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3章 魔獣と神々
14. 守護天使のランク
しおりを挟む「じゃあ、レイスリーネ、ちょっと手を貸して」
神殿の庭先で、私はレイスリーネに手を差し出した。
もちろん手をつなぐためだ。
「はっ、はいっ!!」
何故か赤くなりながら手を差し出すレイスリーネ。
女とわかっていても、見かけ男だからテレもあるのだろう。
……うん。彼氏いない歴●●年の私が言うのもなんだけど、この子ものすごく初心なのかもしれない。
レイスリーネマジ天使。てか本当に天使だけど。
私はレイスリーネの手を握ると、そのままレイスリーネと自分を含め、魔力を纏う。
「なんとなく感じは伝わるか?」
私の問いにレイスリーネが、こくんと頷いた。
「ちょっとどれくらいまで範囲を広げられるか、このまま試していいか?」
「は、はい」
私はレイスリーネに魔力を流した状態で、さらに魔力を纏う範囲を広げてみる。
レベル143のコロネでは魔力を纏わせる範囲はそれほど大きくなかったがレベル1100超の私ならもっと広範囲に広げられるはずだ。
魔力を広げてみれば、神殿で動いている者の動きやなんとなく動いてるものの感じはわかる――が。
わからなくてもいいものまでわかってしまって、情報が物凄く乱雑というか、 神殿で誰かが動いている感じや、木ノ葉の揺れまで感じ取ってしまう。
これを仕分けるのはかなり慣れが必要だろう。
ってか、コロネが魔力を纏わせる範囲を狭くしたのはこれも理由なのかもしれない。
コロネはこれでかすかに動く筋肉の動きや眼球の動きやらで動きを予測してたってことだよな。
つーか、やはりあの技は筋肉の構造と目の動きでわかる心理をばっちり学んでるコロネからこそできる事なのだろう。
短時間で動きを予測し、それを行動に移せるってマジコロネチートキャラじゃね?
いくら魔力で動きがわかっても、既に動いてしまっているのを予測したのでは身体がついていけなくてまったく意味ないし。
それにーーこれ、ものすごく疲れる。
私は一旦、魔力を切った。
「うん。なんかものすごく疲れるな」
「ですが感じは解りました。確かにこれを極められれば、動きを予測して敵の攻撃を避ける事が出来るかもしれませんね!」
私の手をぎゅっとにぎって目をキラッキラさせてレイスリーネが言う。
「でも【並行思念】覚えないときっついなこれ。
魔力を放出と魔力の動きを読み取るのは別処理しないと。
レイスリーネはスキルもってるのか?」
「い、いえ、さすがに……私はAランクですから。
スキルの所持数はあまり多くありません。
SSランクのアルファーならもっているかもしれませんね」
と、シュンとなった。
あ、ああ。
そういえばそうだった。
てかなにげに自分でランク自覚してるってつらいな。
自分に点数つけられるとか辛いものがある。
Aだって決して弱いほうじゃないんだけど……。
にしても、アルファーってそういえばSSランクなんだよね。
私だってガチャしまくって最高Sランクしかでなかったのに。
そりゃ他の守護天使より強いはずだ。
ギルドハウスに入れれば、守護天使達のステータスも見れるし、パワーアップアイテムもあるのになぁ。
この世界、なぜかギルドハウス入れないし。
……にしても
「んー。じゃあスキル書堀にいってみようか?
スキル書なら守護天使だって覚えられるだろうし。
レイスリーネ達も加われば、周回だって早いから、並行思念のスキル書だってだせるかもしれない」
「スキル書ですか!?」
「うん。リリとコロネとザンダグロムの4人で余裕で倒せたんだから、レイスリーネ達もいる今なら楽勝だろうし。
ついでにsionのレベルも上げたいから」
「は、はい!是非お願いします!」
レイスリーネが顔を赤らめてにっこり微笑む。
うん。気の強そうなおねーさんのデレ顔ほどそそるものはないよね。
いや、やばい私男じゃなくてよかったよ。
マジ可愛い。こういう女性が男性から好かれるんだろうな。
私にはきっと無理だわ。
……うん。羨ましい。
何故かここでコロネの顔が浮かんでしまい。
私は思いっきり首を横にふるのだった。
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