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第一章:プリンセス、冒険者になる
(30)☆
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おっふろ~♪ おっふろ~♪
ああ~早く入りたいわ。もう、こんなに嬉しい気持ちになるだなんて……。
しかも数日振りのお風呂が温泉だなんて凄い幸運よね。露天風呂もあるらしいし、これはちょっと何日かゆっくりしたいわよね。
というわけで部屋に荷物を置いて早速温泉へ向かう事にした。宿の奥から渡り廊下を抜ければお湯の匂いが次第にハッキリとしてくる。ああっ!! たまらないわっ!!
女性のシルエットの描かれた赤の暖簾をくぐればそこはもう楽園の入り口。
まだ早い時間だからか脱衣所はガランとしていた。幸運は続くものなのかしら? これはひょっとすると貸切状態かもしれない!?
控えめに言って最高ね!!
「ミレーヌさん、私たちだけかもしれませんね!」
衣服を脱ぎながらミレーヌさんに話しかける。いや返事は返ってきませんよ。でも、表情でわかりますよ! だって私と一緒で嬉しそうなんだもの!!
温泉最高!! イェイ!!
「そういえばミレーヌさんは以前もここに立ち寄ったことがあるんですよね? どうでした、いいお湯でしたか?」
問いかけるとにこりと微笑みを浮かべて小さく頷いた。いやぁん。可愛いんですけど!!
年上の女性に可愛いとか言うと失礼かもしれないけれど、ミレーヌさんはとても若々しくて綺麗なお姉さん。どちらかといえばクールな美人系の顔立ちなんだけれど、仕草とかが可愛らしい。もしかしたらお姉さんとかいるのかもしれない。
ところでミレーヌさんて何歳なんだろう? 見た目はかなり若いのだけれど、でもおっさん達とパーティー組んでるくらいだから、二十代半ばくらいよね?
セミロングの黒髪ストレート。体も引き締まっていて……あ、意外と胸が大きい。衣服や装備で隠れていたけれど……私より大きいわね。
私も順調に育っているけれど、はたしてどこまで大きくなることやら。俺の好みはあまり極端な巨乳ではないのでほどほどのボリュームでおさまって欲しいと思っている。
だからミレーヌさんくらいか、もう少しか。私自身の体のバランスにもよるけれど、胸やお尻には変化を感じるけれど、身長は最初に育って以降あまり変わっていないような気がする。だからC~Dカップくらいが丁度いいのかもしれない。
それにしても柔らかそうだ。自分の胸を触ってもあまり気持ちがいいとは思わない。まぁ先っぽをクニュクニュしたら気持ちいいのだけれど……。それはちょと姫としてはねぇ?
だからこんな美人のお姉さんの裸にはちょっとそそられるものがありますねぇ。(笑)
「………………」
ムフフフ……。
あっ!? タオルで隠されちゃった!?
同性でもこんなにもジロジロ見られたらやっぱり恥ずかしいわよね。
「えへへ」
笑って誤魔化しつつ私もタオルで体を隠した。
「……ごめんなさい。ミレーヌさんが素敵だったのでつい見惚れてしまいました」
多分きっと誤魔化せてないと思うので、正直にお詫びもしておいた。
あ、ミレーヌさん顔赤くなってる。いやぁ~ギュってしたい!
このままでは私は私を抑えられないかもしれない。(笑)
「えっと……入りましょうか?」
温泉へと続く扉は白く湯気で曇っていた。
ガラガラと小気味よい音をさせて開けばそこにはーー!!
石と木で組まれた温泉が待ち受けていたーー!!
「わぁーーー!?」
思っていたよりも広くて、綺麗。そして風情がある!!
この世界のいいところはファンタジーなのに妙に現代ぽいところ。だからガラスの扉とかも普通にあるし、理屈はわからないけれどシャワーだってある。温泉もある!!
「行きましょう、ミレーヌさん!」
ワクワクする気持ちが止められない。キラリ姫も俺くんもお風呂大好き。そんな二人の記憶を持つ私もやっぱりお風呂が好き。だってもの凄くテンションが上がっているもの。
ヤバイ! 超興奮してきたんですけどぉ!!
はやる気持ちをコントロールしてちゃんとすべき事をする。みんなが楽しむためにはこういうマナーは凄く大切。
だからしっかり掛け湯をして体の汚れを落としてから広い湯船に浸かる。
「フゥゥ~~~」
ちょうどいい湯加減で、思わず声が出ちゃいました。
見上げるといい具合に年月を経た木造の梁や屋根が目に入る。それを支える太い丸太の柱がものすごくいい。
怪我をしないように加工された岩で組まれた湯船も凄く風情があって……そう、まるで老舗旅館の自慢の湯みたいな感じ。
手入れが行き届いている事を感じると俄然テンションが上がってきます。
温泉最高! お湯の香も、肌触りも、温かさも!! 全部最高!!
(ああっ……きもちよすぎるぅぅぅっっっ!!)
しばらくお湯を堪能していると洗い場の方からパシャパシャと水音が聞こえてきた。
視線を向ければそこには!! 立ち上る湯けむりを纏う黒髪美女の艶姿がっ!!
「ミレーヌさん……綺麗……」
小さな椅子に腰掛けたその姿がまるで人魚のようで思わず感嘆のため息と言葉が溢れていた。そんな私の呟きが聞こえてしまったのか、私から見えない洗い場の奥へと逃げるように移動してしまう。
残念すぎる……もっとしっかり隅々まで堪能したかったのに!!
「姫さま……あまり女性の裸を凝視するものではありませんよ!」
「はーい」
耳元でアンのお叱りの声を頂戴しちゃいました。だからと言って反省も後悔もしていませんけどねっ!!
美しいものを愛でたいと思う気持ちに貴賎はない!! だから私は堂々と主張する!! もっと見たいと!!
(………………)
だからといってさっきの今で後を追うのも色々と面倒そうだし……。どうしたものかしらねぇ?
とりあえず手足を伸ばしてもう少し温泉を堪能する。とっても気持ちがいい……。
一つの欲求が満たされると次の新たなる欲求を満たしたくなるものよね!?
「……アンもゆっくりお湯に浸かりなさいね。温泉だなんて次はいつになるかわからないから。ホント気持ちがいいわね……」
「はい、姫さま」
ゲームではほんの僅かな時間でストーリーを進めていく事ができるけれど、現実ではそうはいかない。準備や移動、そして実際の冒険。ここまでの旅でそういう事がよくわかった。
魔狼の森ではなんだかんだ言ってかなり幸運だったのだと思う。
下手をすれば最初のスライムに溶解されていてもおかしくなかった。それなのに無事に解放されて、次は魔狼王に助けられた。いや、まぁマロちゃんを助けたお礼ってことにはなっているけれど、少し過剰なくらいのお礼をもらってしまったと思う。何より旅に必要な所持品やお金などの物資は本当に助かった。
あれがなければそもそも冒険者登録まで漕ぎ着けられなかったかもしれない。
幸運に感謝しなければいけない。そしてこれからも幸運が続くとは限らないし、それを期待してもいけないと思う。これまで以上に気を引き締めて行きましょう。
「アン……しばらくは不自由かもしれないけれど……頼むわね」
「ご心配なく。私は常に姫さまのお側に隠れております。気付かれるようなヘマは致しませんが……いざとなれば私の存在が知られるとしても行動致しますからね」
「私もよ。あなたを守るためなら手段は選ばないわ。最後まで私のそばに居てもらうからね」
ふふふ。相手を大切に思っているのはあなただけではないわよアン。
「さてと、私も体を洗ってくるわね……」
ミレーヌさんはまだこちらに来ていない。それはつまりまだ体を洗っているという事。まだチャンスだという事!
アンを湯船に残して私は洗い場の方へと忍び寄る。人気がないおかげで何処にいるのかはすぐにわかった。
右手奥。ミレーヌさんは今髪を洗っている最中だった。頭の上で手が動くたびに胸元で柔らかなマシュマロがたゆんたゆんと揺れる。
これは……。
「ゴクリ……」
生唾ゴックンモノね、堪らないわっ!!
そしてまぁ~なんて無防備で素敵なお姿なのかしら。背中を伝う泡がなんとも言えない艶を感じさせますねぇ。
これはちょっと放ってはおけないレベルですねぇ。据え膳食わぬはなんとやら。
ああっっ!? エ○チなスキルが悪さをしちゃうわっ!! ダメよキラリ! 抵抗しなくちゃいけないわっ!!
なんてね。うふふ。いたずら心に火が灯っちゃった!
後ろからそっと、気づかれないように……えいっ!!
「ーー!?」
優しく抱きついてみた。
両腕で包み込みように優しく優しく。
「ミレーヌさん」
耳元で呼びかける。シャンプーの真っ最中だから誰かわからないと怖いでしょ?
でも大丈夫。私ですよ~キラリですよ~。
心配いりませんよ~。(笑)
強張っていた体から緊張が解けていく。
物凄く驚いた反応だった割には硬直しただけ。声をかける前からだから私だと気がついていたのかもしれない。
でもまさかいきなり抱きつかれるとは思わなかったみたいね。だから今もそういう戸惑いは感じているような気がする。
「ミッレェーヌさん♪」
ふふふ♪ 裸同士だからピタッとくっついて気持ちがいい。
でもでも、抱きつくだけでは終わりませんよ~。胸を圧し潰すくらいに体を密着させて彼女の体に指を這わせる。そして大きな胸を下から掬い上げるように揉みしだくとーー!?
「んはぁぁ……」
ぃやぁん♪ 凄く可愛らしい吐息がこぼれましたよ!
「いやぁ~~ん♪ ミレーヌさん素敵です~!!」
ゆっくりと胸を愛撫する。高鳴る鼓動が伝わってくる。
呼吸に淫らな色が乗ってきた。気持ちよくなってくれてるみたいで嬉しい。
あ、胸の先端が尖って硬くなってる。そっと優しく摘むと背中を逸らして感じてくれた。
やん。女の子にイタズラするのって凄く興奮するわ。私そっちの気があるのかしら?
揉み揉みムニュムニュたゆんたゆん♪
あん……。やだ、なんだか私も興奮してきちゃった。んんっお腹の奥がキュンキュンする。
楽しい、癖になりそう。
もっと気持ちよくなりましょうね。
うふふ。
優しく胸を揉みながら耳を甘く噛んでみる。甘い吐息と快感に反応する様子がとっても可愛い。
このままじっくりと耳を堪能したいけれども、ここは公衆の場。誰もいない今だけが二人きりの空間。誰かが来る前にもっと全身を愛撫してあげなくちゃ!!
そのまま唇を滑らせて耳から首筋へ舌を這わせると私の動きに合わせて体を攀じって大きく仰け反った。
「んふぁぁっーー!?」
あら? もしかして軽く逝っちゃったの?
私に体を預けるように脱力したミレーヌさん。その態勢だと大事なところが丸見えですよ?
うふふ。上手に泡で隠れてるところがなんだか漫画チックね。でも今はなくてもいいのに。私の目から隠されたミレーヌさんの秘密の花園へそっと手を伸ばす。なんだかちょっと官能的な言い回しね?
「んぁぁ……」
手が触れるとそこは石鹸じゃない蜜でとろりと濡れていた。浅いところを擽る私の指先に反応して花園の奥が物欲しそうに蠢いている。
「ミレーヌさん可愛いです……」
親指で外側を。中指で内側を刺激するとその度に甘い吐息を漏らして体を震わせる。
ミレーヌさんも快感に弱いのかな? 凄く脱力している。もっともっと気持ちよくてしてあげますね。
「ンァ、ハァ……ハァぁぁぁぁ!?」
胸と秘所を同時に刺激するとミレーヌさんの体は物凄くいい反応をする。
ホントは私も自分を慰めたいのだけれど、その反応が可愛すぎて手を離せない。
クチュクチュクチュクチュ……。
溢れる蜜がいやらしい音を立てる。
「あ、あ、あ、あ……」
声にならない声で快楽に身悶えする美女。
「ん……ちゅぱちゅぱちゅ……」
喘ぐお口が可愛すぎて塞いじゃった。そっと唇を抉じ開けて舌を入れると……んんっ!?
あらあら……自分から必死で吸い付いてきてるわ。ふふふ。ミレーヌさんも意外とエッチなのね。でもダメよ……そんなに私を吸っちゃうと一層止まれなくなっちゃいますよ?
「んーー!?」
媚薬効果はすぐに現れたみたい。軽く胸の突起をつまんだだけでまた逝っちゃいました。そしてビクンビクンと痙攣して遂には糸が切れたお人形みたいにカクンと崩れ落ちてしまう。そんなに気持ちよくなってくれるなんて嬉しいです!
クチュクチュクチュ……。
揉み揉み。
クチュクチュネチャネチャ。
揉み揉み。
(………………???)
あれ? ミレーヌさんが鳴かなくなっちゃった?
あれ、これってもしかして?
「ミレーヌさん?」
返事がない。反応もない。
どうしよう!? 気絶しちゃった!?
えっ? えっ? どうしよう!? ちょっと待って。想定外だわ!!
大変、誰かが来る前になんとかしなきゃ!!
「ーーアン!」
小さく、でもハッキリと呼びかける。
するとすぐ近くから返事が返ってきた。
「おバカ姫……さま……。んん……やりすぎです……」
「ごめんなさいアン! そうよね、私も凄く気持ちよくなってるものね……全然物足りないけど……」
「………………」
「あ、えっと、その。取り敢えずシャワーを出してくれる?」
「あとでお説教ですからね!」
「……はい」
壁にかけてあるシャワーヘッドがふわふわと向かってくる。いつもと違ってふらふらと飛んでくるのを見るとアンも大分感じてしまったみたい。
ごめんねアン。
シャワーを受け取ってミレーヌさんを綺麗に洗ってからタオルで丁寧に水気を拭き取る。
ムクムクと興奮が沸き起こるけれども今度は我慢んする。
さすがにこれ以上はダメだと理性が勝利した。アンが怖いしね。
部屋までは『浮遊』の魔法で浮かせた状態で私が抱きかかえて運んだ。お姫様抱っこね。私もされたい……。
人が少なかったから誰にも会わなかったけどちょっと反省してます。
あと、ミレーヌさんになんて謝ろう。許してもらえるかしら?
まさか年下の女の子に襲われるなんて思ってもいなかっただろうし、パーティー解散の危機かしら? 端的にいうと私がクビになるだけだけれども……やばい……わよねやっぱり?
どうしたらいいの!? とりあえず『癒しの光』かけとこう。
それからしばらくして宿のお部屋にてーー。
「ーー申し訳ございませんでした!」
私は目を覚ましたミレーヌさんに有無を言わせぬ土下座謝罪を繰り出した。
ホントは床の上でしようと思ったのだけど、それだと寝ている彼女から見えないので布団を畳んだ隣のベッドの上で実施中。
相手が今どのような表情をしているのか……。見えないというのがこんなにも恐ろしいだなんて考えたこともなかった。
シンとした部屋の中、衣擦れの音で彼女が動いたのがわかる。
覚悟を決めて目を固く閉じる。この姿勢だと殴られるか蹴られるか。いずれにしろ彼女の怒りを受ける覚悟は出来ている。
それを待つ。
気配が近づいてくる。
来るーー!?
そう構えた次の瞬間、柔らかな手が私の頭を撫でた。
「……ミレーヌ……さん?」
促されるままに顔を上げると困ったような怒ったような表情のミレーヌさんと目が合う。
「……ごめんなさい……」
「………………」
一度頷いて、今度は軽く頭を叩かれた。許してくれるのかな?
「………………」
伺うように私が見つめると、苦笑しながら頷いてくれた。
「ごめんなさい!」
ちょっと涙声。恥ずかしいわ。
思わず抱きついてしまったけれど、いやだ、薄手のシャツ一枚だから凄く抱き心地がいい。ああっっ! 手が……手が勝手にっっ!?
うううっ……ダメよ!? 我慢よ!! せっかく許してもらえたのに、ここで手を出しちゃダメ!!
「ーー!?」
葛藤していたら、急に突き放された。ビックリした。顔を上げればベッドの端まで逃げたミレーヌさんが私を睨んでいた。
「……が、我慢しました! 今、頑張って我慢しましたから!!」
「………………」
どうしよう、このままじゃ私部屋を追い出されるかもしれない。
もう一度正座をしてミレーヌさんの判断を待つことに。
彼女は荷物から取り出した紙に何かを書いて見せた。
『もうしないと約束できますか?』
と綺麗な字。勿論私は大きく頷いて約束します。
「はい! ちゃんと我慢しますから!!」
「………………」
ほんの少し……いや、かなり悩んだ様子だったけれど、ミレーヌさんはため息をついて頷いた。
とりあえず、彼女は許してくれたみたい。よかった……。
「私……ちゃんと我慢しますからね!!」
頑張ります! 拳を握りしめてポーズをとりながら、ミレーヌさんに誓いました。
大丈夫。不用意に触れたりしなければきっと我慢できます。きっと……ね?
そのような一悶着? があったけれども概ね平和な時が流れ、夕食の時間になりました。(笑)
ラーサスさんとジェイクさんが呼びにきたので支度をして一階の食堂へ。
明日に備えて美味しいご飯を食べて早めに休もう。ということで、今夜はお酒はなし。
もともと飲まないミレーヌさんと成人前の私はともかくジェイクさんは飲みたそうにしていた。でもパーティーリーダーのラーサスさんが許してくれませんでしたね。何か昔やらかしたみたいですよ、ジェイクさんたら……。
夕食後私たちは二度目のお風呂タイム。ちょっと? いやかなりミレーヌさんに警戒されながらも素早く済ませてお部屋に戻る。
他のお客さんもいるんだし、そうそうエッチないたずらはしませんよ……っていうか、我慢しますからね!?
そんなわけであっという間に就寝の準備が整った。
「ミレーヌさんおやすみなさい。灯を消しますね」
ランプの灯りを消すと部屋は真っ暗に。なんだか少し不安になってしまう。
窓にかけられたカーテンを引くと月明かりが僅かに差し込んできた。
「このままでもいいですか?」
ミレーヌさんが頷いたので、今夜はこのまま眠ることに。月が綺麗……。
その晩はなかなか寝付けなくて、いつまでも夜空の月を見つめていた。
……で終われたらなんだかとっても綺麗な物語の一節みたいで良かったのだけども……。
ぅうん……。
ああっっ!? 声を抑えていても息遣いが抑えられないっっ!!
「んぁはァァァァ……」
クチュクチュ……。
すぐ隣のベッドで眠るミレーヌさんに気付かれないようにそっと、そっと自分を慰める。
お風呂で襲っちゃったから今更かもしれないけれど、それでもこんな風に自分で自分を慰めるところは見られたくない。
恥ずかしいのに、なのにそれすらも高揚感を与えるスパイスのようでドキドキが止まらない。
声を上げないように手で口を押さえて、でももう一方の手はまるで声を上げさせようとするかのように執拗に敏感な部分を捏ねまわす。摘んで、擦り上げて、入り口に指を差しこんで……。
クチュリクチュリ。
布団で覆っていても聴こえてしまいそうなくらいに音がする。
鼓動に合わせて布団に擦れる胸の先端が切なくて、口元の手を離してしまいそうになる。でも、離したらきっと声を押さえられない。こんなの……こんなのただの変態よね!?
あ、あ、あ……イク……逝っちゃう! あぁぁ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁ!!
