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最終章 最後に愛は勝つ!? 婚約破談の危機に害虫駆除!

絶倫皇女、サンクチュアリ帝国へ帰還する

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 ネリス・ウォーラルの処刑を見届けた私とグレン。

 処刑している間、アンリ達が私達の荷物を積み込んでくれていたので、帰国する用意は既に整っていた。

 サンクチュアリ城の前には六頭の馬と数台の馬車が停まっており、城下町へと続く道には国民がサンクチュアリ帝国の国旗を掲げながら、皇族が通るのを今か今かと待ち構えている。

 最後は泣くまいと我慢していたのに、お父様は目を真っ赤にさせながらまた号泣し始めた。

「うっうっ……娘よ。また困った事があればすぐに言うのだぞ。私達は常に娘の味方だ」
「ありがとうございます、お父様。結婚式は盛大にあげますから、絶対に見に来て下さいね。お母様もエリーもどうかお元気で」

 私達は両親と妹と熱い抱擁を交わし、馬車に乗り込んだ後、私は落ちないように気を付けながら身を乗り出して手を振って笑顔で別れを告げた。

「次帰ってくる時は、明るい報告をしたいわね」
「そうですね。私もハンス皇帝陛下に冷たい目で睨まれるのは二度と御免です」

 ようやく気が抜けたのか疲れた表情を見せたグレン。
そんな彼を元気づけるように耳元で「婚姻を結んだら、子供沢山作りましょうね♡」と囁く。

 すると、彼は頬をピンク色に染めて「勿論です♡」と目を輝かせながら、夢中でキスをしてきたのだった。

◇◇◇

 母国に別れを告げてから約三ヶ月後––––。

 私達は無事にサンクチュアリ帝国へ戻ってきた。国境を越える為の橋が爆破されてしまったので、橋が復旧するのに少し時間がかかってしまったが、どうにか無事に帰ってくる事ができたのだった。

 皇族が乗る白い馬車が城下町に入ると、パトロールで街を歩いていた兵士達が私達に気付き「皆の者、サンクチュアリ皇族のお通りである!」と声を張り上げた。

 兵士の声を聞いた国民が私達が乗る馬車を見て、道の両サイドにはけていく。
大人達は私達に向かって頭を下げているが、まだ小さな子供達は私達に手を振りながら「グレン皇太子殿下、イングリッド姫様、万歳ーー!!」と興奮気味に迎えてくれたのだった。

「どうやら、この様子だと誤解は解けたみたいですね」
「えぇ、本当に良かったわ」

 正直な所、国民からどんな反応を得られるか怖くてたまらなかった。だが、私達を笑顔で迎えてくれたので、私は表情を緩ませた後、勝ち誇った笑みを浮かべた。

「フフフ……後はサリヴァント皇帝陛下に報告をして、待ちに待った害虫駆除の始まりね♡」

 ジュルリ……と溢れ出る涎を拭う私を見て、グレンは「あぁ、いつものインジーが戻ってきましたね」と笑った。

「えぇ……やっぱり私はこうでないとね♡ あ~~~~、早く部屋に戻ってグレンのペニスにむしゃぶりつきたーーーーい!!」

 あははっ、インジー声が大きいですよと注意されるも、グレンも満更ではない表情をしていた。

 はぁぁぁ~~、本当にしんどかった!
何ヶ月もの間、お父様の前では可愛い娘を演じて皇族らしく大人しく振る舞ってたんだもの! このストレスを全ての元凶である害虫共にぶつけてやるんだから!

 それに、この半年でヒューゴも最新の玩具を作って待っていてくれているはず……あぁっ、たーーのーーしーーみーー♡♡

「あの……何度も聞いてすみませんが、本当にやるんですか?」
「えぇ、二度とこの国に産まれてきたくないって思わせてやらないと気が済まないの。その為のでもあるんだから♡」

 機嫌良く親指を立てて笑う私を見て、グレンは「……貴方だけは敵に回したくないです」と苦笑いしていた。

◇◇◇

「あぁ……やっと我が家に帰ってきた感じがするわね」

 約半年ぶりに見るサンクチュアリ城はとても懐かしく感じた。この寒い季節もあと少しで終わりを迎え、もうすぐ春が来る。

 ゴムの木はどうなっているだろうか? 枯れたりしていないだろうか? もしかしたら、この半年で実がついたかもしれない。後でグレンと中庭に行って確認してみないと!

 私はそう決めて馬車から降りると「「おかえりなさい!!」」という声が重なって聞こえてきた。

 声がした方へ顔を上げてみると、門の前には双子の女中・アリスとイリスが号泣しながら待ってくれていた。

「イ、イングリッド姫様ぁぁ……ひっく」
「ご無事でなによりです……無事に解決できて本当に良かった!」
「二人共、少し背が伸びて大人っぽくなったわね!」

 女中のアリスとイリスはこの半年で少しだけ大人っぽく成長していた。二人は私達の姿を見るなり、大きな目からボロボロと涙をこぼして私達の帰りを心から喜んでくれたのだった。

 はぁ……なんて可愛らしい子達なのかしら♡ これはうんと甘やかさないと駄目ね!

