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第79話
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寝不足ながら満ち足りた朝を迎え、シドは上機嫌で煙草を吸いながら薔薇園を見渡した。昨日はここまでとは思わなかった。それこそ薔薇は比喩でなく見渡す限りの一面に咲き誇っていたのである。これならロセル島全体に爽やかな香気が漂っていてもおかしくはない。
早くこの光景をハイファにも見せてやりたくてフランス窓を大きく開け、バルコニーにテーブルセットを出したのだが、現在時八時五十五分にしてハイファはベッドに座ったまま動かずシーツのシワを見つめている。
まるでタマのようで面白いのだが、面白いで済むかどうかは分からない。あと三十分で自力歩行が可能だろうか……。
「ハイファ、無理ならメシ、運んで貰うぞ」
「やだ……起きる」
仕方なく先に着替えたシドはハイファに手を貸して着替えさせ始めた。
夜着を脱がせてドレスシャツとスラックスを身に着けさせ、執銃させる。髪も綺麗に櫛で梳いてやり銀の金具で留めた。支えて洗面所までつれてゆき、顔を洗わせてタイを締めジャケットを着せれば出来上がりだ。
その頃にはハイファも何とか自力歩行が可能となっている。
「うわあ、すっごい薔薇! 見えなくなるまで続いてるよ!」
「大した労力だよな」
「そうだよね、これだけの花を一斉に咲かせるなんて。でも貴方も僕もスーツのコーディネート、少し柔らかめにして正解だったね、あの淡いピンクにきっと馴染むよ」
「主人公の薔薇より目立っちゃ悪いもんな」
「そんなこと言いながらそれ着ちゃうの? オッサン臭い……」
自分の制服である対衝撃ジャケットを貶されてシドは少々ムッとする。
そこでチャリンとベルの音がし、声が流れ出す。
《おはようございます、朝食の準備ができましてございます》
昨夜と同じく黒服にくっついて大階段を下った。さりげなくシドは細い腰を支えていたが、黒服のお兄さんは慎ましやかに見て見ぬフリだ。
着いたのは一階の食堂ではなく二階のサロンだった。そこでは一際大きなフランス窓が開け放たれ、バルコニーのテーブルに朝食の準備がなされていた。
「おはようございます、アロイス公」
「おはよう、シドにハイファス。よく休めたならいいんだが」
「お蔭さまでゆっくり寝かせて頂きました」
代表挨拶はハイファ、さらりと嘘をこいて鉄面皮の男と席に着く。
「ところで公、ジャイルズは?」
「レフターは部屋で寝ている。今朝に限っては食事より睡眠が恋しいのだそうだ」
「ふん。コソ泥がデリケートなフリしやがって」
ジャイルズの全てが気に食わないシドは貶してから思い出した。昨夜自分が撃ったフレシェット弾が跳弾し怪我もしたのだ。怪我をして的確な処置を怠ってのテレポートは厳禁なのである。ワープと同じく一瞬だけ通過する亜空間で血を攫われるのだ。
きっと貧血で起きられないのだろう、ざまあみやがれと思う。
メイドにコーヒーか紅茶かを訊かれ、二人はせっかくの薔薇の香気を愉しむためにも紅茶を選んだ。アロイス公も湯気の立たない紅茶を飲んでいる。
温かいスコーンや卵料理にハムソテー、サラダなどが饗され、二人はアロイス公と歓談しながらのんびりと食した。特に薔薇のジャムは絶品で主夫ハイファが褒めると公も嬉しそうに頷きレシピは厨房長の秘密なのだと笑っていた。
「でも何でここまで薔薇だらけにしたんだ、それも同じ種類ばっかりでさ」
ラフな口調のシドにも公は笑って答える。
「咲いているのはこの世でここだけの品種、『プリンセス・ミューラ』だ。この城のずっと先は崖になっていて、そこに母・ミューラの墓がある。母の墓標に捧げているんだよ」
「それは……でもここと繋がった双子島のマーロン島もお墓だって漁師さんが……」
何がどう繋がるか分からない。ついでに訊いてしまえとばかりにハイファは失礼と思いながら語尾を濁しつつ首を傾げて見せた。だが公は案外軽くこれにも答える。
「マーロン島も薔薇でいっぱいだ。あちらの薔薇は『プリンセス・リリカ』だよ」
「じゃあマーロン島にはリリカ姫が眠ってる……?」
「そうだ。僕の殺した許嫁姫が眠っている」
「ふうん、あんたの殺した……ちょっと待てよ、何だそれは!」
「そう驚くこともないだろう。痛みを知らない僕は七歳の折、許嫁である五歳のリリカの首を折ってしまった。すぐに処置すれば助かったかも知れないが――」
だが次代王としてのアロイス=シューモンド四世の名を護ることばかりに皆が必死で、適切な処置の遅れたリリカ姫は一命を取り留めることなく亡くなったのだという。
「自分が何をしたのか、十歳になるまで意味が分からなかったよ」
誰も説明などしてくれなかった。アロイス少年は限られた情報しか得られない狭い世界に置かれたまま、自らの行動の意味を悟るまで三年も掛かったのだ。
「それでせめて墓標に絶えることなく花を捧げている。きっと許せないだろう僕から可能な限り遠い場所、マーロン島の先端の、これも崖の上に墓を造ってね」
哀しくも痛々しい話だった。それでも公は老成した静かな表情を崩さなかった。
「申し訳ありませんでした」
「申し訳なくなどない、事実を述べたまでだ」
「そう、ですか。ミューラ王妃とリリカ姫のお参りに行っても宜しいでしょうか?」
「ああ。きっと喜ぶだろう」
朝食を摂り終えてワゴンが片付けられたバルコニーを海風が爽やかな香気を乗せて渡る。紅茶のおかわりを貰いながらシドはストレートに訊いた。
「犯罪者と知ってもジャイルズ=ライトを飼う、その意味は何だ?」
「僕自身が殺人者だ、何も怖くはない」
「『教師』であり『王たる者にふさわしくなるため』……どうして必要なんだ? あいつはテラ連邦軍中央情報局に手配を掛けられた、テラの何処にも受け入れられねぇ人間なんだぞ?」
「僕はね、シド。様々な要因が重なって純粋培養されすぎたんだよ」
「王ってのはどんな星系でも似たようなモンだろ、それの何処が悪い?」
暫し遠くを眺めたのちにアロイス公は口を開く。
「どう言えば分かって貰えるだろうか……そうだな、痛みを知らなければ他人の痛みも分かるまい。少なくとも同じく王になるべき身だったレフターは痛みを与える恐ろしさと効用の両面を知っている。与えられる恐ろしさと哀れさも」
「それはもしかして鉱山を開発しておいてパン屑しか投げ与えないFCと、リマライ星系の貧しい鉱区民のことを言っているのか? あのジャイルズ自身も犯罪者、加害者だぞ」
「分かっている。悪いがハイファスのことも昨夜聞いたよ。だがまあ、その通りだ」
それきり黙ってしまったアロイス公は暫く薔薇園を眺めたのち、少年の躰で椅子から慎重に降りると静かに去ってしまった。残されたシドとハイファは冷めた紅茶に口をつけながら彼方まで続くピンクの洪水を眺め続ける。
「……で、何が言いてぇんだ、あれは?」
「ノブレス・オブリージュだけでは王は務まらないってこと。それが事実か否かは別問題としてアロイス公がそう思い込んでる、ジャイルズに思い込まされてることが重要ってことかな」
「人間のキッタネェ部分も知らなきゃならねぇって?」
「そこまで言っちゃうのは極論だけど、まあ、そんなとこじゃないの?」
「ジャイルズは人心掌握術っつーか、権謀術数の教師か」
「もっと簡単な言い方をすれば、良い知らせしか聞かせない家来よりも、悪い知らせを聞かせてくれる家来の方がいい家来ってね」
「なるほど。……ところでさ、リリカ姫の方の薔薇が何色か、賭けるか?」
「じゃあ僕は黄色ね」
「俺は白な。行くか」
早くこの光景をハイファにも見せてやりたくてフランス窓を大きく開け、バルコニーにテーブルセットを出したのだが、現在時八時五十五分にしてハイファはベッドに座ったまま動かずシーツのシワを見つめている。
まるでタマのようで面白いのだが、面白いで済むかどうかは分からない。あと三十分で自力歩行が可能だろうか……。
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「やだ……起きる」
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その頃にはハイファも何とか自力歩行が可能となっている。
「うわあ、すっごい薔薇! 見えなくなるまで続いてるよ!」
「大した労力だよな」
「そうだよね、これだけの花を一斉に咲かせるなんて。でも貴方も僕もスーツのコーディネート、少し柔らかめにして正解だったね、あの淡いピンクにきっと馴染むよ」
「主人公の薔薇より目立っちゃ悪いもんな」
「そんなこと言いながらそれ着ちゃうの? オッサン臭い……」
自分の制服である対衝撃ジャケットを貶されてシドは少々ムッとする。
そこでチャリンとベルの音がし、声が流れ出す。
《おはようございます、朝食の準備ができましてございます》
昨夜と同じく黒服にくっついて大階段を下った。さりげなくシドは細い腰を支えていたが、黒服のお兄さんは慎ましやかに見て見ぬフリだ。
着いたのは一階の食堂ではなく二階のサロンだった。そこでは一際大きなフランス窓が開け放たれ、バルコニーのテーブルに朝食の準備がなされていた。
「おはようございます、アロイス公」
「おはよう、シドにハイファス。よく休めたならいいんだが」
「お蔭さまでゆっくり寝かせて頂きました」
代表挨拶はハイファ、さらりと嘘をこいて鉄面皮の男と席に着く。
「ところで公、ジャイルズは?」
「レフターは部屋で寝ている。今朝に限っては食事より睡眠が恋しいのだそうだ」
「ふん。コソ泥がデリケートなフリしやがって」
ジャイルズの全てが気に食わないシドは貶してから思い出した。昨夜自分が撃ったフレシェット弾が跳弾し怪我もしたのだ。怪我をして的確な処置を怠ってのテレポートは厳禁なのである。ワープと同じく一瞬だけ通過する亜空間で血を攫われるのだ。
きっと貧血で起きられないのだろう、ざまあみやがれと思う。
メイドにコーヒーか紅茶かを訊かれ、二人はせっかくの薔薇の香気を愉しむためにも紅茶を選んだ。アロイス公も湯気の立たない紅茶を飲んでいる。
温かいスコーンや卵料理にハムソテー、サラダなどが饗され、二人はアロイス公と歓談しながらのんびりと食した。特に薔薇のジャムは絶品で主夫ハイファが褒めると公も嬉しそうに頷きレシピは厨房長の秘密なのだと笑っていた。
「でも何でここまで薔薇だらけにしたんだ、それも同じ種類ばっかりでさ」
ラフな口調のシドにも公は笑って答える。
「咲いているのはこの世でここだけの品種、『プリンセス・ミューラ』だ。この城のずっと先は崖になっていて、そこに母・ミューラの墓がある。母の墓標に捧げているんだよ」
「それは……でもここと繋がった双子島のマーロン島もお墓だって漁師さんが……」
何がどう繋がるか分からない。ついでに訊いてしまえとばかりにハイファは失礼と思いながら語尾を濁しつつ首を傾げて見せた。だが公は案外軽くこれにも答える。
「マーロン島も薔薇でいっぱいだ。あちらの薔薇は『プリンセス・リリカ』だよ」
「じゃあマーロン島にはリリカ姫が眠ってる……?」
「そうだ。僕の殺した許嫁姫が眠っている」
「ふうん、あんたの殺した……ちょっと待てよ、何だそれは!」
「そう驚くこともないだろう。痛みを知らない僕は七歳の折、許嫁である五歳のリリカの首を折ってしまった。すぐに処置すれば助かったかも知れないが――」
だが次代王としてのアロイス=シューモンド四世の名を護ることばかりに皆が必死で、適切な処置の遅れたリリカ姫は一命を取り留めることなく亡くなったのだという。
「自分が何をしたのか、十歳になるまで意味が分からなかったよ」
誰も説明などしてくれなかった。アロイス少年は限られた情報しか得られない狭い世界に置かれたまま、自らの行動の意味を悟るまで三年も掛かったのだ。
「それでせめて墓標に絶えることなく花を捧げている。きっと許せないだろう僕から可能な限り遠い場所、マーロン島の先端の、これも崖の上に墓を造ってね」
哀しくも痛々しい話だった。それでも公は老成した静かな表情を崩さなかった。
「申し訳ありませんでした」
「申し訳なくなどない、事実を述べたまでだ」
「そう、ですか。ミューラ王妃とリリカ姫のお参りに行っても宜しいでしょうか?」
「ああ。きっと喜ぶだろう」
朝食を摂り終えてワゴンが片付けられたバルコニーを海風が爽やかな香気を乗せて渡る。紅茶のおかわりを貰いながらシドはストレートに訊いた。
「犯罪者と知ってもジャイルズ=ライトを飼う、その意味は何だ?」
「僕自身が殺人者だ、何も怖くはない」
「『教師』であり『王たる者にふさわしくなるため』……どうして必要なんだ? あいつはテラ連邦軍中央情報局に手配を掛けられた、テラの何処にも受け入れられねぇ人間なんだぞ?」
「僕はね、シド。様々な要因が重なって純粋培養されすぎたんだよ」
「王ってのはどんな星系でも似たようなモンだろ、それの何処が悪い?」
暫し遠くを眺めたのちにアロイス公は口を開く。
「どう言えば分かって貰えるだろうか……そうだな、痛みを知らなければ他人の痛みも分かるまい。少なくとも同じく王になるべき身だったレフターは痛みを与える恐ろしさと効用の両面を知っている。与えられる恐ろしさと哀れさも」
「それはもしかして鉱山を開発しておいてパン屑しか投げ与えないFCと、リマライ星系の貧しい鉱区民のことを言っているのか? あのジャイルズ自身も犯罪者、加害者だぞ」
「分かっている。悪いがハイファスのことも昨夜聞いたよ。だがまあ、その通りだ」
それきり黙ってしまったアロイス公は暫く薔薇園を眺めたのち、少年の躰で椅子から慎重に降りると静かに去ってしまった。残されたシドとハイファは冷めた紅茶に口をつけながら彼方まで続くピンクの洪水を眺め続ける。
「……で、何が言いてぇんだ、あれは?」
「ノブレス・オブリージュだけでは王は務まらないってこと。それが事実か否かは別問題としてアロイス公がそう思い込んでる、ジャイルズに思い込まされてることが重要ってことかな」
「人間のキッタネェ部分も知らなきゃならねぇって?」
「そこまで言っちゃうのは極論だけど、まあ、そんなとこじゃないの?」
「ジャイルズは人心掌握術っつーか、権謀術数の教師か」
「もっと簡単な言い方をすれば、良い知らせしか聞かせない家来よりも、悪い知らせを聞かせてくれる家来の方がいい家来ってね」
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閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
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