「ーーんんんっっ!!」
ピンと伸びた足がガクガクと震える。そのまま荒い息が収まるまで身じろぎもせずに月を眺める。
私……。
「……何でこんな体になっちゃったのかな……」
呟くと涙が頬を流れ落ちた。
ーーーーー
2021.02.16改稿
誤字脱字のチェックと加筆修正致しました。
ああ~早く入りたいわ。もう、こんなに嬉しい気持ちになるだなんて……。
しかも数日振りのお風呂が温泉だなんて凄い幸運よね。露天風呂もあるらしいし、これはちょっと何日かゆっくりしたいわよね。
というわけで部屋に荷物を置いて早速温泉へ向かう事にした。宿の奥から渡り廊下を抜ければお湯の匂いが次第にハッキリとしてくる。ああっ!! たまらないわっ!!
女性のシルエットの描かれた赤の暖簾をくぐればそこはもう楽園の入り口。
まだ早い時間だからか脱衣所はガランとしていた。幸運は続くものなのかしら? これはひょっとすると貸切状態かもしれない!?
控えめに言って最高ね!!
「ミレーヌさん、私たちだけかもしれませんね!」
衣服を脱ぎながらミレーヌさんに話しかける。いや返事は返ってきませんよ。でも、表情でわかりますよ! だって私と一緒で嬉しそうなんだもの!!
温泉最高!! イェイ!!
「そういえばミレーヌさんは以前もここに立ち寄ったことがあるんですよね? どうでした、いいお湯でしたか?」
問いかけるとにこりと微笑みを浮かべて小さく頷いた。いやぁん。可愛いんですけど!!
年上の女性に可愛いとか言うと失礼かもしれないけれど、ミレーヌさんはとても若々しくて綺麗なお姉さん。どちらかといえばクールな美人系の顔立ちなんだけれど、仕草とかが可愛らしい。もしかしたらお姉さんとかいるのかもしれない。
ところでミレーヌさんて何歳なんだろう? 見た目はかなり若いのだけれど、でもおっさん達とパーティー組んでるくらいだから、二十代半ばくらいよね?
セミロングの黒髪ストレート。体も引き締まっていて……あ、意外と胸が大きい。衣服や装備で隠れていたけれど……私より大きいわね。
私も順調に育っているけれど、はたしてどこまで大きくなることやら。俺の好みはあまり極端な巨乳ではないのでほどほどのボリュームでおさまって欲しいと思っている。
だからミレーヌさんくらいか、もう少しか。私自身の体のバランスにもよるけれど、胸やお尻には変化を感じるけれど、身長は最初に育って以降あまり変わっていないような気がする。だからC~Dカップくらいが丁度いいのかもしれない。
それにしても柔らかそうだ。自分の胸を触ってもあまり気持ちがいいとは思わない。まぁ先っぽをクニュクニュしたら気持ちいいのだけれど……。それはちょと姫としてはねぇ?
だからこんな美人のお姉さんの裸にはちょっとそそられるものがありますねぇ。(笑)
「………………」
ムフフフ……。
あっ!? タオルで隠されちゃった!?
同性でもこんなにもジロジロ見られたらやっぱり恥ずかしいわよね。
「えへへ」
笑って誤魔化しつつ私もタオルで体を隠した。
「……ごめんなさい。ミレーヌさんが素敵だったのでつい見惚れてしまいました」
多分きっと誤魔化せてないと思うので、正直にお詫びもしておいた。
あ、ミレーヌさん顔赤くなってる。いやぁ~ギュってしたい!
このままでは私は私を抑えられないかもしれない。(笑)
「えっと……入りましょうか?」
温泉へと続く扉は白く湯気で曇っていた。
ガラガラと小気味よい音をさせて開けばそこにはーー!!
石と木で組まれた温泉が待ち受けていたーー!!
「わぁーーー!?」
思っていたよりも広くて、綺麗。そして風情がある!!
この世界のいいところはファンタジーなのに妙に現代ぽいところ。だからガラスの扉とかも普通にあるし、理屈はわからないけれどシャワーだってある。温泉もある!!
「行きましょう、ミレーヌさん!」
ワクワクする気持ちが止められない。キラリ姫も俺くんもお風呂大好き。そんな二人の記憶を持つ私もやっぱりお風呂が好き。だってもの凄くテンションが上がっているもの。
ヤバイ! 超興奮してきたんですけどぉ!!
はやる気持ちをコントロールしてちゃんとすべき事をする。みんなが楽しむためにはこういうマナーは凄く大切。
だからしっかり掛け湯をして体の汚れを落としてから広い湯船に浸かる。
「フゥゥ~~~」
ちょうどいい湯加減で、思わず声が出ちゃいました。
見上げるといい具合に年月を経た木造の梁や屋根が目に入る。それを支える太い丸太の柱がものすごくいい。
怪我をしないように加工された岩で組まれた湯船も凄く風情があって……そう、まるで老舗旅館の自慢の湯みたいな感じ。
手入れが行き届いている事を感じると俄然テンションが上がってきます。
温泉最高! お湯の香も、肌触りも、温かさも!! 全部最高!!
(ああっ……きもちよすぎるぅぅぅっっっ!!)
しばらくお湯を堪能していると洗い場の方からパシャパシャと水音が聞こえてきた。
視線を向ければそこには!! 立ち上る湯けむりを纏う黒髪美女の艶姿がっ!!