 そう思った私は両手を広げて「さぁ、二人共! 私の胸に飛び込んできなさい♡」と言い放つと、二人は顔を見合わせてから「「姫様~~、失礼しますっ!!」」と飛び込むように抱き着いてきた。

 そして、フガフガと私の胸に顔を埋め「良い匂いがするぅぅ♡」とか「姫様の乳圧♡ たまんなぁぁい♡」とうっとりとした表情で甘えていたのだった。

「アリス、イリス。今回は姫が許可しましたが、インジーは私のものです。お前達は早く仕事に戻りなさい」
「「はーい、殿下♡」」

 後続の馬車から降りてきたアンリを見つけた二人は、私達に「「帝国に栄光あれ!」」と頭を下げてから駆け出して行った。

「もう、グレンったら♡」
「はぁ……私も早く貴方に抱き着いて、その大きな胸を揉みしだきたいです……」

 しょんぼりとするグレンの手を引き、私は「早く陛下に挨拶を済ませて、セックスしましょう♡」と意気揚々と城の中へ入ったのだが–––––。

 私達を心配してた人達が次々と私達に声をかけてきたので、中々前へ進む事ができなかった。

 むきぃーーーー!!
心配してくれるのは有難いんだけど、早く私はグレンとセックスをして疲れを吹き飛ばしたいのよぉぉぉぉぉぉッ!! 邪魔をしないでぇぇぇぇ!!

 内心そんな事を考えながら臣下達に手を振り返していると、遥か前方の方から懐かしい声が聞こえてきた。

「あ、姫様に殿下! お久しぶりです!」
「アラン、久しぶりね!」

 たまたま騎士団に用があって、城に顔を出していたアランに出会でくわした。

 私はチラッと彼の股間の様子を見てみると、雷に打たれたような衝撃が走った。驚く事に彼は私を見ても、股間が膨らまなかったのだ!

 ど、どうしたというんだ……アラン!?
それになんだか男としてズル剥けた印象も受けるぞ! も、もしや……その立派なおちんちんをどこかの女性に剥きあげられたというのか!?

「実は姫様にご報告したい事が––––」
「ゴホン!」

 後からやってきたハインツ騎士団長に大きめ咳払いをされたアランは、すぐさま自分の間違いに気付き「あ!……ご機嫌麗しゅうございます!」と慌てて挨拶し直したのであった。

「申し訳ありません、殿下。私の教育不足でございます」
「構わない。アランは注意しても次の日には忘れてるからな」

 グレンは諦めたような眼差しでアランを見つめると、彼は申し訳なさそうに頭を掻いた。

「うぅ……面目ないです。あ、そうだ! 姫様聞いてください! 俺、彼女ができたんです!」

 やはりそうだったか!!
じゃあ、正式に童貞を卒業したに違いないわね!! ウフフッ、私が身を挺して貴方にレクチャーした甲斐があったわ♡(※アランは覚えていません)

「おめでとう、アラン! それで、どんな子なの!?」

 私は興味津々で質問すると、アランは顔を赤らめながらこう答えた。

「大学で出会った子なんです。怒りっぽいけど、とても面倒見が良い子なんです。彼女、俺の体に跨って乗馬するのが好きなんですよ! 俺が疲れて、へばったら鞭で叩かれるし……控えめに言うと最高のパートナーです♡」

 それを聞いたグレンとハインツ騎士団長は遠い目をしながら幸せそうな顔をしているアランを見つめていた。

 一方で私は興奮気味に「キャーー、相性ピッタリじゃない♡」とピョンピョン跳ねながら喜んでいると、グレンは「はぁ……邪魔ばかり入るな」と小さな呟き、私の手を取ってアランから引き剥がすようにズンズンと歩き始めた。

「インジー、時間が押してるので行きますよ」
「あっ、待ってグレン! アラン、またその子との話聞かせてね♡」

 私は歩きながら後ろを振り返ってみると、彼はハインツ騎士団長に叱られている姿が見えたのだった。

◇◇◇

 サンクチュアリ城 玉座の間––––。

「長旅ご苦労。二人共、よく戻ってきてくれた。苦難を乗り越え、結婚の許しも得る事ができたようだな」

 私達を労ってくれたサリヴァント皇帝陛下に向かって頭を垂れた。

「ありがとうございます、陛下。事件を解決し、大きな怪我をする事もなく、ここに戻ってくる事ができました」
「うむ。後、二人に聞きたい事があるのだ。刑の執行内容なのだが……その、なんだ。公開処刑するのに異論はないが、処刑人が国民の前で犯罪者を絶頂死させるというのは、具体的にどういう事をするのかな?」

 今回の騒動や城内でのハプニング等でサリヴァント皇帝陛下を散々困らせてきた私達だが、さすがに今回の処刑内容については戸惑いを隠せなかったらしい。

 それもそのはず。国民の前で公開処刑を行う際にアース達にした時のように支柱に括り付けて玩具で辱める予定なのだから。

 あ、私は皇女だからやらないわよ?
ただ、処刑人達に玩具の使い方をレクチャーして、その光景を嬉々として眺めてやる予定なの♡ それに、玩具の良い宣伝にもなるし、良い事ばっかりってわけ♡

「その内容の通りでございます、陛下」
「ふ、ふぅむ……このような処刑内容は初めてだぞ。我が国の強大国としてのイメージが崩れ去ってしまいそうな内容だが––––」

 渋い顔をした陛下を見た私はこのままでは却下されると思い、この刑の内容について熱弁し始めたのであった。

「いいえ、陛下。これこそ逆転の発想です。サンクチュアリ帝国は強大国であるがゆえに戦争が世界でも最も多く、血染めの国と陰で噂されているのを陛下もご存知でしょう。
処刑の際に血が流れないように奴等を頭の回路が焼き切れるくらいの快感を与えて、天に昇天させるのです。聖人である私なら実現可能な刑でございます」

 私の力強い言葉に唸りながら考え込み始めた陛下だったが、最終的に「一番被害を受けたのは姫なのだから、今回の処刑内容は皇太子と共に決めると良いぞ」と返事をもらったので、心の底からお礼を述べたのであった。
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