二人姉妹の恋愛事情〜騎士とおくる恋の物語〜

みぃ

文字の大きさ
36 / 64

第34話

しおりを挟む

そして建国祭当日、ソフィアは昼からルナ・ルースの工房へ行く為に準備をしていたらレティシアがおずおずと話しかけてきた。



「お姉ちゃん、私も一緒に行っても良い?お姉ちゃんのドレス姿見たいな…」



「あらあら、そうねぇ…ルナ・ルースさんに聞いてみましょうか」



「うん!駄目だったらお店の外で待ってるから」



二人はルイスが手配してくれた馬車に乗りルナ・ルースの工房へと向かった。



お店へ着き、店の扉を開くと10人程の女性店員とルナ・ルースが待ち構えていた。



「待っていたわよぉ~!ソフィアちゃん」



「今日は宜しくお願いします。後、急にすみません、妹が私のドレス姿を見たいと言ってくれて…同席させて頂いても宜しいでしょうか?」



「大丈夫よぉ!それにしても美人姉妹ねぇ~!妹ちゃんのお名前は?」



ソフィアの隣に立っているレティシアを上から下までじっくりとルナ・ルースは見る。



「レティシアです!今日はありがとうございます。お姉ちゃんのドレス姿を見る事が出来て嬉しいです」



「まぁ!なんて良い子なのかしらぁ、アタシもこんな妹が欲しかったわぁ!

ねぇねぇ、レティシアちゃん、アタシの作った服着てみない?レティシアちゃんに似合いそうな服がいっぱいあるのよぉ!

アタシの趣味で作った手作りなのぉ、綺麗な服とか可愛いの服を作るだけで幸せなんだけどぉ、可愛い子に着て貰えたら天にも昇る気持ちだわぁ…ねっ、お願い!!」



「私で良いんですか?」



「貴女が良いのよぉ!着てもらって街を歩いてくれたらお店の宣伝にもなるし、何より私が嬉しいのよぉ!」



「分かりました!是非着させてください」



「ありがとうー♡服も喜ぶわぁ!

お姉ちゃんはうちのスタッフに任せて、レティシアちゃんは私と服を選びましょうねぇ!

じゃ!ソフィアちゃん、妹ちゃんはお借りするわねぇ!ソフィアちゃんもうちのスタッフに磨かれてきてねぇ!」



「はい、ありがとうございます、妹の事お願いします」



「りょ~かい!じゃあまた後でね♡」



レティシアはルナ・ルースに連れられてソフィアと別の部屋へと案内された。

ルナ・ルースの後に続きレティシアは部屋へと入ると、そこには沢山の洋服がかけられていた。

ルナ・ルースは早速、何枚かワンピースを持ってきては「アレでもないコレでもないと」言いながらレティシアの身体に次々にあてて見比べる。



「ん~、コレも良いわねぇ…でもコッチも捨てがたいわぁ!

よし!コレにするわぁ♡レティシアちゃん、この服なんてどうかしらぁ?」



まるでお人形さんに着せる服を選んでいるかの様に楽しそうなルナ・ルースの選んだ服はウエスト切り返しのある、淡い水色から下にいくにつれて濃い青になっているグラデーションワンピース。

袖はオーガンジーで出来ている二段重ねのティアードスリーブ。

スカートはフレアーで二段重ねになっており、上の布地がオーガンジーで、下のスカートが透けて見える様になっている。

オーガンジーにはキラキラと光るビーズやスパンコールが縫い付けていて、星空を思わせる様な仕上がりになっている。

スカートの丈は前が膝が隠れる程の長さで、後ろはふくら脛が隠れる程に長くなる型になっている。



「わぁ!とっても可愛いです」



今まで着たことのないワンピースにレティシアは胸をときめかせた。



「じゃあ、着てみてちょうだいねぇ」



「はい!」



更衣室に入ってワンピースを身に着ける、背中のチャックは女性店員に上げてもらった。

更衣室を出るとルナ・ルースが準備した足首にリボンの付いた青いキトゥンヒールの靴を履いた。



「似合ってるわぁ!じゃあ髪もセットするからそこに座ってねぇ」



「はい!…すみません、このリボンで髪の毛結んで貰えますか?」



そう言ってレティシアの出したリボンは、ロベルトから前に貰った物だった。



「あらぁ、可愛いリボンねぇ」



「このリボン頂き物でとても気に入っていて、今日の服に合うかなと思ったんですけど…」



「勿論よぉ!さぁ、仕上げちゃいましょうねぇ」



そう言ってルナ・ルースはレティシアの髪を結い、薄くだがレティシアの整った顔を引き立たせるメイクを施す。



「さぁ!出来たわよぉ~。もぉ!なんて美しいのぉ♡食べちゃいたいくらいよぉ~!」



「あ、ありがとうございます」



レティシアの前に軽々と姿見を持ってきたルナ・ルースはうっとりとレティシアの姿を眺める。



「ほらぁ、レティシアちゃんも自分の姿を見てみて」



ルナ・ルースの持ってきた姿見で自分の姿をレティシアは確認する。



「わぁ!凄いです……まるで自分じゃないみたい」



メイクを施され、大人っぽいワンピースを身に着けたレティシアは、まるで姉の様に綺麗になれた自分に驚いた。



「もぉ!正真正銘の貴女よ!元がとっても良いんだから、少し磨くだけで宝石以上になるわよぉ!本当にお人形さんみたいで美しいわぁ~

その服と靴はレティシアちゃんにあげるわぁ!アタシからのプレゼントよぉ♡」



可愛いとよく言われるレティシアだが、姉のソフィアの様に美しいとは余り言われない。(第二王子にはしょっちゅう言われるがそれは別である)

まだ年若いせいで可愛らしいが勝るので周りは可愛いと言うのだが、レティシアからしたら美しいと言われる姉が少し羨ましかったのだ。

少しモヤっとしていたレティシアだが、今回ルナ・ルースに着飾って貰ったおかげで少し自信が持てた。



「ありがとうございます!ルナ・ルースさん」



「あらぁ、良いのよぉ!さぁ、ソフィアちゃんも出来上がっている頃かしら」



「お姉ちゃんのドレス姿楽しみです!」



「うふふっ♡綺麗過ぎて驚くわよぉ~!

もうルイスは来たのかしら?レティシアちゃんはアタシと一緒にお部屋で待ってましょうねぇ」



レティシアとルナ・ルースは先に応接室へと戻りソフィアが来るのを待っていると、扉をノックする音がし、店員がルイスを連れて部屋へと入ってきた。



「ルイス様のお支度が整いました、後少しでソフィア様のお支度が終わります」



「ありがとう。あら、ルイス!随分と男前になったじゃないのぉ」



「そ、そうだろうか」



髪をセットしてもらったルイスはいつも着ている騎士の制服ではなく貴族男性が着る一般的な正装を身に着けていた。

そんなルイスだが、何故か少し表情が暗かった。



「あら、なんか不安そうねぇ…大方、自分がソフィアちゃんの隣に立つのは相応しくないじゃないかって思っているんじゃないのぉ?」



「うっ…何故それを」



考えていた事を的確に見抜いたルナ・ルースにルイスはギクッとした。



「そんなのぉ、見れば分かるわよぉ!

それにしても!しゃんとしなさい!!

アンタはこれからソフィアちゃんをエスコートするのよ!?背筋を伸ばす!顔を俯かせない!堂々としなさい!

エスコートされるソフィアちゃんが不安がるでしょうが!」



そう言ってルイスに活を入れるようにルナ・ルースはルイスの尻を思いっ切り叩いた。



バシッ!!!



「いって!……相変わらずの馬鹿力だな」



「あらやだぁ!こんな細腕のか弱いアタシの叩きなんて蚊すら殺せないわよぉ」



「いや、木っ端微塵になるだろ」



「減らず口はおよしなさい!どんなに自分に自信がなかろうが、堂々と背筋を伸ばし前を向いて歩けば、どんな人間であろうと様になって見えるのよ!

それに、ソフィアちゃんはアンタよりも好奇の目に晒されるのだから守ってやるぞ精神でいないでどうするのよぉ!」



「うっ…そうだな、俺がちゃんとしないでどうするんだ」



ルナ・ルースの言葉で自分の不甲斐なさを痛感した。



確かに貴族の中に平民がいれば好奇の目で見られるだろう、しかもその平民が美しければ尚更守ってやらねば危ない。

勿論、実際は英雄の娘であるソフィアに手を出せば、その貴族の未来は終わりだが。



エスコートする自分が下を向いていたらソフィアが笑われてしまう、そんなのは絶対に駄目だ。

ルイスは自分の両頬を思いっ切りパンッと叩いた。



「ありがとう、ゴンサロ。お前のおかげでちゃんと出来そうだ」



「もう、仕方がないんだから!それと、アタシの名前はゴンサロじゃなくて!ルナ・ルースよぉ!!!」



ルイスとルナ・ルースがわちゃわちゃと話していると、扉をノックする音が聞こえ扉が開いた。



コンコン、ガチャッ



「ルナ・ルース様、ソフィア様のご準備が整いましたのでお連れ致しました」



扉を開け姿を表したのは、ソフィアを担当していた店員だった。



「あらぁ!準備出来たのねぇ~、入って来てちょうだい」



「はい、ソフィア様どうぞ」



「失礼します」



店員が開けた扉から入ってきたソフィア、その姿を目にしたルイスは顔を真っ赤に染めて固まった。



「ど、どうでしょうか?」


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

山賊な騎士団長は子にゃんこを溺愛する

紅子
恋愛
この世界には魔女がいる。魔女は、この世界の監視者だ。私も魔女のひとり。まだ“見習い”がつくけど。私は見習いから正式な魔女になるための修行を厭い、師匠に子にゃんこに変えれた。放り出された森で出会ったのは山賊の騎士団長。ついていった先には兄弟子がいい笑顔で待っていた。子にゃんこな私と山賊団長の織り成すほっこりできる日常・・・・とは無縁な。どう頑張ってもコメディだ。面倒事しかないじゃない!だから、人は嫌いよ~!!! 完結済み。 毎週金曜日更新予定 00:00に更新します。 R15は、念のため。 自己満足の世界に付き、合わないと感じた方は読むのをお止めください。設定ゆるゆるの思い付き、ご都合主義で書いているため、深い内容ではありません。さらっと読みたい方向けです。矛盾点などあったらごめんなさい(>_<)

【完結】異世界転移したら騎士団長と相思相愛になりました〜私の恋を父と兄が邪魔してくる〜

伽羅
恋愛
愛莉鈴(アリス)は幼馴染の健斗に片想いをしている。 ある朝、通学中の事故で道が塞がれた。 健斗はサボる口実が出来たと言って愛莉鈴を先に行かせる。 事故車で塞がれた道を電柱と塀の隙間から抜けようとすると妙な違和感が…。 気付いたら、まったく別の世界に佇んでいた。 そんな愛莉鈴を救ってくれた騎士団長を徐々に好きになっていくが、彼には想い人がいた。 やがて愛莉鈴には重大な秘密が判明して…。

記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】

かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。 名前も年齢も住んでた町も覚えてません。 ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。 プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。 小説家になろう様にも公開してます。

白い結婚のはずが、旦那様の溺愛が止まりません!――冷徹領主と政略令嬢の甘すぎる夫婦生活

しおしお
恋愛
政略結婚の末、侯爵家から「価値がない」と切り捨てられた令嬢リオラ。 新しい夫となったのは、噂で“冷徹”と囁かれる辺境領主ラディス。 二人は互いの自由のため――**干渉しない“白い結婚”**を結ぶことに。 ところが。 ◆市場に行けばついてくる ◆荷物は全部持ちたがる ◆雨の日は仕事を早退して帰ってくる ◆ちょっと笑うだけで顔が真っ赤になる ……どう見ても、干渉しまくり。 「旦那様、これは白い結婚のはずでは……?」 「……君のことを、放っておけない」 距離はゆっくり縮まり、 優しすぎる態度にリオラの心も揺れ始める。 そんな時、彼女を利用しようと実家が再び手を伸ばす。 “冷徹”と呼ばれた旦那様の怒りが静かに燃え―― 「二度と妻を侮辱するな」 守られ、支え合い、やがて惹かれ合う二人の想いは、 いつしか“形だけの夫婦”を超えていく。

辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました

腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。 しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。

女王は若き美貌の夫に離婚を申し出る

小西あまね
恋愛
「喜べ!やっと離婚できそうだぞ!」「……は?」 政略結婚して9年目、32歳の女王陛下は22歳の王配陛下に笑顔で告げた。 9年前の約束を叶えるために……。 豪胆果断だがどこか天然な女王と、彼女を敬愛してやまない美貌の若き王配のすれ違い離婚騒動。 「月と雪と温泉と ~幼馴染みの天然王子と最強魔術師~」の王子の姉の話ですが、独立した話で、作風も違います。 本作は小説家になろうにも投稿しています。

守護契約のはずが、精霊騎士の距離が近すぎて心拍がもちません―― 距離ゼロで溺愛でした。

星乃和花
恋愛
⭐︎完結済:全8話⭐︎ ーー条項:心拍が乱れたら抱擁せよ(やめて) 村育ちの鈍感かわいい癒し系ヒロイン・リリィは、王都を目指して旅に出たはずが――森で迷子になった瞬間、精霊騎士エヴァンに“守護契約”されてしまう! 問題は、この騎士さまの守護距離が近すぎること。 半歩どころか背後ぴったり、手を繋ぐのも「当然」、心拍が乱れたら“抱擁条項”発動!? 周囲は「恋人だろ!」と総ツッコミなのに、本人たちは「相棒です!」で通常運転。 守護(と言い張る)密着が止まらない、じわ甘コメディ異世界ファンタジー!

崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜

束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。 家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。 「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。 皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。 今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。 ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……! 心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。

処理中です...