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第1章 不思議な出会い
1.高校生活はじまり
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桜の花びらが舞うピンク色のアーチをくぐり、錦光太(にしきこうた)は高校1年生として、地元の高校である奥田高校に入学した。
光太は中学生時代からこれといった特技がなく、平凡な学生生活を送っている。高校受験も一応あったが、名前さえ書けば入れるような学校だ。
唯一の趣味と言えば、「料理」である。帰宅部の光太は家に帰る時間が早く、よく夕飯の支度を手伝わされた。
最初は嫌々やっていた手伝いだったが、次第に自分で料理を作ることが楽しくなっていった。そして、中学三年生に上がる頃には、親が帰宅する前に夕飯を作って、待っている程に成長していた。
しかし、年頃の光太は料理が好きであることを周りには話せなかった。話すことでバカにされる気がしていたからだ。そのため、いつも趣味を聞かれたら、「特にないよ」と答えていた。
周囲の友達は何かしら部活動に所属し、青春を謳歌しているように見える。光太もその仲間に入りたいと思ったことは何回もある。しかし、光太は極度の運動音痴で、それは光太自身自覚している。
体育テストではいつもクラスのビリのほうで、運動神経が良い同級生を羨ましがっていた。特に中学高校時代は、運動神経が良い人が優先的にモテているのは間違いない。
だからといって、光太は文化系かと言うとそうでもない。音楽のセンスも今一で、興味もあまり引かれなかった。そのため、料理以外は特に取り柄がないと思い込んでいた。
光太が高校に入学して二カ月程経ったが、あまり仲が良い友達ができなかった。クラスで話す用事がある時に話す程度で、あとは一人ポツンと一日を過ごして帰宅する毎日だ。
料理については継続していて、帰宅したら真っ先に夕飯の支度に取りかかった。両親の広(ひろし)と美和(みわ)はとても助かっている様子で、大きい冷蔵庫に食材は常にストックしてある。
ある日、光太が高校から帰宅し、「デミグラスハンバーグ」を作った。光太は豚挽き肉と牛挽き肉を混ぜ合わせ、程よい食感に仕上げるのが得意である。焼き上がったハンバーグからは肉汁が溢れだし、お手製のデミグラスソースのコク深い味わいとの相性が抜群だ。
「光太は将来、料理人とかいいかもなあ。」
広はハンバーグに舌鼓しながら呟いた。
「料理人かあ、得意なこととかないし、中では一番向いてるのかな。」
光太はそれとなく答えた。
光太は今まで将来の夢について考えても、何も思い浮かばなかった。夢がない自分に呆れてしまうので、考えるだけ無駄だと思っていた。
しかし、何気ない昨晩の父の言葉から、自分のやりたいことが見つかった気がする。
それは「料理人になること。」
今まで両親にしか料理を作ったことがないが、将来自分が料理人として活躍する姿を思い浮かべたら、沢山の人に食べてもらいたいという気持ちがふつふつと湧いてきた。
こんな気持ちは初めてだった。今までの人生で、これほどまで何かをやりたいと思ったことはない。光太はこの日から、料理人として沢山のお客さんに腕をふるいたいと思うようになった。
光太は中学生時代からこれといった特技がなく、平凡な学生生活を送っている。高校受験も一応あったが、名前さえ書けば入れるような学校だ。
唯一の趣味と言えば、「料理」である。帰宅部の光太は家に帰る時間が早く、よく夕飯の支度を手伝わされた。
最初は嫌々やっていた手伝いだったが、次第に自分で料理を作ることが楽しくなっていった。そして、中学三年生に上がる頃には、親が帰宅する前に夕飯を作って、待っている程に成長していた。
しかし、年頃の光太は料理が好きであることを周りには話せなかった。話すことでバカにされる気がしていたからだ。そのため、いつも趣味を聞かれたら、「特にないよ」と答えていた。
周囲の友達は何かしら部活動に所属し、青春を謳歌しているように見える。光太もその仲間に入りたいと思ったことは何回もある。しかし、光太は極度の運動音痴で、それは光太自身自覚している。
体育テストではいつもクラスのビリのほうで、運動神経が良い同級生を羨ましがっていた。特に中学高校時代は、運動神経が良い人が優先的にモテているのは間違いない。
だからといって、光太は文化系かと言うとそうでもない。音楽のセンスも今一で、興味もあまり引かれなかった。そのため、料理以外は特に取り柄がないと思い込んでいた。
光太が高校に入学して二カ月程経ったが、あまり仲が良い友達ができなかった。クラスで話す用事がある時に話す程度で、あとは一人ポツンと一日を過ごして帰宅する毎日だ。
料理については継続していて、帰宅したら真っ先に夕飯の支度に取りかかった。両親の広(ひろし)と美和(みわ)はとても助かっている様子で、大きい冷蔵庫に食材は常にストックしてある。
ある日、光太が高校から帰宅し、「デミグラスハンバーグ」を作った。光太は豚挽き肉と牛挽き肉を混ぜ合わせ、程よい食感に仕上げるのが得意である。焼き上がったハンバーグからは肉汁が溢れだし、お手製のデミグラスソースのコク深い味わいとの相性が抜群だ。
「光太は将来、料理人とかいいかもなあ。」
広はハンバーグに舌鼓しながら呟いた。
「料理人かあ、得意なこととかないし、中では一番向いてるのかな。」
光太はそれとなく答えた。
光太は今まで将来の夢について考えても、何も思い浮かばなかった。夢がない自分に呆れてしまうので、考えるだけ無駄だと思っていた。
しかし、何気ない昨晩の父の言葉から、自分のやりたいことが見つかった気がする。
それは「料理人になること。」
今まで両親にしか料理を作ったことがないが、将来自分が料理人として活躍する姿を思い浮かべたら、沢山の人に食べてもらいたいという気持ちがふつふつと湧いてきた。
こんな気持ちは初めてだった。今までの人生で、これほどまで何かをやりたいと思ったことはない。光太はこの日から、料理人として沢山のお客さんに腕をふるいたいと思うようになった。
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