イベントへ行こう!

呑兵衛和尚

文字の大きさ
48 / 50
第一章・夢から少し遠い場所~イベント設営業~

好敵手? いえ、どっちかというと敵ですよね

しおりを挟む
 10月。
 大学の講義も進み、計算上は単位修得も問題なくクリア。
 8月と9月のアミューズメントパークの改装作業のおかげで、懐はそこそこに温まったのですけれど、眼下の検診だったりメガネを新調したりとそれなりに散財もあったりするわけでして。

 そんなこんなで今日は久しぶりの息抜きということで、YOSAKOIチームの内海さん、小鳥遊さん、大越さんの三人で女子会と称して飲み会に来ていました。
 まあ、未成年ですのでお酒は飲めませんでしたけれど、最初はしゃぶしゃぶ専門店で野菜マシマシのしゃぶしゃぶコースを堪能。
 そのあとはカラオケとボウリングという、内海さんたちにとってはいつもの定番コースを楽しむことになりまして。

 ススキノのアミューズメントパークにやって来て、すで予約が淹れてあるボウリング場へと移動、そのまま3ゲームほど楽しむことになったのですが。

「うわぁ~、ここ、先月から新しくなったんだよね。これ、タッチパネルが三つもついていて、どれがなんだかわからないよね」
「えぇっと、ドリンクバーでいいよね……って、どこで注文するの?」
「ゲームスタートって、どこを押したら始まるんだろう?」

 などなど、新しいモニターシステムの前で大はしゃぎしていますね、みなさん。
 では、僭越ながらこの私がご説明しましょう。
 ええ、ここのタッチパネルのシステムは一通り理解していますし、ある動作を行うことによって設定モードに切り替わるのも知っているのですよ。
 まあ、そんなことはしませんので、まずはゲームスタートの準備から。

「それじゃあ、よく知っている私がご説明しましょう!! まずゲームスタートはこの左端の画面を操作して……こう?」

 説明しつつパネルを操作。
 するとゲームスタート画面に切り替わり、一投目のスタンバイが出来たことを知らせるメッセージが流れて気のす。
 それと同時に、右端の画面にレーンの前と後ろ、二つの場所から映像が送られてきました。
 これで投球フォームが確認できますし、スコア画面を操作すれば過去の映像も確認できます。

「それでドリンクとかは二枚目のタッチパネルで……ここだったかな?」

 写し出されている画面を操作して、ドリンクと不土メニューを表示。
 ここからソフトドリンクの呑み放題を選択して申し込めば、あとはカウンターで自由にドリンクを貰ってこれます。

「うん、これで問題なし、さあ、始めましょうか……って、どうしたの?」

 一通りの説明が終わって三人を見ると、三者三様の顔で驚いています。

「ミコシーって、こういうハードも得意なんだね。こんどでいいから、私のパソコンも見てくれない? ちょっと最近、調子が悪くてさ……」
「うわぁ……流れるように、自然に操作している……ミコシーってボウリング少女? 絶対に、此処にかよっているよね? 舞シューズとマイボールも持っているよね?」
「……ふぅん。女子でこんなの知っているはずはないよねぇ、絶対にら彼氏がいるよね……さあ吐け、素直に彼氏のことを吐きなさい、ついでに私たちにも素敵な出会いをプロデュースしなさい!!」

 ズイズイッと詰め寄ってくる三人。
 ああ、これは誤解を解かなくてはなりませんね。

「ちょ、ちょっと待ったストーーーーーップ。まず最初に内海さん、私はパソコンは少しは知っているけれどハードは得意じゃありません。そして大越さん、私はボウリング女子ではありませんからね、こんなに詳しいのには理由があるのよ……そして小鳥遊さん、そんな素敵な出会いがあるのなら、私が紹介して欲しいレベルですよ!!」
「それじゃあ、どうしてこんなに自然に操作できるのよ?」
「それはですね、ここの改修作業に私も携わったからです! あの正面に広がる巨大なLEDパネルの設置も、ここに映し出されているカメラ映像の調整も、このタッチパネルの設置と内部プログラムの確認作業も、全て私がアルバイトで行ったことですから!」

