4 / 63
第4話
しおりを挟む
普通の刑事と違い機捜隊員は二十四時間交代という過酷な勤務体制だ。
けれど隊長及び副隊長と秘書に限っては定時の八時半出勤・十七時半退庁の日勤で土日祝日も基本的には休みである。職務内容も内勤が主だ。
だが霧島は重大案件が起こると自ら現場に飛び出して行くこともしばしばで、おまけに秘書が見張っていないと内勤もすぐサボる。お蔭で隊員たちの信頼は得ているが秘書たる京哉は書類の代書が大変なのだ。
「僕は勤勉じゃなくて普通です。隊長と副隊長が不真面目すぎるんですよ。ちょっと目を離すとオンライン麻雀対戦してるし、貴方は空戦ゲームまでしてるし、一週間の献立レシピなんか眺めてるし、副隊長は居眠りしてるし。何で巡査部長の僕が警視や警部の書類を――」
「分かった、分かったから仕事の話はここまでだ」
「本当に分かってるとは思えませんが、まあ、車に戻りますか」
様々な警官グッズを衣服の下に隠すため休日とはいえ着用しているスーツを翻し、二人は屋上駐車場に戻った。京哉は屋上から青空を見上げる。
初冬らしく薄く刷いたような雲が流れていて風もかなり冷たい。霧島に促されて白いセダンの助手席に乗り込んだ。
「煙草、吸っても構わんぞ」
「遠慮なくお言葉に甘えます」
ショッピングモールの駐車場を出て、高低様々なビルの林立を目に映してからサイドウィンドウを僅かに下げ、京哉は煙草を咥えてオイルライターで火を点ける。
ここは首都圏下で県警本部の所在地でもある白藤市だ。二人の暮らすマンションは隣の真城市にあった。
霧島が運転する白いセダンは大都市の混み合った表通りから裏通りに入り込み、普通なら選ばないような一方通行路や細い路地を経て最速コースでバイパスに乗る。
京哉は機捜隊長を張る霧島の見事な運転をじっと眺め続けた。
やがて白藤市から真城市に入るとビルの林立は蜃気楼だったかのように消え、バイパス沿いには昼間から過剰な明かりを灯す郊外一軒型の店舗が建つばかりとなる。街道に降りると周囲は白藤市のベッドタウンとして住宅街がのっぺりと広がった。
そんな中を走ってスーパーカガミヤに辿り着く。夕食の食材を購入して再び白いセダンに乗ると月極駐車場までは五分だ。手分けして荷物を持ちマンションまで歩く。
エントランスを開錠しエレベーターで五階建ての五階まで上がった。角部屋の五〇一号室が二人の住処だ。ロックを解いて上がるとそこはダイニングキッチンである。
まず手洗いとうがいして食材を冷蔵庫に収めた。それから寝室で着替える。
ジャケットを脱いで警官グッズをダブルベッドの傍にあるライティングチェストの引き出しに入れ、京哉はチェックのシャツとジーンズを身に着けた。
機捜隊長としての暮らしが身に着いている霧島は休日と言いつつ呼び出しも想定して普段からドレスシャツとスラックスである。それでも京哉が背伸びしてタイを解いてやった。
タイを解きやすいよう屈んだ霧島が京哉を抱き締め、そのまま甘そうな唇を奪う。相変わらずの絶妙なテクニックで歯列を割られ、口内を舐め回されて京哉は喘いだ。
「っん……はあっ! やっ、だめです。まだお風呂も入ってないんですから」
「では今すぐ入ってこい。と言いたいが一休みするか」
珍しくも譲歩した霧島に頷いて、キッチンと続き間のリビングに移動する。
元々霧島が独りで住んでいた室内は床のオークに壁紙の白、調度はブラックでラグなどの差し色がブルーという四色で構成されていて結構スタイリッシュな空間だ。
だが殆どの物は部屋の備品であり、あとから霧島が買った物も選ぶのが面倒なので同じ色にしただけという。
そう聞いた京哉だがプレート一枚にも霧島らしいセンスを感じていた。
エアコンを入れてウィスキーとカットグラスを持ち出した霧島は二人掛けソファに腰を下ろし、TVニュースを見つつ早速ストレートで飲み始めた。
まるで二リットルペットボトルからウーロン茶を注いで干すような飲み方を見て京哉は文句を垂れる。
「幾らアルコールに強くても、そんな飲み方は肝臓に悪いですよ」
「では何か作ってくれるか、食事当番」
「はーい、ちょっと待ってて下さいね」
キッチンで黒いエプロンを着けた京哉は買ってきたばかりの食材で手早くハムレタスサラダを作るとドレッシングと箸を添えてリビングのロウテーブルに置いた。次は茹でたアスパラガスとエノキダケをベーコンで巻き、塩コショウしてさっと焼く。
四角いプレートに盛ると霧島に手渡した。
すると霧島はプレート上のものをまじまじ見つめる。
「どうかしたんですか?」
「以前お前が記憶を失くして十二歳に後退した時、これを作ってくれただろう?」
「ああ、そういうこともありましたよね、特別任務で撃たれて」
二人はどんどん激しさを増す特別任務に思いを馳せて遠い目をした。
「せっかく暗殺スナイパーも辞めたのに、またSAT狙撃班員に任命されるとはな」
「本部長命令ですから仕方ないですよ。けどSATは職務内というか合法というか、まだマシな気がしますよね。あれがマシと思える自分はもう麻痺してるのかなあ?」
「確かに私も麻痺してきたな、特別任務には。毎回内容を聞いてはドン引きしながらも、断るすべもなく便利に厄介事を押しつけられてしまっている。特に前回は結構きたな。まさかの自衛隊から機密物回収依頼とは」
「それが三毛猫争奪戦で銃撃戦ですもんね」
だがどんなに馬鹿馬鹿しい特別任務でも断れない。サッチョウ上層部の秘密を知りすぎてしまい、こちらも強要されたとはいえ京哉の現職警察官暗殺スナイパーという秘密を握られている。互いの秘密を護り合う上でこれもバーターだと思い、割り切るしかなかった。
それにただ飼い殺しにされず重用されているのは、キャリアながらも懲戒を食らった霧島にとって却って良い傾向と云えるのだから。
「もしかして忍さんって普通のキャリアとして扱われるようになったら、国家公務員だから殆ど二年以内に全国何処にでも異動しちゃうんですよね?」
「安心しろ。何処に異動しようがお前はつれて行く。私にはどうしても秘書でありバディであるお前が必要なのだからな」
当然のように霧島は言うが、京哉としては現実を見つめざるを得ない。
「だって僕は地方公務員だし高卒だし、だからまず幹部にはなれないし、サツカン辞めてまで貴方について行くとお荷物です。だから戻ってくるのを待って――」
「ふざけるなよ。一生涯を誓ったパートナー同士が離れてどうする。何もお前にサツカンを辞めろとは言わん、だがつれて行く。何のために特別任務を遂行している?」
鋭い視線には僅かに霧島が何かを企んでいる際に特有の色が混じっていた。
「えっ、まさか特別任務でも得た機密を楯に超法規的措置を要求する、そのために無茶振りに応えて今、握れるだけ秘密を握っておくってことですか?」
「それに見合うだけの働きは充分しているつもりだが?」
やはり霧島という男は食えない。
上は知っているから首輪をつけているのか、それとも犬だと思ったら首輪も引きちぎる狼を飼っているのを知らないのか、果たしてどちらだろうかと京哉は思う。
何れにせよ霧島は昇任を諦めてはいない。
霧島の望みは現場の捜査官たちを背負うこと、そしてより多くの彼らを背負うには相応の階級が必要だ。同様にこの自分も絶対に諦めたりしない。京哉はチラリと自分の左薬指の輝きを見る。
けれど隊長及び副隊長と秘書に限っては定時の八時半出勤・十七時半退庁の日勤で土日祝日も基本的には休みである。職務内容も内勤が主だ。
だが霧島は重大案件が起こると自ら現場に飛び出して行くこともしばしばで、おまけに秘書が見張っていないと内勤もすぐサボる。お蔭で隊員たちの信頼は得ているが秘書たる京哉は書類の代書が大変なのだ。
「僕は勤勉じゃなくて普通です。隊長と副隊長が不真面目すぎるんですよ。ちょっと目を離すとオンライン麻雀対戦してるし、貴方は空戦ゲームまでしてるし、一週間の献立レシピなんか眺めてるし、副隊長は居眠りしてるし。何で巡査部長の僕が警視や警部の書類を――」
「分かった、分かったから仕事の話はここまでだ」
「本当に分かってるとは思えませんが、まあ、車に戻りますか」
様々な警官グッズを衣服の下に隠すため休日とはいえ着用しているスーツを翻し、二人は屋上駐車場に戻った。京哉は屋上から青空を見上げる。
初冬らしく薄く刷いたような雲が流れていて風もかなり冷たい。霧島に促されて白いセダンの助手席に乗り込んだ。
「煙草、吸っても構わんぞ」
「遠慮なくお言葉に甘えます」
ショッピングモールの駐車場を出て、高低様々なビルの林立を目に映してからサイドウィンドウを僅かに下げ、京哉は煙草を咥えてオイルライターで火を点ける。
ここは首都圏下で県警本部の所在地でもある白藤市だ。二人の暮らすマンションは隣の真城市にあった。
霧島が運転する白いセダンは大都市の混み合った表通りから裏通りに入り込み、普通なら選ばないような一方通行路や細い路地を経て最速コースでバイパスに乗る。
京哉は機捜隊長を張る霧島の見事な運転をじっと眺め続けた。
やがて白藤市から真城市に入るとビルの林立は蜃気楼だったかのように消え、バイパス沿いには昼間から過剰な明かりを灯す郊外一軒型の店舗が建つばかりとなる。街道に降りると周囲は白藤市のベッドタウンとして住宅街がのっぺりと広がった。
そんな中を走ってスーパーカガミヤに辿り着く。夕食の食材を購入して再び白いセダンに乗ると月極駐車場までは五分だ。手分けして荷物を持ちマンションまで歩く。
エントランスを開錠しエレベーターで五階建ての五階まで上がった。角部屋の五〇一号室が二人の住処だ。ロックを解いて上がるとそこはダイニングキッチンである。
まず手洗いとうがいして食材を冷蔵庫に収めた。それから寝室で着替える。
ジャケットを脱いで警官グッズをダブルベッドの傍にあるライティングチェストの引き出しに入れ、京哉はチェックのシャツとジーンズを身に着けた。
機捜隊長としての暮らしが身に着いている霧島は休日と言いつつ呼び出しも想定して普段からドレスシャツとスラックスである。それでも京哉が背伸びしてタイを解いてやった。
タイを解きやすいよう屈んだ霧島が京哉を抱き締め、そのまま甘そうな唇を奪う。相変わらずの絶妙なテクニックで歯列を割られ、口内を舐め回されて京哉は喘いだ。
「っん……はあっ! やっ、だめです。まだお風呂も入ってないんですから」
「では今すぐ入ってこい。と言いたいが一休みするか」
珍しくも譲歩した霧島に頷いて、キッチンと続き間のリビングに移動する。
元々霧島が独りで住んでいた室内は床のオークに壁紙の白、調度はブラックでラグなどの差し色がブルーという四色で構成されていて結構スタイリッシュな空間だ。
だが殆どの物は部屋の備品であり、あとから霧島が買った物も選ぶのが面倒なので同じ色にしただけという。
そう聞いた京哉だがプレート一枚にも霧島らしいセンスを感じていた。
エアコンを入れてウィスキーとカットグラスを持ち出した霧島は二人掛けソファに腰を下ろし、TVニュースを見つつ早速ストレートで飲み始めた。
まるで二リットルペットボトルからウーロン茶を注いで干すような飲み方を見て京哉は文句を垂れる。
「幾らアルコールに強くても、そんな飲み方は肝臓に悪いですよ」
「では何か作ってくれるか、食事当番」
「はーい、ちょっと待ってて下さいね」
キッチンで黒いエプロンを着けた京哉は買ってきたばかりの食材で手早くハムレタスサラダを作るとドレッシングと箸を添えてリビングのロウテーブルに置いた。次は茹でたアスパラガスとエノキダケをベーコンで巻き、塩コショウしてさっと焼く。
四角いプレートに盛ると霧島に手渡した。
すると霧島はプレート上のものをまじまじ見つめる。
「どうかしたんですか?」
「以前お前が記憶を失くして十二歳に後退した時、これを作ってくれただろう?」
「ああ、そういうこともありましたよね、特別任務で撃たれて」
二人はどんどん激しさを増す特別任務に思いを馳せて遠い目をした。
「せっかく暗殺スナイパーも辞めたのに、またSAT狙撃班員に任命されるとはな」
「本部長命令ですから仕方ないですよ。けどSATは職務内というか合法というか、まだマシな気がしますよね。あれがマシと思える自分はもう麻痺してるのかなあ?」
「確かに私も麻痺してきたな、特別任務には。毎回内容を聞いてはドン引きしながらも、断るすべもなく便利に厄介事を押しつけられてしまっている。特に前回は結構きたな。まさかの自衛隊から機密物回収依頼とは」
「それが三毛猫争奪戦で銃撃戦ですもんね」
だがどんなに馬鹿馬鹿しい特別任務でも断れない。サッチョウ上層部の秘密を知りすぎてしまい、こちらも強要されたとはいえ京哉の現職警察官暗殺スナイパーという秘密を握られている。互いの秘密を護り合う上でこれもバーターだと思い、割り切るしかなかった。
それにただ飼い殺しにされず重用されているのは、キャリアながらも懲戒を食らった霧島にとって却って良い傾向と云えるのだから。
「もしかして忍さんって普通のキャリアとして扱われるようになったら、国家公務員だから殆ど二年以内に全国何処にでも異動しちゃうんですよね?」
「安心しろ。何処に異動しようがお前はつれて行く。私にはどうしても秘書でありバディであるお前が必要なのだからな」
当然のように霧島は言うが、京哉としては現実を見つめざるを得ない。
「だって僕は地方公務員だし高卒だし、だからまず幹部にはなれないし、サツカン辞めてまで貴方について行くとお荷物です。だから戻ってくるのを待って――」
「ふざけるなよ。一生涯を誓ったパートナー同士が離れてどうする。何もお前にサツカンを辞めろとは言わん、だがつれて行く。何のために特別任務を遂行している?」
鋭い視線には僅かに霧島が何かを企んでいる際に特有の色が混じっていた。
「えっ、まさか特別任務でも得た機密を楯に超法規的措置を要求する、そのために無茶振りに応えて今、握れるだけ秘密を握っておくってことですか?」
「それに見合うだけの働きは充分しているつもりだが?」
やはり霧島という男は食えない。
上は知っているから首輪をつけているのか、それとも犬だと思ったら首輪も引きちぎる狼を飼っているのを知らないのか、果たしてどちらだろうかと京哉は思う。
何れにせよ霧島は昇任を諦めてはいない。
霧島の望みは現場の捜査官たちを背負うこと、そしてより多くの彼らを背負うには相応の階級が必要だ。同様にこの自分も絶対に諦めたりしない。京哉はチラリと自分の左薬指の輝きを見る。
0
あなたにおすすめの小説
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
私は、夫にも子供にも選ばれなかった。
その事実だけを抱え、離縁を突きつけ、家を出た。
そこで待っていたのは、最悪の出来事――
けれど同時に、人生の扉がひらく瞬間でもあった。
夫は愛人と共に好きに生きればいい。
今さら「本当に愛していたのは君だ」と言われても、裏切ったあなたを許すことはできない。
でも、子供たちの心だけは、必ず取り戻す。
妻にも母にもなれなかった伯爵夫人イネス。
過去を悔いながらも、愛を手に入れることを決めた彼女が辿り着いた先には――
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
企業再生のプロ、倒産寸前の貧乏伯爵に転生する
namisan
ファンタジー
数々の倒産寸前の企業を立て直してきた敏腕コンサルタントの男は、過労の末に命を落とし、異世界で目を覚ます。
転生先は、帝国北部の辺境にあるアインハルト伯爵家の若き当主、アレク。
しかし、そこは「帝国の重荷」と蔑まれる、借金まみれで領民が飢える極貧領地だった。
凍える屋敷、迫りくる借金取り、絶望する家臣たち。
詰みかけた状況の中で、アレクは独自のユニーク魔法【構造解析(アナライズ)】に目覚める。
それは、物体の構造のみならず、組織の欠陥や魔法術式の不備さえも見抜き、再構築(クラフト)するチート能力だった。
「問題ない。この程度の赤字、前世の案件に比べれば可愛いものだ」
前世の経営知識と規格外の魔法で、アレクは領地の大改革に乗り出す。
痩せた土地を改良し、特産品を生み出し、隣国の経済さえも掌握していくアレク。
そんな彼の手腕に惹かれ、集まってくるのは一癖も二癖もある高貴な美女たち。
これは、底辺から這い上がった若き伯爵が、最強の布陣で自領を帝国一の都市へと発展させ、栄華を極める物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる