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しおりを挟む部屋に入った瞬間、目に飛び込んできた光景に言葉を失った。
えっ…!? あれは…!? なぜ…? 何で、先生の手に私の手紙があるの…!?
どうして…!? どういうこと!?
呆然と立ち尽くしていると、先生が慌てた様子で私の前にやってきた。
「申し訳ない! 待っている間、本棚を眺めていたら、卒業アルバムが目に留まって…。懐かしさのあまり、結城に無断で本棚から取ってしまった。開いた時に封筒のようなものが下に落ちたので拾ったら俺の名前が書いてあって…。どうしても気になってしまい、よくないことだとは重々承知していながらも読んでしまったんだ…。本当に申し訳ない」
先生が頭を下げた。
私は、箱から出した卒業アルバムと手紙を本棚に入れていた。まさか今日先生がうちに上がるとは思わなかったし料理のことで頭が一杯だったので完全に忘れていた。ああ、迂闊だった…。こんなことになるなら箱の中にまた戻しておけばよかった。あまりの事態にまだショックが続いていて、声が出ない。
先生も私に謝罪すると、黙り込んだ。
しばらくの間、沈黙が続いた。
その間に、ようやく落ち着きを取り戻した私は、思い切って先生に打ち明けた。
「それは…卒業式前日の夜中、いえ、もう日付が変わっていたので、当日に書いた手紙です」
「…」
「最後に私のありのままの気持ちを綴って、卒業式が終わった後、卒業アルバムと一緒に箱に入れてクローゼットの奥にしまいこんだまま、ずっと今まで箱を開けることはありませんでした」
「…」
「でも、先生と再会したあの日、10年ぶりに箱から出しました」
「…そうだったのか…」
「……」
怖かったが、私は一番気になっていることを聞いた。
「…あの、どこまで…読んだんですか…?」
「…『もしも10年後に先生と再会することができたなら』というところまで…」
えっ、それってもうほとんど…。再び言葉を失った。
室内がまた静まり返る。
すると、先生が口を開いた。
「結城…俺はお前からの手紙に強く心を揺さぶられた。全く知らなかった…お前がそんな風に俺を想ってくれていたこと…俺との思い出をとても大事にしてくれていたこと…ありがとう…本当にどうもありがとう…」
先生が私に手紙をそっと渡した。
「最後までは読めなかったが…」
先生はそこまで言うと一旦言葉を切った。そして軽く息を吐いてからこう言った。
「もし、お前の願いが10年後の今もまだ有効だったら…その願いを直接お前の口から聞かせてくれないか…?」
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