二人姉妹の恋愛事情〜騎士とおくる恋の物語〜

みぃ

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第48話

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時は過ぎて、遂に武道大会の日がやってきた。

非公式の武道大会は王族と極僅かな人物だけが観覧する事ができる。



その極僅かな人物の中に、ソフィアとレティシアの姿があった。



武道大会が行われる闘技場を間近で観覧出来る席で、ソフィアとレティシアとシャルロットは会話に花を咲かせている。



毎年シャルロットは武道大会を観覧しており、今年はソフィアとレティシアも一緒に見ようと誘い、共にする事になったのだ。



「わぁ!武道大会って凄いね、シャルちゃん!」



「そうですわね!筋肉と筋肉がぶつかり合う素晴らしい大会ですわ」



「いや、そこまで言ってないよ」



年々、筋肉への愛が拗れてきているシャルロットにレティシアは苦笑いした。



「ふふっ、相変わらずね、シャルちゃんは」



「そんな風に言ってるお姉ちゃんも、ずっと団長さんの事、凝視してたよね」



「だ、だって…ルイスさんの戦っている姿が格好良くて」



先程行われていたデモンストレーションで戦っていたルイスの姿をソフィアは齧り付く様に見ていたのだ。



「それにしてもリカルド様の出番が遅すぎますわ…。もっとあの方の勇姿をこの目に焼き付けたいのに」



「仕方ないよ、リカ兄様は最後に優勝した人とだけ戦うんだから」



「そうですわね……ですが毎年優勝した方とリカルド様の勝負って数秒なんですのよ」



「え?…数秒って?」



「リカルド様が一瞬で勝ってしまうので見ごたえが無いのですわ

この大会を見るよりレティちゃんとリカルド様の打ち合いを見ている方が有意義ですのよ」



周りに人がいないからと、少し愚痴を溢してしまうシャルロットの話を聞いたレティシアは。



「ははっ……そうなんだ」



リカ兄様、恐るべし……と苦笑いを浮かべたのだった。













「ねぇ、シャルちゃん優勝候補の人っているの?」



「はい、ここ数年連続で優勝している方がいらっしゃいますので今年もその方かと思いますわ」



「へー、誰なの?」



「第二騎士団の副団長をされているパブロ・アロソン様ですわ。

ここ数年はアロソン様と、第三騎士団の副団長のロベルト・ディアス様が決勝戦で戦っていますわね」



「ロベルトさん決勝戦までいってるんだ!」



「はい、毎年良い勝負なのですが、未だにディアス様はアロソン様に勝てたことがないのです…今年はどうなるかしら?」



「そっか…アロソンさんって人強いんだね」



でもロベルトさんはここ最近、前と比べてとっても強くなっているからなと、レティシアは思った。



そんな風に思われているロベルトは確かに強くなっていた。

それは周りの騎士団長達が舌を巻く程にであった。



「ロベルト凄く強くなっているな」



次々に勝ち上がっていくロベルトにルイスは驚いた。

確かに去年も勝ち抜いていたが、今年は更に早いペースで危なげなく勝利していたのだ。



「そうだな、去年に比べて見違える程に強くなっている。

しかも、今年はまだ魔法を1回も使っていない…全て剣だけで倒している」



ルイスと第二騎士団長が、戦っているロベルトの姿を見て感心していた。

そんな二人の横で、リカルドはロベルトの戦い方を見て、ふとレティシアの戦い方に似ていると気が付いた。

ロベルトのあの動きは実戦を熟している者しか出来ない動きだとリカルドは感心した。



(そう言えば、レティシアが共に狩りに行く相手が出来て嬉しいと喜んでいたな。

もしかしなくても、その相手は彼の事だろうな。

さて、今年の優勝者はいったい誰がなるか)



皆がロベルトを感心した目で見ているが、ある一人の人物だけ憎悪が篭っている目でロベルトの事を睨んでいた。



ロベルトは順調に勝ち進み、それを見ていたレティシアは自慢げだった。

(ふふんっ!ロベルトさんが勝ち進むのは当たり前だよ!だってロベルトさんは今ではAランクの魔物も一人で倒せるようになったもん)

レティシアと特訓する前のロベルトは、時間はかかるがBランクの魔物を一人で倒せる位の強さだったが、今ではAランクの魔物も簡単に倒せる様になっていた。

因みに普通のAランクの魔物は屈強な騎士が数十人がかりで倒す程の強さであり、普通一人で倒せるような魔物ではない。

レティシアと特訓する前からBランクを一人で倒せていたロベルトは別に弱いわけではなく、どちらかと言うと強い分類である。

レティシアと特訓していたロベルトはいつの間にか普通の人間からだいぶ離れた存在になっていたのであった。



そんなロベルトに普通の騎士が勝てるはずも無くロベルトはあっさりと決勝まで登りつめたのであった。



「凄いな、今年のディアス副団長は」



ロベルトが準決勝で勝った事をレティシア達が喜んでいると、突然ライムンドがレティシア達の元へとやって来た。



「あっ!ライ兄様、どうしたの?レイ兄様と一緒に見てたんじゃ」 



「まぁ、お兄様ったらレティちゃんに会いにいらしたの」



「こらこら、シャルちゃんたら」



三人がキャッキャッと楽しそうにしている姿をライムンドは優しく微笑んだ。



「レイナルド兄様と見ていたが、もう少し近い席で見たくなったんだよ。あの席は全体は見えやすいが決勝戦を見るのには向いてないからな」



そう言ってライムンドは、先程までいた席をチラッと見た。

王族用の特別な席だが、一番高い所にあるので全体を見渡すのは丁度良いのだが、近くで選手を観察するのは向いていない。

だったら、今レティシア達がいる普通の観客席の方が見やすいのだ。

シャルロットも王族なのに何故王族用の席で見ないかと言うと、それはシャルロットが少しでもリカルドの事を近くで観察したいという理由であった。



「それにレティの側の方が落ち着くからな」



ライムンドはレティシアの頭に手を置いてポンポンと撫でた。



「そっか、じゃあ隣に座る?」



「あぁ」



そして、空いていたレティシアの隣の席へと腰を下ろした。



「なぁ、レティ。ディアス副団長に剣を教えたのはレティなのか?」



どうやら、ライムンドもロベルトが戦う姿を見てレティシアが教えたのだと気づいたようだ。



「うん、そうだよ」



「そうか、道理で去年より数倍強くなっているわけだ」



「私は教えただけ、それを自分のモノに出来たのはロベルトさんの努力の賜物だよ」



レティシアは知っている、ロベルトがどんなに努力を積み重ねていたか。

結構スパルタに教えていた自覚はレティシアにあった。

だけど、それ以上にロベルトは食らいつき、戦う技術を身に着けたのだ。



「あぁ、あの様子だと今年の優勝は…」



「うん」



話していると、決勝戦が始まる合図が鳴り響いた。

今年も決勝戦はパブロ・アロソンVSロベルト・ディアスだ。



始まりの合図と共に両者の剣がぶつかり合う、致死に至らない様に刃をつぶした剣を使用しているが、まともに当たると骨くらい簡単に折れてしまいそうだ。



「くっ…相変わらず気に食わない男だ!」



パブロが畳み掛ける様に剣をロベルトへと斬りつける、少し焦っている様に感じる攻撃をロベルトは流すように受け止める。



「少し剣が上手くなったからといって調子にのるなよ!ソイルハーデン!」



そう言い、パブロはお得意の地魔法でロベルトの動きを封じようと足を土で固めようとしたが、ロベルトは素早く避け、後ろへ飛んだ。



「くそっ…ちょこまかと!ストーンアロー」



次にパブロが繰り出したのは鋭利に尖った石の槍だ。

無数の石の槍がロベルトへを貫こうと降り注ぐ



「《ウォーターベール》」



ロベルトは己に降り注ぐ石の槍を水の膜で防御した。



「なにっ!?無詠唱だ、と?」



ロベルトが無詠唱で魔法を繰り出した事にパブロは驚愕した。

無詠唱は、王宮魔法師団の魔法師でさえ使える人間は限られていると言うのに、目の前のロベルトは、まるで呼吸をするかの様に自然に魔法を繰り出したのだ。

ロベルトは怯んだパブロに、こちらの番だと魔法を発動した。



「《シャドーマニピュレイト》」



またもやロベルトは無詠唱で魔法を展開した、影を使いパブロを足を拘束する。



「な、なんだと!?何故闇を使える、お前が使えるのは水魔法だけでは無かったと言うのか」



「敵に自分の全てを晒す訳ないでしょう?」



闇魔法で相手を完全に拘束したロベルトは素早く駆け、剣をパブロの首元へと突きつけた。



「勝負あり!!勝者ロベルト・ディアス」



審判が、ロベルトが勝利したと宣言したと共に周りが一斉に声をあげた。

初めてロベルトがパブロに勝利した事を祝福する声だった。



「な…ぜだ」



「……」



ロベルトはパブロに突きつけていた剣を鞘にしまい、パブロから離れる。



何が起きたか分かっていないパブロは、崩れ落ちる様に、その場に膝をついて下を向いた。
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