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13話 彼女を独占しろ
しおりを挟むソランとパーティを組んだ初日。森の奥へ進んだ俺たちは魔界への入り口、魔障門を見つけた。
どこからどう見ても「どこ◯もドア」にしか見えないピンク色の扉。ご丁寧にドアノブまで付いていらっしゃる。
魔界への扉って言ったら普通、禍々しい黒い門でゲートの上にはドクロなんかが付いていて、扉は開けっ放しで入り口はグニャグニャと渦を巻いている、そんなのが相場だろう。
それが、ピンク色の秘密道具と同じ外観とは....きっとゲートを作ったヤツは相当なイカレ頭なんだろう。
「ソラン、魔障門を通ったことはあるか?」
「いえ、ありません....」
扉の向こうがどうなっているのか分からんのに、進むという選択肢はないだろう。引き返す以外の選択肢はない。色々情報を揃えてから来るべきだ。
「魔界ってのがどうなってるか俺も知らないんだよな」
「門によって出る場所が大きく違うらしいですし、同じ門でも入るタイミングによって出る場所が少し変わるそうです。私も初心者教習で教わったくらいの知識しかありません」
なるほど、と俺は考え込む。
「大きく違うとか、少し変わるとか....そいつの程度が分からんことには入りたくないな。今すぐゲートに飛び込むような無茶をする必要はないだろう」
「はい」
「今日はもう良い時間だし、そろそろ引き返すか」
「わかりましたタクロウ様!」
俺たちは反転、拠点のトィールを目指した。命は1つしかない。君子危うきに近寄らずだ。
「すごい.....1日で銀貨が35枚だなんて.....」
ソランが今日の討伐報酬を手にして震えている。俺はいつもそれくらいだから凄さが分からんけどな。高級娼館に何度か行ける額ではあるから、それなりの大金なんだろうが。
「前の稼ぎと比べてどうだ?人頭税は払えそうか?」
「スライムを狩っていた時の10倍以上です。タクロウ様、ありがとうございます!」
冒険者ギルドの中ではタクロウと呼んで欲しくないんだが、いま細かいこと言ってもしょうがねえな。後できっちり教え込むか。
「そりゃ良かった。ただ、明日は休みにして、ソランはさっきの魔障門の先がどうなってるか、冒険者ギルドで調べてくれ。明後日からは今日と同じように狩りを再開しよう」
「はい!分かりました!」
良い返事だな。素直で良い子だ。こんなに色々やってくれるなら下手な奴隷を従えるより、よっぽど頼りになっているだろう。
そし明日は休みだ。今夜はアリナ嬢とパコパコして、明日はぐっすりお休みしよう。我ながら素晴らしいスケジュールだ。
しかし、事は思うように進まなかった。
この世界にはパソコンなんてない。冒険者ギルドの膨大な書類の中から、西側のゲートの情報を探し当てては、報告書を読み解いてメモを取る。ソランは地道にその作業を繰り返すしかなかった。
冒険者ギルドが代行してくれれば良いのだが、そんなサービスは無いらしい。乳首ドリルなんかやってる暇があるなら、まずは基本をしっかりやって欲しいものだ。
しかし俺が怒鳴りこんで冒険者ギルドを改革する訳にもいかない。
目立たずに実績を積み、冒険者ギルドの責任者(ギルドマスター)に認められて冒険者証を正式なものに昇格させなければならないのだから。
よく考えたら、意外と難しいなコレ。
だからこそ、ゲートに潜っての魔物狩りは是が非でもやり遂げたい所ではある。頑張れソラン、なんとか情報を集めてくれ。
つまり、ひらたく言えば時間がかかったという話だ。
1日魔物狩りをして、1日調べ物をする、そんなサイクルの生活が2週間続いたかどうかという所で、ようやく変化が訪れた。
「あの、タクロウ様.....お話があるのですが....」
ベッドの上で仰向けに寝ている俺。そんな俺に抱き寄せられているアリナが、そう囁いた。
そう、変化があったのは調べ物の方ではない。パコパコの方だ。
「どうした?」
「あの....その....ですね」
言いにくいことだろうか。いつも柔らかい雰囲気で俺を癒してくれるアリナにしては、こんな態度は珍しいどころか初めてかもしれない。
思えば俺が風呂に入らないまま来店しても何も言わなかった彼女だ。何を言いあぐねているのか急に気になってしまう。まさか....いや....アレじゃないよな?
「まさか子供ができたとかじゃないよな?」
「い、いえ。それは避妊の魔法をかけてますから大丈夫です」
やはり避妊の魔法なんてあるのか。異世界はサイコーですわ。クソったれな世界とかいつも文句言っててすまんな。
「タクロウ様、最近ずっと1日おきに来店されて、私をご指名してくださってますよね?他の娘には興味がないんですか?」
「無いと言えば嘘になるが、アリナがお気に入りだからな」
嘘はついてない。本当にお気に入りだ。
この奥ゆかしい喋り方、柔らかい態度、気遣い、ゆるふわセミロング、可愛い前髪、胸は大きくも小さくもないが、締まったボディライン、感度、声、全部が良い。アリナの全部が気に入っている。
「もう..... 恥ずかしいです....♡」
「事実だからな。しかしそんなことを口にするなんて珍しいな。なにかあったのか?」
少し黙ってから、再び話し始めるアリナ。
「あのですね。オーナーから、そこまで熱心に来てくださる方がいるなら、専属嬢になったらどうかと」
「専属嬢って........まさかそういうことか?」
「はい....その、私は今後タクロウ様だけをお相手して、他の客を取らない、ということです」
アリナを独占できる?なんだその嬉しいサービスは。そんなの断る理由あるのか?
ああ、そうすると他の娘にチェンジできないとかデメリットがあるのかもな。だから言い淀んでいたと。
「私はこの娼館の中で一番の年増女ですし、私を指名してくれる奇特なお客様というのは殆どおられなかったので......。私としてはどちらでも良いのですが、タクロウ様が他の娘を指名しづらくなるのでご迷惑ではないかと」
「アリナ、俺の専属嬢になってくれ」
「本当に?宜しいんですか?」
「ああ」
「タクロウ様、私、嬉しいです。。」
そういうと、俺の体に顔をうずめて震えているようだった。顔も赤くなっているようだ。こういうところが実に可愛らしい。
別に後悔はない。彼女とは十数回とパコパコしたが一向に飽きないんだ。たぶんこの先も飽きないだろう。だからこれで良い。
俺だけの嬢になってしまったアリナ。プライベートでの関係がある訳ではないが、彼女の反応を見ていると、何となく、殆どプライベートな関係に近くなっているような気がしてきた。
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