二人姉妹の恋愛事情〜騎士とおくる恋の物語〜

みぃ

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閑話休題〜レティシアお祭りに行く〜

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レティシア目線







ルナ・ルースさんの店を出た私は平民街の中央区まで戻ってきていた。

ルナ・ルースさんには帰りの馬車を用意してくれると言われたけど、私にとってはこれくらいの距離なら余裕で歩けるので、のんびりと散策しながらお祭り色に染まった街を見て歩いた。



街の中心にある噴水の広場に沢山の屋台が出ているので、私は一人屋台を見て回ろうと向かった。



広場に着くと噴水前では小さな楽団が軽快な音楽を奏で、その音楽に合わせ何組ものカップル達が楽しそうにクルクルと周り軽やかなステップを踏み踊っている。



広場の至る所に屋台が出店しており、異国から来たアクセサリーを売る店や、ソーセージを焼いている店、お酒や果実水を売る店など多種多様な店を見て回る人で賑わっていた。



私も賑やかな祭りを見て回っている。

楽しいけど、毎年お姉ちゃんと来てるから一人だとやっぱり寂しいなー。

お姉ちゃん、今頃なにしているかな…



そう思いながらも少しお腹が空いたので、何か食べようとキョロキョロとお店を探しながら歩いていると、人が多い為すれ違い様に人と肩がぶつかってしまった。



「きゃっ…あ、すみません」



「いえ。こちらこそ、すみません」



慌てて謝り、ぶつかってしまった相手を見ると、そこにいた人物は私の良く知る人物であった。



「あれ、ロベルトさん?」



「あっ…レティシアさんでしたか。すみませんお怪我はございませんか?」



「大丈夫です!私こそ、すみません。お店を探しながら歩いてよそ見してました」



ぶつかってしまった相手はロベルトさんだった。



「レティシアさんもお祭りを見にいらしたのですね、ソフィアさんは確かに今日は団長と王城の舞踏会に参加されると伺いました」



「はい!毎年お祭りはお姉ちゃんと来てるんですけど、今年は一人なんです。

ロベルトさんは舞踏会には参加しないんですか?」



「ええ、1代限りの騎士爵ですと社交は必要ないですし警護の仕事がありましたので」



「お仕事はもう終わったんですか?」



「はい、先程終えたので屋台で何か食べてから帰ろうかと」



「そうなんですね!私も何か食べようかと思って探してたんです」



「なるほど……レティシアさん、良かったらご一緒にお祭りを回りませんか?」



「はい!一人だと何か寂しかったので、一緒にお祭り楽しみましょ」



「では、本日は人も多いのでお嫌でなければ」



そう言ってロベルトさんは私に手を差し出した。

確かに手を繋いでいた方がはぐれずにすむが、何故か少し気恥ずかしい。

だけど、ロベルトさんが言っている通り手でも繋がないと人が多すぎて、いずれはぐれてしまうだろう。



「よ、よろしくお願いします…」



「はい」



差し出された手に自分の手を重ねると、ギュッと握られる。

自分より大きな手に包まれ、ロベルトさんの温かい温もりが自分に伝わってくる。

何故か少し…いや、だいぶ胸がドキドキする。

お姉ちゃんやライ兄様と手を繋いでもこんな気持ちにならないのに、どうしてロベルトさんと手を繋いだら、こんなに胸がドキドキするのだろう。



少し頬を赤く染めていると、ロベルトさんが私の事をじっと見ているのに気が付いた。



「どうしました?」



「いえ、今日のレティシアさんはいつもと少し雰囲気が違うなと思いまして」



「あっ、そうなんです。今日は団長さんのお友達であるルナ・ルースさんって方にお洋服を選んで貰ったんです!

お姉ちゃんが今日の舞踏会で着るドレスを作ってくれた人なんですけど、私にもお洋服をくれたんです。

いつもは殆どしないメイクもしてもらって何だか少し大人になった気分です!」



普段と違うと気が付いて貰えてとても嬉しく思った。



「そうなのですね、とても良くお似合いです。いつも可愛いと思っておりましたが、今日のレティシアさんはとてもお綺麗です」



「ふえっ!!そ、そうですか…」



いつも可愛いって思ってもらえている事+綺麗だと言って貰え、私の顔がより赤くなる。

何と言う破壊力、イケメンに直球に褒められるとここまでダメージがあるとは。



「さぁ、行きましょう」



「はい」



人にぶつからない様にロベルトさんが盾になり歩きだした。

自分より大きな背中に守られ、人通りの多い道を抜ける様に歩く。



少し歩くと、ロベルトさんがピタッと止まった。



「ロベルトさん?」



「少し買い物をしても宜しいですか?」



「はい!良いですよ」



「では、少しお待ち下さいね」



そう言ってロベルトさんは、お花を売っている屋台の前まで向かった。

何か欲しいものでもあるのかなと思いながらロベルトさんが買い物している姿を見ていると、ロベルトさんの買い物は本当に直ぐに終わった。



「お待たせしました」



「大丈夫ですよ、何か買ったんですか?」



「はい、レティシアさんこちらを」



「え…これって」



ロベルトさんに差し出されたのはこの国の国花であるクリスタルローズの赤い花であった。

市民の建国祭では、赤いクリスタルローズを着けている人は恋人もしくは伴侶がいますの証で、白いクリスタルローズを着けている人は恋人募集中の証である。



「私、恋人いませんよ?」



赤いクリスタルローズを渡された私は不思議に思いロベルトさんの顔を見る。



「今日のレティシアさんは綺麗過ぎて悪い虫が沢山の寄ってきてしまいそうなので、虫除けのかわりだと思って」



「え?……綺麗過ぎてって…そんな事」



今日は何度もロベルトに綺麗だと言われ何と返事をすれば良いのか分からなくなる。



「レティシアさん貴女は自分で思っているよりも、ずっと美しいのです。

お祭りでは沢山の人…何よりお酒を飲んでいる人もいるのです、少しでも危険が減るように着けてくれたら嬉しいです」



「は、はい…ありがとうございます」



「いえ、では髪にでも……あっ」



「どうかしましたか?」



「リボン、着けて下さっているのですね」



まるで宝物を見つけたかの様な、そんな嬉しそうな笑顔をするロベルトさん。



「このリボンお気に入りなんです」



「使って頂けてとても嬉しいです…良くお似合いです」



そう言ってロベルトさんは私の耳元に赤いクリスタルローズをスッとさした。



「では、行きましょうか」



再びロベルトさんはさり気なく手を繋ぎ歩き出した。





その後、色々な屋台を見て回った。

大道芸人の芸を見て笑いあったり、串焼きを食べたり、南国フルーツの飲み物を堪能したりした。

二人で沢山お祭りを満喫していると、楽しい時間はあっという間に過ぎてしまった。



日もとっくに落ち、周りの人々も帰り出した。

自分もそろそろ帰らないといけない時間になって来たが、この時間がもう少し続かないかなと心の中で思っていた。



「そろそろ、舞踏会の時間も終わりですね…レティシアさん名残惜しいですが帰りましょうか」



「はい、今日はありがとうございました」



「こちらこそ、とても楽しかったです」



もう人も少なく手を繋がなくても大丈夫だというのに、私は何となく手を離してしまうのが勿体無い様な気がして、そのまま手を繋いで帰路についた。

ロベルトさんは暗くて危ないからと、家の前まで送ってくれた。



「送ってくれてありがとうございます、おやすみなさい」



「えぇ、おやすみなさい」



手を話すのが寂しいなと、思いつつ私はロベルトさんの手を離して家へと入った。



家にはまだお姉ちゃんが帰ってきていないので、暗く静かだった。



「何なんだろう…この気持ち」



ロベルトさんと繋いでいた手を見て、自分の今の何とも言えない気持ちを考えるが全く答えは出て来なかった。


























~ロベルト目線~



レティシアさんを家まで送り、直ぐに騎士団の宿舎へと帰ってきた自分は服を脱ぎシャワーを浴びていた。

そして、ふと彼女と繋いでいた手をじっと眺めた。



「やはり…自分はレティシアさんのことが…」



狭いシャワー室の中で呟いた自分の声は水の音にかき消され誰にも聞こえずに消えていった。





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