77 / 82
第三章
77 ”能力”の有無
しおりを挟む
「やはり、倒し難いという伝承は本当であったか」
飛龍へと変化したクーカイは
息を切らせながらつぶやく。
クーカイが追いかけた一部はこの島の海岸へ落ちた。
そしてものすごい勢いで増殖を繰り返し、
あっという間に元の大きさの半分くらいになったのだ。
どんな攻撃もある程度の効果はあるが、
完全に滅することは出来ないでいた。
一度に全ての遺体を攻撃・浄化するなど
単身の身では至難の業なのだ。
「……しかし、必ず倒してみせようぞ」
”心臓”のある本体へ向かおうとするそれの前に
クーカイは立ちふさがった。
そして天に向かって吠えると、
たちまち雷鳴が響き渡り、
光の雨のように餓者髑髏の塊へと降り注いだ。
そしてその体に向かって青い炎を吐き出す。
たまらず餓者髑髏の死体たちは叫び声をあげる。
さらには真っ黒な炭と化した餓者髑髏の塊を
頑丈な龍の尾を持って叩き潰す。
粉々になったのを確認しながら、
クーカイは荒く息をしながらつぶやいた。
「……やったか?」
しかし。
残骸の中央に残されたわずかな部分が、
ブクブクと泡立つように膨れ上がってくる。
それはあっという間に何体かの死体へと姿を変えた。
クーカイはさすがに悔し気に顔をゆがめた。
また、再生してしまうのか。
”俺には、レイオウほどの能力は無い、ということか”
唇をかみしめるクーカイ。
しかし。
クーカイは己を奮い立たせて立ち上がる。
「何度でも倒そうぞ! この身が果てるまで!」
そうしてもう一度、攻撃しようとした時。
「皆の者! 一斉に弓を引け!」
手練れの戦士たちが放つ矢が、
餓者髑髏に突き刺さっていく。
クーカイが振り返ると、
そこには武家の兵たちが乗った船が見えた。
先ほどのクーカイの”光の雨”を見て、
こちらに船を進めてきたのだ。
舟の上に行き、クーカイは叫んだ。
「解毒できぬ者は船から降りるな!
こやつの毒素は想像以上に強い!」
船上で頭である八幡守当主が
クーカイを見上げながらうなずいて言う。
「策あらばご指示を、東王門様。
我らは弓矢と槍、そのほか飛び道具を有しております」
クーカイはうなずき、彼に命じた。
「我のみでは圧倒的に”浄化”が足らぬ。
そのため、攻撃だけでなく穢れを払う効果を持つ
焙烙火矢を用いて欲しい」
そして他の兵たちに告げた。
「やみくもに攻撃しても矢と体力の無駄になる。
目の良いものを前に出し、必ず死体の頭を狙え。
一撃で仕留められるよう努めるのだ」
そして手短に、それぞれの兵に任務を与えた。
「では、いくぞ!」
クーカイは飛び、すでに元の大きさへと戻った
餓者髑髏へ向かって行く。
そしてもう一度、全ての攻撃を浴びせたのだ。
だが今回は、船からの援護があった。
破魔の力を持つ焙烙火矢が放たれ
霧雨のように浄化の作用を持つ水が降り注ぐ。
どんなに小さな魔物も逃すまいと、
破邪の香料が大量に撒かれていった。
「見ろ! 白く変わっていくぞ!」
今までと違い、粉々になった餓者髑髏は
シュウシュウという音を立てながら分解されていく。
そして最後にはきらめく光の粒となって天に昇って行った。
破壊とともに浄化されたことで、
無数の使者たちは成仏していったのだ。
全ての力を出し切ったクーカイが、
よろけながらも船上の兵たちを労いに向かう。
その姿を見て、兵たちは片膝をついて迎えた。
「よくがんばってくれた。深く御礼申し上げる」
クーカイの言葉に、八幡守の当主は頭を下げたまま答える。
「東王門の王子とともに戦える誉れ、
我らにとっては何よりの褒美でございます」
お世辞だと思い戸惑うクーカイに、他の武将もうなずく。
「かねてより、東王門の王子は特出して用兵に優れ、
また兵を守るお心が強い、と噂になっておりました」
その通りだ、という顔で兵たちもうなずいている。
確かに、レイオウは孤高の存在だ。
側に置くのも八部衆のみと限定しており、
大きな軍隊に指示を出したりはしない。
だから戦場において兵士たちが
信じ頼るのはクーカイのほうだったのだ。
クーカイは口元をほころばせる。
これまで、レイオウの才能を認めつつ、
やはり悔しかったのだ。
龍という神に近い存在であるに関わらず
二番目に甘んじていることを
心のどこかで恥じ、不満に思っていた。
そして、常に自分の力不足を責め、
がむしゃらな精進を欠かさなかったのだが。
”でも、俺には俺の才能があったのだな。
まだまだ上を目指さねばならないと思っていたが、
この力はすでに充分に足り得ていたのだ”
クーカイは、”能力”の高さ、低さに
翻弄されていた日々から解放されたのだ。
ーーーーーーーーーーーー
アヤハは傷だらけになって戦っていた。
「もう! 切っても焼いても復活するんだから!」
飛んでいった餓者髑髏の一部は
大きな木に突き刺さった後、
毒素をまき散らせながらその木を枯らし
周囲に広がる草原までを腐敗した土地に変えていった。
それを食い止めるために、
アヤハは餓者髑髏ごと、
広域を”清廉なる炎”で焼き切らねばならなかったのだ。
プスプスと煙をあげていたその塊は
またもや徐々に元に戻っていったのだ。
「もう! 何回目よ!」
言いながらも、アヤハは理解していた。
自分には、あの塊を全て滅するほどの力はないことを。
今の彼女には、ふたたび毒素を吐き出させないように
何度でも燃やすことしかできなかった。
息を切らしながら、思わず涙ぐむアヤハ。
”能力なんて要らなかった。
普通の家に生まれたかった”
自分が飛びぬけて強いことが誇らしかったのは
小さなころまでだった。
父である南王や母、そして臣下たちが
素晴らしい! と褒めてくれるのが嬉しくて
つい頑張り、出来る限りの力を見せたものだ。
しかし成長するにつれ、だんだん苦しくなっていく。
最も大変だったのが、結婚を意識した時だ。
アヤハの婚約者は、同族である南王門家の者だ。
自分につけられた守護騎士と
彼女は恋に落ちたのだ。
一族内で結婚するメリットは少なく、
しかも相手は下位の階級の者。
自主自律をモットーにする彼らはあっさりと許可したが、
それには多大な責任も伴ったのだ。
つまり、アヤハが他の四天王家と婚姻を結んだ場合と同等の
戦果やコネクションを自力で得なくてはならない。
そのため、愛する彼は休む間もなく世界を”飛び”まわっている。
確かな実績を残し、他の四天王と人脈を作る。
アヤハが他の王門に嫁いで得られるメリットを
彼は作り出そうとしているのだ。
”せっかく婚約したけど、ずっと会ってない。
普通に誕生日を家族で祝って、
イベントの日は恋人と過ごせる。
そういう普通が欲しかったなあ”
そんな事を思いながらも、体は動いた。
長年の厳しい鍛錬の成果だろう。
魔物が再生しきったところを、
また業火で包み込むために空へと羽ばたいた。
”諦めちゃダメ。今度は真上から焼いてみよう”
そして、下を見て驚いた。
「……お墓があったのね」
木々の先には、美しい花畑に囲まれて、
いくつかのお墓があったのだ。
「良かった、あそこに被害が出る前で」
誰かの大事な人が眠る、大切な場所なのだ。
花畑は規則正しく並んでおり、
手入れもされているところを見ると
この墓の主の家族は、定期的にこの小島を訪れているのだろう。
かつては人が住んでいたという、この島。
無人となった今でも、誰かの思い出は残っているのだ。
”良かった。私に力があって”
アヤハは改めて思った。
”能力あるからこそ、大事なものを守れる。
誰かが嘆き悲しむのを
少しでも減らすことができるのね。
こんな初歩的なこと、忘れちゃうなんてね”
そして、下方にある餓者髑髏を見下ろす。
すっかり元の大きさへと復活し、
今にも毒素を噴出しようとうごめいていた。
アヤハは攻撃を繰り出そうと強く羽ばたくが。
「痛っ!」
何度も酷使したため、翼に激痛が走った。
それでも大きく息を吸い込んで、
再び羽を動かそうとした、その時。
日差しがいきなり陰り、驚いて上を見ると。
そこには茶色と黒の、大きな鷹の翼が見えたのだ。
アヤハは驚きで声も出なかった。
”まさか! どうして? ここに?”
心の声に答えるように、穏やかな声が聞こえる。
それはアヤハがずっと聞きたかった声だった。
「南方の悪鬼は俺が全て滅した。
四天王家の各将軍の信頼を得ることも出来た。
後は最も大事な仕事……君を守ることだ」
「あら、守るだなんて不要だわ。
まあどうしてもというなら
一緒に戦ってあげてもいいけど?」
涙ぐみ鼻声になりつつも、
アヤハはツンとすまして言い返す。
彼にはずっと、今まで通り、
”気が強くて生意気”でいたいのだ。
好きな人に対してのみ、
ツンデレの極みのような彼女が
よくもまあ無事に婚約できたものだが、
ひとえに彼が極めて寛容であり、
包容力のある男だからだろう。
彼が居れば安心だ。アヤハは安堵していた。
南王門の守護騎士の中で最も実力を有しており、
攻撃力は王家に勝るとも劣らないと言われている男だ。
「……では姫様。俺が総攻撃をかけるので、
姫様は浄化に集中してください」
雄々しい翼をはためかせて言う婚約者に
アヤハはうなずきかけて、言い直させた。
二人の時は、姫君でなく、
名前で呼ぶ約束をしたのだから。
飛龍へと変化したクーカイは
息を切らせながらつぶやく。
クーカイが追いかけた一部はこの島の海岸へ落ちた。
そしてものすごい勢いで増殖を繰り返し、
あっという間に元の大きさの半分くらいになったのだ。
どんな攻撃もある程度の効果はあるが、
完全に滅することは出来ないでいた。
一度に全ての遺体を攻撃・浄化するなど
単身の身では至難の業なのだ。
「……しかし、必ず倒してみせようぞ」
”心臓”のある本体へ向かおうとするそれの前に
クーカイは立ちふさがった。
そして天に向かって吠えると、
たちまち雷鳴が響き渡り、
光の雨のように餓者髑髏の塊へと降り注いだ。
そしてその体に向かって青い炎を吐き出す。
たまらず餓者髑髏の死体たちは叫び声をあげる。
さらには真っ黒な炭と化した餓者髑髏の塊を
頑丈な龍の尾を持って叩き潰す。
粉々になったのを確認しながら、
クーカイは荒く息をしながらつぶやいた。
「……やったか?」
しかし。
残骸の中央に残されたわずかな部分が、
ブクブクと泡立つように膨れ上がってくる。
それはあっという間に何体かの死体へと姿を変えた。
クーカイはさすがに悔し気に顔をゆがめた。
また、再生してしまうのか。
”俺には、レイオウほどの能力は無い、ということか”
唇をかみしめるクーカイ。
しかし。
クーカイは己を奮い立たせて立ち上がる。
「何度でも倒そうぞ! この身が果てるまで!」
そうしてもう一度、攻撃しようとした時。
「皆の者! 一斉に弓を引け!」
手練れの戦士たちが放つ矢が、
餓者髑髏に突き刺さっていく。
クーカイが振り返ると、
そこには武家の兵たちが乗った船が見えた。
先ほどのクーカイの”光の雨”を見て、
こちらに船を進めてきたのだ。
舟の上に行き、クーカイは叫んだ。
「解毒できぬ者は船から降りるな!
こやつの毒素は想像以上に強い!」
船上で頭である八幡守当主が
クーカイを見上げながらうなずいて言う。
「策あらばご指示を、東王門様。
我らは弓矢と槍、そのほか飛び道具を有しております」
クーカイはうなずき、彼に命じた。
「我のみでは圧倒的に”浄化”が足らぬ。
そのため、攻撃だけでなく穢れを払う効果を持つ
焙烙火矢を用いて欲しい」
そして他の兵たちに告げた。
「やみくもに攻撃しても矢と体力の無駄になる。
目の良いものを前に出し、必ず死体の頭を狙え。
一撃で仕留められるよう努めるのだ」
そして手短に、それぞれの兵に任務を与えた。
「では、いくぞ!」
クーカイは飛び、すでに元の大きさへと戻った
餓者髑髏へ向かって行く。
そしてもう一度、全ての攻撃を浴びせたのだ。
だが今回は、船からの援護があった。
破魔の力を持つ焙烙火矢が放たれ
霧雨のように浄化の作用を持つ水が降り注ぐ。
どんなに小さな魔物も逃すまいと、
破邪の香料が大量に撒かれていった。
「見ろ! 白く変わっていくぞ!」
今までと違い、粉々になった餓者髑髏は
シュウシュウという音を立てながら分解されていく。
そして最後にはきらめく光の粒となって天に昇って行った。
破壊とともに浄化されたことで、
無数の使者たちは成仏していったのだ。
全ての力を出し切ったクーカイが、
よろけながらも船上の兵たちを労いに向かう。
その姿を見て、兵たちは片膝をついて迎えた。
「よくがんばってくれた。深く御礼申し上げる」
クーカイの言葉に、八幡守の当主は頭を下げたまま答える。
「東王門の王子とともに戦える誉れ、
我らにとっては何よりの褒美でございます」
お世辞だと思い戸惑うクーカイに、他の武将もうなずく。
「かねてより、東王門の王子は特出して用兵に優れ、
また兵を守るお心が強い、と噂になっておりました」
その通りだ、という顔で兵たちもうなずいている。
確かに、レイオウは孤高の存在だ。
側に置くのも八部衆のみと限定しており、
大きな軍隊に指示を出したりはしない。
だから戦場において兵士たちが
信じ頼るのはクーカイのほうだったのだ。
クーカイは口元をほころばせる。
これまで、レイオウの才能を認めつつ、
やはり悔しかったのだ。
龍という神に近い存在であるに関わらず
二番目に甘んじていることを
心のどこかで恥じ、不満に思っていた。
そして、常に自分の力不足を責め、
がむしゃらな精進を欠かさなかったのだが。
”でも、俺には俺の才能があったのだな。
まだまだ上を目指さねばならないと思っていたが、
この力はすでに充分に足り得ていたのだ”
クーカイは、”能力”の高さ、低さに
翻弄されていた日々から解放されたのだ。
ーーーーーーーーーーーー
アヤハは傷だらけになって戦っていた。
「もう! 切っても焼いても復活するんだから!」
飛んでいった餓者髑髏の一部は
大きな木に突き刺さった後、
毒素をまき散らせながらその木を枯らし
周囲に広がる草原までを腐敗した土地に変えていった。
それを食い止めるために、
アヤハは餓者髑髏ごと、
広域を”清廉なる炎”で焼き切らねばならなかったのだ。
プスプスと煙をあげていたその塊は
またもや徐々に元に戻っていったのだ。
「もう! 何回目よ!」
言いながらも、アヤハは理解していた。
自分には、あの塊を全て滅するほどの力はないことを。
今の彼女には、ふたたび毒素を吐き出させないように
何度でも燃やすことしかできなかった。
息を切らしながら、思わず涙ぐむアヤハ。
”能力なんて要らなかった。
普通の家に生まれたかった”
自分が飛びぬけて強いことが誇らしかったのは
小さなころまでだった。
父である南王や母、そして臣下たちが
素晴らしい! と褒めてくれるのが嬉しくて
つい頑張り、出来る限りの力を見せたものだ。
しかし成長するにつれ、だんだん苦しくなっていく。
最も大変だったのが、結婚を意識した時だ。
アヤハの婚約者は、同族である南王門家の者だ。
自分につけられた守護騎士と
彼女は恋に落ちたのだ。
一族内で結婚するメリットは少なく、
しかも相手は下位の階級の者。
自主自律をモットーにする彼らはあっさりと許可したが、
それには多大な責任も伴ったのだ。
つまり、アヤハが他の四天王家と婚姻を結んだ場合と同等の
戦果やコネクションを自力で得なくてはならない。
そのため、愛する彼は休む間もなく世界を”飛び”まわっている。
確かな実績を残し、他の四天王と人脈を作る。
アヤハが他の王門に嫁いで得られるメリットを
彼は作り出そうとしているのだ。
”せっかく婚約したけど、ずっと会ってない。
普通に誕生日を家族で祝って、
イベントの日は恋人と過ごせる。
そういう普通が欲しかったなあ”
そんな事を思いながらも、体は動いた。
長年の厳しい鍛錬の成果だろう。
魔物が再生しきったところを、
また業火で包み込むために空へと羽ばたいた。
”諦めちゃダメ。今度は真上から焼いてみよう”
そして、下を見て驚いた。
「……お墓があったのね」
木々の先には、美しい花畑に囲まれて、
いくつかのお墓があったのだ。
「良かった、あそこに被害が出る前で」
誰かの大事な人が眠る、大切な場所なのだ。
花畑は規則正しく並んでおり、
手入れもされているところを見ると
この墓の主の家族は、定期的にこの小島を訪れているのだろう。
かつては人が住んでいたという、この島。
無人となった今でも、誰かの思い出は残っているのだ。
”良かった。私に力があって”
アヤハは改めて思った。
”能力あるからこそ、大事なものを守れる。
誰かが嘆き悲しむのを
少しでも減らすことができるのね。
こんな初歩的なこと、忘れちゃうなんてね”
そして、下方にある餓者髑髏を見下ろす。
すっかり元の大きさへと復活し、
今にも毒素を噴出しようとうごめいていた。
アヤハは攻撃を繰り出そうと強く羽ばたくが。
「痛っ!」
何度も酷使したため、翼に激痛が走った。
それでも大きく息を吸い込んで、
再び羽を動かそうとした、その時。
日差しがいきなり陰り、驚いて上を見ると。
そこには茶色と黒の、大きな鷹の翼が見えたのだ。
アヤハは驚きで声も出なかった。
”まさか! どうして? ここに?”
心の声に答えるように、穏やかな声が聞こえる。
それはアヤハがずっと聞きたかった声だった。
「南方の悪鬼は俺が全て滅した。
四天王家の各将軍の信頼を得ることも出来た。
後は最も大事な仕事……君を守ることだ」
「あら、守るだなんて不要だわ。
まあどうしてもというなら
一緒に戦ってあげてもいいけど?」
涙ぐみ鼻声になりつつも、
アヤハはツンとすまして言い返す。
彼にはずっと、今まで通り、
”気が強くて生意気”でいたいのだ。
好きな人に対してのみ、
ツンデレの極みのような彼女が
よくもまあ無事に婚約できたものだが、
ひとえに彼が極めて寛容であり、
包容力のある男だからだろう。
彼が居れば安心だ。アヤハは安堵していた。
南王門の守護騎士の中で最も実力を有しており、
攻撃力は王家に勝るとも劣らないと言われている男だ。
「……では姫様。俺が総攻撃をかけるので、
姫様は浄化に集中してください」
雄々しい翼をはためかせて言う婚約者に
アヤハはうなずきかけて、言い直させた。
二人の時は、姫君でなく、
名前で呼ぶ約束をしたのだから。
10
あなたにおすすめの小説
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
防御力を下げる魔法しか使えなかった俺は勇者パーティから追放されたけど俺の魔法に強制脱衣の追加効果が発現したので世界中で畏怖の対象になりました
かにくくり
ファンタジー
魔法使いクサナギは国王の命により勇者パーティの一員として魔獣討伐の任務を続けていた。
しかし相手の防御力を下げる魔法しか使う事ができないクサナギは仲間達からお荷物扱いをされてパーティから追放されてしまう。
しかし勇者達は今までクサナギの魔法で魔物の防御力が下がっていたおかげで楽に戦えていたという事実に全く気付いていなかった。
勇者パーティが没落していく中、クサナギは追放された地で彼の本当の力を知る新たな仲間を加えて一大勢力を築いていく。
そして防御力を下げるだけだったクサナギの魔法はいつしか次のステップに進化していた。
相手の身に着けている物を強制的に剥ぎ取るという究極の魔法を習得したクサナギの前に立ち向かえる者は誰ひとりいなかった。
※小説家になろうにも掲載しています。
異世界に転生したら人生再スタート、追放された令嬢は恋と復讐で輝きます
タマ マコト
ファンタジー
現代日本で“都合のいい人間”として心をすり減らし、27歳で人生に幕を下ろした女性は、異世界の貴族令嬢リュミエールとして15歳に転生する。
王太子の婚約者として完璧を求められる日々の中、冤罪と裏切りによって婚約破棄と追放を言い渡され、すべてを失う。
だがその瞬間、彼女は悟る――選ばれる役割の人生は、もう終わったのだと。
追放の先で、彼女は自分の意思で生き直すための一歩を踏み出す。
【完結】スキルを作って習得!僕の趣味になりました
すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
《ファンタジー小説大賞エントリー作品》 どんなスキル持ちかによって、人生が決まる。生まれ持ったスキルは、12歳過ぎから鑑定で見えるようになる。ロマドは、4度目の15歳の歳の鑑定で、『スキル錬金』という優秀なスキルだと鑑定され……たと思ったが、錬金とつくが熟練度が上がらない!結局、使えないスキルとして一般スキル扱いとなってしまった。
どうやったら熟練度が上がるんだと思っていたところで、熟練度の上げ方を発見!
スキルの扱いを錬金にしてもらおうとするも却下された為、仕方なくあきらめた。だが、ふと「作成条件」という文字が目の前に見えて、その条件を達してみると、新しいスキルをゲットした!
天然ロマドと、タメで先輩のユイジュの突っ込みと、チェトの可愛さ(ロマドの主観)で織りなす、スキルと笑いのアドベンチャー。
【完結】聖獣もふもふ建国記 ~国外追放されましたが、我が領地は国を興して繁栄しておりますので御礼申し上げますね~
綾雅(りょうが)今年は7冊!
ファンタジー
婚約破棄、爵位剥奪、国外追放? 最高の褒美ですね。幸せになります!
――いま、何ておっしゃったの? よく聞こえませんでしたわ。
「ずいぶんと巫山戯たお言葉ですこと! ご自分の立場を弁えて発言なさった方がよろしくてよ」
すみません、本音と建て前を間違えましたわ。国王夫妻と我が家族が不在の夜会で、婚約者の第一王子は高らかに私を糾弾しました。両手に花ならぬ虫を這わせてご機嫌のようですが、下の緩い殿方は嫌われますわよ。
婚約破棄、爵位剥奪、国外追放。すべて揃いました。実家の公爵家の領地に戻った私を出迎えたのは、溺愛する家族が興す新しい国でした。領地改め国土を繁栄させながら、スローライフを楽しみますね。
最高のご褒美でしたわ、ありがとうございます。私、もふもふした聖獣達と幸せになります! ……余計な心配ですけれど、そちらの国は傾いていますね。しっかりなさいませ。
【同時掲載】小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
※2022/05/10 「HJ小説大賞2021後期『ノベルアップ+部門』」一次選考通過
※2022/02/14 エブリスタ、ファンタジー 1位
※2022/02/13 小説家になろう ハイファンタジー日間59位
※2022/02/12 完結
※2021/10/18 エブリスタ、ファンタジー 1位
※2021/10/19 アルファポリス、HOT 4位
※2021/10/21 小説家になろう ハイファンタジー日間 17位
【完結】政略婚約された令嬢ですが、記録と魔法で頑張って、現世と違って人生好転させます
なみゆき
ファンタジー
典子、アラフィフ独身女性。 結婚も恋愛も経験せず、気づけば父の介護と職場の理不尽に追われる日々。 兄姉からは、都合よく扱われ、父からは暴言を浴びせられ、職場では責任を押しつけられる。 人生のほとんどを“搾取される側”として生きてきた。
過労で倒れた彼女が目を覚ますと、そこは異世界。 7歳の伯爵令嬢セレナとして転生していた。 前世の記憶を持つ彼女は、今度こそ“誰かの犠牲”ではなく、“誰かの支え”として生きることを決意する。
魔法と貴族社会が息づくこの世界で、セレナは前世の知識を活かし、友人達と交流を深める。
そこに割り込む怪しい聖女ー語彙力もなく、ワンパターンの行動なのに攻略対象ぽい人たちは次々と籠絡されていく。
これはシナリオなのかバグなのか?
その原因を突き止めるため、全ての証拠を記録し始めた。
【☆応援やブクマありがとうございます☆大変励みになりますm(_ _)m】
自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜
ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。
その一員であるケイド。
スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。
戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。
それでも彼はこのパーティでやって来ていた。
彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。
ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。
途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。
だが、彼自身が気付いていない能力があった。
ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。
その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。
自分は戦闘もできる。
もう荷物持ちだけではないのだと。
見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。
むしろもう自分を卑下する必要もない。
我慢しなくていいのだ。
ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。
※小説家になろう様でも連載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる