ヒロインが野盗に襲われました

雑煮

文字の大きさ
2 / 22

真実

 



野盗のアジトは森の奥にあった。


「では、お入りくださいお嬢様。」


「随分丁寧な扱いね。」


「お嬢様は頭の大事な方と聞いてますからね。俺らとしても下手なこたぁ出来ませんぜ。」


「……それは、どういうことかしら。」



その時...



「オリヴィア!」


アジトの中から出てきたのは、野盗に見合わない貴族のような出で立ちの銀髪の貴公子だった。



「...もしかして、アルバルトなの?」



幼い頃の記憶に残る幼い銀髪の男の子。あまりに逞しくなりすぎていて昔の面影はないけれど、優しい表情がすぐに彼を連想させた。



「会いたかった、オリヴィア...」


夜に冷気に冷えた身体が温もりに包まれた。



「どうして...?」


「ずっと、ずっと会いたかった。」


何が何だかよく分からないけれど、
その切実な甘い声に、アルバルトが私に恋心を抱いているんだと感じ取れた。


状況がよく読み取れないけれど、ここは合わせた方が良さそうね。



「私も会いたかったわ。あの時は突然の別れだったからお別れも言えないくてごめんなさい。」


「いいんだ。今度は僕が君を拐うんだ。もう二度と離さない。」


...やっぱり。
でもタイミングが良すぎるわね。







その時...


「離しなさいよ!!私を誰だと思ってるのよ!!」


静かな森に金切り声が響く。



別の男達がなんとシャーロットを攫って帰ってきたのだ。



「シャーロット...?」


「オリヴィア!!貴女なにをしたのよ!...ハッ私の計画を知っていたから今日あんなに飄々としていたのね!」


あのシャーロットが鬼の様な形相で叫んでいる。



「計画...?」

「君を陥れる彼女の計画さ。」


そう言って私の肩を抱き寄せるアルバルト。


  

「君もおかしいと思わないか?いくら見目がいいからといって、令息達のほとんどがこの女に恋心を寄せるだなんて。」


確かに...言われてみればそうね。




「その恋心の原因が、これだ。」


そう言ってアルバルトが野盗の団員から受け取ったのは赤い宝石のネックレス。いつもシャーロットが身につけていたものだ。





「魅了の力が籠っている。」


「魅了ですって!?では...!」


「ああ、この女は魅了の力を使ってこの国の王子を手に入れる為に動いていたんだ。身に覚えがないだろう君の悪い噂もこの女が流したんだ。

そして、僕がそれを確信したのは
...君の誘拐を、この女が依頼してきたからだ。」



「なんですって!?」



驚いてシャーロットの方を見る。



すると、昼間まで聖女のようだったシャーロットはやはり鬼のような形相で、



「ムカつくのよオリヴィア。貴女みたいに最初からなにもかも恵まれていて。私に色々と貴族としての所作を逐一注意してきて...あの王子も魅了の力がなかなか効かないし。ふふっ。さっきはとても愉快だったわ。本当に愛していたのよねあの王子のこと。
でも残念だったわね!あの男私を抱きながら言ってたわよ。オリヴィアなんて愛していない。シャーロットに出会って初めてこんな気持ちになれたって言いながら私の中でとっても情熱的に果てたのよ。」



勝ち誇るように自慢話をするようにそう言うシャーロットはとても醜かった。



「そんなに男を咥え込むのが好きならいくらでも与えてやろう。

お前ら、連れて行け。」



アルバルトの一言で野盗達がシャーロットを家の中へ連れていった。



「離しなさいよっ!!」

「黙れこのアマがっ」


バコーンっ。扉が閉まる前のシャーロットの顔は男に殴られて酷い顔になっていた。


感想 1

あなたにおすすめの小説

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

触手エイリアンの交配実験〜研究者、被験体になる〜

桜井ベアトリクス
恋愛
異星で触手エイリアンを研究する科学者アヴァ。 唯一観察できていなかったのは、彼らの交配儀式。 上司の制止を振り切り、禁断の儀式を覗き見たアヴァは―― 交わる触手に、抑えきれない欲望を覚える。 「私も……私も交配したい」 太く長い触手が、体の奥深くまで侵入してくる。 研究者が、快楽の実験体になる夜。

自習室の机の下で。

カゲ
恋愛
とある自習室の机の下での話。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

新人メイド桃ちゃんのお仕事

さわみりん
恋愛
黒髪ボブのメイドの桃ちゃんが、働き先のお屋敷で、旦那様とその息子との親子丼。

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!