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異世界への扉
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「ここはどこだ……」
あまりの現実味の無さに大きめの独り言を呟いた。
なぜかって?それは突然別の世界としか思えない変な所へ来てしまったからである。
周りには変な生き物達。見慣れない景色。これは夢なのか?
悶々と考え続けて……やめた。これからどうすればいいのかと途方に暮れていると、早速災難がやってきた。
背後から戦闘系のゲームでしか聞いたことないような怪物?化け物?のような声が鼓膜を破く勢いで聞こえてきて、俺はその声に怯え、体は石になったかのように動かなくなった。
すぐさま我にかえり、振り向こうと思ったが恐怖心がそれを許さず、ただひたすらに走るしか無かった。周りを見るからに多分ここは森の中で、結構深くだと思われる。背後からは全身がピリピリするほどの感じたことの無いプレッシャーを感じた。まさに死と隣り合わせと言った感じだ。この世の全ての恐怖と、絶大なる絶望を一つの塊にしたような、そんな存在だ。と思う。
俺は逃げた。逃げて逃げて逃げた先にあったのは……滝つぼだった。
落ちかけて何とかその場に踏みとどまったが、すぐ後ろに気配を感じた。
「嘘だろ……?!俺…童貞のまま死ぬのか?」
思えば俺は馬鹿な男だった。せっかく美男美女な両親から生まれて恵まれた顔で生まれてきたというのに、性格が父さんに似てしまって小心者だったから、女の子に手を出すどころか話しかけることさえもできなかった。うまい具合にクールなイケメンとして捉えてくれたおかげで高校生活は割と楽しかったわけなのだが。
「ちくしょー!!!」
楽しかった頃の走馬灯をみながら後ろを振り返ったそのときだった。
「若者よ!息を止めろ!」
「え?」
突如現れたご老人は有無を言わさず俺を抱え滝つぼへと落ちた。
(あ、俺死んだわ。見ず知らずの爺さんによって俺は死ぬんだ)
心の中でそう思った瞬間あまりの恐怖に意識が飛んだ。
「ここはどこだ。」
2度目のありえない出来事に俺は全て夢なのだと思い込もうとしたが、顔をつねってみれば痛いし目が覚める気配もなく、なにより目がとてもスッキリしている。
そして、今までにないほど大きなため息をついた。
「若者よ起きたのか。てっきり死んだのかと思ったぞ」
ケラケラと他人事のように笑う老人に俺は殺意を抱いた。
「俺も死ぬかと思いましたよ。助けてくれたかどうか少し怪しいですけど、ありがとうございました。」
「いいんじゃよ。それにワシがやつの卵を盗んだのが元凶じゃったし」
(おい、最後の一文がすごく気になるぞ。)
「まぁそんなことは置いといて、お前さん、この世界のものじゃないな。」
「え、あぁはい。たぶん違います。」
「なんでこうなったかなにか覚えとらんか?」
「なにか…ですか。」
そう言えばなぜこうなったんだろうか。一度記憶を遡ってみる。
異世界にやってくる数時間前。
俺は学校に行っていて、その帰りだった。
「幸哉、明日どっか遊びに行かねぇか?」
「お?いいね。どこいくよ?」
昔からの親友である藤田幸哉とちょうど明日の予定を話していた時だ。
急に雨が降り出して……。
「幸哉、俺ん家もうすぐだし、少し雨宿りしにこいよ。」
「いいのか?」
「あぁ。もちろん。」
俺たちはバケツをひっくり返したような急な雨から逃れるように急いで家に向かっていた。
ひとまず無事に俺の家にたどり着いたのだ。そこまでは良かった。
「相変わらずお前の家広いよなぁ」
「幸哉の家も大して変わんねぇだろ、ほら、タオル」
「さんきゅ!」
ある程度体を乾かしたあと着替え(幸哉には俺の服を貸した)て、ゲームをしていたのだが、雷がすぐ側に落ちて停電が起こった。
「まじか!?今のすごく近くなかったか?」
「あぁ。俺ちょっとみてくるよ。」
「まてよ御坂、俺も行く。」
そう言って結局2人で玄関に向かったんだ。
そして問題は扉を開けた時。
急に視界が歪んで、体の自由が聞かなくなったんだ。
幸哉も同じ感じで、2人ともその後意識をなくした、とおもう。
「ってまてよ!?ってことはまさか幸哉もこっちに!?」
「きゅ、急に大声を出すな馬鹿者…心臓に悪い。」
「す、すまない。今ちょうどこうなる前の経緯を頭の中でまとめていたんだけど、多分だけどこの世界に親友も来てるかもしれないんだ」
「それは大変だな。とりあえずその経緯とやらを話してくれ」
俺は爺さんにひとまず話すことにしたのだった。
あまりの現実味の無さに大きめの独り言を呟いた。
なぜかって?それは突然別の世界としか思えない変な所へ来てしまったからである。
周りには変な生き物達。見慣れない景色。これは夢なのか?
