シムル

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眼前の出来事

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眼前が赤くなった.........





僕の名前は君島奏羽、小学6年生だ。僕は、この北海道の都会で生まれ育ち、小学校を卒業したら東京の大きな中学へ進学することが決まっている。
でも最近になって僕はこの町を離れることが不安になっていた。
その理由の一つはクラスメイトたちにあった。
『ねえ、奏音くん』
「えっ!?」
不意に誰かに名前を呼ばれて振り向くと。そこにはクラスの女の子たちが集まっていた。
(ど、どうしちゃったんだろ?)
普段は挨拶を交わす程度の彼女たちに僕は戸惑った。しかしそんな僕の動揺をよそに、女の子の一人が口を開いた。「奏音くんのお父さんって社長だよね!」
『すごいー』
他の女の子もそれに同意して、羨望や称賛を口にする。
(えっ……そ……そうかな……)
それは嬉しいけど恥ずかしいなと思いながら。僕は、この子たちの反応に違和感を覚えていた。それは僕がこれまで経験をしたことない、奇妙な空気だった。
「ねえ、ちょっといい?」
それから、彼女たちは僕を取り囲んで話し始めた。それは僕が予想してなかったことだった。
「ちょっと話があるんだけど」と女の子の一人から話しかけられて僕は思わず緊張していた。
その女の子たちは、普段学校でよく見かける子たちだったから、なおさらだった。
(な、なんだろう?)
彼女たちは僕が緊張していることなんてお構いなしで話を進める。その話題は僕の家庭のことだった。
「奏音くんのお父さんってすごいよね」「社長なんだから」「すごいよね」「将来も安定よね」
そう話されて僕は嫌な予感を感じ、「ごめん、ちょっと急いでるから」と足早にその場を立ち去った。「あ、奏音!」と僕の名前を呼ぶ女の子の声は、もう耳には入らなかった。
(なんで……こんなことになったんだろう……)
僕が、そう感じるようになったきっかけは、クラスメイトの男子たちが言った何気ない一言だった。
そのクラスメイトたちに言われたことは、僕の家族に関するもので、それはこれまで経験したことがないくらい、僕にとって苦痛に感じられる内容だった……
(お父さんは社長なんかじゃないよ。ただの会社経営者だし……)と僕はその子たちの言葉を心の中で反芻する。
それは、お父さんが社長であることを自慢しているとか、お父さんをすごいと言っているとかそういうことを揶揄されているんじゃない。彼らは僕の家とは関係なく、僕自身が持っていることに焦点を当てていた。
(でも、それがなんで……)
それは僕自身の家庭に関することだった。その話題は学校でよく話題になっていたけど、その話をされると僕はいつも不安になった。僕がお父さんの自慢をしていると周りが誤解するのではないかとか、自分の家族のことをどう考えているのだろうか。と疑問になるときもあった。
そんなある日の朝、このクラスの担任、武田先生が遅れて教室に入ってきた。
生徒たちは「なんだよ先生が遅刻かよw」と先生をからかっていた。先生は「今日は転入生が来る」と落ち着いた口調で言った。すると教室の中にざわめきが走る。「転校生!?」という驚きの声や、「女の子ですか?男の子?」とか、その話題に食いつく声が教室に響く。そして、教室のドアを開けてやってきた転入生の姿は、僕の心臓を大きく脈打たせるものだった。
「はじめまして。今日からこの学校に転入することになった、『三雲奏空(みくも そら)』です」と彼女は言った。
(お、女の子だ……)とその姿を見たとき、思わず心の中でつぶやいてしまう。それは僕にとってあまりにも意外だった。
