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異世界に来た料理人
15品目・気さくな辺境伯(焼きおにぎり茶漬け)
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久しぶりの露店。
といっても、街道沿いの休憩場所で、これまたいくつかの隊商の客相手の焼き鳥屋。
当初は俺たちが世話になっている隊商交易馬車の客や護衛相手だけかと思っていたが、途中からはもう一組の隊商交易馬車の客までやって来た。
そっちは下り街道、つまり王都から離れるように走る街道を使って、辺境都市ベルラントへと向かうらしい。
その隊商の中に、この地を治めているアードベッグ辺境伯とその家族が同行していたらしく、俺たちの食べていた賄い飯を売って欲しいと言われた時は、どうしたものかと考えてしまったものだ。
そしてストックしてあった肉を全て焼き尽くして露店は終了。
旅の最中ゆえ、店に戻って仕入れや在庫のチェックをするというわけにもいかないので、あとの仕事はこの先にある領都ウーガ・トダールに到着してから。
そう考えて、俺たちはのんびりと眠りにつくことにした。
………
……
…
――翌朝
昨日の疲れか旅の疲労が溜まっていたのか、シャットとマリアンの二人はぎりぎりまで馬車の中で眠っている。
俺はいつも通りの時間に目を覚まし、朝食の準備でも始めようかと考えていたのだが。
「さて、作り置きを出すのも構わないんだが……」
昨日は炭火を全開にしていたので、残り火は休憩場所真ん中の焚火にくべておいた。
そして朝一で焼台などを片付けようと考えていたのだけれど、ちょっと一計、思いついた。
「飯……はまだ大量にあるか。卵と醤油、あとは……」
炭入れのバケツを手に、焚火から火のついた薪を少々拝借。
それを焼台に入れてから、水を張った雪平鍋を焼台の上へ載せておく。
そして沸騰するまでの間に、残った飯でおにぎりをつくる。
あ、おにぎりとおむすびの呼び方にも色々な説があり、地方の方言であったり形であったり、生者と死者の違いとか……うん、あまりにも多すぎるので忘れてしまったわ。
「……ひいふうみい……ちょっと作り過ぎたけれど、まあ、いいか」
合計12個のおにぎりを、焼台の上で焼き始める。
そして両面に焦げ目が軽くつく程度で、次は表面にタレを塗る。
このたれは卵黄と醤油を混ぜたもので、ちょっとだけ味醂を混ぜておく。
濃い味付けが希望の人は醤油と味醂を多めに、浅くあっさりとした味が好きならばタレはさっとひと塗りで結構。
この後の仕掛けの関係上、少し強めの味付けをしておく。
「よし、大体オッケーだな。次は……出汁か」
沸騰した雪平鍋を火から下ろし、昆布を一枚入れておく。
大体5分程度で昆布を引き上げると、次は厨房倉庫かり取り出した鰹節を二掴み、どさっと入れる。
そのあとは混ぜることなく、しばし放置。
鰹節が鍋の底に沈んだあたりで濾し布で濾し、濃厚な鰹だしの完成。
これをちょっと小さめの雪平鍋に入れて、酒と醤油を少々、塩を一つまみ程度。
軽くあたりを取って少し薄い『吸い物の地(吸地)』を作っておくと、最後は熱々の焼きおにぎりをどんぶりに入れて、その上から吸い物の地を注ぐ。
「んんん、いい感じに仕上がったな……と、ようやく起きて来たか」
二人が起きてくる前に食べようか考えていると、身支度を整えたシャットとマリアンも俺の近くにやってきた。
「ユウヤ、おはようだにゃ」
「ユウヤ店長、おはようございます。あの、寝坊して申し訳ありませんでした」
「いや、それは気にしなくていい。それよりも朝食にするか?」
「うん……って、朝からどうして、こんなおいしそうな匂いが流れてくるのだにゃ」
どうやら【焼きおにぎり茶漬け】の匂いでシャットの眼は完全に冷めたらしい。
マリアンも鼻をヒクヒクさせて、じっとどんぶりを眺めている。
「ははは。ちょっと飯が余っていたからな。いくら時間経過をコントロールできるといっても、炊き立ての飯を食べたいからな。ということで、昨日の余った飯を使って焼きおにぎりを作ったから、それを茶づけにした。ほらよ」
二人に焼きおにぎり茶漬けの入ったどんぶりととんすいを手渡す。
焼きおにぎりは一人二つ、それだけじゃ口寂しいだろうから、香の物も横にちょこんと。
丁度柴漬けが残っていたので、それを刻んで小皿に乗せて付けておいた。
「店長、これはどうやって食べるのですか?」
「シャットのように……かな?」
そうマリアンに説明している横では、シャットが焼きおにぎりを少しずつ崩し、吸地と一緒に掬って口の中へ。
「うっみゃぁぁぁぁぁぁぁぁ、これ、すっごくあっさりしていて、それで味がしっかりしていて美味しいにゃあ、この横についているパリバリした物も美味しいし、最高の朝食だにゃ」
「な、そういうことだ」
シャットの感想を聞いて、マリアンも頷いてまずは一口。
――カッ!!
そして目を丸く向いたかと思ったら、嬉しそうに何度も頷き、黙々と食べ始める。
「あはは、やけどするなよ……と、さて、俺も食べるとするか……」
どんぶりを手に、まずは一口。
うん、いい感じに仕上がっている。
呑んだ翌日とかは、こういうので胃を休めるのがいいんだけれど、疲れた翌朝っていうのも以外といい。そう思って食べていると、しばらくしてから俺たちの近くに貴族らしい豪華な服装の男性が近寄って来た。
ちょうど食べ終わった頃なので、どんぶりをテーブルに置いて軽く頭を下げてみるが。
「ああ、昨日は美味しい料理をありがとう。まさか旅の途中であのような食事を取れるとは思っていなくてね」
「ああ、ありがとうございます」
昨日、焼き鳥丼を食べてくれた貴族か。
その後ろからは、一人の騎士が洗い終わった食器を手に、こっちに向かってきている。
「さて、このような美味しい食事をいつも食べたいというのは、やはり貴族の我儘なのだろうね。私はアードベック、この辺境伯領の領主をしている。もしもよろしければ、私の屋敷に仕えてみる気はないかな?」
丁寧に訪ねて来るが、あいにくと今は人に仕える気はない。
もっとのんびりと、この世界を旅したくてね。
「誠に申し訳ありませんが。あいにくと、今はのんびりと旅がしたいのです。折角の申し出ですが、勘弁してください」
丁寧に告げてから頭を下げる。
すると、アードベック辺境伯もウンウンと頷いている。
「そうか、それは残念だが仕方がないね。ちなみにこの先は私の領都だけれど、そこでは何日ほど滞在する予定だね?」
「まだ決めていませんが。露店を開きながら、町の中を観光がてら見て回りたいと思っています」
「なるほど。では、私も急ぎ、視察を終えて領都に戻るとしよう。昨日の、ええっと……焼き鳥丼だったかな? あの味が忘れられなくてね。領都でも食べれたら嬉しいねぇ」
うん、そういうことならやぶさかである。
どうせ宛てのない旅だから、ちょっとノンビリするのはありだろう。
「それじゃあ、俺が露店をやっているときにでも顔を出してください。もしも仕込みをしてあったら、特別に焼き鳥丼を作って差し上げますよ」
「そうか、それは嬉しいねぇ……と、一つ頼みがあるのだが?」
んんん? この期に及んでどんな頼みを……と思っていたら。
「今、貴方たちが食べていた朝食、もしも余裕があったら売って欲しいのだけれど」
