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第一章・夢から少し遠い場所~イベント設営業~
YOSAKOIソーランのお仕事
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北海道の初夏の風物詩、YOSAKOIソーラン。
毎年この時期になりますと、札幌市の各地で会場設営が始まります。
私が所属しているウィルプラスにも、多くの設営依頼が殺到していまして。
この時期限定のアルバイトの募集も行っていたようです。
なおら本番の前に仕事に慣れてもらうという理由で他の現場にも派遣されていた新人さん達も、一度目、二度目と現場をこなすたびに数が減っていきました。
それでも半分ぐらいは残ってくれたそうで、このまま続いてくれたらいいなぁと、私も思っています。
──ガヤガヤ
今日はイベント当日、そしてYOSAKOIソーラン初日。
私の仕事は、駅前通り歩行者天国での露店の補佐。
ベテランの皆さんは力仕事に向かっているので、私たち女性陣はヨーヨー釣りとか綿菓子の補佐を務めていますよ。
「はい、たこ焼き三つお待たせしました。お次の方は焼きそば二つとたこ焼きひとつですねー!」
ねじり鉢巻法被姿のトミーさんが、鉄板の前で焼きそばを作っています。
それを森山さんが売り子としてお手伝いの真っ最中。
初夏ということもあって気温は28度、ここ、北海道ですよね?
どうしてこんなに暑いのか意味がわかりません。
「はい、ミコシーちゃんヨーヨーの追加をお願い。あと50個、急ぎで」
「了解です!!」
私はトミーさん達とは斜向かいのヨーヨー釣りとスマートボール掬い担当。
といっても、後ろで延々と水風船を作る作業。
専用ポンプで水を汲み上げて、それでヨーヨーを膨らませます。
あとは根元を縛ってゴム紐を付けて完成。
──シャコシャコシャコ
はい、ひとつ完成。
続いて二つ目。
──シャコシャコシャコ
はい、二つ目も完成。
今日の早朝から作ったヨーヨーなんてもうありません、今はひたすらに追加版の作成ですよ。
「御子柴さん、ポイも追加してくれるか? 六号はまだあるから、四号と五号を50枚ずつ」
「はい!! えーっとポイポイ……どこにあったっぽい?」
「ここ、こっちだよ!!」
名桜レンタリースの広崎さんがポイの入った箱が収められているコンテナを指さしてます。
慣れると大変なので、ポイのコンテナは別なのですよ。
その中からポイの箱を取り出し、プラスチックのすくい枠で固定。
今日は赤が五号、黄色が四号、青が三号……。
ちなみにこの五号とか四号ですけれど、ポイの強度を示すそうで。
四号:なかなか破れにくい、子供用
五号:やや破れにくい。これが一般用
六号:破れやすい。
このほかにも三号とかもあるそうですが、今回は楽しんでもらうという意味からこの三つ。
あとは表と裏を間違えないですくい枠に挟み込んで並べて完成。
これも慣れると早く作れるようになります。
「はい、それぞれ20ずつです」
「サンキュー。続いてどんどん作ってね」
「はい!」
大人には六号、女性や学生には五号。
小学生以下の子供と思われる子には四号を手渡しています。
この辺りの匙加減は、売り手によって左右されているようで。
ちなみにうちの隣には紐を引っ張るクジが、その向こうに金魚すくいもあるそうです。
そっちの手伝いは別の設営会社のアルバイトが担当してあるそうで、うちのように請負の会社がいくつもあるそうで。
「ミコシ~ちゃん、ヨーヨーの追加!!」
「はい、急ぎます」
──シャコシャコシャコ
いつのまにかヨーヨー掬いも数が減ってきたので大急ぎで。
ええっと、あれ、このポンプってさっき水を入れたままだったような?
──パーン、バッシャァァァァァァ
「うわ、すいません!!」
「あっはっは。慌てない慌てない。水を拭いてからまた追加分をよろしく」
「はい……」
ヨーヨーが破裂し、私の体は水浸し。
もしもポイの箱が剥き出しだったら大損害になっています。
「ふぅ。ポイは無事でしたか」
「まあ、新人は必ずやらかすからさ。ということで、着替えは持ってきている?」
「トミーさんから、万が一用にって指示を受けています。急いで着替えてきます」
「はい、よろしく」
カバンを持って近くのトイレへ。
そこで急いで上着とシャツを着替えてから、またヨーヨーとポイを作る。
いつもの設営とは異なり、のんびりと作業できるのは嬉しいですよ。
それに、裏方での作業になりましたけれど、隙間からお客さんの嬉しそうな顔も見ることができました。
子供達の笑顔って、やっぱり元気の源ですよね。
──パッシャァァァァァァァン
「ふぁ?」
ええ、子供達を見ていた隙に、またしてもヨーヨーが破裂。
もう面倒くさいし着替えもないので、裾だけを絞ってジャンバーを羽織って作業続行です。
「お、景気良く吹き飛ばしたな。一つ罰金一万円だから、しばらくはタダ働きな」
「堤さん、また笑えない冗談を……」
私がヨーヨーを破裂させるところを、現場を巡回している名桜の堤さんに見つかりました。
「すいません。がんばります」
「嘘だよ、嘘だけど慎重によろしく」
「はい」
はぁ。
迂闊すぎます。
もっと気合を入れて頑張らなくては。
毎年この時期になりますと、札幌市の各地で会場設営が始まります。
私が所属しているウィルプラスにも、多くの設営依頼が殺到していまして。
この時期限定のアルバイトの募集も行っていたようです。
なおら本番の前に仕事に慣れてもらうという理由で他の現場にも派遣されていた新人さん達も、一度目、二度目と現場をこなすたびに数が減っていきました。
それでも半分ぐらいは残ってくれたそうで、このまま続いてくれたらいいなぁと、私も思っています。
──ガヤガヤ
今日はイベント当日、そしてYOSAKOIソーラン初日。
私の仕事は、駅前通り歩行者天国での露店の補佐。
ベテランの皆さんは力仕事に向かっているので、私たち女性陣はヨーヨー釣りとか綿菓子の補佐を務めていますよ。
「はい、たこ焼き三つお待たせしました。お次の方は焼きそば二つとたこ焼きひとつですねー!」
ねじり鉢巻法被姿のトミーさんが、鉄板の前で焼きそばを作っています。
それを森山さんが売り子としてお手伝いの真っ最中。
初夏ということもあって気温は28度、ここ、北海道ですよね?
どうしてこんなに暑いのか意味がわかりません。
「はい、ミコシーちゃんヨーヨーの追加をお願い。あと50個、急ぎで」
「了解です!!」
私はトミーさん達とは斜向かいのヨーヨー釣りとスマートボール掬い担当。
といっても、後ろで延々と水風船を作る作業。
専用ポンプで水を汲み上げて、それでヨーヨーを膨らませます。
あとは根元を縛ってゴム紐を付けて完成。
──シャコシャコシャコ
はい、ひとつ完成。
続いて二つ目。
──シャコシャコシャコ
はい、二つ目も完成。
今日の早朝から作ったヨーヨーなんてもうありません、今はひたすらに追加版の作成ですよ。
「御子柴さん、ポイも追加してくれるか? 六号はまだあるから、四号と五号を50枚ずつ」
「はい!! えーっとポイポイ……どこにあったっぽい?」
「ここ、こっちだよ!!」
名桜レンタリースの広崎さんがポイの入った箱が収められているコンテナを指さしてます。
慣れると大変なので、ポイのコンテナは別なのですよ。
その中からポイの箱を取り出し、プラスチックのすくい枠で固定。
今日は赤が五号、黄色が四号、青が三号……。
ちなみにこの五号とか四号ですけれど、ポイの強度を示すそうで。
四号:なかなか破れにくい、子供用
五号:やや破れにくい。これが一般用
六号:破れやすい。
このほかにも三号とかもあるそうですが、今回は楽しんでもらうという意味からこの三つ。
あとは表と裏を間違えないですくい枠に挟み込んで並べて完成。
これも慣れると早く作れるようになります。
「はい、それぞれ20ずつです」
「サンキュー。続いてどんどん作ってね」
「はい!」
大人には六号、女性や学生には五号。
小学生以下の子供と思われる子には四号を手渡しています。
この辺りの匙加減は、売り手によって左右されているようで。
ちなみにうちの隣には紐を引っ張るクジが、その向こうに金魚すくいもあるそうです。
そっちの手伝いは別の設営会社のアルバイトが担当してあるそうで、うちのように請負の会社がいくつもあるそうで。
「ミコシ~ちゃん、ヨーヨーの追加!!」
「はい、急ぎます」
──シャコシャコシャコ
いつのまにかヨーヨー掬いも数が減ってきたので大急ぎで。
ええっと、あれ、このポンプってさっき水を入れたままだったような?
──パーン、バッシャァァァァァァ
「うわ、すいません!!」
「あっはっは。慌てない慌てない。水を拭いてからまた追加分をよろしく」
「はい……」
ヨーヨーが破裂し、私の体は水浸し。
もしもポイの箱が剥き出しだったら大損害になっています。
「ふぅ。ポイは無事でしたか」
「まあ、新人は必ずやらかすからさ。ということで、着替えは持ってきている?」
「トミーさんから、万が一用にって指示を受けています。急いで着替えてきます」
「はい、よろしく」
カバンを持って近くのトイレへ。
そこで急いで上着とシャツを着替えてから、またヨーヨーとポイを作る。
いつもの設営とは異なり、のんびりと作業できるのは嬉しいですよ。
それに、裏方での作業になりましたけれど、隙間からお客さんの嬉しそうな顔も見ることができました。
子供達の笑顔って、やっぱり元気の源ですよね。
──パッシャァァァァァァァン
「ふぁ?」
ええ、子供達を見ていた隙に、またしてもヨーヨーが破裂。
もう面倒くさいし着替えもないので、裾だけを絞ってジャンバーを羽織って作業続行です。
「お、景気良く吹き飛ばしたな。一つ罰金一万円だから、しばらくはタダ働きな」
「堤さん、また笑えない冗談を……」
私がヨーヨーを破裂させるところを、現場を巡回している名桜の堤さんに見つかりました。
「すいません。がんばります」
「嘘だよ、嘘だけど慎重によろしく」
「はい」
はぁ。
迂闊すぎます。
もっと気合を入れて頑張らなくては。
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