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第二章 女神と信者

裏切りの彼方に

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 早足で行く彼女の背を見ながら、周りを見渡す。ずっと、榊に似たこのEmiRyに見られながら進んでいく。

 「いたー!」

 そう言うと、彼女は駆け足で近づいていく。その先にいる人らしきモノはーー


 榊によく似た人だった。


 「……本当にそっくりだな」

 「…ええ、私も驚いているわ。まさかここまで似てるなんて」

 本当によく似ている。しかし、あれがこの世界の観測者だろうことが、直感で分かった。

 「あれ?君以外にも人が居るのかい?」

 「さっきぶりね!ねね、出口ってどこか分かる?私この世界から出たいの!」

 「生憎、出口は分からないんだ。だけど、それらしい物の手掛かりならあげられるよ!」

 「ホント!?教えて!」

 「んー…私のお願いを聞いてくれたら、教えてあげても良いよ?」

 「いいよ!お願いって、何?」

 「実はペンダントを無くしてしまってね……この世界の何処かにあるはずなんだ。探して来てくれるかい?」

 「勿論!」

 「それじゃ、この世界の何処かに四つあるはずだから、お願いね!」

 「分かった!じゃあ行こう二人とも!」

 「ああ、だけど手分けした方が早い。ここはバラバラになって探そう。」

 「分かった!じゃあ私はあっちの方探してくるから!頼むよ!」

 そう言うと彼女は、自身の指差した方向に向かって走り出した。

 「ここまでは、手順通りって訳だな?」

 「ええ。その通り」

 「ねぇ、なんであなた達はここに居るの?それに君…‥私そっくりね」

 「似てるのは知らないけど、ここに来たのはただ一つ。救うことよ」

 「……ふーん、救う、ね。あの子に福音が訪れるとは思わないけど?」

 「それでも、必ず彼女を救ってみせるわ。」

 「…そう、じゃ頑張ってね。」

 そう言うと観測者は、近くにあった椅子に座り、訝しむような目でこちらを見続けた。

 「人型の観測者は、いつもあんな感じよ。気にしないで」

 「そうか、ならいいんだが……」

 「それにしても、なんであんなに似てるんだろ……分からないわ」

 「なあ、EmiRyってどんな奴何だ?」

 「ああ……そういえば知らなかったね。彼女はーー」


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       ×

 ペンダントを探していると、色々謎掛けや仕掛けのある部屋に出たし、さっきの追いかけてくる奴も居たけど、なんとかやり過ごして来た。

ひたすら探していると、何やら光る物を見つけた。ある机の下にあった。

 「!これ、ペンダント!?」

 ついに見つけた!やっとの思いで一つのペンダントを見つけた。他のペンダントは、もうあの二人が見つけたのだろうか?

それにあの二人……どうしてこの世界にいるんだろう?一体何者なんだろう?後で合流した時に聞いてみることにした。

 「さて、後の物を見つけにーー」
瞬間、激しい頭痛に襲われた。

 「っ!うう!ぐ、ぁああ!ああ!!」

 記憶が、濁流のように流れ始めた。
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