言われてみれば確かに

そらき

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第6話 早朝のピンク少女と事実

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 僕が去年の大晦日に助けた早朝のピンク少女がツチカだったという衝撃の事実が発覚した直後、ツチカは何か言いたそうだったし僕も聞きたいことはあったけど、市川のおばさんから声がかかってしまったのでその日はそのままお開きとなった。
 次の日。バードウオッチングに行くつもりだったけど、色々考えて寝るのが遅くなってしまい目が覚めたのは8時過ぎだった。
「おはよう」
「おう!おはよう!」
「おはようこうちゃん!」
「おはようさん」
「漆原さん早いね」
 土曜日はなおりが一番混む日だった。口コミ件数はそんなに多くないものの食べログやGoogleマップのレビューも高く、町田さん曰く最近ではお酒の飲める隠れた名店として
色々なライターやブロガーが記事にしているそうで、その影響で並ぶ時もある。
「こうちゃん。ちょっといい?」
 奈織おばさんは厨房から出てきて洗面所の方に行くと僕に声をかけた。
「どうしたの?」
「申し訳ないんだけどね、土曜日だけご飯作ったりとか……ウッウッ……できないのよ」
「だ、大丈夫だから!な、泣かないで!」
 奈織おばさんは大粒の涙を流しながらエプロンで拭った。
「ほ、本当に?グレない?バイクで暴走したりしない?」
「しないよ!」
「youtuberになって『居候先のババアに虐待されている』とかそういう動画上げない?」
「あげないよ!大丈夫だから気にしないで」
「ならいいんだけど……」
「ご飯も適当に食べるから」
「これをきっかけに、まさかなおりがあんなことになろうとは」
「おばさん?!」
 ふざけ始めた奈織おばさんの背を押し厨房に戻る途中、何かを思い出したかのように僕の顔を見た。
「こうちゃん。そういえばお小遣いなんだけど……」
「うん。毎月ちゃんと振り込むって。だから大丈夫。むしろ……その、生活費とかは」
「大丈夫よ。その辺りはもう完璧」
 奈織おばさんは親指をグッと立てた。「バタバタしてちゃんと話せなくてごめんね」と奈織おばさんは申し訳なさそうにいった。
 それから僕は部屋に戻り出かける準備をしてまた下に降りた。下に降りると同時に引き戸が開き、漆原さんが入ってきた。
 僕は次に漆原さんに会ったら謝っておめでとうと言おうと決めていた。
「漆原さん」
「おはよう幸太郎。どうした?」
「この間はごめんなさい」
「え?」
「せっかく仕事が決まったのに質問ばかりで……」
「なんだそんなことか」
「だから……おめでとう……わっ」
 僕が謝ると漆原さんは思い切り抱き着いてきて頭を撫でてきた。
「ちょ、ちょっと!」
「なんだなんだ~!かわいいやつだな~おまえは!」
「わかった!わかったから!」
 僕を放した漆原さんは満足に微笑んで、「じゃあまたな」とウインクして洗面所の方に消えていった。
 僕はほんの少しだけ漆原さんの胸の感触の余韻に浸りつつ、「いってきますー」と大介おじさんと奈織おばさんに声をかけて外にでた。
「さて」
 宝田がいたら一緒にどこかで夏休みの宿題をやって、その後どこか遊び行ったりするんだけど田舎に帰ってていないので他の誰かを誘う。しかしその他の誰かなんていない。中学校時代の知り合いはバードウオッチングをやたら馬鹿にしたりしてくるし、一緒にいて居心地が悪い奴らばっかだったからろくに連絡も取っていない。向こうもそんな気はないだろう。
 高校に入学してからできた友達といえば宝田だけでそれ以外には誰もいない。
「ぼっちだ」
 僕みたいに陽キャでも陰キャでもないただのキャは普通過ぎて存在感が無いんだ。
「隠密キャラだな。隠キャだ隠キャ」
「……何一人でブツブツ言ってんの?」
「わっ」
 突然ツチカの声がして僕は思わず頭が真っ白になった。
「お、おはよう」
「お、おはよう」
 僕は思わずツチカから目線を外し挨拶をしたが、ツチカもどうやら俯いているようだった。
 昨晩大晦日に助けた女の子がツチカだったということが判明したけど、じゃあなんであの時間に男といてひと悶着があったのか。「ねぇどうして?」なんて気軽に聞ける内容ではない。昨日はあのタイミングで市川さんのおばさんが声をかけてくれて本当に良かった。
