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過去編・目的
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「…ライム、俺がここにいた事は忘れてくれ」
「どうして、なんでそんな事…」
「ライムを巻き込みたくない」
「……カイウス、なんで…過去にいるの?」
「…っ!?」
「未来の、カイウスなんでしょ?」
俺は見慣れない身体の傷で、そうなんじゃないかと思った。
過去のカイウスも、俺がいた世界のカイウスもそんな傷はなかった。
だとしたら、未来のカイウスが傷を負った事になる。
見た事がない違和感も、カイウスが少し成長したからだと思ったら納得出来る。
俺も未来から来たんだ、カイウスも未来から来ても不思議ではない。
カイウスはシャツの袖を破って、傷口に当てて縛っていた。
「…カイウスが過去にいる理由と、俺を巻き込みたくない理由は一緒?」
「……」
カイウスは何も答えないが、それが何よりの答えだと思った。
傷の理由は気になるが、未来のカイウスがいるって事は俺の今の行動は無駄にはならないと分かり安堵した。
これからどうなるか分からないけど、俺はカイウスを救えるんだ。
カイウスが未来にいるって事は、未来の俺は何をしているんだろう。
それにカイウスはいつからこの過去の世界に居たんだろう。
カイウスがなかなか話してくれないから、気になる!
「カイウス、カイウスがこの過去の世界にいたら未来の国は大丈夫なのか?」
「………」
「…カイウス?」
「この世界にいる時は、未来は時間が進んでいない…だから俺が元の世界に戻っても時間は来る前と変わらない」
カイウスは渋々といった感じで話してくれた。
じゃあ俺がいない間も時間は変わらないんだ、良かった。
俺がいない間に、神がカイウスになにかしたら大変だ。
未来の俺はカイウスが過去に向かってる事を知らないのか。
気になるけど、あまり未来になにが起きたか聞かない方がいいのかもしれない。
カイウスは何しに過去に来たんだろう、それくらい聞いてもいいよな。
カイウスは話したくなさそうだったけど…カイウスが危険な目に合うのは怖い。
「カイウス、俺…頼りないかもしれないけど…カイウスの事を守りたいんだ!」
「……ライムを巻き込んだら、来た意味がなくなる」
来た意味がなくなる?…俺に関連している事って事だよな。
だったら余計に俺に俺に教えてほしい、もしかしたらなにか気をつける事があるのかもしれない。
でも、カイウスは本当に巻き込みたくないのかなかなか口を開こうとはしなかった。
世間話でもして、和ませてからうっかり口を滑らせて話してくれないだろうか……無理か。
無理矢理聞くのは俺もカイウスもいい気はしないのは分かってる。
でも俺に関わる事なら、ちゃんと知りたい…もしかしたら気をつける事で現代のカイウスを助ける事に繋がるかと思った。
俺はカイウスの隣に座り、なるべく明るく言ってみた。
「そういえば、未来のカイウスって何年後のカイウスなの?」
「……三年後だ」
「三年も経ったらいろいろ変わってるよね、未来の俺は元気?」
三年後のカイウスにちょっとテンションが上がって、聞いてみた。
未来の俺が元気かくらいは聞いてもいいよな。
でも、カイウスの空気がまた重くなってしまった。
未来の俺になにかあった、でも…俺はカイウスの顔を見てさっきみたいに深くは聞けなかった。
眉を寄せて苦しげなカイウスに俺は話題を変えようと思った。
そうだ、この過去で知り合った猫のカイくんとカイトの話でもしよう。
猫にカイウスの二文字を使ったらビックリしちゃうかな。
「俺、過去に来て友達が出来たんだ」
「……知ってる」
「え…カイウス、見てたの?」
「ずっと傍に居た」
少し顔を和らげて、カイウスが俺の頭を撫でていて言った。
傍にいたって…でも俺がいたのはカイくんとカイトだけだった。
そういえば、リーズナも人間に変身していたな。
もしかして、カイウスが…カイくんだった?カイウスに似ていると思ったのは本人だったから?
目を丸くして驚いたが、ずっと一緒にいてくれた事が嬉しかった。
なにかの鳥の鳴き声が暗い闇の中に聞こえた。
眠くなってきて、うとうととしてきた…今はカイウスが近くにいると分かるからすぐに深い眠りの底に沈んでいった。
朝起きたらカイウスが居なくなっていないように、ギュッと腕を握りしめた。
「守ってやれなくて、ごめん」
ふと、カイウスの声が聞こえた…俺はいつもカイウスに守ってもらっているのになんでそんな事を言うんだろう。
力が抜けて、添えているだけになっていた指に力を入れてギュッと手を握った。
すると、しっかりと手を握り返されて…体温が伝わってくる。
俺は、何となく察していたけど…カイウスの言葉を聞くまで信じる事が出来なかった。
カイウスに辛い事を聞いてしまって、今はとても反省している。
なにがあった経路までは分からない…でも、カイウスが謝る事はないんだ。
俺の事をカイウスは話してくれない、一般的に理由は二つ考えられる。
一つは俺達が別れて別々の道を歩んだという事。
でも、カイウスはわざわざ過去までやって来て俺のためになにかしようとしている。
別れた恋人にそこまでするだろうか、カイウスならやりそうだが…俺を見るカイウスの顔でその理由は消えた。
俺の事を愛しげに見つめるカイウスは今も昔も何も変わっていない。
俺だってこんなにカイウスが好きなんだ、三年という短い年月で心変わりするとは思えない。
たとえカイウスがどんな存在になろうと、俺はカイウスを愛している。
そうなると、残りはやっぱりアレしかなくなる。
俺はきっと、三年後にはこの世にいないのだろう。
「どうして、なんでそんな事…」
「ライムを巻き込みたくない」
「……カイウス、なんで…過去にいるの?」
「…っ!?」
「未来の、カイウスなんでしょ?」
俺は見慣れない身体の傷で、そうなんじゃないかと思った。
過去のカイウスも、俺がいた世界のカイウスもそんな傷はなかった。
だとしたら、未来のカイウスが傷を負った事になる。
見た事がない違和感も、カイウスが少し成長したからだと思ったら納得出来る。
俺も未来から来たんだ、カイウスも未来から来ても不思議ではない。
カイウスはシャツの袖を破って、傷口に当てて縛っていた。
「…カイウスが過去にいる理由と、俺を巻き込みたくない理由は一緒?」
「……」
カイウスは何も答えないが、それが何よりの答えだと思った。
傷の理由は気になるが、未来のカイウスがいるって事は俺の今の行動は無駄にはならないと分かり安堵した。
これからどうなるか分からないけど、俺はカイウスを救えるんだ。
カイウスが未来にいるって事は、未来の俺は何をしているんだろう。
それにカイウスはいつからこの過去の世界に居たんだろう。
カイウスがなかなか話してくれないから、気になる!
「カイウス、カイウスがこの過去の世界にいたら未来の国は大丈夫なのか?」
「………」
「…カイウス?」
「この世界にいる時は、未来は時間が進んでいない…だから俺が元の世界に戻っても時間は来る前と変わらない」
カイウスは渋々といった感じで話してくれた。
じゃあ俺がいない間も時間は変わらないんだ、良かった。
俺がいない間に、神がカイウスになにかしたら大変だ。
未来の俺はカイウスが過去に向かってる事を知らないのか。
気になるけど、あまり未来になにが起きたか聞かない方がいいのかもしれない。
カイウスは何しに過去に来たんだろう、それくらい聞いてもいいよな。
カイウスは話したくなさそうだったけど…カイウスが危険な目に合うのは怖い。
「カイウス、俺…頼りないかもしれないけど…カイウスの事を守りたいんだ!」
「……ライムを巻き込んだら、来た意味がなくなる」
来た意味がなくなる?…俺に関連している事って事だよな。
だったら余計に俺に俺に教えてほしい、もしかしたらなにか気をつける事があるのかもしれない。
でも、カイウスは本当に巻き込みたくないのかなかなか口を開こうとはしなかった。
世間話でもして、和ませてからうっかり口を滑らせて話してくれないだろうか……無理か。
無理矢理聞くのは俺もカイウスもいい気はしないのは分かってる。
でも俺に関わる事なら、ちゃんと知りたい…もしかしたら気をつける事で現代のカイウスを助ける事に繋がるかと思った。
俺はカイウスの隣に座り、なるべく明るく言ってみた。
「そういえば、未来のカイウスって何年後のカイウスなの?」
「……三年後だ」
「三年も経ったらいろいろ変わってるよね、未来の俺は元気?」
三年後のカイウスにちょっとテンションが上がって、聞いてみた。
未来の俺が元気かくらいは聞いてもいいよな。
でも、カイウスの空気がまた重くなってしまった。
未来の俺になにかあった、でも…俺はカイウスの顔を見てさっきみたいに深くは聞けなかった。
眉を寄せて苦しげなカイウスに俺は話題を変えようと思った。
そうだ、この過去で知り合った猫のカイくんとカイトの話でもしよう。
猫にカイウスの二文字を使ったらビックリしちゃうかな。
「俺、過去に来て友達が出来たんだ」
「……知ってる」
「え…カイウス、見てたの?」
「ずっと傍に居た」
少し顔を和らげて、カイウスが俺の頭を撫でていて言った。
傍にいたって…でも俺がいたのはカイくんとカイトだけだった。
そういえば、リーズナも人間に変身していたな。
もしかして、カイウスが…カイくんだった?カイウスに似ていると思ったのは本人だったから?
目を丸くして驚いたが、ずっと一緒にいてくれた事が嬉しかった。
なにかの鳥の鳴き声が暗い闇の中に聞こえた。
眠くなってきて、うとうととしてきた…今はカイウスが近くにいると分かるからすぐに深い眠りの底に沈んでいった。
朝起きたらカイウスが居なくなっていないように、ギュッと腕を握りしめた。
「守ってやれなくて、ごめん」
ふと、カイウスの声が聞こえた…俺はいつもカイウスに守ってもらっているのになんでそんな事を言うんだろう。
力が抜けて、添えているだけになっていた指に力を入れてギュッと手を握った。
すると、しっかりと手を握り返されて…体温が伝わってくる。
俺は、何となく察していたけど…カイウスの言葉を聞くまで信じる事が出来なかった。
カイウスに辛い事を聞いてしまって、今はとても反省している。
なにがあった経路までは分からない…でも、カイウスが謝る事はないんだ。
俺の事をカイウスは話してくれない、一般的に理由は二つ考えられる。
一つは俺達が別れて別々の道を歩んだという事。
でも、カイウスはわざわざ過去までやって来て俺のためになにかしようとしている。
別れた恋人にそこまでするだろうか、カイウスならやりそうだが…俺を見るカイウスの顔でその理由は消えた。
俺の事を愛しげに見つめるカイウスは今も昔も何も変わっていない。
俺だってこんなにカイウスが好きなんだ、三年という短い年月で心変わりするとは思えない。
たとえカイウスがどんな存在になろうと、俺はカイウスを愛している。
そうなると、残りはやっぱりアレしかなくなる。
俺はきっと、三年後にはこの世にいないのだろう。
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