家族旅行で大喧嘩

お舐め

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家族旅行で大喧嘩

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お父さんが胆石で入院した。
よって、家族旅行はお父さんが留守番することになった。
代わりにお爺さんが同行する事になった。

あとは母親、兄弟妹の三人で計5人で行く事になったのだ。

大阪駅から、JRで松本に行く。特急電車だ。
夏だから、缶ジュースをたくさん飲んでる。
「兄ちゃん飲みすぎちゃう?」
次男「いや、これぐらい飲んどかないと、脱水症状になるよ」
母「トイレに近くなるわよ」
祖父「水筒があればこれでいい」
長男「僕はもう家族旅行に参加するのは最後やろうな」
次男「どうして?」
「来年は高校やし、家族には大人になりすぎだよ」
母「家族で旅行できるなんて、もうそろそろできなくなるわよ。今回は楽しんでいきなさい」
祖父「伯夫君の代わりに行くなんて、申し訳なくなるわい。」

名古屋を過ぎると、山が増えて来て、都会の雰囲気が無くなって来る。
トンネルも多い。
「国境の長いトンネルを超えるとそこは雪国だった」
の小説を思い起こすが、
今は真夏だから雪なんぞ降ってない。

妹「あ、猫のミーちゃん、大丈夫かな?お父さんに任せられないわよ。なんてったって猫嫌いだからね」
次男「そうよ、あの猫は僕が河原で拾ってきたんだよ。他の友達が共同で飼おうと言ったんだが、
僕は一人で飼いたいから連れて帰った。
でも賢いよ。トイレに行きたいと、実際にからんえトイレに行ってニャ~ンて鳴くからね。」
母「でも、もうこれ以上猫は飼えないわよ。犬も飼おうとしてるのに」

祖父「さあ、いい気持だ。ワンカップでも飲もうか?」
次男「爺ちゃん、昼間っから酒飲んだらあかんで。これから松本城を見物するのに、素面でおらなきゃだめだよ」
祖父「でも、夜は飲めるんだろ?」
長男「適当にしときや。悪酔いするからさ」

トンネルや山々を抜けて行って景色が広がってきた。
長野県に入った。
駅は松本駅に降りる。
何となく明治の匂いがする佇まいだ。
駅に降りてしばらくして松本城に着いた。

長男は写真撮影に専念している。
彼はこれが一番の目的だった。
松本城は壁が黒い木なので、やはり明治時代の雰囲気を醸し出している。
お濠は水が溜まっている。
綺麗な城だ。

「お腹減った。」
「何か食べへん?」
「そこの食堂に行こうか」
次男「よっし、僕はうな丼にする!」
長男「そんな高いもんやめとけ。カツ丼にしとけ」
「いやや、うな丼にするって」
「だから高いからやめとけ」
「いや、うな丼や」
「カツ丼にせえって」
次男は怒った。
「いやや、って言ったらいやや!!」と怒鳴った。
すると他の客がみんなこっちを振り向いた。
次男は恥ずかしくなって外に飛び出した。

しばらくして妹が、彼の元に来て
「兄ちゃん、うな丼に変更されたで」
「そうか」

この一連のうな丼騒動は、祖父の胸を打った。
この旅行の二年後、彼は次男を連れて道頓堀の鰻の美味しい店に行った。
「な、ここの鰻うまいやろ。これが本当のうな丼の味や」
今なら宮本むなしで800円ぐらいで食べれる。

さて旅館に移る。
タクシーに乗った。
祖父は「あさま山荘に行ってください」
運転手「はあ???」
「違うって爺ちゃん!それは事件現場の名前!!」
全然違う旅館名だが、なんとか辿りついた。
ゆったりとした休憩場になった。
みんなよく眠った。

翌日は黒部ダム。
トンネルとかあって、ダムに出ると、
高さがあって、怖いぐらいだ。
長男はそれでも、カメラを底に向けて撮っている。
よっぽど熱心にカメラを撮っているんだ。
黒部ダムの建設にはかなりの犠牲者がでたらしく
それを悼む像とかがあった。

ダムって大きいから歩くのに疲れた。
夜は山小屋に泊まった。
するとなぜか寝間に入った途端に長男と次男が喧嘩始めた。
蹴り合いだ。
隣で寝てる夫婦の人に当たった。
大迷惑だ。
なんで蹴り合いの喧嘩になったのかわからない。
しかし、それからすぐ寝た。

一行は朝起きてバスに乗った。
雪の壁をバスがすり抜けていく。
雪の壁は文字通り、雪が積もったところをバス道が通り抜けていく。
これは印象に残った。
この雪の壁を通り抜けていくと、日本海側に出る。
富山の駅でバスを降りた。

駅の前に着くと、映画「ジョニーは戦場に行った」のポスターが貼ってあった。
長男はそれを見て
「この映画はな、ジョニーが戦争に行って耳も目も見えなくなる。それでも生きていて、モールス信号で
『お願い、僕を殺して』て訴えるけど、聴いてもらえない。そんな映画や」
これを聞いた次男はショックを受けた。
と答えた。
実際にこの映画をテレビで見たのはその数年後だった。

そこから、特急で北陸本線を南西に下って行った。
家に帰ると父は自分が病気で行けなかったので不機嫌だった。

家族旅行はそれ以来行かなかった。
でも印象に残る旅行だった。
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