ルカ

お舐め

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マイネイムイズルカ

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僕「さっき宮本むなしでジョッキ2杯飲んできた」
基子「あら、減ったやないの。節制してるのね」
僕「いやあ、まあ、少なめにした方がええわ。身体にもな」
基子「しばらく休んだらええで」
僕「みんな俺のこと怖がるなあ。最近そういう人減ってきたと思ってたのにな」
「軍隊の方が怖いで」

「アンリエットの巴里祭」はあの渡辺正行さんみたいな、ミッシェル・オークレールがええな」
「ええな。悪役もいい役もうまいわ」
僕「さっき、チェリオのコーラ買ってきて飲んでん」
基子「どないやった?」
「ハッカみたいな味やったで。コカ・コーラとは違う味よ。なんか泡の泡が大きくて
 もう一つやったな」
「なんでそんなん買うたん?」
「H瀬さんとこの自販機壊れとってん。硬貨が入れられない」
「それは困るわな」
「そういう時はN村屋の販売機でピーチ味のジュース買うねんで」

基「あんなとこ販売機あるん?」
僕「あらいでか。メロンジュースも好きな方だが、イマイチやな。
  爽のメロン味がええわ」

僕「フルトヴェングラーは会場に姿を現しただけで、オーケストラの音がガラッと変わったそうだよ」
基「へー、大したもんね。あんたフルトヴェングラー好きやもんね」
「そうよ、好きってもんじゃねえや、物真似したろうか?」
僕は身体をぶるぶる震わせた。
基「似てるやないの」
僕「フルトヴェングラーはやはり第九がええな。1942年のライブ録音がええわ。音暗いし。
  大戦中の演奏って感じがする」
基「一番最後、テンポがものすごく速くなるのがすごい。あんな演奏ないなあ」
僕「今度地域活動センターで蓄音機で運命聴くねんで。」
基「あ、あんたのとこにあるあの手巻き蓄音機かいな?」
僕「それよ。あと、ブルーノ・ワルターの田園も聴くねんで」
基子「田園もええな」

僕「俺、朝比奈隆さんに怒られた事あんねんで」
基子「なんかミスったん?」
僕「高い声出すのが苦しくて叫んでん。ほな朝比奈さんが『おい、テノール誰か怒鳴ってるぞ!』
  て言い出してん。それで練習終わってからテノールの前に来て
  『おい、テノール、怒鳴ったらいいってもんじゃねえんだぞ!』て言ったわ。
 ほんなら、みんな急に気を遣って、『朝比奈さんが怒ってはる』って言いだした。
  そこで、代表をしてた人が
  『テノールの方で声の出ない方は歌わないで下さい』て言ったよ。」
基子「その諸悪の原因があんたやってんな」
僕「そうよ。でも、あの頃は歌い方を知らなかってん。朝比奈さんに悪いことしたわ」

基子「大学時代の吹奏楽の仲間ってどうしてるの?あんたら全国吹奏楽コンクールで
   金賞とったんでしょ?」
僕「みんな音楽やってないみたいやな。数人ぐらいやわ。
  もう楽器吹かれへんていう人が多いよ。」
基「ほな、あんたぐらいか?」
僕「そら、ピアノ、ギター、ベース、と弾けるし、作曲もできるし、オーケストラ譜も読めるし
  現役でやってるの俺ぐらいかな?」
基子「レスピーギの『ローマの松』から『アッピア街道の松』ええわ。
   あのイングリッシュホルン(コール・アングレ)のソロも薄気味悪くて好き♡」
僕「レスピーギやったら、『古いリュートのための3つの舞曲』がええで。
  最初のイタリアーナからしていい。ローマ三部作とはまた違う古典的な曲や」
(女の人ばっかりやな。ええなあ。♡)
https://youtu.be/OQDo4uHkUJw

基子「古典的やねえ。ローマ三部作と全然違うわ。なんでやの?」
僕「音楽が現代的になりすぎて、その反動みたいな形で古典主義ていうのが出てきてん。
  ストラヴィンスキーの『プルチネルラ』もそうやで。
  この『プルチネルラ』は奈々子ちゃんが肩出してナレーションやった
 ドビュッシーの『プルチネルラ』とは別曲よ」
基「あんた女が肩出すの好きやな。私の肩噛ましたろか?」
僕「おお、頼むわ」
基「やや」

僕「やっぱ、ストラヴィンスキーは春の祭典がええで」
基「そないか?わて、プルチネルラの方が好きや」
僕「まあそういうな。ブーレーズの1968年のやつええど」
https://dotup.org/uploda/dotup.org3001065.mp3

基子「吉田拓郎好き?」
僕「うん、私は今日まで生きてみました、♪が好きやな。
  拓郎はA型やってんな。知らんかったわ」
基「ほら、やっぱり血液型に影響されてるやん」
僕「いや、B型の牡羊座ってめっちゃ我が儘や、て書いてあってん。
  でもな、実際黒澤明はB型の牡羊座やで。
  事実、リチャード・ギアが『あんな我が儘な映画監督世界におらへん』
  ていうとったもんな」
基子「それで、血液型+星座で占ったら合ってるの?」
僕「合ってないな。俺、ようB型って言われるわ。
  ネットで『黒澤が【東京物語】を撮ったらどうなるか?』というのを書いたら
  『おまえ、B型だろう?黒澤もB型だからな』て書いた奴いたよ」
基子「でも、はずれてたんやん。あんたの血液型系統はOかAやろ?」
俺「うちの兄貴がよう、血液型+星座で当たるって言うとったわ」
基「でも全然当たってない。女の子みたいやな、あんたの兄さん(笑)」

僕「ジェラール・フィリップええな」
基子「ああ、夜ごとの美女の人?」
「そうよ、おもしろいわ。映画『花咲ける騎士道』でやったファンファンに
 似てるからちゅうて、岡田真澄ファンファンて言われるようになってん」
「へえ。でも早くに亡くなってるねえ」
「不倫の映画『危険な関係』にも出た」
「どんなん?」
「夫婦がそれぞれ不倫するねん。男はどっかの奥さんと、嫁はんはどっかの男と不倫して
 それを報告して楽しむって言う映画さ」
「それって、実話に基づいてるの?」
「いや、作り話やで。あんなん本気で書いてる奴おらんぞ。小説は嘘やで」
「ほな、『不倫してもいいの』に書いてあることは作り話なん?」
「おばはんかて、夜9時にやっとったやないかえ(笑)」 (右はジャンヌ・モロー)
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