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パーティ結成
目覚め
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オーガの戦闘スタイルは単純明快。向かってくる者には嬉々として迎え撃ち、逃げる者は失望し捻り潰す。ただそれだけだ。
だが暴走状態のオーガはその傾向がより強まった印象を受ける。
天井を蹴り急降下しながら着地地点のオーガに斬り付けようと如月を構える。そして振り下ろそうとした瞬間、オーガの背中にクラガの放った氷塊がぶつかる。ただそれだけで、迎え撃とうとした目前に迫る刀を無視して後方の離れた位置にいるクラガに狙いを変えてしまう。
こちらに背を向け、隙だらけのオーガ。だがそれでも、斬り下ろした如月は空を切った。一瞬にして飛び出し、オーガは既にクラガの目前にまで迫っている。
「させません!」
オーガが拳を握った直後、エリシアの炎弾に襲われ、再び標的を変更し飛び出す。度重なる突く様な攻撃に苛立ちを抱いているのか、オーガから発せられる殺意を孕んだ魔力がより強まるのを感じる。
俺はエリシアの炎玉が発せられるより早く動き、エリシアへ向かっていたオーガの前に滑り込み全力で正面から切り付ける。かなりの切れ味を誇るはずの如月の刃を、しかしオーガは素手で受け止めてしまう。
オリハルコンから作られた如月の本質は魔耐性と強度だ。その二つがあるからこそ邪竜黒獄炎やそれを宿した不知火と一緒に使えるし、オーガの一撃を受け止めることが出来る。だがそれ以外、切れ味に関してはそのレベルには及ばない。勿論クラガのスキルで作ったものだからかなりのものだが、オーガに決定打を与えるには一歩及ばない。
鋼のような熱い筋肉。黒い剛毛。暴走によりそれらがより強化され、まさに鎧と化している。それに加え、先ほどから何度も斬り付けているが、受け止めるだけではなく横に受け流される。多分普段は脳筋だから使ってないだけで、力だけでなく技術という面でも相当な力量なのだろう。普段出していないそれが暴走によって出ている……一周回って冷静になってる感じか?
そして再びクラガが攻撃を当て、俺かエリシアがまた当てを繰り返す。かなり情けない戦い方だが、俺はともかく二人は一発食らったら終わりだ。俺一人で戦えたら一番いいが、正直やれる気がしない。
もう何度目だろうか。戦闘開始からかなりの時間がたっている気がする。改めてオーガの様子を見るが目立つ傷どころか、疲労の気配さえない。こちらはその逆だ。まだ誰も攻撃を受けてはいないが、単純な疲労だけではなく一撃食らったら終わりという恐怖が過剰に体力と精神力を削り取る。
長引かせるのは不味い。いっそ不知火の開闢の焔で一気に……いや、この閉鎖空間であの焔は二人も危険だ。非難してもらおうにもオーガが見逃す保証もないし、それまで俺が足止めできる自信もない。
行きつく間もない戦闘の中、必死に思考を回していた最中、突然オーガが動きを止めた。確かめるように俺、クラガ、エリシアと視線を動かす。
……なんだ?
かと思えばいきなりエリシアに向かって飛び出す。不意だったので少し出遅れたが、十分間に割り込める。そう思って俺も駆け出したが。
――止まれ!
え?
真っ直ぐエリシアを狙っていた視線がいきなり俺を捉えた。既に互いが互いの間合いに入っている。だが割り込んで止めようとしていた俺より、初めから俺を狙っていたオーガの方が先手を得た。
「ガァァアアッ!!」
獣の様な咆吼。オーガは俺の腕を乱雑に掴み、足掻くことも許さないと直ぐさま力任せに地面に叩き付け、踏みつけ、殴りつけ、持ち上げると最後に渾身の力で殴り飛ばした。
「アリア!」
悲鳴のような声音で誰かが呼ぶ。壁に叩き付けられた感覚はあるが痛みが来ない。オーガがエリシアの方に向かっている気配は分かるのに、指先すら動かない。
――当然だ。今のあやつの攻撃は全てが必殺。あの一瞬で四回死んだことと変わりない。
けど行かないと……二人が……。
――……元はといえば我の蒔いた種。いい機会だ。少し下がっておれ。
その言葉を最後に、俺の意識は後方へと飛ばされた。
だが暴走状態のオーガはその傾向がより強まった印象を受ける。
天井を蹴り急降下しながら着地地点のオーガに斬り付けようと如月を構える。そして振り下ろそうとした瞬間、オーガの背中にクラガの放った氷塊がぶつかる。ただそれだけで、迎え撃とうとした目前に迫る刀を無視して後方の離れた位置にいるクラガに狙いを変えてしまう。
こちらに背を向け、隙だらけのオーガ。だがそれでも、斬り下ろした如月は空を切った。一瞬にして飛び出し、オーガは既にクラガの目前にまで迫っている。
「させません!」
オーガが拳を握った直後、エリシアの炎弾に襲われ、再び標的を変更し飛び出す。度重なる突く様な攻撃に苛立ちを抱いているのか、オーガから発せられる殺意を孕んだ魔力がより強まるのを感じる。
俺はエリシアの炎玉が発せられるより早く動き、エリシアへ向かっていたオーガの前に滑り込み全力で正面から切り付ける。かなりの切れ味を誇るはずの如月の刃を、しかしオーガは素手で受け止めてしまう。
オリハルコンから作られた如月の本質は魔耐性と強度だ。その二つがあるからこそ邪竜黒獄炎やそれを宿した不知火と一緒に使えるし、オーガの一撃を受け止めることが出来る。だがそれ以外、切れ味に関してはそのレベルには及ばない。勿論クラガのスキルで作ったものだからかなりのものだが、オーガに決定打を与えるには一歩及ばない。
鋼のような熱い筋肉。黒い剛毛。暴走によりそれらがより強化され、まさに鎧と化している。それに加え、先ほどから何度も斬り付けているが、受け止めるだけではなく横に受け流される。多分普段は脳筋だから使ってないだけで、力だけでなく技術という面でも相当な力量なのだろう。普段出していないそれが暴走によって出ている……一周回って冷静になってる感じか?
そして再びクラガが攻撃を当て、俺かエリシアがまた当てを繰り返す。かなり情けない戦い方だが、俺はともかく二人は一発食らったら終わりだ。俺一人で戦えたら一番いいが、正直やれる気がしない。
もう何度目だろうか。戦闘開始からかなりの時間がたっている気がする。改めてオーガの様子を見るが目立つ傷どころか、疲労の気配さえない。こちらはその逆だ。まだ誰も攻撃を受けてはいないが、単純な疲労だけではなく一撃食らったら終わりという恐怖が過剰に体力と精神力を削り取る。
長引かせるのは不味い。いっそ不知火の開闢の焔で一気に……いや、この閉鎖空間であの焔は二人も危険だ。非難してもらおうにもオーガが見逃す保証もないし、それまで俺が足止めできる自信もない。
行きつく間もない戦闘の中、必死に思考を回していた最中、突然オーガが動きを止めた。確かめるように俺、クラガ、エリシアと視線を動かす。
……なんだ?
かと思えばいきなりエリシアに向かって飛び出す。不意だったので少し出遅れたが、十分間に割り込める。そう思って俺も駆け出したが。
――止まれ!
え?
真っ直ぐエリシアを狙っていた視線がいきなり俺を捉えた。既に互いが互いの間合いに入っている。だが割り込んで止めようとしていた俺より、初めから俺を狙っていたオーガの方が先手を得た。
「ガァァアアッ!!」
獣の様な咆吼。オーガは俺の腕を乱雑に掴み、足掻くことも許さないと直ぐさま力任せに地面に叩き付け、踏みつけ、殴りつけ、持ち上げると最後に渾身の力で殴り飛ばした。
「アリア!」
悲鳴のような声音で誰かが呼ぶ。壁に叩き付けられた感覚はあるが痛みが来ない。オーガがエリシアの方に向かっている気配は分かるのに、指先すら動かない。
――当然だ。今のあやつの攻撃は全てが必殺。あの一瞬で四回死んだことと変わりない。
けど行かないと……二人が……。
――……元はといえば我の蒔いた種。いい機会だ。少し下がっておれ。
その言葉を最後に、俺の意識は後方へと飛ばされた。
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