 一体どうしてと気になるけど、興味本位であれこれ馬鹿みたいに聞くのは人を傷つけることの方が多い。だからここはひとまず「じゃあまたね」とこの場を離れるしかない。
「じゃ、じゃあ僕は散歩に行ってくるね」
「待って」
「は、はい」
「一緒に散歩しない?」

 僕とツチカはこげら商店街を歩いていた。
 散歩しようと声をかけらたものの、先程から僕もツチカも無言だった。お互い何も喋らずゆっくりと歩き、まだシャッターが閉まっているお店が多い商店街を歩く。
「おはようツチカちゃん」
「おはよう」
 時折開店の準備をしている人に声をかけられたり、すれ違う人と挨拶をしていた。
 ツチカはこげら商店街で育った人なんだなと、凄く当たり前のことを僕は実感していた。
「ねぇ」
 しばらく歩き商店街を抜けたところでツチカが話しかけてきた。
「なに?」
 僕は少しドキドキしていた。昨日のことだろうか。
「さっき呟いていた隠キャって何?」
「聞こえてたの……」
 聞こえていたらのならしょうがないので、僕は自分が新しく考えて隠キャについて説明をした。
「隠キャ!ウケる」 
 どうやらツチカはツボにハマったのかゲラゲラ笑っていた。面白そうに笑ってくれるとこちらも隠キャを考えた甲斐があったなと謎の達成感に満たされた。
 その後もブラブラと歩き、本当は勉強をしに図書館へ行く予定だったけど、ツチカは僕より少し前を歩き大田堀公園の方に来た。入り口で少し立ち止まったけど、また直ぐに歩き始めた。そこからまたしばらく歩き、ツチカが朝方に男と言い争いをしていたベンチの所まで来た。
 僕が何て声をかけていいのか迷っているとツチカはあのベンチに座った。
「……座らないの?」
「う、うん」
 僕はツチカの隣に座った。目の前には池があり、夏の光を綺麗に反射させていた。カルガモ達は池の島の木陰で休んでいる。そんな光景をしばらく眺めているとツチカが口を開いた。
「昨日のことなんだけど……」
「……うん」
「私の家さ、お父さんいないじゃん?」
「そういえば……会ったことないや」
「幸太郎ちゃんと家に来るようになったの最近だもんね」
「そうだね」
「私が小学生4年生の時ね、お父さん家を出ていっちゃったの」
「……離婚」
「最終的にはそうなんだけど、文字通りってやつ」
「……いなくなった」
「そう。こげら商店街で七夕祭りあるでしょ?」
「うん」
「あの日ね、お父さんとお母さんと私の3人で店先でお母さんが作ったモツ煮とかビールを売っててさ」
「うん」
「私覚えているんだ。お父さんがずーっと何だか浮かない顔?っていうのかな」
「うん」
「そんな顔しててさ。そうしたら途中でちょっとトイレ行ってくるって。それでそのままいなくなっちゃった」
 ツチカがそういった瞬間、池にいた何羽かのカルガモが飛び立った。僕達は少しの間何もいない池を眺めていた。
「それから何日も帰ってこないのにさ、お母さんも皆全然慌てないというか、受け入れたというか」
「うん」
「全然探す様子もなくてさ。子供ながらに内心なんでだろうなんでだろうってずーっと考えててさ」
「うん」
「でもお店の手伝いしなきゃいけないし、学校もあるし、忙しくてどんどん時間が経ってさ」
「うん」
「それでもやっぱりそんなの心に残るじゃん?」
「そうだね」
「なんでいなくなったか知りたい。というか行方不明だよ?!警察に連絡してんの?!っていう感じで一度お母さんにキレたことがあってさ」
「……そうだよね」
 多分僕でもキレるだろう。
「でもお母さんごめんしか言わなくて」
「……」
「意味わかんないよ?!ってキレ散らかしたなぁあの時」
 ツチカは思い出したのかクスクス笑った。
「結局なんでか分からなくてさ。その勢いで別垢作ったの」
「……ツイッター?」
「そう」
「なんで?」
「なんでだと思う?」
「えー……まさかお父さんを探す為とか?」
「……そういうつもりではなかったんだけどね」
「うん……」
「単純にね、抱えたモヤモヤをぶちまけたかったの」
「うん」
「本垢じゃさ友達に見られるじゃん?」
「うん」
「だから別垢作ってそこで不満をぶちまけてたの」
「うん」
「それでお父さんが昔いなくなってーみたいなことツイートしたらさ、ほんのちょっとバズってさ」
「千リツイートとか?」
「ううん。二百位かな?それで大丈夫ですか?とか警察にとかそんなリプライが幾つか飛んできてさ」
「うん」
「その中でさ、DMでもしかしたら私かもしれませんって連絡がきて」
「マジで」
「それで私舞い上がっちゃってさ。全っ然確認しなくてさ」
「うん」
「今考えれば怪しい所だらけだし、私がした質問なんてネットで調べればすぐ出てくることだし」
「質問っていうのは商店街のこととか?」
「そう。お祭りはいつあったとか?その位のこと」
「合ってたんだ」
「合ってたんだけど、それだけで八ヵ月前の私は信用しちゃったんだよね」
 馬鹿だよねとツチカはあははと笑った。
「でさ、待ち合わせも商店街の人にばれるからって深夜二時なんだけど、なんかそれも本当っぽく見えちゃって」
「……とにかく会いたいもんね」
「そう!とにかく会いたい!それだけで猪突猛進」
「わかる気がする」
「ふふっ。で、いざ待ち合わせ場所に来てみたら全然知らない男の人でさ」
「……超怖い。あの時そんな感じだったのか」
「あれ……ガチでヤバかったんだよ?」
 ツチカは笑ったけど、それは無理をしている感じだった。
 あの時助けた僕、本当グッジョブとしかいいようがない。逆にそのままスルーしていたかと思うと。
「あんなやりとりで本当のお父さんが見つかるわけがない」
「え?」
「だからエッチ……したい女の子かと思ってぇぇぇぇ!」
「……もしかして」
「そう。その男の言い分」
「それは……」
 僕はもう怖いとかキモいとかいう感情を通り越して、何故か凄い怒りが湧いてきた。父親を探す純粋な気持ちをよくもそこまで踏みにじれるものだなと思った。
 でもここで怒りを表しても、イキっている男子学生みたいな感じでカッコよくはないと思ったので冷静になった。
「最初は大田堀の近くのファミレスにいたんだけど、違うんだしさっさと帰りたいと思って適当に流してたらキレはじめてさ」
「完全にヤバい奴だね……」
「その時ずっとファミレスにいればよかったのに、そいつと一緒にいるのが嫌で嫌で出ちゃったんだよね」
「……」
「それで言い争いしている内にさっきみたいなこと言われてさ。で、気が付いたら公園の奥の方に行っててしまったと思った」
「でも……感情的にもなるよね」
「本当今考えたらありえない馬鹿だよ私」
「それは……利用したそいつが悪いよ」
「……ありがと。とにかくその時はなんでこんなクソ野郎に利用されたんだと頭に血が昇りまくって周りなんか全然見えなくてさ」
「……うん」
「で……こういう所に来たってことはOKなんでしょ?って」
「……ヤバ」
「こいつ本当にヤバい奴かもって思ったら襲われそうになって……」
 そういった後ツチカは立ち上がり池に向かって「馬鹿野郎!」と叫んだ。日陰でくつろいでいたゴイサギが1羽飛び立った。
「今思い出しても超ムカつく!……でも」
 ツチカはゆっくりベンチに座って下を向いた。
「凄い怖かった」
 そうだろうなと僕は心の中で深く頷いた。そんなもの恐怖体験以外の何者でもない。
「そんな所に現れたのが清里幸太郎君です」
 ツチカは僕の方を見て、優しく笑った。そういう表情を僕は生まれてきて1度も見たことが無かったので、一体どういうリアクションを取っていいのか本当に迷ってしまったので、ついふざけたことを言ってしまった。
「じゃ、じゃあツチカにとってはヒーローだね」
 なんていう自惚れた発言。直後僕は恥ずかしくなって死にそうになった。
「そうだよ」
「え」
「幸太郎は私のヒーローだよ」
 ツチカはそういうと俯いてしまった。その瞬間、僕は何かとても大事なことに気が付いたようなそんな確信が湧いた。
「思い出したって……このことだったんだ」
「そうだよ。直ぐ気付くと思ったのに……」
 ツチカは顔を上げて頬を膨らませてた。
「ピンク色の髪の毛が印象的だったからね……」
「あれは冬休みだから染めてみたの」
「そ、そうなんだ……」
「似合ってた?」
「ど、どうだろう。……あ、あの」
「なに?」
「ち、近いような気がするんですけど」
「なにが?」
「きょ、距離が」
「何の?」
「ぼ、僕とツチカの……」
「近付けてるから」
「な、なぜ?」
「わかるでしょ?」
「わ、わかりかねます」
「毎日一緒に夜ごはん食べたいのも……わかるでしょ?」
 ツチカの言葉を聞いた瞬間、僕の心の中にあった点と点から線が伸び合体ロボのパーツが連結されたような音を立て結びついた。
 そうか。そうだったのか。そういうことだったのか。
「ツチカ……」
「幸太郎……」
「僕、気付いたよ」
「な、何に……」
「ツチカは……僕が助けたから、そのお礼として毎晩なおりで出前を取ってくれていたんだね」
「……ん?」
「突然恩人が隣の蕎麦屋に居候先として越してきて、あの時のお礼がしたいと考えてくれて、だったらなおりで出前を取れば売り上げにもなる……。そういうことだよね?」
 僕は今とてもすっきりとした気持ちだった。ツチカから「思い出した?」ということも解決し、毎晩出前を取ってくれる謎も解決した。
 ツチカは出前を取ってくれることでなおりの売り上げに貢献しようとしてくれたのだ。同じ商店街の仲間としては一番のプレゼントだと思う。さすが花屋の娘だということはある。
「はぁーはっはっはっはっ!面白い男だ!清里幸太郎!」
「ひっ!な、何!急に。怖い」
 ツチカは急に立ち上がり仁王立ちを腕組しながら何かを叫び始めた。暑さで頭がヤられてしまったのだろうか。
「熱射病?」
「違うわよ!もう知らない!」
 ツチカは走る勢いで歩き始めてしまった。
「ちょ、ちょっと!」
「来ないで!来てほしいけど!」
「ど、どういうこと?!」
「うるせぇ!」
 僕は慌ててツチカを追いかけた。一体何で急に怒り出したのかさっぱり検討がつかない。
 それからツチカは公園を出るまでそのスピードを保ち続けた。アスリート並だ。競歩の選手になれるぞと思ったけど、そんなことは口には出さなかった。
 しばらくして落ち着いたのか、ツチカはゆっくり歩き始めた。
「あのさ……」
「……なに」
「それであの後はどうなったの」
「……捕まったよ」
 ツチカは顛末を話してくれた。
 助けられた後、僕の顔を見るなりツチカは「ありがとう」と一言だけ残しその場を走去った。その時にもしかしたら清里のおじさんの息子かもと思ったそうだけど、それよりも騙され襲われそうになったことに不快感と怒りを感じていた。そりゃそうだ。
 そして家に帰ってふて寝をして起きてから、その事を警察に届け出るか、お母さんに打ち明けるか迷ったみたいだけど結局その悩みは無駄に終わった。なぜなら警察が市川フラワーに来たからだ。
「そいつね。そういうことする常習者だったみたい。ニュースになっていたけど知らない?」
 ツチカに言われて思い出した。確かに年末に未成年への暴行未遂を繰り返していた男が捕まったとニュースになっていた。
「余罪が何件あるかは知らないし知りたくもないけど、とにかく刑事が家にきてさ。それでママにばれた」
「……凄い怒られたんだ?」
「いや。めっっっちゃ泣いて謝られてさ、私馬鹿なことしたなーってそこで気付いたよ」
「……うん」
「で、その後ママが全部話してくれたの」
「……うん」
「パパは結構前に見つかっていたんだって」
「……マジで」
「単純に他に女作ってさ、子供もいて暮らしているみたい」
 ツチカはその事実を淡々を口に出した。行方不明の父親が不倫をして他に家庭を作ったことと、それを隠されていたことに対する怒りは感じ取れなかった。
「それを聞いて怒りというよりも安心?とは違うけど、何かすっごい力が抜けちゃってさ」
「……うん」
「多分……私がパパの不倫のことを知ったら凄い怒ると思ったんだろうね」
 ツチカは信号待ちをしている間、流れる車をボーっと眺めていた。
「……恨んでる?」
「正直……分からないの」
 ツチカは横断歩道の白い所だけを歩きながら呟いた。
「タイミングなのかな。私はてっきりお父さんが凄い酷いことになっていると思っていたからさ」
「……行方不明だと思っていたから?」
「そう!」
 ツチカはくるくる周った後ピタリと止まった。
「だから他に女作って子供がいるって聞いて安心しちゃった。なんだ幸せじゃんって」
「……」
「しかも行方不明になった後直ぐに見つかっていてさ、離婚届も出してたんだって」
「……うん」
「まぁそんな感じなのよ」
 ツチカは他人事のように喋った。もうどうしようもないことだと、諦めているような感じにもみえた。
 僕はなんでお父さんは不倫をしたのかと疑問に思った。一体何が不満だったんだろうって。でも流石にそれまでは聞く気にはなれなかった。
 ツチカが納得しているのなら、他人の僕が首を突っ込むのは大分余計なお世話だ。
 気が付けば僕達はこげら商店街の入口まで戻ってきた。
 ツチカはこげら商店街の入口の看板まで走り振り返った。
「幸太郎は…こ…も…………よね?」
 その時少しうるさい車が横を通ったので、僕はツチカの声がよく聞こえなかった。
「ごめん!よく聞こえなかった」
「幸太郎のバーカ!って言ったの!」
「酷い!事実だけどさ」
 ツチカは舌を出してそのまま走り出した。
 僕は歩きながら、こちらを振り返りおどけるツチカを見ていた。
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