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第1章 転生したけど・・・
寂しい時間
しおりを挟む「え、今なんて・・・」
僕はセフィウスの口から紡がれた言葉が信じられなかった。
というより、信じたくなかった。
セフィウスがいうには王子としての勉強が本格的に始まるためしばらく会えなくなるのだそうだ。
それにしても早すぎないか!!?
まだほんの子どもなのに会えなくなるくらい勉強が詰め込まれるなんて。
前世で庶民の俺はこの世界の王族のしきたりなんてものは分からないし、ゲームでもその部分は描かれなかったが相当大変な思いをしていたのかもしれない。
心配はしてる。でも、でも、自分勝手かもしれないがセフィウスに会えなくなることがとても辛い。
「しばらくってどれくらい?」
すがるようにセフィウスを見るとセフィウスも悲しそうな表情で
「分かんない。でも、ぼく頑張るから。そんなに長くないと思うよ。」と言った。
目の前が真っ暗になって寂しいという感情が心にぽっかりと穴を開ける。
しばらくがとてつもなく長い時間のように感じる。
セフィウスが頑張るなら僕はそれを応援しなくちゃいけないけど・・・
前世の記憶を思い出したはずなのに幼児退行しているのか今にも大泣きして駄々を捏ねてしまいそうだ。
頑張って耐えているけど涙が次から次へと溢れ出してくる。
セフィウスも震えていて僕はセフィウスにぎゅうっと抱きついた。
セフィウスが泊まりに来た時はいつもそうしていたように一緒のベッド寄り添ってで眠った。
いつもは目が覚めるとセフィウスが僕に抱きついて眠っているけれどこの日は僕の方が彼を離さないように必死に抱きしめて眠っていた。
次の日セフィウスは王城に帰って行った。
それから一月、二月・・・とセフィウスに会えない月日を数え5年が立った頃、僕は王立学園に入学した。
セフィウスと会えなくなってから寂しさを紛らわすためもあってますます魔法の勉強に身を入れた。
それはもう周りのみんなが心配するくらいに。
セフィウスの隣に立つためには並大抵のスピードで成長して行っても遅い。
焦るあまり何度か魔法で危険な目に遭ったがその度に先生と両親にこっぴどく叱られてしまった。
でも、そんなこともありながらも毎日毎日勉強したおかげで魔法と教養の両方を扱う王立学園のトップクラスに入学できた。
入学式当日は両親が僕をこれでもかというほどに飾り付けたがった。
普段外に出ないために気にしていなかったが、人前に出るとなるとこの歳にもなってフリルがいっぱいついた服は恥ずかしい。
皆んな可愛い可愛いと言ってくれるけど親と保護者(屋敷の皆んな)の欲目だと思う。
なんとか抵抗しようとして先生にも助言を求めると
「似合ってますよ。私も当日学園で君のその晴れの姿を見に行きますからね。」
と全く味方になってくれなかった。
先生は授業に都合がいいからと公爵邸に住み着いてしまった。
確かに、僕も先生に甘えてしまって毎日毎日教えを乞いに行っていたが前世でいうブラック企業みたいだったな。
毎日仕事で職場に住むなんてそれより酷いかもしれない。
ごめんね、先生。
そんなこんなで気合いたっぷりの両親と後で合流するという先生に見送られて学園の入学式に向かう。
入学するにあたって両親がつけてくれた僕専用の侍従レオと一緒に馬車に乗り込む。
彼はもとは公爵家の家令の息子で、父の後を継ぐべく見習いとして僕が幼い頃から公爵家で働いていた。
8つ年上の彼は優しく頼り甲斐のある兄のような存在でで僕も幼い頃から慕っていた。
僕に弟ができたら彼のような兄になりたいと思ったほどだ。
そんな彼が付いて来てくれるのだから人見知りの僕が学園へ入学するとなってもなんとかやっていけそうな気がする。
不安と期待とを織り交ぜて迎えた入学式。
僕はこれでもかというほどの驚きと共に学園生活の幕を開けることとなる。
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