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初めてのキス.
瓦礫が吹き飛んで、一気に周りが明るくなる。
眩しくて目を細めてもその姿がはっきりと映る。
俺の目の前には、キラキラと輝くユキトの赤みがある黒髪が見えた。
ずっと思ってたんだ、触ったら本当にサラサラなのかなと…
手を伸ばすと、簡単にその髪に触れる事が出来る。
やっぱりサラサラだ、それにいいにおいがする。
シャンプーとも違うこのにおいはユキトのにおいなのかな。
このにおいを知っているのはいったいどのくらいいるんだろう。
ライブの最前列ならにおいがするのか?だとしたらこの距離も特別ではない。
唇が重なり、もう慣れたなとボーッとユキトを見ていた。
この奇行はさすがに行き過ぎてるんだけど、どうしたらいいのか。
いくら出れなくて頭が可笑しくなっても、男にキスはしちゃダメだよ。
俺もふわふわした頭でそんな事を考えていた。
「聖剣騎士様!!」
「こ、これは…」
いろんな人の声がして、唇はすぐに離れた。
俺とユキトの周りには大量の瓦礫があり、周りにはいろんな人達が囲んでいた。
密室という空間から我に返り、受け入れてしまっていた自分に顔を青ざめる。
あれ、もしかしてユキトとのキス…見られた?
キスに慣れても見られるのは慣れるわけがない。
顔に熱が集まり、頭を抱えて小さく瓦礫と同化しようとする。
そういえば、ユキトの頭の血はいつの間にか消えていた。
周りをチラッと見ると、何故か彼らの視線は俺に向けられていなかった。
いろんな人達が声を重ねて「聖剣騎士様!」と叫んでいた。
押し寄せる人は俺を押し退けてユキトに集まってきた。
俺は瓦礫から落ちて、頭を壁に打ち痛みに悶えた。
ここまで俺の事を気にしないのは寂しいが、注目を浴びないなら良かった。
俺はこの人達に殺されそうになっている事を思い出してゆっくり歩いた。
瓦礫が落ちた事により、鉄格子が破壊されている。
今なら簡単に逃げ出す事が出来る。
ここが別の世界なら行く場所なんてないが、ここよりはマシだろう。
ふと後ろを振り返ると、盛り上がりの中心にユキトがいた。
ユキトの手には剣が握られている。
持っていたのを見ていないが、何処から持ってきたんだろう。
あんな狭い場所で剣があったらさすがに気付くはずだ。
ここの人達は聖剣騎士様とユキトを呼んでいた。
あれが聖剣?なにがきっかけかは分からないが、出現させたりしたのかな。
ユキトは俺と同じ人間だと思ってたが、違うのか?
いや、俺と比べるのはダメだ…ユキトとはどう見ても住む世界が違う。
コソコソと歩いていたら、急に腕を掴まれて引き寄せられた。
「おい、何処に行くんだ!」
「俺はここにいたら殺されるんです!離して下さい」
「そんな事…」
ユキトはそう言って、一瞬後ろを見つめて俺も視線を向けた。
魔王だなんだと言われている奴がいる地下に行くからか、武装している男達が武器を片手に今すぐ俺を殺そうとしていた。
これで俺の状況が分かっただろ、俺を行かせてくれ!
腕を掴む手は全く力が緩まない、腕をばたつかせても無駄だ。
もしかしてユキトも俺を殺そうとしている?
もしかしてキスで、かなり怒っていたりする?
キスは不可抗力だって!どうやって償えばいいんだ。
ユキトは俺をまっすぐに見つめて、推しの顔に全身が硬直する。
「俺が守ってやろうか」
「…え?」
まさかユキトからそんな事を言われるとは思わなかった。
確かにこの人達はユキトを崇めている人達だ。
ユキトの言葉一つで助けられると思う、ユキトがいない間は怖いけど。
でも、それだと…ユキトに気を遣わせてしまう。
推しの苦労の原因が俺とか、本当に俺は生きている価値がなくなる。
どうしようか考えていたら、ユキトは小さく笑っていた。
その顔はアイドルの時に見た事がない自信に満ち溢れている顔だった。
その言葉を聞いて、俺は目を見開いて驚いた。
「お前…俺の事好きなんだろ」
「全力でお断りします」
眩しくて目を細めてもその姿がはっきりと映る。
俺の目の前には、キラキラと輝くユキトの赤みがある黒髪が見えた。
ずっと思ってたんだ、触ったら本当にサラサラなのかなと…
手を伸ばすと、簡単にその髪に触れる事が出来る。
やっぱりサラサラだ、それにいいにおいがする。
シャンプーとも違うこのにおいはユキトのにおいなのかな。
このにおいを知っているのはいったいどのくらいいるんだろう。
ライブの最前列ならにおいがするのか?だとしたらこの距離も特別ではない。
唇が重なり、もう慣れたなとボーッとユキトを見ていた。
この奇行はさすがに行き過ぎてるんだけど、どうしたらいいのか。
いくら出れなくて頭が可笑しくなっても、男にキスはしちゃダメだよ。
俺もふわふわした頭でそんな事を考えていた。
「聖剣騎士様!!」
「こ、これは…」
いろんな人の声がして、唇はすぐに離れた。
俺とユキトの周りには大量の瓦礫があり、周りにはいろんな人達が囲んでいた。
密室という空間から我に返り、受け入れてしまっていた自分に顔を青ざめる。
あれ、もしかしてユキトとのキス…見られた?
キスに慣れても見られるのは慣れるわけがない。
顔に熱が集まり、頭を抱えて小さく瓦礫と同化しようとする。
そういえば、ユキトの頭の血はいつの間にか消えていた。
周りをチラッと見ると、何故か彼らの視線は俺に向けられていなかった。
いろんな人達が声を重ねて「聖剣騎士様!」と叫んでいた。
押し寄せる人は俺を押し退けてユキトに集まってきた。
俺は瓦礫から落ちて、頭を壁に打ち痛みに悶えた。
ここまで俺の事を気にしないのは寂しいが、注目を浴びないなら良かった。
俺はこの人達に殺されそうになっている事を思い出してゆっくり歩いた。
瓦礫が落ちた事により、鉄格子が破壊されている。
今なら簡単に逃げ出す事が出来る。
ここが別の世界なら行く場所なんてないが、ここよりはマシだろう。
ふと後ろを振り返ると、盛り上がりの中心にユキトがいた。
ユキトの手には剣が握られている。
持っていたのを見ていないが、何処から持ってきたんだろう。
あんな狭い場所で剣があったらさすがに気付くはずだ。
ここの人達は聖剣騎士様とユキトを呼んでいた。
あれが聖剣?なにがきっかけかは分からないが、出現させたりしたのかな。
ユキトは俺と同じ人間だと思ってたが、違うのか?
いや、俺と比べるのはダメだ…ユキトとはどう見ても住む世界が違う。
コソコソと歩いていたら、急に腕を掴まれて引き寄せられた。
「おい、何処に行くんだ!」
「俺はここにいたら殺されるんです!離して下さい」
「そんな事…」
ユキトはそう言って、一瞬後ろを見つめて俺も視線を向けた。
魔王だなんだと言われている奴がいる地下に行くからか、武装している男達が武器を片手に今すぐ俺を殺そうとしていた。
これで俺の状況が分かっただろ、俺を行かせてくれ!
腕を掴む手は全く力が緩まない、腕をばたつかせても無駄だ。
もしかしてユキトも俺を殺そうとしている?
もしかしてキスで、かなり怒っていたりする?
キスは不可抗力だって!どうやって償えばいいんだ。
ユキトは俺をまっすぐに見つめて、推しの顔に全身が硬直する。
「俺が守ってやろうか」
「…え?」
まさかユキトからそんな事を言われるとは思わなかった。
確かにこの人達はユキトを崇めている人達だ。
ユキトの言葉一つで助けられると思う、ユキトがいない間は怖いけど。
でも、それだと…ユキトに気を遣わせてしまう。
推しの苦労の原因が俺とか、本当に俺は生きている価値がなくなる。
どうしようか考えていたら、ユキトは小さく笑っていた。
その顔はアイドルの時に見た事がない自信に満ち溢れている顔だった。
その言葉を聞いて、俺は目を見開いて驚いた。
「お前…俺の事好きなんだろ」
「全力でお断りします」
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