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しおりを挟むカーテンの隙間から差し込む白い光を感じ、ゆっくりと目を開けた。
んん…、えっ、もう朝…!? 顔が一気にボンッと真っ赤になる。うぁぁぁぁ~朝まで眠りこけてしまうとは…。うぅ…もう恥ずかしすぎる…。
しばらく身悶えていると、寝室のドアがそっと開いた。
「…美沙絵、起きたのか…?」
駿さんが入ってきてベッドの脇に腰かけて私の頭を撫でる。
「おはよう。体は大丈夫か…?」
「おはようございます…。体は何ともありません。あの、そのまま眠ってしまってすみませんでした…」
「謝ることないよ。正樹のことがストレスで疲れがたまっていたのかもしれないし、それに…お前をヘトヘトにさせて動けなくしたのは俺だからな」
「…っ、後半の方は…当たっているかも…」
駿さんが笑った。
「ハハッ! ごめん、次からは少し抑えるようにする…」
赤くなって俯く私の頬に駿さんが手を添えるとそっとキスをした。
「…ん」
「さ、シャワー浴びたければ浴びてこい。その間に朝メシの用意をしておくから」
シャワーを浴びた後、昨日コンビニで買っておいたサンドウィッチ類の他に、駿さんが目玉焼きとサラダを作ってくれた。後は牛乳をグラスに注げば立派な朝食の完成だ。
こんなものしか用意できなくて申し訳ない、と謝られたが、普段朝はあまり食べられないのでこれで十分だった。それより、駿さんと朝から一緒に食卓を囲めるなんて幸せ…。思わず口元が緩む。駿さんも私を見つめて微笑んでいる。ああ、本当に素敵な笑顔…。
他愛のないおしゃべりをしながらの食事は楽しく、こんな日々をずっと一緒に過ごせたらいいなと思った。
食事の後、身支度を整えた私は駿さんに尋ねた。
「今日、帰りは何時頃になりますか?」
「そうだな…たぶん5時頃かな」
「分かりました。実は、今日元々駿さんに何品かおかずを作って渡そうと思っていたんです。忙しくてもチンすれば食べられるものを」
「えっ、そうだったのか。嬉しいけど、大変じゃないか…?」
「いえ、よく休みの日にまとめて作り置きのおかずを色々作っているんです。1人分も2人分も手間は一緒ですから」
「そうか…じゃあお言葉に甘えようかな。正直すごくありがたい。もちろん、材料費は俺が全部出すから、よろしく頼む」
自分用にも作るのだからお金はいらない、と断っても、手間を掛けさせるんだから出させてくれ、と強く言われてしまったので、仕方なく受け入れた。ついでに夕飯も作ってごちそうすることにしたので、駿さんが帰りに直接私の部屋に来てくれることになった。よし、この前のリベンジじゃないけど、おいしいと言ってもらえるように頑張って作ろう。
駿さん淹れてくれたコーヒーを美味しく味わいながら飲んでいると、駿さんが隣に座った。
「ちょっと話したいことがあるんだ」
「…? はい、何でしょうか」
……胸が一杯になった。
同世代の男性が多くいる職場環境の中で私がもしまた他の男の人に目を付けられたり危険な目に遭ったりしたら、と想像するだけで居ても立ってもいられなくなるほど不安になってしまったことなどを、辛そうな表情で話す駿さん…。
「急かすつもりはなかったしお前の意思を尊重しようと思っていたが…。できれば俺はすぐにでもお前の夫という公的な立場がほしい。そうすれば少しは不安がなくなるかもしれない。もちろん、理由はこれだけじゃない。今更言うまでもないが、心からお前を愛しているしこれからの人生を一緒に歩める相手はお前しかいないと思っているからだ」
そこでふぅ…と軽く息を吐いてから私の手を握る。
「俺の気持ちは全て話した。お前の気持ちを改めて聞かせてくれないか」
私の気持ち…。
もちろん、駿さんと結婚する意志は変わってない。ただ、正直もう少し先のことだと思っていたのも事実だ。でも駿さんの不安な気持ちや、本当に私を人生の伴侶として求めてくれていることを改めて知って、心が大きく揺さぶられた。それに、さっき一緒に楽しく食事をしていた時、こんな日々をずっと過ごせたらいいなと思ったばかりじゃない…これって…。
もう既に結論は出ていたのだ。
私はニッコリと笑った。
「駿さん…いつ婚姻届を出しに行きましょうか?」
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