秘められた願い~もしも10年後にまた会えたなら~

宮里澄玲

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 今日はもう色々とありすぎた…。全てが夢ではないかと思うくらい信じられないことばかりで…。
 でも…抱きしめられた時に感じた駿さんの香り、私の頬を包み込む大きな手、そして情熱的なキス…全部覚えている…。
 あぁ…本当に幸せ…一生忘れない…。
 それに、うちの親に挨拶したいって…まるで結婚の挨拶みたい…って、何を一人で突っ走っているの! 今日想いが通じ合ったばかりで、しかもまだプロポーズすらされてないのに! でも、私の恋人が小学校の元担任だと知ったら両親はどういう反応をするだろうか…駿さんが言ったようにやっぱりよく思われないかな…お母さんは大丈夫そうな気がするんだけど、お父さんはどうだろう…。もし反対されたとしても駿さんと別れるつもりは全くないし、絶対に説得して見せる! 
 
 『ご両親の許しをもらったら、美沙絵を抱くから…』
 
 さっきの駿さんの囁きが蘇った。私を抱く…それって、そういうことだよね…。かぁぁぁっとなる。向こうはそういう行為に慣れているかもしれないけど、私は初めてで、しかもあんな素敵な人と…! ど、どうしよう…恥ずかしすぎる…! 一瞬、親に反対された方がいいかも、なんて思ってしまった。いやいや、そんなのダメだ。駿さんの囁きは一旦隅に置いておこう。
   
 ふと、部屋の時計に目をやると、10時半だった。まだ起きてるか…。
 私はドキドキしながら母親のスマホに電話をした。
 
 「もしもし、お母さん?」
 『どうしたの? こんな時間に電話なんて』 
 「うん…あの、あのね…」 
 緊張して中々言い出せない。
 『何よ? 何かあったの?』
 私は意を決した。
 「あのね…実は、紹介したい人がいるの。それで、その人がお父さんとお母さんにご挨拶したいって言っていて」
 『えっ!? 美沙絵ったら、いつの間に…。ねぇ…まさか…妊娠…?』
 お母さんの声がだんだん低くなる。
 「違うから! ただ、挨拶をしたいってだけで! とにかく、いつなら大丈夫?」
 『そうねぇ…そっちの都合がよければ、別に明日でもいいわよ、日曜だし』
 「えっ、明日!?」
 『うちはそれでも構わないっていう話。お父さんも明日はいるし。彼氏に聞いてみてから、また連絡ちょうだい』
 さらっと『彼氏』と言われて頬が赤くなる…。
 「…分かった。じゃあまた電話する」
 
 とりあえずすぐに駿さんに連絡をした。
 『どうした?』
 「すみません、あの、今、母に電話をして都合を聞いてみたら、駿さんがよければ明日でも構わないって言っているんですが…」
 『明日か…俺は構わないが、そんな急にお邪魔して本当にいいのか…?』
 「母がそう言っているので大丈夫です。駿さんこそ、何か予定とか用事とかあるんじゃないんですか…?」
 『いや、急ぐような用事は何もない。それに明日も美沙絵に会いたいと思っていたから。じゃあ、明日ご挨拶に行かせてもらうよ』
 「はい、ありがとうございます…。何時頃にしますか?」
 『そうだな…お邪魔する前に何か手土産を買いたいんだが、何がいいかな』
 「そんなこと気にしないでください」
 『そういう訳にはいかないだろう。美沙絵に手土産を選んでもらって、昼食を取って、それからお家に伺うというのはどうだ? 美沙絵がよければ、10時に待ち合わせをしよう』
 「大丈夫です。では、母には午後に行くと伝えておきます」
 『ああ、よろしくお伝えしてくれ。じゃあ、また明日』 
 「はい、こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。お休みなさい」 

 お母さんに電話をして、明日で大丈夫なので14時頃に家に行くと伝えると、了解、お父さんにも言っておくから、と言われた。
 この恐ろしいほどの展開の早さに目が回りそうだったが、もうこうなった以上、腹を括って、両親に駿さんとのお付き合いを絶対に認めてもらおう。

 
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