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吸血鬼は夜に溺れる
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「いや、いやっ……!! お兄様、だめ! 私たちは、兄妹で……っ」
「純血種は────」
お兄様は感情のこもらない紅い瞳を細め
「血統を尊重する。だから親近者同士の交わりは禁忌ではないんだよ……」
嗤う。
私たちは、吸血鬼。人間の常識などない、獣────────
銀色の髪が夜風に掬われ、肩口を滑る。
星。
バルコニーから身を乗り出さんばかりに、それを見る。
「宵……危ないよ」
お兄様は部屋の中、安楽椅子に腰掛け私の一挙一動を見ている。
「……ペガサス……シリウス…………半獣人……」
お兄様の言葉には耳もくれず、私は図鑑片手に星をなぞる。
全て人成らざるモノ。
しかし、吸血鬼はいない。
闇を統べる忌まわしいモノが
「宵」
再びお兄様に呼ばれた。次、行かなければ立てなくなるほど血を貪られる。
私は図鑑を手摺に置き、お兄様の直ぐ側までふらふらと近寄る。
「今日は寒いね。……随分熱心に星を見ていたようだけど…………冷えてるね」
お兄様は私を抱き寄せ──────
「ひっ、っ……あ゛……!」
──────血を啜った
牙はそれほど痛くない。ただ、啜られるたび息も詰まるような圧迫感と快楽がごちゃ混ぜになって、苦しくなる。
吸血だけならまだいい。この先。
獣のようにひたすら求める行為はもっと苦しい。
「……は……ぁ、宵……足りない……ね? ほら、足開いて………………」
安楽椅子の上で足を開かされる。
バスルームで身体を清めてすぐ、下着は着けるなと言われた。
だからお兄様は直接私の秘処に触れた。
随分余裕がないらしい。それもそうだろう……
吸血行為には快感が伴う。それは性交と同様に中毒性が高い。三日も禁吸血を続ければその反動は大きい。
これほど、吸血鬼は快楽に弱い。
私はこの身体を忌まわしく思う
頭を占めるのは血、血、血。
本能に、欲望に忠実な私たちは、汚い
「……何を、考えているの……」
お兄様は欲情しきった瞳を細め、激しく腰を穿った。
「んん……! ぅ゛、あっ! はっ、あっ、あ……!!」
お兄様は赦してくれない。
私が人間的であることを、彼の元から離れることを。
籠の中。
まだ一度も外に出たことのない足は、ピンと伸び桜色に染まっている。
「あっ! あ、いや……! ひっ!! 奥、お、くっ! …………だ、さないっで……!!」
「宵は、はあっ……誰の、モノなの? 僕のっ……可愛い……っ、く……ふ、あ、出る……っ!」
「ああっ、あ……やだ……っ、やだ! やだやだや、だ……っひ!!」
拒む言葉しか言わない私の喉に、お兄様は噛みついた。じゅぐっと嫌な音がして、喉が開かれる。
「あ゛………………ぐ、」
喉からはひゅーひゅーという空気の音と、くらくらするほど濃い血の匂いが立ち込める。
「ふふ……可愛い、可愛いよ…………あー……また、イキそう………………」
そう嘯いて腰を振る。
ゆさゆさ揺れる私の身体は、お兄様のモノ。
中に出された熱いものと愛液が、お互いの内股を濡らす。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い……
「~~~~ん゛、ひ……ぁ」
「あぁ……気持ちいいんだね……? 自分から腰を振って」
お兄様の腕の中
「あ……ふぅ、ん゛…………っ!! っ!!」
獣のように快楽に溺れる
「純血種は────」
お兄様は感情のこもらない紅い瞳を細め
「血統を尊重する。だから親近者同士の交わりは禁忌ではないんだよ……」
嗤う。
私たちは、吸血鬼。人間の常識などない、獣────────
銀色の髪が夜風に掬われ、肩口を滑る。
星。
バルコニーから身を乗り出さんばかりに、それを見る。
「宵……危ないよ」
お兄様は部屋の中、安楽椅子に腰掛け私の一挙一動を見ている。
「……ペガサス……シリウス…………半獣人……」
お兄様の言葉には耳もくれず、私は図鑑片手に星をなぞる。
全て人成らざるモノ。
しかし、吸血鬼はいない。
闇を統べる忌まわしいモノが
「宵」
再びお兄様に呼ばれた。次、行かなければ立てなくなるほど血を貪られる。
私は図鑑を手摺に置き、お兄様の直ぐ側までふらふらと近寄る。
「今日は寒いね。……随分熱心に星を見ていたようだけど…………冷えてるね」
お兄様は私を抱き寄せ──────
「ひっ、っ……あ゛……!」
──────血を啜った
牙はそれほど痛くない。ただ、啜られるたび息も詰まるような圧迫感と快楽がごちゃ混ぜになって、苦しくなる。
吸血だけならまだいい。この先。
獣のようにひたすら求める行為はもっと苦しい。
「……は……ぁ、宵……足りない……ね? ほら、足開いて………………」
安楽椅子の上で足を開かされる。
バスルームで身体を清めてすぐ、下着は着けるなと言われた。
だからお兄様は直接私の秘処に触れた。
随分余裕がないらしい。それもそうだろう……
吸血行為には快感が伴う。それは性交と同様に中毒性が高い。三日も禁吸血を続ければその反動は大きい。
これほど、吸血鬼は快楽に弱い。
私はこの身体を忌まわしく思う
頭を占めるのは血、血、血。
本能に、欲望に忠実な私たちは、汚い
「……何を、考えているの……」
お兄様は欲情しきった瞳を細め、激しく腰を穿った。
「んん……! ぅ゛、あっ! はっ、あっ、あ……!!」
お兄様は赦してくれない。
私が人間的であることを、彼の元から離れることを。
籠の中。
まだ一度も外に出たことのない足は、ピンと伸び桜色に染まっている。
「あっ! あ、いや……! ひっ!! 奥、お、くっ! …………だ、さないっで……!!」
「宵は、はあっ……誰の、モノなの? 僕のっ……可愛い……っ、く……ふ、あ、出る……っ!」
「ああっ、あ……やだ……っ、やだ! やだやだや、だ……っひ!!」
拒む言葉しか言わない私の喉に、お兄様は噛みついた。じゅぐっと嫌な音がして、喉が開かれる。
「あ゛………………ぐ、」
喉からはひゅーひゅーという空気の音と、くらくらするほど濃い血の匂いが立ち込める。
「ふふ……可愛い、可愛いよ…………あー……また、イキそう………………」
そう嘯いて腰を振る。
ゆさゆさ揺れる私の身体は、お兄様のモノ。
中に出された熱いものと愛液が、お互いの内股を濡らす。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い……
「~~~~ん゛、ひ……ぁ」
「あぁ……気持ちいいんだね……? 自分から腰を振って」
お兄様の腕の中
「あ……ふぅ、ん゛…………っ!! っ!!」
獣のように快楽に溺れる
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