「ミレーヌさん……綺麗……」
小さな椅子に腰掛けたその姿がまるで人魚のようで思わず感嘆のため息と言葉が溢れていた。そんな私の呟きが聞こえてしまったのか、私から見えない洗い場の奥へと逃げるように移動してしまう。
残念すぎる……もっとしっかり隅々まで堪能したかったのに!!
「姫さま……あまり女性の裸を凝視するものではありませんよ!」
「はーい」
耳元でアンのお叱りの声を頂戴しちゃいました。だからと言って反省も後悔もしていませんけどねっ!!
美しいものを愛でたいと思う気持ちに貴賎はない!! だから私は堂々と主張する!! もっと見たいと!!
(………………)
だからといってさっきの今で後を追うのも色々と面倒そうだし……。どうしたものかしらねぇ?
とりあえず手足を伸ばしてもう少し温泉を堪能する。とっても気持ちがいい……。
一つの欲求が満たされると次の新たなる欲求を満たしたくなるものよね!?
「……アンもゆっくりお湯に浸かりなさいね。温泉だなんて次はいつになるかわからないから。ホント気持ちがいいわね……」
「はい、姫さま」
ゲームではほんの僅かな時間でストーリーを進めていく事ができるけれど、現実ではそうはいかない。準備や移動、そして実際の冒険。ここまでの旅でそういう事がよくわかった。
魔狼の森ではなんだかんだ言ってかなり幸運だったのだと思う。
下手をすれば最初のスライムに溶解されていてもおかしくなかった。それなのに無事に解放されて、次は魔狼王に助けられた。いや、まぁマロちゃんを助けたお礼ってことにはなっているけれど、少し過剰なくらいのお礼をもらってしまったと思う。何より旅に必要な所持品やお金などの物資は本当に助かった。
あれがなければそもそも冒険者登録まで漕ぎ着けられなかったかもしれない。
幸運に感謝しなければいけない。そしてこれからも幸運が続くとは限らないし、それを期待してもいけないと思う。これまで以上に気を引き締めて行きましょう。
「アン……しばらくは不自由かもしれないけれど……頼むわね」
「ご心配なく。私は常に姫さまのお側に隠れております。気付かれるようなヘマは致しませんが……いざとなれば私の存在が知られるとしても行動致しますからね」
「私もよ。あなたを守るためなら手段は選ばないわ。最後まで私のそばに居てもらうからね」
ふふふ。相手を大切に思っているのはあなただけではないわよアン。
「さてと、私も体を洗ってくるわね……」
ミレーヌさんはまだこちらに来ていない。それはつまりまだ体を洗っているという事。まだチャンスだという事!
アンを湯船に残して私は洗い場の方へと忍び寄る。人気がないおかげで何処にいるのかはすぐにわかった。
右手奥。ミレーヌさんは今髪を洗っている最中だった。頭の上で手が動くたびに胸元で柔らかなマシュマロがたゆんたゆんと揺れる。
これは……。
「ゴクリ……」
生唾ゴックンモノね、堪らないわっ!!
そしてまぁ~なんて無防備で素敵なお姿なのかしら。背中を伝う泡がなんとも言えない艶を感じさせますねぇ。
これはちょっと放ってはおけないレベルですねぇ。据え膳食わぬはなんとやら。
ああっっ!? エ○チなスキルが悪さをしちゃうわっ!! ダメよキラリ! 抵抗しなくちゃいけないわっ!!
なんてね。うふふ。いたずら心に火が灯っちゃった!
後ろからそっと、気づかれないように……えいっ!!
「ーー!?」
優しく抱きついてみた。
両腕で包み込みように優しく優しく。
「ミレーヌさん」
耳元で呼びかける。シャンプーの真っ最中だから誰かわからないと怖いでしょ?
でも大丈夫。私ですよ~キラリですよ~。
心配いりませんよ~。(笑)
強張っていた体から緊張が解けていく。
物凄く驚いた反応だった割には硬直しただけ。声をかける前からだから私だと気がついていたのかもしれない。
でもまさかいきなり抱きつかれるとは思わなかったみたいね。だから今もそういう戸惑いは感じているような気がする。
「ミッレェーヌさん♪」
ふふふ♪ 裸同士だからピタッとくっついて気持ちがいい。
でもでも、抱きつくだけでは終わりませんよ~。胸を圧し潰すくらいに体を密着させて彼女の体に指を這わせる。そして大きな胸を下から掬い上げるように揉みしだくとーー!?
「んはぁぁ……」
ぃやぁん♪ 凄く可愛らしい吐息がこぼれましたよ!
「いやぁ~~ん♪ ミレーヌさん素敵です~!!」
ゆっくりと胸を愛撫する。高鳴る鼓動が伝わってくる。
呼吸に淫らな色が乗ってきた。気持ちよくなってくれてるみたいで嬉しい。
あ、胸の先端が尖って硬くなってる。そっと優しく摘むと背中を逸らして感じてくれた。
やん。女の子にイタズラするのって凄く興奮するわ。私そっちの気があるのかしら?