――ババーーン!
 胸を張って堂々と宣言しました。
 さあ、驚きなさい、私の仕事を褒めてください。

「あ~、なるほど理解。でも凄いね、こういうことも出来るんだ」
「女子プロ志望のボウリング少女ではなかったのか……」
「ね、ね、そのアルバイトの人って素敵な人っている? 筋骨隆々で格好いい車持っていて、それでいて誠実そうなひとっていたら紹介して?」

 うん、小鳥遊さんの反応は予想通りでしたよ。
 でもまあ、素敵な人かぁ。

「そういえばさ、以前、YOSAKOIチームの合同練習の時に私が話をしていた人がいたでしょ? あの人は確か、独身だったはずだよ。車ももっているし……」

 思わず共通点であるYOSAKOIチームの熊沢さんを紹介してしまいましたが。

「えぇっと……あ、そうそう、いたよね、スケベそうなおじさん」
「んんん? 確か……接近禁止とか言われていた人?」
「君たち。そういうことについてはよく覚えているねぇ……」

 ま、まあ、熊沢さんをお勧めした私も酷いって言われそうですけれど。
 あとは車を持っている人って、社員の綾辻さんと高尾さん……あ、走り屋みたいな車を持っていた溝口さんがいましたか。細マッチョっていうかんじでしたし、あの人なら紹介しても……いやまて私、そもそも溝口さんの連絡先とかは私は知りませんよ?

「ふむふむ、ミコシーはほかにも知り合いの男性がいると見た」
「うっさい、さあ、小鳥遊さんの番なんだからとっとと投げてきなさいよ!」
「それもそうか……って、私、まだボールを選んでないや!!」

 はあ、おっちょこちょいなのは相変わらずで。
 それよりも、こうしてボウリング場を見渡してみると、私がやった仕事で皆さん楽しんでくれているんだなぁって、少しだけうれしくなってきますね。

「ミコシー、スコア画面がバグったぁぁぁ」
「うそでしょ!」

 いやいや、ここは素直にスタッフを呼ぶでしょう、私が設定を弄ってどうするのですか。
 はあ、遊びの日ぐらいは仕事を忘れたいですね。 
 でも、こんな日があっても、いいのかなぁっておもっちゃいますよ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

哲子67歳★恋して焦げて乱れ咲き♪

obbligato
恋愛
67歳、二次元大好き独身女子のぶっとんだ恋愛劇。 ※哲子は至って真面目に恋愛しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

さようなら、お別れしましょう

椿蛍
恋愛
「紹介しよう。新しい妻だ」――夫が『新しい妻』を連れてきた。  妻に新しいも古いもありますか?  愛人を通り越して、突然、夫が連れてきたのは『妻』!?  私に興味のない夫は、邪魔な私を遠ざけた。  ――つまり、別居。 夫と父に命を握られた【契約】で縛られた政略結婚。  ――あなたにお礼を言いますわ。 【契約】を無効にする方法を探し出し、夫と父から自由になってみせる! ※他サイトにも掲載しております。 ※表紙はお借りしたものです。

乙女ゲームは見守るだけで良かったのに

冬野月子
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した私。 ゲームにはほとんど出ないモブ。 でもモブだから、純粋に楽しめる。 リアルに推しを拝める喜びを噛みしめながら、目の前で繰り広げられている悪役令嬢の断罪劇を観客として見守っていたのに。 ———どうして『彼』はこちらへ向かってくるの?! 全三話。 「小説家になろう」にも投稿しています。

帰ってきた兄の結婚、そして私、の話

鳴哉
恋愛
侯爵家の養女である妹 と 侯爵家の跡継ぎの兄 の話 短いのでサクッと読んでいただけると思います。 読みやすいように、5話に分けました。 毎日2回、予約投稿します。 2025.12.24 誤字修正いたしました。 ご指摘いただき、ありがとうございました。

奪われ系令嬢になるのはごめんなので逃げて幸せになるぞ!

よもぎ
ファンタジー
とある伯爵家の令嬢アリサは転生者である。薄々察していたヤバい未来が現実になる前に逃げおおせ、好き勝手生きる決意をキメていた彼女は家を追放されても想定通りという顔で旅立つのだった。

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

処理中です...