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温室育ちの彼女の想い
彼女の決意
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「あれが本気の彼女……」
窓越しに見るアリアの戦いに、エリシアはただ圧倒されていた。
二人で剣の訓練をしていた時、同等とはいかなくとも、かなりいい線はいっていると感じていた。しかしそれはアリアがこちらに合わせていたのだと、エリシアは思い知らされてしまった。
「いや、あんなもんじゃねぇよ。見ろ。あいつはさっきから敵の魔法を逸らせて鞘で殴ってるだけだ。しかも丁寧に死なないように」
「どうしてそんな……」
エリシアの疑問に、クラガは少し考えて答えた。
「お前あれだろ、アリアに付きまとってた魔法の使えないエルフって」
「なっ! ……まあ、その、否定はしませんが……えぇ」
「普通の神経で考えりゃあな、んなもんめんどくせぇ以外の何もんでもないんだよ。意気揚々と任務か訓練か知らねぇけど、自分のやろうとしてることが邪魔される。端的にいって最近のあいつはそういう状態だったんだ」
「…………」
「……ただそりゃあ外から見た限りの話だ。あいつこの前言ってたぜ? 新しい友達が出来た。良い人だし剣術も俺とは違って出来るから色んなことが一緒に出来て嬉しいってな。つまりあいつは、底抜けにいい奴なんだよ。自分を襲ってくる奴にも手心加えちまうくらい、抜けすぎたくらいにな」
「アリアさん……」
そう呟くエリシアの目には少し涙が浮かんでいた。
「ま、あいつがあの程度に負けるこたぁねぇだ……な!?」
「どうしまし……きゃ!」
エリシアが涙を拭い外を見ようとした時、強烈な爆風が襲いクラガに押し倒された頭上を粉砕されたガラスが通り抜けた。
「だっ、大丈夫ですの!?」
「ああ。それよりアリアだ! あいつ等三人がかりでアリア捕まえて自爆しやがった!」
「なっ……!」
その言葉にエリシアは耳を疑った。
確かに自爆魔法というものがあることは知っている。体内に一時的に許容量を大幅に超える魔力を無理矢理取り込み、体内を高速で循環させ、そして限界を超えた肉体は膨張し大量の魔力を炎系の魔法に変換し破裂する、最悪の魔法。
そんな魔法を密着している至近距離で、それも三人同時になんてアリアが無事な筈ではない!
エリシアは縋るように、窓から外を震えながら除く。
目に入ったのは大きく抉れた地面。舞い上がる黒煙。肉の焦げたような吐き気を催す臭い。そして黒煙の隙間から一瞬見えた――横たわり動かない金髪の少女の姿。
「……っ!」
何か気持ち悪い感情が胸で渦巻き、その感情に任せて外へ出ようとするエリシアの腕をクラガは掴んで止めた。
「待て! 落ち着け!」
「放しなさい! 彼女を助けなければ!」
「だから落ち着けって!」
掴みとめるクラガを睨み、エリシアは叫んだ。
「私はアルガーン王国エルフ族第三皇女、エリシア・ノクトアール! 私には貴族としてこの国の民を、友人としてアリアを助ける責任があるのです! それとも貴方は、彼女は既に死んでいる、無駄なことはやめろというのですか!?」
「ああもう、聞いてた通りだな! 無駄に責任感と義務感が強い我儘貴族様! テメェ丸腰で飛び出そうとしてただろうが! 情けねぇが俺にはまともに戦えねぇ。だからこれであいつを助けてやってくれ」
そう言ってクラガはエリシアにそれを手渡した。
「これは……」
「あいつが前頼んできたんだよ。ったく。どうすりゃこんなん思いつくんだろうな。……あいつらしいと言えばらしいが」
優しく笑みを浮かべるクラガにエリシアも同意し、クラガから、アリアが自分のために用意してくれた武器を握りしめ彼女は駆け出した。
窓越しに見るアリアの戦いに、エリシアはただ圧倒されていた。
二人で剣の訓練をしていた時、同等とはいかなくとも、かなりいい線はいっていると感じていた。しかしそれはアリアがこちらに合わせていたのだと、エリシアは思い知らされてしまった。
「いや、あんなもんじゃねぇよ。見ろ。あいつはさっきから敵の魔法を逸らせて鞘で殴ってるだけだ。しかも丁寧に死なないように」
「どうしてそんな……」
エリシアの疑問に、クラガは少し考えて答えた。
「お前あれだろ、アリアに付きまとってた魔法の使えないエルフって」
「なっ! ……まあ、その、否定はしませんが……えぇ」
「普通の神経で考えりゃあな、んなもんめんどくせぇ以外の何もんでもないんだよ。意気揚々と任務か訓練か知らねぇけど、自分のやろうとしてることが邪魔される。端的にいって最近のあいつはそういう状態だったんだ」
「…………」
「……ただそりゃあ外から見た限りの話だ。あいつこの前言ってたぜ? 新しい友達が出来た。良い人だし剣術も俺とは違って出来るから色んなことが一緒に出来て嬉しいってな。つまりあいつは、底抜けにいい奴なんだよ。自分を襲ってくる奴にも手心加えちまうくらい、抜けすぎたくらいにな」
「アリアさん……」
そう呟くエリシアの目には少し涙が浮かんでいた。
「ま、あいつがあの程度に負けるこたぁねぇだ……な!?」
「どうしまし……きゃ!」
エリシアが涙を拭い外を見ようとした時、強烈な爆風が襲いクラガに押し倒された頭上を粉砕されたガラスが通り抜けた。
「だっ、大丈夫ですの!?」
「ああ。それよりアリアだ! あいつ等三人がかりでアリア捕まえて自爆しやがった!」
「なっ……!」
その言葉にエリシアは耳を疑った。
確かに自爆魔法というものがあることは知っている。体内に一時的に許容量を大幅に超える魔力を無理矢理取り込み、体内を高速で循環させ、そして限界を超えた肉体は膨張し大量の魔力を炎系の魔法に変換し破裂する、最悪の魔法。
そんな魔法を密着している至近距離で、それも三人同時になんてアリアが無事な筈ではない!
エリシアは縋るように、窓から外を震えながら除く。
目に入ったのは大きく抉れた地面。舞い上がる黒煙。肉の焦げたような吐き気を催す臭い。そして黒煙の隙間から一瞬見えた――横たわり動かない金髪の少女の姿。
「……っ!」
何か気持ち悪い感情が胸で渦巻き、その感情に任せて外へ出ようとするエリシアの腕をクラガは掴んで止めた。
「待て! 落ち着け!」
「放しなさい! 彼女を助けなければ!」
「だから落ち着けって!」
掴みとめるクラガを睨み、エリシアは叫んだ。
「私はアルガーン王国エルフ族第三皇女、エリシア・ノクトアール! 私には貴族としてこの国の民を、友人としてアリアを助ける責任があるのです! それとも貴方は、彼女は既に死んでいる、無駄なことはやめろというのですか!?」
「ああもう、聞いてた通りだな! 無駄に責任感と義務感が強い我儘貴族様! テメェ丸腰で飛び出そうとしてただろうが! 情けねぇが俺にはまともに戦えねぇ。だからこれであいつを助けてやってくれ」
そう言ってクラガはエリシアにそれを手渡した。
「これは……」
「あいつが前頼んできたんだよ。ったく。どうすりゃこんなん思いつくんだろうな。……あいつらしいと言えばらしいが」
優しく笑みを浮かべるクラガにエリシアも同意し、クラガから、アリアが自分のために用意してくれた武器を握りしめ彼女は駆け出した。
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