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第一章
part.4 新しい仲間1
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ヨハネという男は、性格の明るい男だった。
「へぇぇ~、ヨハネ君は、あそこの大学なのぉ。頭いいねえ!」
「そんなことないですよぉ~」
どうやらヨハネは、駅の近くにある国立大学に通う大学生のようだった。それを知ったタカハシが感嘆した。ヨシダも、ヨハネに話し掛ける。
「うちの子の家庭教師にどうかしら。最近算数の成績が悪くって」
「あっ本当っすか。カテキョって時給いいんすよネ!」
(――お前、昨日ここに入ったばかりじゃん!)
シュウウは頭の中でツッコミながらも、ヨハネの主婦との打ち解け具合が羨ましくもあった。シュウウも暗くはないが、口数は多い方ではないし、自分から押しの強い方ではない。
口数の減ったシュウウに、タカハシが気を遣って話を振る。
「あらあらどうしたの、シュウウ君。オバサン達取られたからって、嫉妬しないでぇー」
「えっ本当っすか。ごめんなさい、先輩!」
そこでシュウウ以外の皆はまたどっと笑った。
「……し、嫉妬? してないです。してないですから!」
どうぞご自由にお喋りしててください、そう思いパソコンに向かいながらも、隣の会話が気になるシュウウでもある。
「それにしても、シュウウ君もイケメンだと思ったけど、ヨハネ君も負けじとイケメンねぇ~」
タカハシもヨシダも、ヨハネを見ては溜め息を吐いた。
そう、面白くないことに、ヨハネは見た目もイケメンだった。背丈はシュウウも高いが、ヨハネも同じくらい高い。社長も同様だ。三人揃って180は越している。
その高身長なのに、ヨハネに威圧感というものはない。濃いイケメンという訳ではなく、きれいに整った顔立ちで、何より人懐こい感じがする。例えるなら大型犬のような感じだ。もしくは、その子犬のような感じ。こちらの警戒心を刺激せずに、スルッと人の心に入り込んでしまいそうな気がする。
嫉妬というなら、主婦たちのことは関係なく、シュウウはヨハネという人間に少し嫉妬していたのだと思う。
「あれじゃないの、社長、自分がイケメンだから、雇う男の子は同じレベルの子じゃないと落ち着かないのよ、きっと」
「ええ~、そんなことある~(笑)」
笑っていたヨシダが、シュウウをひとたび振り返って言う。
「シュウウ君のが真面目な感じね。ヨハネ君はもう少し軽い感じ」
「えっ何ですかそれ! 僕だって遊んでないですよぉ。真面目な学生ですからね~」
「どうかしら、あはは」
会話に出されて、シュウウは横目でチラッとヨハネを見た。
ヨハネの髪は自然な感じに流しているのだが少し癖がある。自然なうねりの天使の輪を目で追っていると、そのタイミングで、ヨハネとバチっと目が合ってしまった。
目が合った瞬間、ヨハネはシュウウに向かってウインクを一つして来た。それにシュウウは驚いた。
(な、何だ今の!?)
シュウウは、慌てて顔を背ける。
何が真面目な学生だ。あの軽いノリが、遊んでるっていうことじゃないのか?
隣でヨハネが苦笑しているのが目に見える気がした。
「へぇぇ~、ヨハネ君は、あそこの大学なのぉ。頭いいねえ!」
「そんなことないですよぉ~」
どうやらヨハネは、駅の近くにある国立大学に通う大学生のようだった。それを知ったタカハシが感嘆した。ヨシダも、ヨハネに話し掛ける。
「うちの子の家庭教師にどうかしら。最近算数の成績が悪くって」
「あっ本当っすか。カテキョって時給いいんすよネ!」
(――お前、昨日ここに入ったばかりじゃん!)
シュウウは頭の中でツッコミながらも、ヨハネの主婦との打ち解け具合が羨ましくもあった。シュウウも暗くはないが、口数は多い方ではないし、自分から押しの強い方ではない。
口数の減ったシュウウに、タカハシが気を遣って話を振る。
「あらあらどうしたの、シュウウ君。オバサン達取られたからって、嫉妬しないでぇー」
「えっ本当っすか。ごめんなさい、先輩!」
そこでシュウウ以外の皆はまたどっと笑った。
「……し、嫉妬? してないです。してないですから!」
どうぞご自由にお喋りしててください、そう思いパソコンに向かいながらも、隣の会話が気になるシュウウでもある。
「それにしても、シュウウ君もイケメンだと思ったけど、ヨハネ君も負けじとイケメンねぇ~」
タカハシもヨシダも、ヨハネを見ては溜め息を吐いた。
そう、面白くないことに、ヨハネは見た目もイケメンだった。背丈はシュウウも高いが、ヨハネも同じくらい高い。社長も同様だ。三人揃って180は越している。
その高身長なのに、ヨハネに威圧感というものはない。濃いイケメンという訳ではなく、きれいに整った顔立ちで、何より人懐こい感じがする。例えるなら大型犬のような感じだ。もしくは、その子犬のような感じ。こちらの警戒心を刺激せずに、スルッと人の心に入り込んでしまいそうな気がする。
嫉妬というなら、主婦たちのことは関係なく、シュウウはヨハネという人間に少し嫉妬していたのだと思う。
「あれじゃないの、社長、自分がイケメンだから、雇う男の子は同じレベルの子じゃないと落ち着かないのよ、きっと」
「ええ~、そんなことある~(笑)」
笑っていたヨシダが、シュウウをひとたび振り返って言う。
「シュウウ君のが真面目な感じね。ヨハネ君はもう少し軽い感じ」
「えっ何ですかそれ! 僕だって遊んでないですよぉ。真面目な学生ですからね~」
「どうかしら、あはは」
会話に出されて、シュウウは横目でチラッとヨハネを見た。
ヨハネの髪は自然な感じに流しているのだが少し癖がある。自然なうねりの天使の輪を目で追っていると、そのタイミングで、ヨハネとバチっと目が合ってしまった。
目が合った瞬間、ヨハネはシュウウに向かってウインクを一つして来た。それにシュウウは驚いた。
(な、何だ今の!?)
シュウウは、慌てて顔を背ける。
何が真面目な学生だ。あの軽いノリが、遊んでるっていうことじゃないのか?
隣でヨハネが苦笑しているのが目に見える気がした。
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