どうしてこんな拍手喝采

ソラ

文字の大きさ
26 / 47
華やぐ青春の香り

3

しおりを挟む
「面白かった!」

「あの冰澄さん俺見て言うのやめてください…」

「だって!」

「これは珍しいね冰澄さんが興奮状態だ。」

「だってだって!見た目からは想像つかないじゃないですか!」

片桐さんがおばけ嫌いなんて。
お化け屋敷の中にいる時もずっと後ろから悲鳴が聞こえてた。

「冰澄、お前も途中怖がってたじゃねぇか。」

「げ」

政宗さんに事実をバラされて俺は小さく声をこぼした。

そんな俺を片桐さんがじっと見つめてくる。

「冰澄さんも怖かったんじゃないですか!」

「違いますよ!あれはいきなり出てこられたから、びっくりして」

「聞こえてたよ~冰澄さん怯えた声で、政宗さぁんって」

「そんな言い方してません!!」

高梨さんはケタケタ笑い出した。この人は人をいじるのが好きな人だ。

「もー…。とりあえず2-A行きましょう…。」

高梨さんをキッと睨みながらつぶやいた。





「あー冰澄ー!…げっ!」

教室に入った瞬間誓先輩が俺の後ろを見て苦々しい顔をした。その後ろでテーブルにつく楓さんたちはにっこりと笑った。

「お疲れ様ぁー。冰澄くん。」

「お疲れ冰澄」

「こんにちわ。ずっとここにいたんですか?」

「ええ。2時までここでゆっくりするのよ。」

俺はちらりと時計を確認した。もう13時30分だ。
俺と同じく時計を確認した明人先輩がうろうろしていた誓先輩の首根っこをつかんだ。

「誓、冰澄、あと30分だ。どうりで客が少なくなったと思った。いそげ着替えるぞ」

「えー!!あと30分!?マジ鬼畜!」

「すみません政宗さん、もう用意しなきゃ。」

「ああ、行ってこい。」

優しい手が俺の頭を撫でた赤くなった顔を見られないように先輩たちの後を追って更衣室に入った。

「冰澄顔赤い」

「走ったせいですよ。」

「あのヤクザになんか言われたんだー」

「誓先輩!からかわないで着替えてください!」

うさみみやらエプロンやらを大急ぎで脱いで制服に着替える。黒のネクタイを明人先輩から受け取って軽く結んだ。

「誓先輩と明人先輩は先に行っててください。」

「りょうかい!冰澄も急げよー!」

「わかってますよ」

先輩たちと真反対にある教室に駆け込んだ。

「あ、冰澄さん」

「あ、の!俺たち先に体育館裏に回らなきゃいけないので一緒に行けません」

「わかったわ。頑張ってくるのよ!見とくからね!」

「ありがとうございます!」


「冰澄」

「はい……ん」


後頭部を引き寄せられ本日二回目のキスを食らった。悪戯っ子のように口角を上げた政宗さんにはもう何も言う気がなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

一軍男子と兄弟になりました

しょうがやき
BL
親の再婚で一軍男子と兄弟になった、平凡男子の話。

暑がりになったのはお前のせいかっ

わさび
BL
ただのβである僕は最近身体の調子が悪い なんでだろう? そんな僕の隣には今日も光り輝くαの幼馴染、空がいた

幸せのかたち

すずかけあおい
BL
家にいづらいときに藍斗が逃げる場所は、隣家に住む幼馴染の春海のところ。でも藍斗の友人の詠心は、それを良く思っていない。遊び人の春海のそばにいることで藍斗が影響を受けないか心配しているらしい。 〔攻め〕荻 詠心 〔受け〕千種 藍斗 *三角関係ではありません。 *外部サイトでも同作品を投稿しています。

逃げた弟のかわりに溺愛アルファに差し出されました。初夜で抱かれたら身代わりがばれてしまいます💦

雪代鞠絵/15分で萌えるBL小説
BL
逃げた弟の身代わりとなり、 隣国の国王である溺愛アルファに嫁いだオメガ。 しかし実は、我儘で結婚から逃げ出した双子の弟の身代わりなのです… オメガだからと王宮で冷遇されていたので、身代わり結婚にも拒否権が なかたのでした。 本当の花嫁じゃない。 だから何としても初夜は回避しなければと思うのですが、 だんだん王様に惹かれてしまい、苦しくなる…という お話です。よろしくお願いします<(_ _)>

笑って下さい、シンデレラ

椿
BL
付き合った人と決まって12日で別れるという噂がある高嶺の花系ツンデレ攻め×昔から攻めの事が大好きでやっと付き合えたものの、それ故に空回って攻めの地雷を踏みぬきまくり結果的にクズな行動をする受け。 面倒くさい攻めと面倒くさい受けが噛み合わずに面倒くさいことになってる話。 ツンデレは振り回されるべき。

金槐の君へ

つづれ しういち
BL
 ある日、大学生・青柳 律(18歳)は、凶刃に倒れて死んだショッキングな前世を思い出す。きっかけはどうやらテレビドラマ。しかし「ちがう、そうじゃなかった。そんなことじゃなかった」という思いが日増しに強くなり、大学の図書館であれこれと歴史や鎌倉幕府について調べるように。  そうこうするうち、図書館で同じ大学の2回生・清水 海斗(19歳)と出会う。 ふたりはどうやら前世でかなりの因縁があった間柄だったようで。本来ならけっして出会うはずのない二人だったが……。 ※歴史上、実在の人物の名前が出てきますが、本作はあくまでもフィクションです。 ※カクヨム、小説家になろうにて同時連載。

モテる兄貴を持つと……(三人称改訂版)

夏目碧央
BL
 兄、海斗(かいと)と同じ高校に入学した城崎岳斗(きのさきやまと)は、兄がモテるがゆえに様々な苦難に遭う。だが、カッコよくて優しい兄を実は自慢に思っている。兄は弟が大好きで、少々過保護気味。  ある日、岳斗は両親の血液型と自分の血液型がおかしい事に気づく。海斗は「覚えてないのか?」と驚いた様子。岳斗は何を忘れているのか?一体どんな秘密が?

処理中です...