彼女の姿は女の子らしい可愛い雰囲気があった。その雰囲気は彼女の短いショートヘアによってさらに強調され、その容姿はクラスのみんなの注目を集めるほどだった。しかし彼女の容姿を一番引き立てていたのはその瞳だった。彼女『みくもそら』と名乗った子は、澄んだ空のような綺麗な青い瞳がキラキラと光を放っているように感じたからだ。彼女は教室の中に入ってきても物静かで、その仕草はどこか品があったからなのか、彼女が口を開くとクラス全体が静かになったのを感じた。
『三雲です。これからよろしくお願いします」と言うと彼女は丁寧に頭を下げて礼をしたのだった。
僕は彼女が自己紹介したときから彼女から目が逸らせなくなった。
それは彼女が可愛い女の子だったからじゃないと僕は断言できる。
彼女の容姿は、僕の目には魅力的で、思わず見とれていたからだ。
(綺麗だ……)僕はそう思った。
それは僕にとって初めての経験だった。
(こんな子がいるのか……)と思った。その彼女は僕とは違う世界に生きている人だと思ったからだ。しかしそんな僕の思いに反して彼女の表情はどこか曇っていた。
「よし、じゃあ三雲さんは君島の隣な。君島、三雲さんをよろしくな。」と先生が言い、僕は慌てて頷く。
(こ、こんな子が隣の席に……)そう思うと緊張が高鳴る。それは彼女に対してだけじゃない、僕の隣の席が空いていたことも原因の一つだ。僕の隣の席はいつも空いている。それがこの学校に転入してくる人なんてこれまでいなかったから。彼女は先生の言った僕の席に座る。
彼女が僕と同じ席にいるだけでなぜか緊張して胸がドキドキと高鳴っていた。
すると、彼女は僕に声をかけてきた。
「よろしく、君島くん。」と、彼女は僕に微笑んできた。
(わ、笑っても……なんて綺麗に笑うんだろう?)と彼女の微笑に僕はまた心を奪われたがすぐに正気を取り戻す。
(あ、あれ?今僕のこと……君島くんって呼んだ?)
『よろしく』『奏音』という挨拶じゃない呼び方に少し驚く。
それは彼女にとっては自然なことなのかもしれない。彼女はクラスでも人気がある子だったから僕のような人間には興味がないのかもしれないと僕は思った。
(やっぱり三雲さんって人気者なんだな……)という彼女の人気ぶりに僕が驚いていると彼女が口を開いた。「ねえ、私の席ってどこかしら?」
彼女のその言葉に僕は一瞬言葉を失った。そして彼女が隣の席が空いている理由を悟った。
(そ、そっか……だからずっと誰も座ってなかったんだ。三雲さんは転入生で僕の隣が空だったって気づかなかったのか……)
僕はすぐに席を立ち机を動かし彼女を隣に呼ぶ。すると三雲は「ありがとー」と嬉しそうに微笑んできた。「よろしくね?奏音くん」とまた微笑まれて僕は顔を赤くする。『よろしく』という彼女の言葉に、僕は初めて自分が呼ばれたことに驚きを隠そうとしたのだが、彼女は僕のそんな気持ちに気づいたのか「あれ?どうかした?」と首を傾げて訊いてきた。
彼女のその言葉を聞いて僕の心臓はさらにドキリッと鼓動が速く鳴り始める。そして僕は慌てて首をブンブンと振った。
「い、いや!何でもないよ!」と言うと彼女は安心したように微笑んで黒板の方を見た。
ここで僕は気づいた。三雲さんからは僕と同じ匂いがする。それは、僕と同じ『普通ではない』人間であることだ。そして彼女は僕がこれまで見たことがないタイプの人間だと僕は確信した。それは僕にとって衝撃の出会いになった瞬間でもあった……
「はい、それじゃあ授業を始めるわよ!」と音楽の津田先生が言った。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
三雲さんが引っ越してから1週間がたったある日の授業参観の日。
教室の中の顔見知りのお母さんたちの会話を聞いてしまった。
『ねえ聞いた?このクラス転校生の話……』
『あ、それ私も聞いた。なんかすごい可愛いんだって?しかも社長令嬢なんだって』『そう、しかもあの三雲家の子なんだってさ』
『え?あの大金持ちの家?すごいじゃない!この学校にも寄付金いっぱい入れてるって噂だけど……』と親同士のヒソヒソと話す声が聞こえてきた。
それは僕自身も薄々気づいていた。おそらく高価な服にランドセルなど彼女は僕の家と似ている。
彼女も薄々気づいていたのだろう。
「お金持ち」という言葉で、他の生徒たちは敏感に反応してしまう。だから彼女が人気なことも僕は納得だった。そして、彼女が転入してきたことを喜ぶのは三雲さんの家の人間だけで、このクラスには僕と同じ『普通の子』しかいないんだということも僕は理解したのだ……
「じゃあこの問題わかる人はいるかしら?」と算数を担当している武田先生が言った。
授業が始まると同時に教室内がシンッと静まり返る。なぜなら、先生の問いがいつも難しいからだ。そのせいか、誰もすぐに答えられなくて、みんなはシーンと静まり返っていた。でも、その時僕はその静けさの中で手を挙げられる。
(あっ……三雲さんが……)と僕は思ったけど先生は「おっ、じゃあこの問題わかるかな?」と言って三雲さんに当ててしまったのを横目で見ながら、(あーあ先生があてなきゃよかったのに)と思った しかしそんな時。先生は、なぜか急に三雲さんを当ててしまう。しかも『この問題は、この部分だけ計算が逆になるの……』と言った瞬間に彼女は手をすぐにあげてこう言ったのだ「わかりました」とその彼女の言葉にクラス全員が驚く。それは僕もだ。そして彼女がスラスラとその部分を計算して解くとみんなから「おお……」と歓声が上がった。その歓声の中には、彼女の容姿と優秀さもそうだけど、何よりみんなには三雲さんがこのクラスの一員になったことに対する喜びがあったんだと思う。そして授業が終わったあと三雲さんにみんなが話しかけたり、彼女に話しかけようかどうか迷いあぐねている姿も見られたから、みんなの中で彼女に親愛のような想いが芽生え始めたのかもしれない……
「すごいね……」と僕も彼女に言うと彼女からは「そんなことないよ。ただこの問題は前に習ったところだし、私数学は得意だから」と笑顔で答えた彼女の笑顔に思わずドキッと胸が脈打つのを感じながら僕は彼女が『普通の子達とは違う』と感じたことを確信したのだった……
~~~~~ それからも僕と三雲さんはよく話すようになる。そして彼女と話しているうちに彼女の『お金持ち』の事情が分かってくる。それは彼女のお母さんが社長をしている会社『三雲コーポレーション』は国内有数の有名会社で彼女は社長の娘だということに驚かされるのだった。しかしそれと同時に、彼女が僕と同じように「普通とは違うことを抱えていること」にも気づかされた。
そして僕と彼女の関係は『友達』と呼べる間柄になり、彼女ともより仲が良くなって僕たちは一緒に帰るようにもなった。そしてある日の帰り道、彼女にこう言われた「ねえ……君島くんにだけ話すんだけど……」とその日から僕は三雲さんからこの学校では僕と彼女しか持っていない『悩み事』を聞くようになった。
「ねえ奏人くん……」と帰り道に僕を呼ぶ彼女の声はいつも明るくて、その声で名前を呼ばれるたびに僕はドキッとするのを感じた。それは初めて彼女に会ったときと同じ胸の高鳴りで……そして、彼女がこの学校に転入してきた日に感じた違和感は、三雲さんはこの学校にも馴染もうとしたけど馴染めなかったことを僕はすぐに理解したのだった。「うん!なに?三雲さん」と僕が答える。「えへへ、あのね?今度ね、君島くんに私以外の友達を紹介するって話したでしょ」「うん」と返事をすると彼女は嬉しそうに微笑んで「それがね!その人が今日この日に君島くんの学校に行きたいから連れてきてもいいかって言ってるんだけど……」「そうなんだ、もちろん大丈夫だよ」と笑顔で言うと、彼女も嬉しそうに微笑み返す。でも三雲さんから僕の学校に来たいという人なんて思いあたらない……いったい誰なんだろうか?と思ったとき、三雲さんが言った。「じゃあ今度君島くんの家に連れて行くね!」と嬉しそうに三雲さんも言った。するとその彼女の嬉しそうな笑顔につられてか僕もなんだか嬉しくなってしまった。そして彼女はさらにこう続けた。「その友達がね……私の親友でもあるんだけど、すっごくいい人だから安心してね!でも私以外の人と喋るときは人見知りだから……そこだけは許してほしいってその子が言ってるんだよね……」と少し困ったように微笑んだ彼女の言葉に「わかったよ」と僕は頷く。「うん!あ……そろそろ私こっちだから……」と彼女は僕の帰り道と違う方を指さした。それは彼女が僕と帰る時にいつも使っている道で、その道は途中まで僕も同じ道を通るのだがその先にある十字路を曲がってしばらくすると彼女の家がある住宅街に続くのだそうだ……
「うん分かった!」といって僕が彼女に手を振ると三雲さんもまた笑顔で手を振ったあと、その曲がり角に入って見えなくなった。それから僕は一人家に向かって次の日
「あの奏音くん……」
と三雲が口を開いたので僕が「……な……何?」と答えると彼女が顔を上げた。
その顔にはいつもの綺麗な笑みはなく、まるで生気を感じられない表情だ。僕は彼女を見て(三雲さんってこんな顔もするんだな)と驚いたと同時に、その彼女の表情になぜか恐怖を感じて、思わず後ずさってしまいそうになった瞬間だった……
「あのね……私が転校してきた理由は知ってるでしょ?」「……えっ!?」その彼女が言った言葉に僕は驚いてしまった。
確かに彼女がなぜ転校して来られたのか不思議だとはずっと思っていたがその理由を僕は知らないからだ。だから僕としてはこの質問をされて答えようがないのである。そんな僕に構わずにその彼女はまた口を開いた。
そして、僕が聞いた彼女の言葉、それは……「私ね…………お父さんの仕事の邪魔になるから……ここに来たの……」というものだった。その言葉は僕には到底理解できなかった。でも、彼女はそれだけ言うと「じゃ……私帰るから……今日はありがとね……」と言って僕が止める声も聞かずにそのまま走り去ってしまった。
僕は、彼女がなぜ急に走り去ってしまったのか、その理由も分からずにただただその場で立ち止まっているしかできなかったのだ……
(なんで、なんであんなに苦しそうな顔をしてたんだろうか……そしてどうして僕の名前を知っていたんだろうか……それに……)と疑問を持ちながら家に帰った。
次の日、彼女は学校に来なかった。先生の話によると風邪らしい。そして放課後。いつものように帰り道を歩いている途中だった。その途中に僕はみくちゃんが住んでいる住宅街の入り口まで来ていたのだ。
(そう言えばここってみくちゃんの家と学校を結ぶ十字路がある場所だよな……)と僕は思った。
(三雲さん、風邪大丈夫かなあ……心配だな)と彼女のことを思うと自然に足が動いて彼女の家の方に向かっていく。
(三雲さんに早く風邪が治りますように!それと三雲さんの親友って誰なんだろう)と思い、彼女の親友を早く会ってみたいという気持ちが強くなってきていた。
そうして歩いているうちに、僕は彼女が通学の時に使っていたであろう十字路の曲がり角まで来た。
そしてそこを左に曲がってしばらく進んだ時だった……「おーいお兄ちゃん」という声が聞こえたのは……
(この声……)
と僕がその声を聞いて思った時に僕の目の前に立っていたその彼女の名前は「君島未来」という僕の妹だ。小学3年生で学年でいつも上位の優等生だ。
しかし、最近は学校でいじめを受けて家にこもっている。だから久しぶりに外で彼女を見た。(なんでここに……それにお兄ちゃんってことは僕を呼んだの……?)と僕が思った時、妹となにかがぶつかった。
「うお!?」「きゃぁ!」ドテッ「うう……」と言う妹の声と、妹の前には転んでいる人がいた……しかもそれは
「だ、大丈夫……?」とその転んだ人に妹が声をかけると転んだその女の子も顔をあげて「えへへ、大丈夫だよ~」と明るく笑う。それは三雲さんだった……!
「あっ……三雲さん!?」すると二人は僕に気づいて、三雲さんは「えへへ~……君島くんにはバレちゃったね……」と言った。そして、立ち上がった彼女は「実は私たち学校帰りに会うことが多いんだよね」と言って妹に笑い掛け、そんな二人を見ていると僕もなんだか心があたたかくなってきた。「そういえばみくちゃん風邪大丈夫?」と聞くと彼女は「うん、大丈夫だよ!」と笑って言う。そんな明るい彼女の笑顔を見ていると僕は自然と顔がにやけてしまいそうになった……
「じゃあまた明日」と彼女が言って立ち去ったあと、僕はなぜかその場に立ちつくしたまま動くことが出来なかった……でもなぜか僕の心は温まっているように感じる……なぜかは分からないけど、でもこれだけは言えるんだ。僕は彼女と一緒にいるのが楽しいってこと……そしてそれがなんだか嬉しかったから……
(また学校で会えたらいいな)と彼女が去っていった方向を向きながら思っていた僕だったのだけど……「お兄ちゃん?」と言う妹の声に僕は我にかえって家に帰る。家に着いた時に妹は僕に
「お兄ちゃんってもしかして彼女いるの?」という妹の質問に「え!?」と言った瞬間に妹が、
「あれ、図星だった?お兄ちゃん」と言った。
「な、なんでそんなことに……」と言うと「だって顔が赤くなってるんだもん!」と言われて(うっそー!?)とさらに驚いたんだけど、その後に妹が言った言葉のおかげで、すぐに冷静になった。
「で?相手は誰なのよ~お兄ちゃん!」と聞く妹に「内緒!」と言うと「えー」と頰を膨らませた。しかしそんな妹を僕は可愛いなと思い、(でもいつかは話さないといけないだろうな……)と思いながら妹の頭を撫でた。
それからというもの、僕が帰り道で三雲さんと会うたびに彼女は僕の学校のことをたくさん聞いてきて僕は彼女にいろいろ教えるようになった。彼女の学校生活のことを聞いた。僕と同じように親が社長ということもあり、パズルピースのようにはまりあった性格だと思った。
そんなある日、彼女が耳を疑うようなことを言ってきた。「親が社長で恨んだことってある?」
と聞かれたので「うん、あるよ」と言って、彼女にその答えを教える。
「親って子供にはなにも分からないと思ってるのかな?」と言うと、三雲さんも「……分かるよ……私も……」と言って暗い表情になって言った。
「学校の友達も金目当てで寄ってくるし普通の経験が出来ないし悪いこと多いよね。」
と言った。
「うん……そうだね……」と答えた。
しかし、彼女の暗い表情をみて、僕自身この話を持ち出したことに対する罪悪感が湧いて来た頃になってようやく彼女は口を開いたのだった「……でもね」と言って彼女は僕にこう言った……
「両親には感謝してる。勉強が出来なかった私を塾に行かせてくれたりしたから。」
「そっか……よかった」と言って三雲の暗い表情を僕は少し安心したように見つめていた。しかし彼女の次の言葉で僕は衝撃を受けることとなるのだった。
「うん、それに私はこの学校で君島くんに会えれたし……」と。「……え?」と一瞬彼女が何を言ってるのか理解できなかったがそのすぐあとに「あっ!」と言ったあと、僕は自分が言った言葉を思い出していた
『僕さ……父親が会社の仕事で家にあまり居なくて母親も仕事に行って家に居なくてね…………』
彼女が喋り終わる前に疑問がきた。(え?)眼前が赤くなった。
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