198 / 299
二人のカイウス
しおりを挟む
「そんな事があったんだ」
「でも心配しなくていい、あれは神が惑わそうとしていただけだ…俺はもうあんな自分を好き勝手させないから」
カイウスに聞いた話は、新人を教育していて俺に似た姿のなにかを見つけて向かったらカイウスと同じ顔の人がいた事だ。
その人は普通の人じゃなくて、その人になにかを当てられたらカイウスの魔力が可笑しくなった。
なんでかは俺にも分からないけどいい事でない事は分かる。
カイウスはああ言っているが、心配するなと言う方が無理がある。
本当に神の仕業?だとしたら、カイウスが危ない。
本当は安全な場所にいてほしい、危険な目に遭ってほしくない。
でもカイウスはそういうわけにはいかない立場だ。
カイウスは騎士団長だ、この国の人達を守っている。
今の俺はただ、カイウスを送る事しか出来ない。
俺にもっと力があれば、今すぐ飛んでいけるのに…
「ライム、泣いているのか?」
「……えっ?」
カイウスが俺の目元を指で拭ってくれるまで気付かなかった。
濡れている指を見て、自分でも目を拭う。
俺がカイウスを抱きしめていたのに、今度は俺が正面から抱きしめられていた。
カイウスの体温はいつも通り温かくて、優しかった。
背中を撫でられると、気持ちが良くてカイウスの背中に腕を回す。
リーズナは気まずそうに『そろそろ俺の話もいいか?』と言っていた。
リーズナの事すっかり忘れていて、カイウスに向けていた顔をリーズナに向ける。
カイウスは俺をずっと見ながらカイウスの話を聞くつもりらしい。
「どうした、リーズナ」
『外に黒い鳥が飛んでいた』
「鳥?…魔力のある生き物は俺の許可なくして入れない筈だ」
『俺の思い過ごしならいいけどな、二回も見たからな』
本当はリーズナは今日しか鷹を見ていない。
でも、俺が見たとなると修行がバレて訓練所が閉鎖されでもしたら困る。
だから見たのはリーズナだけとして、カイウスに話していた。
小鳥も会話に参加しているのか小さく鳴いていた。
カイウスは鷹に心当たりがないのか、よく分かっていなかった。
でも、怪しいものは警戒が必要だとリーズナに言っていた。
それ以外に何か言いたそうだったが、俺の事をチラッと見て何も言わなかった。
俺に言えない話?…二人にしか分からない会話もあると思うし、俺は先にお風呂入ってくると言って食堂を出た。
一回入ったけど、まぁいいかな…お風呂から上がったらまたカイウスをマッサージしよう。
※カイウスの話
ライムはリーズナの気持ちを分かって外してくれた。
「ライムに聞かれたくない話ってなんだ?」
『お前が心配掛けたくないって思うからだ、カイ…お前が聞かせたくない話だ』
俺の体の中で起きた異変は、俺よりも生まれる前から俺の魔力の中にいたリーズナの方が詳しい。
一時的でも異物が入ってきて、リーズナはなにかに気付いたんだろう。
リーズナは『お前の中にノイズが混じってる』と言った。
ノイズ…それが、あの異物の事だろう。
危うくリーズナも引っ張られて、俺が完全に裏の人格になるところだったと怒っていた。
それは悪いと思ってる、リーズナもある意味俺だから…
突然知らない奴に好き勝手掻き回されたらリーズナもいい顔はしない。
『お前に似た男がいたんだな』
「…あぁ、誰かは分からない」
『それって本当にカイなんじゃねぇの?』
俺が分裂したとでも言うのか?そんな事をした覚えはない。
そう言うと、リーズナは疑うような顔を向けていた。
こんな事で嘘をついたって俺に何の得もないだろ。
それに心当たりがあればとっくにそう言ってる。
リーズナは『なにかきっかけがあったなら、それが分裂の原因かもしれないんだけどな』と真剣な顔をして言っていた。
俺が二人存在した事があるとか言っていたが、そんな事をしてたら真っ先にリーズナが分かるだろと思った。
暴走した俺は人格こそ離れていたが、体は一つだ、二人存在する事にはならない。
そもそも二人いたら誰かが言ってもいいものだが、話を聞いた事はない。
そういえば、不思議な事は前にあったな。
俺がライムにプレゼントした覚えがない耳飾り、そこから俺の魔力を感じた。
この世界に作られたものではない魔力を出せるのは俺か神くらいだ。
ライムが神から貰ったものを大切に身につけるわけがない。
それに糸から流れる電流は、やはり魔力だ。
「やっぱりライムにも話す」
『いいのか?心配掛けたくないんだろ』
「ライムはなにか知っている気がする、それにライムに隠し事はしたくない」
立ち上がって、食堂を後にしてライムがいる風呂場に急いだ。
隠し事はしたくないが、巻き込みたくないという気持ちもある矛盾。
きっとこの話をしたら、俺を手伝いたいと言ってくれるだろう。
本当にライムにこの話をする事が正しいのか分からない。
無駄に心配掛けるだけだって、ライムの事を思うなら、一人で調べて解決した方がいいって思う。
風呂場の扉の前で足を止めて、こんなに近くに来たのにまだ迷っていた。
巻き込んでしまった事はもうどうする事も出来ないだろう。
だからこそ、これ以上ライムを悲しませたくない。
俺の勝手な願いだ、ライムを失うかもしれない…それが怖い。
俺の、一番弱く神に利用される隙を与えてしまう心だ。
風呂場のドアが開いて、ライムが驚いた顔をしてこちらを見ていた。
「カイウス?どうしたの?話は終わった?」
「ライム、俺が俺でなくなったら…」
俺がライムを傷付ける前に、少しでも俺という人格が残っている間に…俺を…
「でも心配しなくていい、あれは神が惑わそうとしていただけだ…俺はもうあんな自分を好き勝手させないから」
カイウスに聞いた話は、新人を教育していて俺に似た姿のなにかを見つけて向かったらカイウスと同じ顔の人がいた事だ。
その人は普通の人じゃなくて、その人になにかを当てられたらカイウスの魔力が可笑しくなった。
なんでかは俺にも分からないけどいい事でない事は分かる。
カイウスはああ言っているが、心配するなと言う方が無理がある。
本当に神の仕業?だとしたら、カイウスが危ない。
本当は安全な場所にいてほしい、危険な目に遭ってほしくない。
でもカイウスはそういうわけにはいかない立場だ。
カイウスは騎士団長だ、この国の人達を守っている。
今の俺はただ、カイウスを送る事しか出来ない。
俺にもっと力があれば、今すぐ飛んでいけるのに…
「ライム、泣いているのか?」
「……えっ?」
カイウスが俺の目元を指で拭ってくれるまで気付かなかった。
濡れている指を見て、自分でも目を拭う。
俺がカイウスを抱きしめていたのに、今度は俺が正面から抱きしめられていた。
カイウスの体温はいつも通り温かくて、優しかった。
背中を撫でられると、気持ちが良くてカイウスの背中に腕を回す。
リーズナは気まずそうに『そろそろ俺の話もいいか?』と言っていた。
リーズナの事すっかり忘れていて、カイウスに向けていた顔をリーズナに向ける。
カイウスは俺をずっと見ながらカイウスの話を聞くつもりらしい。
「どうした、リーズナ」
『外に黒い鳥が飛んでいた』
「鳥?…魔力のある生き物は俺の許可なくして入れない筈だ」
『俺の思い過ごしならいいけどな、二回も見たからな』
本当はリーズナは今日しか鷹を見ていない。
でも、俺が見たとなると修行がバレて訓練所が閉鎖されでもしたら困る。
だから見たのはリーズナだけとして、カイウスに話していた。
小鳥も会話に参加しているのか小さく鳴いていた。
カイウスは鷹に心当たりがないのか、よく分かっていなかった。
でも、怪しいものは警戒が必要だとリーズナに言っていた。
それ以外に何か言いたそうだったが、俺の事をチラッと見て何も言わなかった。
俺に言えない話?…二人にしか分からない会話もあると思うし、俺は先にお風呂入ってくると言って食堂を出た。
一回入ったけど、まぁいいかな…お風呂から上がったらまたカイウスをマッサージしよう。
※カイウスの話
ライムはリーズナの気持ちを分かって外してくれた。
「ライムに聞かれたくない話ってなんだ?」
『お前が心配掛けたくないって思うからだ、カイ…お前が聞かせたくない話だ』
俺の体の中で起きた異変は、俺よりも生まれる前から俺の魔力の中にいたリーズナの方が詳しい。
一時的でも異物が入ってきて、リーズナはなにかに気付いたんだろう。
リーズナは『お前の中にノイズが混じってる』と言った。
ノイズ…それが、あの異物の事だろう。
危うくリーズナも引っ張られて、俺が完全に裏の人格になるところだったと怒っていた。
それは悪いと思ってる、リーズナもある意味俺だから…
突然知らない奴に好き勝手掻き回されたらリーズナもいい顔はしない。
『お前に似た男がいたんだな』
「…あぁ、誰かは分からない」
『それって本当にカイなんじゃねぇの?』
俺が分裂したとでも言うのか?そんな事をした覚えはない。
そう言うと、リーズナは疑うような顔を向けていた。
こんな事で嘘をついたって俺に何の得もないだろ。
それに心当たりがあればとっくにそう言ってる。
リーズナは『なにかきっかけがあったなら、それが分裂の原因かもしれないんだけどな』と真剣な顔をして言っていた。
俺が二人存在した事があるとか言っていたが、そんな事をしてたら真っ先にリーズナが分かるだろと思った。
暴走した俺は人格こそ離れていたが、体は一つだ、二人存在する事にはならない。
そもそも二人いたら誰かが言ってもいいものだが、話を聞いた事はない。
そういえば、不思議な事は前にあったな。
俺がライムにプレゼントした覚えがない耳飾り、そこから俺の魔力を感じた。
この世界に作られたものではない魔力を出せるのは俺か神くらいだ。
ライムが神から貰ったものを大切に身につけるわけがない。
それに糸から流れる電流は、やはり魔力だ。
「やっぱりライムにも話す」
『いいのか?心配掛けたくないんだろ』
「ライムはなにか知っている気がする、それにライムに隠し事はしたくない」
立ち上がって、食堂を後にしてライムがいる風呂場に急いだ。
隠し事はしたくないが、巻き込みたくないという気持ちもある矛盾。
きっとこの話をしたら、俺を手伝いたいと言ってくれるだろう。
本当にライムにこの話をする事が正しいのか分からない。
無駄に心配掛けるだけだって、ライムの事を思うなら、一人で調べて解決した方がいいって思う。
風呂場の扉の前で足を止めて、こんなに近くに来たのにまだ迷っていた。
巻き込んでしまった事はもうどうする事も出来ないだろう。
だからこそ、これ以上ライムを悲しませたくない。
俺の勝手な願いだ、ライムを失うかもしれない…それが怖い。
俺の、一番弱く神に利用される隙を与えてしまう心だ。
風呂場のドアが開いて、ライムが驚いた顔をしてこちらを見ていた。
「カイウス?どうしたの?話は終わった?」
「ライム、俺が俺でなくなったら…」
俺がライムを傷付ける前に、少しでも俺という人格が残っている間に…俺を…
55
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?
* ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。
悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう!
せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー?
ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!
ユィリと皆の動画つくりました! お話にあわせて、ちょこちょこあがる予定です。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます
プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
* ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)
インスタ @yuruyu0
Youtube @BL小説動画 です!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
ヴィル×ノィユのお話です。
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけのお話を更新するかもです。
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
【完結】婚約破棄したのに幼馴染の執着がちょっと尋常じゃなかった。
天城
BL
子供の頃、天使のように可愛かった第三王子のハロルド。しかし今は令嬢達に熱い視線を向けられる美青年に成長していた。
成績優秀、眉目秀麗、騎士団の演習では負けなしの完璧な王子の姿が今のハロルドの現実だった。
まだ少女のように可愛かったころに求婚され、婚約した幼馴染のギルバートに申し訳なくなったハロルドは、婚約破棄を決意する。
黒髪黒目の無口な幼馴染(攻め)×金髪青瞳美形第三王子(受け)。前後編の2話完結。番外編を不定期更新中。
俺、転生したら社畜メンタルのまま超絶イケメンになってた件~転生したのに、恋愛難易度はなぜかハードモード
中岡 始
BL
ブラック企業の激務で過労死した40歳の社畜・藤堂悠真。
目を覚ますと、高校2年生の自分に転生していた。
しかも、鏡に映ったのは芸能人レベルの超絶イケメン。
転入初日から女子たちに囲まれ、学園中の話題の的に。
だが、社畜思考が抜けず**「これはマーケティング施策か?」**と疑うばかり。
そして、モテすぎて業務過多状態に陥る。
弁当争奪戦、放課後のデート攻勢…悠真の平穏は完全に崩壊。
そんな中、唯一冷静な男・藤崎颯斗の存在に救われる。
颯斗はやたらと落ち着いていて、悠真をさりげなくフォローする。
「お前といると、楽だ」
次第に悠真の中で、彼の存在が大きくなっていき――。
「お前、俺から逃げるな」
颯斗の言葉に、悠真の心は大きく揺れ動く。
転生×学園ラブコメ×じわじわ迫る恋。
これは、悠真が「本当に選ぶべきもの」を見つける物語。
続編『元社畜の俺、大学生になってまたモテすぎてるけど、今度は恋人がいるので無理です』
かつてブラック企業で心を擦り減らし、過労死した元社畜の男・藤堂悠真は、
転生した高校時代を経て、無事に大学生になった――
恋人である藤崎颯斗と共に。
だが、大学という“自由すぎる”世界は、ふたりの関係を少しずつ揺らがせていく。
「付き合ってるけど、誰にも言っていない」
その選択が、予想以上のすれ違いを生んでいった。
モテ地獄の再来、空気を読み続ける日々、
そして自分で自分を苦しめていた“頑張る癖”。
甘えたくても甘えられない――
そんな悠真の隣で、颯斗はずっと静かに手を差し伸べ続ける。
過去に縛られていた悠真が、未来を見つめ直すまでの
じれ甘・再構築・すれ違いと回復のキャンパス・ラブストーリー。
今度こそ、言葉にする。
「好きだよ」って、ちゃんと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる