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踏み出す者たち
交流戦-2
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「交流戦?」
アリアたちが訓練場へ行く少し前。提案はアラヤからのものだった。
「ああ。現状のお互いの不和の原因となっているのは、端的に言えば相手の実力を知らないからだ。なら交流戦でもして、それを理解させればいい」
意図は明確だ。分からないなら示せばいい……だが。
「でも、それって場合によっては逆効果になりません……?」
アリアが感じた疑念を言葉にしたのはニナだった。そして続くようにエクシアも口を開く。
「だよね。正直なところ、こっちが勝った場合は特に問題ないだろうけど……騎士団側が勝った場合だ」
アラヤの提案の問題点を示すような言葉だが、むしろ彼の表情はアラヤの意図を理解し、促すようなものだった。
「ああ。情けないが、うちの者たちは見識という面では君たちに圧倒的に劣る。我々が勝っても君たちが調子づくという事はないだろうが、悲しいことに逆は否定が出来ない。むしろ君たちが勝ってもマイナスに進む可能性すらある」
故に、と一度切ると、苦笑し肩を竦める。
「交流戦は建前だ。申し訳ないが君たちには、部下たちの教育に協力してもらう」
「建前に……」
「教育、ですか?」
アリアとニナの問いに、アラヤは頷いて答える。
「ああ。再三言っているが、部下たちは調子づいている。……まあ仕方がないことではある。最強と言われる騎士団に入り、他国との模擬戦や魔物討伐では負けなし。仕方がないと言えるが……所詮は過去の栄光に縋っているだけに過ぎない」
最後の言葉に僅かに含みがあったようにアリアは感じたが、しかしそれを意識する間もなくアラヤはアリアに悪い笑みを向けた。
「だからこそ、彼らの鼻っ柱を一度徹底的にへし折ってもらう。君にな」
「……えっ、私ですか?」
一瞬間を置き驚いた声を上げるアリア。彼女の視線はとっさにエクシアに向いた。
鼻っ柱を折るという事は、交流戦という名目で彼らに勝つということだろう。それも徹底的に。ならば冒険者側は一番強い者が行った方がいいのでは? という考えと、お前またなんか内緒で企み事してるのか? という疑念が混じった視線だったが、主に後者を感じ取ったのかエクシアは一切目を合わせようとしなかった。
「いやあアリア、君は完璧な人材だ。冒険者側の情報は一通り貰っているが、君の少女という見た目はこれ以上無く舐めやすい」
「褒めてますそれ?」
言いたいことは分かるけど。
「それに戦闘スタイルもだ。見た目だけならニナも同様だが……エクシア曰く、この目的には向いてないそうだ。しかし君は刀剣と魔法両方使え、その二つとも練度が高い。今回の目的には申し分ない存在だ」
青年であるエクシアと少女であるアリア。見た目以外の情報を知らないのであれば、当然アリアの方が侮られるし、勝って鼻っ柱を折るという目的には適している。
それはそれとしてニナの事を事前に話していたってことはやっぱり一枚噛んでやがったな? という視線を隣の男に向けるが、やはり一切目を合わせようとしない。
「とはいえこれは合同演習……訓練の場だ。見返りという訳ではないが、アリアの要望の内容を出来るだけ自分から提供しよう」
「それは有難いですけど……具体的に何をすれば?」
「ああ。まず事態が起これば俺から交流戦の提案をし、君が出るように促す。その後は流れでどうとでもなるし俺の方で上手くやるが……君の仕事は主に二つだ。一つは当然勝つこと。そして二つ目は――」
指を二本立て、アラヤはにやりと口角を上げた。
「相手の騎士達を徹底的に煽れ」
アリアたちが訓練場へ行く少し前。提案はアラヤからのものだった。
「ああ。現状のお互いの不和の原因となっているのは、端的に言えば相手の実力を知らないからだ。なら交流戦でもして、それを理解させればいい」
意図は明確だ。分からないなら示せばいい……だが。
「でも、それって場合によっては逆効果になりません……?」
アリアが感じた疑念を言葉にしたのはニナだった。そして続くようにエクシアも口を開く。
「だよね。正直なところ、こっちが勝った場合は特に問題ないだろうけど……騎士団側が勝った場合だ」
アラヤの提案の問題点を示すような言葉だが、むしろ彼の表情はアラヤの意図を理解し、促すようなものだった。
「ああ。情けないが、うちの者たちは見識という面では君たちに圧倒的に劣る。我々が勝っても君たちが調子づくという事はないだろうが、悲しいことに逆は否定が出来ない。むしろ君たちが勝ってもマイナスに進む可能性すらある」
故に、と一度切ると、苦笑し肩を竦める。
「交流戦は建前だ。申し訳ないが君たちには、部下たちの教育に協力してもらう」
「建前に……」
「教育、ですか?」
アリアとニナの問いに、アラヤは頷いて答える。
「ああ。再三言っているが、部下たちは調子づいている。……まあ仕方がないことではある。最強と言われる騎士団に入り、他国との模擬戦や魔物討伐では負けなし。仕方がないと言えるが……所詮は過去の栄光に縋っているだけに過ぎない」
最後の言葉に僅かに含みがあったようにアリアは感じたが、しかしそれを意識する間もなくアラヤはアリアに悪い笑みを向けた。
「だからこそ、彼らの鼻っ柱を一度徹底的にへし折ってもらう。君にな」
「……えっ、私ですか?」
一瞬間を置き驚いた声を上げるアリア。彼女の視線はとっさにエクシアに向いた。
鼻っ柱を折るという事は、交流戦という名目で彼らに勝つということだろう。それも徹底的に。ならば冒険者側は一番強い者が行った方がいいのでは? という考えと、お前またなんか内緒で企み事してるのか? という疑念が混じった視線だったが、主に後者を感じ取ったのかエクシアは一切目を合わせようとしなかった。
「いやあアリア、君は完璧な人材だ。冒険者側の情報は一通り貰っているが、君の少女という見た目はこれ以上無く舐めやすい」
「褒めてますそれ?」
言いたいことは分かるけど。
「それに戦闘スタイルもだ。見た目だけならニナも同様だが……エクシア曰く、この目的には向いてないそうだ。しかし君は刀剣と魔法両方使え、その二つとも練度が高い。今回の目的には申し分ない存在だ」
青年であるエクシアと少女であるアリア。見た目以外の情報を知らないのであれば、当然アリアの方が侮られるし、勝って鼻っ柱を折るという目的には適している。
それはそれとしてニナの事を事前に話していたってことはやっぱり一枚噛んでやがったな? という視線を隣の男に向けるが、やはり一切目を合わせようとしない。
「とはいえこれは合同演習……訓練の場だ。見返りという訳ではないが、アリアの要望の内容を出来るだけ自分から提供しよう」
「それは有難いですけど……具体的に何をすれば?」
「ああ。まず事態が起これば俺から交流戦の提案をし、君が出るように促す。その後は流れでどうとでもなるし俺の方で上手くやるが……君の仕事は主に二つだ。一つは当然勝つこと。そして二つ目は――」
指を二本立て、アラヤはにやりと口角を上げた。
「相手の騎士達を徹底的に煽れ」
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