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第38話
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説明してもコージだけでなく副官まで懐疑的な目をしていた。
そこで第二目的地の射場に案内して貰う。
プレバブの整備小屋に入り一旦XM500を分解してパーツの整備具合や内部機構を確かめながら再び組み上げ、屋外射場に出て試射を兼ねた調整を始めた。
この自分がトリガを引く時には必ず傍にいる霧島というスポッタの不在を噛み締めながら、自分でレーザースコープを覗いて更に気象計に表示される緯度・経度・気圧・気温・湿度など様々な条件を確認する。
それらのデータを携帯にインストールしてある弾道計算アプリに入力し、計算結果と勘で銃のスコープを微調整した。
そうして伊達眼鏡を外すと、いきなり標的を千五百メートルにセットする。
選んだのは伏射姿勢だ。腹這いで両肘をつき上体を反らして起こす。脚は角度を付けて開いた。バイポッドなる二脚と両手で重すぎる銃を支える。左手はハンドガードを下から掴み、右手はグリップを握った。人差し指は勿論トリガへ。銃床をしっかり右肩に押しつける。銃付属のスコープを覗き込んだ。
呆気なく轟音が三回連続で響く。銃口が吐く燃焼炎、マズルフラッシュはフラッシュハイダーを兼ねたマズルブレーキが付いているため案外大人しい。
「オールヒット。でもハートショットにしてはやや右ですね」
レーザースコープを覗いた副官の言葉に京哉も返されたスコープで確かめる。
次の三連射ではオールヘッドショットを決め、そこから撃ち込むこと二千二百メートルまでを京哉は見事にクリアして、副官とコージから驚嘆と称賛の拍手を貰った。
小屋に戻ってXM500を簡単に整備する。それを眺めてコージが顔をしかめた。
「撃発音も硝煙もすごかったな。周りが真っ白だったぞ」
「まあ、そうですね。上手く隠れて撃たないとすぐにバレますよ」
「で、隠れて誰を狙うんだ?」
「これは保険です。使わずにいられたら、それに越したことはありませんから」
はぐらかしてもコージは淡々としていた。
「ふうん、まあいいさ。このカメラに映るものこそが事実、それを確かめたければ僕自身が何処までも食い下がっていけばいい、それだけだからな」
カメラマンはそう言ってXM500を抱えた京哉をファインダーに収める。いい画が撮れたのかコージは満足げな笑みを洩らした。京哉はXM500をハードケースに収める。
「じゃあ僕は忍さんの所に行くけれど、コージはどうするんですか?」
「そうだな。まずは河合社長を捕まえないと。あいつは何処に行ったんだ?」
副官の運転する車両の中からコージがメールを打つとすぐに返事が返ってきた。
「どれ、【オペレーション決行を十九時まで延期せよ】って、どういうことだ?」
反射的に京哉が腕時計を見ると十六時前、あと三時間以上もあった。
「急に何を言って……話にならないですよ」
「でもそろそろ飯くらいは食べた方がいいんじゃないか?」
「食欲なんか……それより忍さんが待ってるのに三時間なんてどうして?」
事情を知らないまでもコージと話した副官が気を利かせ車両を食堂に着けた。食堂前で河合泰造氏が兵士らと話していて、こちらに気付くと大きく手を振る。
「河合社長、どうしてあと三時間も……どういう意味ですか?」
「『暗くなるまで待って』といったところだ。おっと、ふざけちゃいないから怒るんじゃない。その時間なら援軍が期待できる、霧島氏救出作戦も成功の可能性が上がるということだ。まあ遅い昼食でも摂って計画のすり合わせといこうじゃないか」
もし霧島が生きていなかったら即座に復讐を開始するための銃を提げて京哉は吐息を洩らす。河合社長は大らかに笑い、コージは京哉の薄い肩を叩いた。
そこで第二目的地の射場に案内して貰う。
プレバブの整備小屋に入り一旦XM500を分解してパーツの整備具合や内部機構を確かめながら再び組み上げ、屋外射場に出て試射を兼ねた調整を始めた。
この自分がトリガを引く時には必ず傍にいる霧島というスポッタの不在を噛み締めながら、自分でレーザースコープを覗いて更に気象計に表示される緯度・経度・気圧・気温・湿度など様々な条件を確認する。
それらのデータを携帯にインストールしてある弾道計算アプリに入力し、計算結果と勘で銃のスコープを微調整した。
そうして伊達眼鏡を外すと、いきなり標的を千五百メートルにセットする。
選んだのは伏射姿勢だ。腹這いで両肘をつき上体を反らして起こす。脚は角度を付けて開いた。バイポッドなる二脚と両手で重すぎる銃を支える。左手はハンドガードを下から掴み、右手はグリップを握った。人差し指は勿論トリガへ。銃床をしっかり右肩に押しつける。銃付属のスコープを覗き込んだ。
呆気なく轟音が三回連続で響く。銃口が吐く燃焼炎、マズルフラッシュはフラッシュハイダーを兼ねたマズルブレーキが付いているため案外大人しい。
「オールヒット。でもハートショットにしてはやや右ですね」
レーザースコープを覗いた副官の言葉に京哉も返されたスコープで確かめる。
次の三連射ではオールヘッドショットを決め、そこから撃ち込むこと二千二百メートルまでを京哉は見事にクリアして、副官とコージから驚嘆と称賛の拍手を貰った。
小屋に戻ってXM500を簡単に整備する。それを眺めてコージが顔をしかめた。
「撃発音も硝煙もすごかったな。周りが真っ白だったぞ」
「まあ、そうですね。上手く隠れて撃たないとすぐにバレますよ」
「で、隠れて誰を狙うんだ?」
「これは保険です。使わずにいられたら、それに越したことはありませんから」
はぐらかしてもコージは淡々としていた。
「ふうん、まあいいさ。このカメラに映るものこそが事実、それを確かめたければ僕自身が何処までも食い下がっていけばいい、それだけだからな」
カメラマンはそう言ってXM500を抱えた京哉をファインダーに収める。いい画が撮れたのかコージは満足げな笑みを洩らした。京哉はXM500をハードケースに収める。
「じゃあ僕は忍さんの所に行くけれど、コージはどうするんですか?」
「そうだな。まずは河合社長を捕まえないと。あいつは何処に行ったんだ?」
副官の運転する車両の中からコージがメールを打つとすぐに返事が返ってきた。
「どれ、【オペレーション決行を十九時まで延期せよ】って、どういうことだ?」
反射的に京哉が腕時計を見ると十六時前、あと三時間以上もあった。
「急に何を言って……話にならないですよ」
「でもそろそろ飯くらいは食べた方がいいんじゃないか?」
「食欲なんか……それより忍さんが待ってるのに三時間なんてどうして?」
事情を知らないまでもコージと話した副官が気を利かせ車両を食堂に着けた。食堂前で河合泰造氏が兵士らと話していて、こちらに気付くと大きく手を振る。
「河合社長、どうしてあと三時間も……どういう意味ですか?」
「『暗くなるまで待って』といったところだ。おっと、ふざけちゃいないから怒るんじゃない。その時間なら援軍が期待できる、霧島氏救出作戦も成功の可能性が上がるということだ。まあ遅い昼食でも摂って計画のすり合わせといこうじゃないか」
もし霧島が生きていなかったら即座に復讐を開始するための銃を提げて京哉は吐息を洩らす。河合社長は大らかに笑い、コージは京哉の薄い肩を叩いた。
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