悶々と考え続けて……やめた。これからどうすればいいのかと途方に暮れていると、早速災難がやってきた。
背後から戦闘系のゲームでしか聞いたことないような怪物?化け物?のような声が鼓膜を破く勢いで聞こえてきて、俺はその声に怯え、体は石になったかのように動かなくなった。
すぐさま我にかえり、振り向こうと思ったが恐怖心がそれを許さず、ただひたすらに走るしか無かった。周りを見るからに多分ここは森の中で、結構深くだと思われる。背後からは全身がピリピリするほどの感じたことの無いプレッシャーを感じた。まさに死と隣り合わせと言った感じだ。この世の全ての恐怖と、絶大なる絶望を一つの塊にしたような、そんな存在だ。と思う。
俺は逃げた。逃げて逃げて逃げた先にあったのは……滝つぼだった。
落ちかけて何とかその場に踏みとどまったが、すぐ後ろに気配を感じた。
「嘘だろ……?!俺…童貞のまま死ぬのか?」
思えば俺は馬鹿な男だった。せっかく美男美女な両親から生まれて恵まれた顔で生まれてきたというのに、性格が父さんに似てしまって小心者だったから、女の子に手を出すどころか話しかけることさえもできなかった。うまい具合にクールなイケメンとして捉えてくれたおかげで高校生活は割と楽しかったわけなのだが。
「ちくしょー!!!」
楽しかった頃の走馬灯をみながら後ろを振り返ったそのときだった。
「若者よ!息を止めろ!」
「え?」
突如現れたご老人は有無を言わさず俺を抱え滝つぼへと落ちた。
(あ、俺死んだわ。見ず知らずの爺さんによって俺は死ぬんだ)
心の中でそう思った瞬間あまりの恐怖に意識が飛んだ。
「ここはどこだ。」
2度目のありえない出来事に俺は全て夢なのだと思い込もうとしたが、顔をつねってみれば痛いし目が覚める気配もなく、なにより目がとてもスッキリしている。
そして、今までにないほど大きなため息をついた。
「若者よ起きたのか。てっきり死んだのかと思ったぞ」
ケラケラと他人事のように笑う老人に俺は殺意を抱いた。
「俺も死ぬかと思いましたよ。助けてくれたかどうか少し怪しいですけど、ありがとうございました。」
「いいんじゃよ。それにワシがやつの卵を盗んだのが元凶じゃったし」
(おい、最後の一文がすごく気になるぞ。)
「まぁそんなことは置いといて、お前さん、この世界のものじゃないな。」
「え、あぁはい。たぶん違います。」
「なんでこうなったかなにか覚えとらんか?」
「なにか…ですか。」
そう言えばなぜこうなったんだろうか。一度記憶を遡ってみる。
異世界にやってくる数時間前。
俺は学校に行っていて、その帰りだった。
「幸哉、明日どっか遊びに行かねぇか?」
「お?いいね。どこいくよ?」
昔からの親友である藤田幸哉とちょうど明日の予定を話していた時だ。
急に雨が降り出して……。
「幸哉、俺ん家もうすぐだし、少し雨宿りしにこいよ。」
「いいのか?」
「あぁ。もちろん。」
俺たちはバケツをひっくり返したような急な雨から逃れるように急いで家に向かっていた。
ひとまず無事に俺の家にたどり着いたのだ。そこまでは良かった。
「相変わらずお前の家広いよなぁ」
「幸哉の家も大して変わんねぇだろ、ほら、タオル」
「さんきゅ!」
ある程度体を乾かしたあと着替え(幸哉には俺の服を貸した)て、ゲームをしていたのだが、雷がすぐ側に落ちて停電が起こった。
「まじか!?今のすごく近くなかったか?」
「あぁ。俺ちょっとみてくるよ。」
「まてよ御坂、俺も行く。」
そう言って結局2人で玄関に向かったんだ。
そして問題は扉を開けた時。
急に視界が歪んで、体の自由が聞かなくなったんだ。
幸哉も同じ感じで、2人ともその後意識をなくした、とおもう。
「ってまてよ!?ってことはまさか幸哉もこっちに!?」
「きゅ、急に大声を出すな馬鹿者…心臓に悪い。」
「す、すまない。今ちょうどこうなる前の経緯を頭の中でまとめていたんだけど、多分だけどこの世界に親友も来てるかもしれないんだ」
「それは大変だな。とりあえずその経緯とやらを話してくれ」
俺は爺さんにひとまず話すことにしたのだった。
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