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凍り付いた心
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「お前と遊んでる暇は…」
神が再び俺に魔力を放とうとしていたが、カイウスが前を歩いてきた。
神は魔力を消して、黙って俺達を見ていた。
カイウスと話すチャンスだ、カイウスから来てくれるなら俺もそれに応えたい。
カイウスに近付くと、カイウスの手が腰に下げていた剣に触れた。
カイウスは俺を冷たい瞳で見つめていた。
とりあえず俺の気持ちをカイウスに伝えたい。
神にどう言われたのかは分からないけど、カイウスならきっと元のカイウスに戻ってくれる。
もう少し、もう少しでカイウスに触れる事が出来る。
「カイウス、聞いて…カイウスはこんなところに居たらダメだ、俺と一緒に街を見れば思い出す筈だよ」
「……思い出す?何を?」
「カイウスが守ろうとしていた人達、カイウスは本当は…」
「全部嘘、だろ」
カイウスは俺の横に向かって剣を振り下ろした。
チリチリとカイウスの魔力が体に触れる。
びっくりして足を止めると、すぐ目の前までカイウスが近付いていた。
唇が触れ合いそうなほどの至近距離だけど、そんな甘い雰囲気ではない。
カイウスから感じるのは、敵意だけだった。
なんで、どうして…カイウスはこんなに怒っているんだ?
カイウスを元のカイウスに戻さなきゃ…でも、カイウスは説得では耳を傾けない。
外の世界を見せたら変わると思ってたのに、これじゃあどうする事も出来ない。
無理矢理連れて行くのも、神が近くにいるのに現実的ではない。
「お願い、カイウス…一目だけでも、景色を見てほしい」
「俺を殺すためだろ、全部分かってる」
「そんな事しない!俺はカイウスと戦うつもりなんて…」
「全部分かってる、お前が大切にしているのは俺じゃない事くらい」
カイウスはそう言うと、俺から一歩二歩と離れていった。
握っていた剣を上に向かって持ち上げていた。
カイウスの瞳は迷いも感情も何もなかった。
元のカイウスを助けるためには、今のカイウスの人格をどうにかする必要があった。
危険な神の人格、確かに消滅させるしかカイウスを取り戻す方法はない。
でも、カイウスはカイウスなんだ…カイウスを殺す事じゃない。
ただ、今まで通りに戻るだけなんだ。
危険なカイウスが、カイウスを脅かすなら俺はカイウスを守る。
最後に決めるのはカイウスにしか出来ない、俺が出来る事はカイウスの心に訴える事だ。
でも、カイウスにとっては俺が殺すように見えるんだな。
覚悟していたのに、カイウス自身に言われると気持ちが揺れる。
動揺して、何も言葉が出なくなった。
後ろにいる神は、不気味なほどに笑みを浮かべていた。
こうなる事は最初から分かっていると言いたげな顔だった。
「そんなに殺したいなら、殺してやる」
「…えっ」
「カイウスを殺す」
カイウスはそう言って、自らの腹に剣を突き刺した。
神が再び俺に魔力を放とうとしていたが、カイウスが前を歩いてきた。
神は魔力を消して、黙って俺達を見ていた。
カイウスと話すチャンスだ、カイウスから来てくれるなら俺もそれに応えたい。
カイウスに近付くと、カイウスの手が腰に下げていた剣に触れた。
カイウスは俺を冷たい瞳で見つめていた。
とりあえず俺の気持ちをカイウスに伝えたい。
神にどう言われたのかは分からないけど、カイウスならきっと元のカイウスに戻ってくれる。
もう少し、もう少しでカイウスに触れる事が出来る。
「カイウス、聞いて…カイウスはこんなところに居たらダメだ、俺と一緒に街を見れば思い出す筈だよ」
「……思い出す?何を?」
「カイウスが守ろうとしていた人達、カイウスは本当は…」
「全部嘘、だろ」
カイウスは俺の横に向かって剣を振り下ろした。
チリチリとカイウスの魔力が体に触れる。
びっくりして足を止めると、すぐ目の前までカイウスが近付いていた。
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カイウスから感じるのは、敵意だけだった。
なんで、どうして…カイウスはこんなに怒っているんだ?
カイウスを元のカイウスに戻さなきゃ…でも、カイウスは説得では耳を傾けない。
外の世界を見せたら変わると思ってたのに、これじゃあどうする事も出来ない。
無理矢理連れて行くのも、神が近くにいるのに現実的ではない。
「お願い、カイウス…一目だけでも、景色を見てほしい」
「俺を殺すためだろ、全部分かってる」
「そんな事しない!俺はカイウスと戦うつもりなんて…」
「全部分かってる、お前が大切にしているのは俺じゃない事くらい」
カイウスはそう言うと、俺から一歩二歩と離れていった。
握っていた剣を上に向かって持ち上げていた。
カイウスの瞳は迷いも感情も何もなかった。
元のカイウスを助けるためには、今のカイウスの人格をどうにかする必要があった。
危険な神の人格、確かに消滅させるしかカイウスを取り戻す方法はない。
でも、カイウスはカイウスなんだ…カイウスを殺す事じゃない。
ただ、今まで通りに戻るだけなんだ。
危険なカイウスが、カイウスを脅かすなら俺はカイウスを守る。
最後に決めるのはカイウスにしか出来ない、俺が出来る事はカイウスの心に訴える事だ。
でも、カイウスにとっては俺が殺すように見えるんだな。
覚悟していたのに、カイウス自身に言われると気持ちが揺れる。
動揺して、何も言葉が出なくなった。
後ろにいる神は、不気味なほどに笑みを浮かべていた。
こうなる事は最初から分かっていると言いたげな顔だった。
「そんなに殺したいなら、殺してやる」
「…えっ」
「カイウスを殺す」
カイウスはそう言って、自らの腹に剣を突き刺した。
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