かせない)。
本人の練度と魔力消費量次第で扱える重量の限界が変わる。
操っているアイテムは所持・装備している扱いとなる。

(詳細)
ザンのお気に入りの一つであり、ダンジョン攻略家として活動する上での必需品の指輪。必需品のくせに指輪という小さい物なので内心では失くさないかヒヤヒヤしてる。そのため「ルナル」以上にずっと肌身離さず身に付けてる。
念動系の基本的な魔法を習得することで同じようなことができる上にそちらは生物も動かせるため、実は世に出回っても評価や価値はまったく高くない。
あえてこの宝具の利点を挙げるならば、その魔法より消費魔力がやや少なめであることと、装備すれば誰でも使えはすること、そして進化する可能性があることくらいである。
どうやら持ち主にとても必要とされていてこの宝具は嬉しいようだ。



《小物・その他系》

・「ダンジョンの地図 トレジア」

(説明)
魔力を消費することで、使用者より半径数キロ以内にあるダンジョンの入り口と辺り一体の大まかな地形を表示する。
使用を解除すると白紙に戻り、再度別の場所で使用できるようになる。
表示されたダンジョンは、深さや攻略状況が色や形で判別できるようになっている(鑑定では説明されない効果)。

(詳細)
ダンジョン攻略を専門に活動する人物にとっては是非とも欲しい地図。どこかの誰かさんがこの宝具の利便性を広めて回っているせいで価値が年々上昇している。また、まるで需要に応えるかのように宝箱から見つかる数も増えているようだ。
事実、この宝具が注目されるようになってからは世に出回る宝具や宝箱の数がやや増えた……が、一方でそもそもダンジョンを安定して攻略できる人間など一握りしか居ないので、元から強かった人間がより強くなる(儲かる)ための宝具と揶揄されることもある。
ちなみにダンジョンはクリアされると世界のどこか(生物があまり居ない場所が多い)にまた生えてくるので、今以上にダンジョン攻略が流行っても絶えることはない。ダンジョンが危険物でしかない一般人にとっては迷惑な話である。


・「秘宝の羅針盤 ラボス」

(説明)
ダンジョン内にある隠された部屋や、宝箱などを自動的に光で指し示す。
隠された部屋は紫、宝箱には橙色が対応している(鑑定では説明されない効果)。

(詳細)
この宝具さえあればダンジョンに隠されているものを一つ残らず見つけられるので、ダンジョンの攻略者にとっては多大な恩恵が得られる。実は宝箱からの発見例がとても少ない。
ザンは、これを使用するとなぜか毎回必ず「隠された部屋」と遭遇するので、実はその部屋自体、非常に見つけにくいだけで各ダンジョンに必ず一つ存在しているのではないか、と推測している。


・「異次元の皮袋 シューノ」

(説明)
無尽蔵に物を入れられる(生物は無理だが死骸なら可能)。
入れた物の時が取り出すまで止まる。
必要に応じた魔力を消費することで口を広げ、サイズ関係なく収納することができる。

(詳細)
誰もが欲しがる収納系アイテム最高峰の宝具。有力な冒険者や豪商などは必ずと言っていいほど所持している。
流通に革命を起こしたり、飢饉を無くしたりとこの世界の歴史を知る上ではまず避けて通れず、こうして人類に途方もない恩恵をもたらす割にかなり頻繁に発見されるので、宝具の中で一番有名で一般にも広く知れ渡っている。そのため「宝具の顔」と言われることも多い。
また、既に大まかな仕組みを解析されており、廉価版ではあるがこの宝具の性質を真似して人の手で作られたアイテムがお手頃な値段で市場に出回っている。なんなら、家や馬車にもその技術は応用されており、それによって「見た目より広い空間」などが造られることとなった。
この宝具もザンのお気に入り。そろそろロナの分が欲しいなと思っている。


・「迷宮内の地図 トメロア」

(説明)
魔力を消費することで、使用者が滞在しているダンジョンの全体図を表示する(あくまで地形のみで、魔物や罠や宝箱や隠し部屋などは表示されない)。
使用を解除すると白紙に戻り、再度別のダンジョン内で使用できるようになる。
ダンジョン外で使っても何も表示されない。

(詳細)
ダンジョンの地形を表示してくれる。広いダンジョンほど役に立つ。
とはいえ、そもそもダンジョン攻略をしない人にとっては全く必要のない物であったり、あるいは能力や魔法で補うことも可能なので「トレジア」のように高値で取引されたりはしていない。


・「妖雪兎の御守石 サムウサ」

(説明)
効果を発揮するには、血液を用いて所有者として登録する必要がある。また、身近においておかないと効果の影響が受けられない。
所有者が受ける氷属性の攻撃のダメージが極大ダウン。
10~60の魔力を消費することで、それと同等の分数だけ寒い環境でも活動できるようになる。

(詳細)
白くて可愛らしい御守り。所有者はこれを用いることで最大60分まで極寒の地でも活動できる。
ザンは暑い環境で過ごせるという似た効果の「ルフェニス」を持っており、あちらは魔力消費が不要なのでこの御守りは劣っているように見える……が、どちらかというとその手の効果はこちらの方が一般的である。あっちが強すぎるだけ。


・「蘇生呪玉 リデイ」

(説明)
効果を発揮するには、血液を用いて所有者として登録する必要がある。また、その際に呪いの称号が二種付与される。
登録を解除するか維持条件を満たせないとこの宝具は壊れる。
この宝具の維持に毎日2400の魔力を注がなければならず、その消費した魔力は丸一日回復しない。
所有者は一日一度、死亡した場合に甦る。
蘇った場合、死亡の原因となったものは取り除かれる。

(詳細)
赤い宝玉。このアイテムのように、何かしらの行動で呪いが付与される宝具は「呪具」とも呼ばれている。
重いコストとリスクを支払い続けることで、一日に一度だけ蘇ることができるとんでもない宝具。一日一度の範囲なら何回でも復活可能。
しかも蘇った際、病気や毒で死んだならそれらを取り除き、傷で死んだならその傷を塞いでくれるおまけ付き。
うまく使えば不死すら実現することができてしまうため、これを元に良からぬことが起こることを恐れたザンによって「シューノ」の中に放置されている。
彼はまだ所有者の登録をしていないが、一応の持ち主はザンではある。



《札系》

・「能力:強制互角」

(説明)
敵意を向けた・向けてきた相手と自分のステータスをそっくり同じにする。一度に複数も可能。効果は習得者本人が解除しない限り丸一日続く。
基本的に無効化することはできない。
一定の魔力を消費することで、効果範囲の拡大や、効果対象の選択を自由に行うなどの細かい設定をすることができる。

(詳細)
敵と認識される・認識しただけで魔力の消費なしで勝手に自分とその敵のステータスの数値・魔法・術技・能力・称号の全てを同じにしてしまう能力。この発動自体に魔力は必要ない。
この世界では人々の暮らしと、冒険者や傭兵といった戦う職業が何百年、何千年も深く関わってきたため、強くなってこそという考え方が一般的であり、自分が弱いこと前提のこの能力はあまり評価されない(互角になるだけで有利になるわけでない、自分より弱い敵を強くしてしまう、という考えもある)。
しかし、自分にかかっている呪いの押し付けや魔力消費のオプションをうまく活用するなど、使う人が使えば十分すぎるほど有効に働く。
成長できず、最弱のステータスを持ち、ノーマル族の中でも思慮深くかなり慎重派なザンとは過去のどの習得者よりも相性が良く、彼にとってはこの能力との出会いこそが全ての始まりとも言える。
とはいえ最弱は最弱、一歩間違えばすぐ死んでしまうような弱点を数多く有している……。



・「能力:宝具効貸」

(説明)
(この能力を習得した本人の持つ)装備者や所有者のみに影響がある宝具の効果を、触れた対象に触れている間だけ適用することができるようになる。

(詳細)
「所有者の~」「装備者の~」といったような表現が使用方法にある宝具の効果を、触れ合ってる間だけ自分以外にも使ってあげられる、あるいは使わせてあげられるようになる能力。対象は触れている全員である。ちなみにあくまでも宝具限定。
ザンであれば「ルナル」の魔力消費1、「ルフェニス」と「サムウサ」の気温耐性など、便利な宝具の恩恵をロナにも分けられることになる。
ちなみに「サムウサ」のような宝具の発動コストを支払うのは、この能力の持ち主でもいいし、触れている誰かでも構わない。
ジェントルマンなので口には出さないが、触れ合うのはなるべく女の子がいいなーとザンは思っている。もちろん、必要な時になってもセクハラはしないと決めている。






=====

ザンの宝具は今のところこれで全てです!
少々長くなってしまいました……。
次回であるパート2はロナの持つ宝具と、その他の売却済or予定の宝具などの紹介となります。






しおりを挟む

処理中です...