揉み揉みムニュムニュたゆんたゆん♪
あん……。やだ、なんだか私も興奮してきちゃった。んんっお腹の奥がキュンキュンする。
楽しい、癖になりそう。
もっと気持ちよくなりましょうね。
うふふ。
優しく胸を揉みながら耳を甘く噛んでみる。甘い吐息と快感に反応する様子がとっても可愛い。
このままじっくりと耳を堪能したいけれども、ここは公衆の場。誰もいない今だけが二人きりの空間。誰かが来る前にもっと全身を愛撫してあげなくちゃ!!
そのまま唇を滑らせて耳から首筋へ舌を這わせると私の動きに合わせて体を攀じって大きく仰け反った。
「んふぁぁっーー!?」
あら? もしかして軽く逝っちゃったの?
私に体を預けるように脱力したミレーヌさん。その態勢だと大事なところが丸見えですよ?
うふふ。上手に泡で隠れてるところがなんだか漫画チックね。でも今はなくてもいいのに。私の目から隠されたミレーヌさんの秘密の花園へそっと手を伸ばす。なんだかちょっと官能的な言い回しね?
「んぁぁ……」
手が触れるとそこは石鹸じゃない蜜でとろりと濡れていた。浅いところを擽る私の指先に反応して花園の奥が物欲しそうに蠢いている。
「ミレーヌさん可愛いです……」
親指で外側を。中指で内側を刺激するとその度に甘い吐息を漏らして体を震わせる。
ミレーヌさんも快感に弱いのかな? 凄く脱力している。もっともっと気持ちよくてしてあげますね。
「ンァ、ハァ……ハァぁぁぁぁ!?」
胸と秘所を同時に刺激するとミレーヌさんの体は物凄くいい反応をする。
ホントは私も自分を慰めたいのだけれど、その反応が可愛すぎて手を離せない。
クチュクチュクチュクチュ……。
溢れる蜜がいやらしい音を立てる。
「あ、あ、あ、あ……」
声にならない声で快楽に身悶えする美女。
「ん……ちゅぱちゅぱちゅ……」
喘ぐお口が可愛すぎて塞いじゃった。そっと唇を抉じ開けて舌を入れると……んんっ!?
あらあら……自分から必死で吸い付いてきてるわ。ふふふ。ミレーヌさんも意外とエッチなのね。でもダメよ……そんなに私を吸っちゃうと一層止まれなくなっちゃいますよ?
「んーー!?」
媚薬効果はすぐに現れたみたい。軽く胸の突起をつまんだだけでまた逝っちゃいました。そしてビクンビクンと痙攣して遂には糸が切れたお人形みたいにカクンと崩れ落ちてしまう。そんなに気持ちよくなってくれるなんて嬉しいです!
クチュクチュクチュ……。
揉み揉み。
クチュクチュネチャネチャ。
揉み揉み。
(………………???)
あれ? ミレーヌさんが鳴かなくなっちゃった?
あれ、これってもしかして?
「ミレーヌさん?」
返事がない。反応もない。
どうしよう!? 気絶しちゃった!?
えっ? えっ? どうしよう!? ちょっと待って。想定外だわ!!
大変、誰かが来る前になんとかしなきゃ!!
「ーーアン!」
小さく、でもハッキリと呼びかける。
するとすぐ近くから返事が返ってきた。
「おバカ姫……さま……。んん……やりすぎです……」
「ごめんなさいアン! そうよね、私も凄く気持ちよくなってるものね……全然物足りないけど……」
「………………」
「あ、えっと、その。取り敢えずシャワーを出してくれる?」
「あとでお説教ですからね!」
「……はい」
壁にかけてあるシャワーヘッドがふわふわと向かってくる。いつもと違ってふらふらと飛んでくるのを見るとアンも大分感じてしまったみたい。
ごめんねアン。
シャワーを受け取ってミレーヌさんを綺麗に洗ってからタオルで丁寧に水気を拭き取る。
ムクムクと興奮が沸き起こるけれども今度は我慢んする。
さすがにこれ以上はダメだと理性が勝利した。アンが怖いしね。
部屋までは『浮遊』の魔法で浮かせた状態で私が抱きかかえて運んだ。お姫様抱っこね。私もされたい……。
人が少なかったから誰にも会わなかったけどちょっと反省してます。
あと、ミレーヌさんになんて謝ろう。許してもらえるかしら?
まさか年下の女の子に襲われるなんて思ってもいなかっただろうし、パーティー解散の危機かしら? 端的にいうと私がクビになるだけだけれども……やばい……わよねやっぱり?
どうしたらいいの!? とりあえず『癒しの光』かけとこう。
それからしばらくして宿のお部屋にてーー。
「ーー申し訳ございませんでした!」
私は目を覚ましたミレーヌさんに有無を言わせぬ土下座謝罪を繰り出した。
ホントは床の上でしようと思ったのだけど、それだと寝ている彼女から見えないので布団を畳んだ隣のベッドの上で実施中。
相手が今どのような表情をしているのか……。見えないというのがこんなにも恐ろしいだなんて考えたこともなかった。
シンとした部屋の中、衣擦れの音で彼女が動いたのがわかる。
覚悟を決めて目を固く閉じる。この姿勢だと殴られるか蹴られるか。いずれにしろ彼女の怒りを受ける覚悟は出来ている。
それを待つ。
気配が近づいてくる。
来るーー!?
