神様に感謝を!!

莉羅

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転生できたようです

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「…て…あ………起きて愛菜…」

ぼんやりと聞こえてた声が段々とはっきりしたものになる。
低くて心地良い声

「んぅ…やだぁ…」

朦朧とする意識の中で起こされているということはわかった。
でもまだ起きたくない

「にぃにも…いっしょに…ねる…」
「はあぁ…」

困ったようなため息を漏らす"お兄ちゃん"





あれ?
"私"には兄なんて居ない…
まだ重い瞼を無理やり開けて周りを見渡す。
白とピンクを基調とした女の子らしい部屋。

「おはよう、愛菜」
「おはよぉ…」

目の前にはお兄ちゃん

「今日、入学式だろ?早く準備しな」

くしゃっとあたしの頭を撫でて部屋を出て行った



ちょっと整理しよう

私は綾瀬花菜
28歳で神様の間違いで死んだ
その記憶はちゃんとある
それどころか死ぬ前、生前の記憶も全てある

それで、この体の"あたし"
あたしは花宮愛菜(はなみやあいな)
今日、中学に入学する12歳
愛菜として生きてきた12年間(物心つく前は除く)も憶えている

本当に私転生したんだ!
鏡を見たいなぁ…
毎日見て、どんな顔かはしってるけど私は見たことがないから、ね。
姿鏡があるところまで歩いて鏡を覗き見る。

そこには

寝癖のせいで少しふわふわしている金髪の髪
ぱっちりとした二重瞼で大きなライトブルーの瞳
ぷるんとしたピンクの唇
陶器のように白い肌

「…………………」

めっちゃ可愛いじゃん!!
え、天使かって言うくらいに可愛い!!
自分の可愛さに悶てしまう

「愛菜?まだ準備できない?」

お兄ちゃんが、あたしの準備が遅いから心配して来たみたい

「開けてもいいか?」

ドアの向こうから問いかける

「いいよー」

お兄ちゃんは鏡の前で立っているあたしを見て不思議そうにする

「何してるんだ?それに何で何も用意ができていないんだ?」

ニコッと笑っているけど目が笑ってない。
怒らせちゃった…

「ごめんなさい…」

しゅんとして謝るとお兄ちゃんに頭を撫でられた

「早く準備しな?」

もう怒ってないみたい

「髪は俺がしてやるから、早く着替えな」

そう言って部屋から出て行った

あたしの大好きなお兄ちゃん

花宮怜良(はなみやれいら)
有名な難関大学に通う18歳
すごく頭が良くて、イケメン。運動もできる
高校時代、ヤンチャしてて喧嘩もとっても強い(らしい)

あたしは自他ともに認めるブラコン。
お兄ちゃんはシスコンかはわからないけど…
年が離れているせいか、一般的な兄妹よりかは仲がいいと思う。
そんなことを考えながら、準備していた。

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