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真実
野盗のアジトは森の奥にあった。
「では、お入りくださいお嬢様。」
「随分丁寧な扱いね。」
「お嬢様は頭の大事な方と聞いてますからね。俺らとしても下手なこたぁ出来ませんぜ。」
「……それは、どういうことかしら。」
その時...
「オリヴィア!」
アジトの中から出てきたのは、野盗に見合わない貴族のような出で立ちの銀髪の貴公子だった。
「...もしかして、アルバルトなの?」
幼い頃の記憶に残る幼い銀髪の男の子。あまりに逞しくなりすぎていて昔の面影はないけれど、優しい表情がすぐに彼を連想させた。
「会いたかった、オリヴィア...」
夜に冷気に冷えた身体が温もりに包まれた。
「どうして...?」
「ずっと、ずっと会いたかった。」
何が何だかよく分からないけれど、
その切実な甘い声に、アルバルトが私に恋心を抱いているんだと感じ取れた。
状況がよく読み取れないけれど、ここは合わせた方が良さそうね。
「私も会いたかったわ。あの時は突然の別れだったからお別れも言えないくてごめんなさい。」
「いいんだ。今度は僕が君を拐うんだ。もう二度と離さない。」
...やっぱり。
でもタイミングが良すぎるわね。
その時...
「離しなさいよ!!私を誰だと思ってるのよ!!」
静かな森に金切り声が響く。
別の男達がなんとシャーロットを攫って帰ってきたのだ。
「シャーロット...?」
「オリヴィア!!貴女なにをしたのよ!...ハッ私の計画を知っていたから今日あんなに飄々としていたのね!」
あのシャーロットが鬼の様な形相で叫んでいる。
「計画...?」
「君を陥れる彼女の計画さ。」
そう言って私の肩を抱き寄せるアルバルト。
「君もおかしいと思わないか?いくら見目がいいからといって、令息達のほとんどがこの女に恋心を寄せるだなんて。」
確かに...言われてみればそうね。
「その恋心の原因が、これだ。」
そう言ってアルバルトが野盗の団員から受け取ったのは赤い宝石のネックレス。いつもシャーロットが身につけていたものだ。
「魅了の力が籠っている。」
「魅了ですって!?では...!」
「ああ、この女は魅了の力を使ってこの国の王子を手に入れる為に動いていたんだ。身に覚えがないだろう君の悪い噂もこの女が流したんだ。
そして、僕がそれを確信したのは
...君の誘拐を、この女が依頼してきたからだ。」
「なんですって!?」
驚いてシャーロットの方を見る。
すると、昼間まで聖女のようだったシャーロットはやはり鬼のような形相で、
「ムカつくのよオリヴィア。貴女みたいに最初からなにもかも恵まれていて。私に色々と貴族としての所作を逐一注意してきて...あの王子も魅了の力がなかなか効かないし。ふふっ。さっきはとても愉快だったわ。本当に愛していたのよねあの王子のこと。
でも残念だったわね!あの男私を抱きながら言ってたわよ。オリヴィアなんて愛していない。シャーロットに出会って初めてこんな気持ちになれたって言いながら私の中でとっても情熱的に果てたのよ。」
勝ち誇るように自慢話をするようにそう言うシャーロットはとても醜かった。
「そんなに男を咥え込むのが好きならいくらでも与えてやろう。
お前ら、連れて行け。」
アルバルトの一言で野盗達がシャーロットを家の中へ連れていった。
「離しなさいよっ!!」
「黙れこのアマがっ」
バコーンっ。扉が閉まる前のシャーロットの顔は男に殴られて酷い顔になっていた。
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