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異なる世界
しおりを挟む「、、、っ!
あれ、、、?僕死んだはずじゃ、、、、」
起きると豪華な部屋のベットの上だった。
絵本の中のお姫様が寝るような天蓋付きのベットで、ところどころに金があしらわれており、キラキラと光っている。
「これからどうしよう、、、、多分これ、異世界転生?異世界転移?とか、ありがちなやつだよね、、、
誰かがこんな僕を助けてくれたのかな、、、、
でも、僕なんかにそんな特殊なスキルなんてあるわけないのに、、どうしよう、、、、」
目を覚ました時、部屋に空龍の他に誰もいないことも、余計に空龍を不安にさせる要因だった。
ガチャ
空龍が目覚めてからしばらくしたころ、一人のメイドが現れた。その女性の行動は洗練されており、空龍もはっと息を呑んだ。
「お部屋の空気を入れ替えに参りました。失礼いたします、、、、、、っ、、、、、お目覚めでしたか!?
大変申し訳ありません、、!只今、ご主人様を呼んで参ります!」
そう言うと、メイドは慌てて部屋を後にした。
メイドがいなくなった後のこの部屋はまた、静けさが戻り、暖かいはずの部屋はまるで空龍の心を移したかのように酷く冷えきってゆく。
「、、、さむいな、、、、」
誰にも聞こえることのない。そう確信していたからなのか、思わずふと呟いた。誰もいない所に取り残されたような、虚空にいるような感覚をまた味わうだなんて。息苦しいような、そんな感覚だった。
僕は集団は嫌いだ。何をするにも一緒に行動するなんて考えられない。トイレもお昼も移動教室も、一緒に行動する人たちを僕は学校で散々みてきた。
あんなに他人に移動を拘束されて、何がいいんだろうか?僕には理解出来ない。
でも、1人でいなきゃいけないこともとてつもなく嫌なんだ。
学校で集団の中のまとまりがある中に1人なのは酷く浮いて見える。だからこそ、信頼出来る友達が欲しかった。せめて1人くらい作れたらいいななんて思ってしまった。こんな僕なんかと友達になってくれる人なんか居ないって、分かってた。分かってはいたんだ、、、最終的にはみんな離れてったし、、、
あ、でも、花楓と雅弥は他の人とは違ったな、、。今だからこそ、冷静に考えられる。僕の方が壁を作ってしまってはいたけど、何があっても僕のことを信じて最後まで仲良くしてくれていたっけ。いつも優しくて、困ったことあったらすぐに駆けつけて助けてくれてたなぁ、、、、。人がトラウマなのだと、2人の前で本音を零しながら子どものように泣いてしまった時も、2人だけが励ましてくれた。僕が落ち着くまでずーっと抱きしめて、頭を撫でてくれた。
僕が家族にして欲しかったことを2人はしてくれた。
きっと僕は雅弥と花楓から、気付かぬうちにいろんなことをたくさんたくさん与えられていたんだ、、
いつも決まって雅弥は僕のこと大切な失いたくない人だと言っていた。花楓も、僕を失いたくないない人なんだって言ってたなぁ、、、、それなのに、周りを信じられなくて僕は自殺して、、、、僕2人の気持ち全然わかってなかったみたいだ、、、、ごめん、、、
あぁ、そっか。僕にも友達。いや友達、、親友以上に大切な人の存在が2人もいたのか、、。なんで今気づいたんだよ、、僕のバカっ、、、僕は大馬鹿者だ、、、!
あんな死に方して、、2人に手紙くらい書いとけばよかった、、、、!今頃後悔しても遅いのになぁ、、
僕がいなくても2人が幸せな日々を送れますように。そんなこと僕が言う資格なんかないのに、分かってるけど、でも、そう心の中で願うしかなかった。
コンコン
扉がノックされた。
「入っても大丈夫かい??」
「はい、、、」
誰なんだろう、、すごく不安な気持ちだ。怖いな、、でも、一言しか聞いてないけど、この男の人の声はとても心地よくて、僕の好きな声だ。安心できる声。
「失礼するよ。
目覚めたんだね!一時はどうなるかと思ったけど無事で本当に良かった!俺の思ってた通り、君は美しくて可愛い!
それに俺の大切な番が無事でよかった!
これからよろしくね、俺の番そして、俺の唯一。」
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作者様、感想失礼します!
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わくわくしております!
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力もないので尊敬しかありません。
更新を楽しみに待ち、
これからも応援しております!
あん様
感想ありがとうございます!拙い文章の中読んでいただけたこととても光栄です!最初はやはり、人によっては不憫すぎる内容ですよね、、、でも、これも私なりに考えて書いてるお話なので、そこは変更なくやっていこうと思ってます(´˘`*)
主人公君はきちんとハッピーエンドを迎えますので、最後までお付き合いくださると幸いです。
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