そう構えた次の瞬間、柔らかな手が私の頭を撫でた。
「……ミレーヌ……さん?」
促されるままに顔を上げると困ったような怒ったような表情のミレーヌさんと目が合う。
「……ごめんなさい……」
「………………」
一度頷いて、今度は軽く頭を叩かれた。許してくれるのかな?
「………………」
伺うように私が見つめると、苦笑しながら頷いてくれた。
「ごめんなさい!」
ちょっと涙声。恥ずかしいわ。
思わず抱きついてしまったけれど、いやだ、薄手のシャツ一枚だから凄く抱き心地がいい。ああっっ! 手が……手が勝手にっっ!?
うううっ……ダメよ!? 我慢よ!! せっかく許してもらえたのに、ここで手を出しちゃダメ!!
「ーー!?」
葛藤していたら、急に突き放された。ビックリした。顔を上げればベッドの端まで逃げたミレーヌさんが私を睨んでいた。
「……が、我慢しました! 今、頑張って我慢しましたから!!」
「………………」
どうしよう、このままじゃ私部屋を追い出されるかもしれない。
もう一度正座をしてミレーヌさんの判断を待つことに。
彼女は荷物から取り出した紙に何かを書いて見せた。
『もうしないと約束できますか?』
と綺麗な字。勿論私は大きく頷いて約束します。
「はい! ちゃんと我慢しますから!!」
「………………」
ほんの少し……いや、かなり悩んだ様子だったけれど、ミレーヌさんはため息をついて頷いた。
とりあえず、彼女は許してくれたみたい。よかった……。
「私……ちゃんと我慢しますからね!!」
頑張ります! 拳を握りしめてポーズをとりながら、ミレーヌさんに誓いました。
大丈夫。不用意に触れたりしなければきっと我慢できます。きっと……ね?
そのような一悶着? があったけれども概ね平和な時が流れ、夕食の時間になりました。(笑)
ラーサスさんとジェイクさんが呼びにきたので支度をして一階の食堂へ。
明日に備えて美味しいご飯を食べて早めに休もう。ということで、今夜はお酒はなし。
もともと飲まないミレーヌさんと成人前の私はともかくジェイクさんは飲みたそうにしていた。でもパーティーリーダーのラーサスさんが許してくれませんでしたね。何か昔やらかしたみたいですよ、ジェイクさんたら……。
夕食後私たちは二度目のお風呂タイム。ちょっと? いやかなりミレーヌさんに警戒されながらも素早く済ませてお部屋に戻る。
他のお客さんもいるんだし、そうそうエッチないたずらはしませんよ……っていうか、我慢しますからね!?
そんなわけであっという間に就寝の準備が整った。
「ミレーヌさんおやすみなさい。灯を消しますね」
ランプの灯りを消すと部屋は真っ暗に。なんだか少し不安になってしまう。
窓にかけられたカーテンを引くと月明かりが僅かに差し込んできた。
「このままでもいいですか?」
ミレーヌさんが頷いたので、今夜はこのまま眠ることに。月が綺麗……。
その晩はなかなか寝付けなくて、いつまでも夜空の月を見つめていた。
……で終われたらなんだかとっても綺麗な物語の一節みたいで良かったのだけども……。
ぅうん……。
ああっっ!? 声を抑えていても息遣いが抑えられないっっ!!
「んぁはァァァァ……」
クチュクチュ……。
すぐ隣のベッドで眠るミレーヌさんに気付かれないようにそっと、そっと自分を慰める。
お風呂で襲っちゃったから今更かもしれないけれど、それでもこんな風に自分で自分を慰めるところは見られたくない。
恥ずかしいのに、なのにそれすらも高揚感を与えるスパイスのようでドキドキが止まらない。
声を上げないように手で口を押さえて、でももう一方の手はまるで声を上げさせようとするかのように執拗に敏感な部分を捏ねまわす。摘んで、擦り上げて、入り口に指を差しこんで……。
クチュリクチュリ。
布団で覆っていても聴こえてしまいそうなくらいに音がする。
鼓動に合わせて布団に擦れる胸の先端が切なくて、口元の手を離してしまいそうになる。でも、離したらきっと声を押さえられない。こんなの……こんなのただの変態よね!?
あ、あ、あ……イク……逝っちゃう! あぁぁ、あ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁ!!
「ーーんんんっっ!!」
ピンと伸びた足がガクガクと震える。そのまま荒い息が収まるまで身じろぎもせずに月を眺める。
私……。
「……何でこんな体になっちゃったのかな……」
呟くと涙が頬を流れ落ちた。
ーーーーー
2021.02.16改稿
誤字脱字のチェックと加筆修正致しました。
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