捨てようとした命の価値

水谷アス

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人間が島にやってきた

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「…自殺しようと海に飛び込んだら
偶然ここに流れ着いたって?」

ちょっと呆れたように
女の人は言う。


「私たちは浜辺から
煙が上がっていたから
様子を見にきたのよ」

「島の様子、見たわ」

女の人は険しい顔のまま
淡々と話し始めた。

おれが作った「家」に
モゲマルが住み着いているところと

おれの近くに山ほど積んである
リンゴとその芯の数の話をされた。

「この状況を見る限り、あなたは
この子たちの敵ではないようね」

リンゴと葉っぱの家で、
何がわかるんだろう。

口を挟みたかったが
最初の勢いがちょっと怖かったので
まずは黙って話を聞く事にした。



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