「ええっと、ああ、焼きおにぎり茶漬けですね、ちょっと待ってください」
俺達が食べたので、残りの焼きおにぎりは6つか。
確か昨日の晩は3人分だったよな、だったらちょうどいいか。
「それじゃあ、ちょっと時間を頂きます」
残っていた焼きおにぎりを遠火で炙りなおして。
ちょっとだけ焦げ目がついたころにどんぶりに入れてから、残った吸地をどんぶりに注ぐ。
芝漬もこれで使い切り、また注文しないとならないなぁ。
そして出来上がった焼きおにぎり茶漬けをトレーに乗せて、待っていた騎士に手渡す。
「はい、越境庵特製、焼きおにぎり茶漬けの出来上がりでさぁ」
「越境庵? それがあなたの店の名前ですか?」
「ええ。まあ、露店では『ユウヤの店』とか『焼き鳥のユウヤ』とか言われていますけれどね。領都からは『越境庵』っていう名前で統一するつもりです」
「そうか……では、次に会う時を楽しみにしているよ」
一人前6メレル、合計18メレルを受け取って完了。
食後の一休みと行きたいところだっだが、どうやら俺たちの世話になっている隊商が先に進まないと、辺境伯の乗っている隊商が動けないらしい。
「ユウヤ店長、隊商のリーダーかそろそろ出るって言ってましたよ」
「おぉっと、仕方ない、切り札を使うか」
焼台や汚れたバットなどを纏めて空間収納へ。
こうすると火が付きっぱなしの状態で時間停止するので、火事になることもない。
しっかりと火の始末をしたいところだけれど、急ぐのなら仕方がない。
「んんん……どんぶりとトレーの回収……って、まあ、次に会った時でいいか」
「それじゃあ出発しまーす!!」
隊商のリーダーの掛け声で馬車がゆっくりと走り出す。
しっかし、アードベック辺境伯は、なかなかに話の解る御仁だったなぁ。
あの面倒くさい、なんとか市長とは雲泥の差だったよ。
さて、このあとはまっすぐに領都か。
どんなところなんだろうなぁ。
といっても、街道沿いの休憩場所で、これまたいくつかの隊商の客相手の焼き鳥屋。
当初は俺たちが世話になっている隊商交易馬車の客や護衛相手だけかと思っていたが、途中からはもう一組の隊商交易馬車の客までやって来た。
そっちは下り街道、つまり王都から離れるように走る街道を使って、辺境都市ベルラントへと向かうらしい。
その隊商の中に、この地を治めているアードベッグ辺境伯とその家族が同行していたらしく、俺たちの食べていた賄い飯を売って欲しいと言われた時は、どうしたものかと考えてしまったものだ。
そしてストックしてあった肉を全て焼き尽くして露店は終了。
旅の最中ゆえ、店に戻って仕入れや在庫のチェックをするというわけにもいかないので、あとの仕事はこの先にある領都ウーガ・トダールに到着してから。
そう考えて、俺たちはのんびりと眠りにつくことにした。
………
……
…
――翌朝
昨日の疲れか旅の疲労が溜まっていたのか、シャットとマリアンの二人はぎりぎりまで馬車の中で眠っている。
俺はいつも通りの時間に目を覚まし、朝食の準備でも始めようかと考えていたのだが。
「さて、作り置きを出すのも構わないんだが……」
昨日は炭火を全開にしていたので、残り火は休憩場所真ん中の焚火にくべておいた。
そして朝一で焼台などを片付けようと考えていたのだけれど、ちょっと一計、思いついた。
「飯……はまだ大量にあるか。卵と醤油、あとは……」
炭入れのバケツを手に、焚火から火のついた薪を少々拝借。
それを焼台に入れてから、水を張った雪平鍋を焼台の上へ載せておく。
そして沸騰するまでの間に、残った飯でおにぎりをつくる。
あ、おにぎりとおむすびの呼び方にも色々な説があり、地方の方言であったり形であったり、生者と死者の違いとか……うん、あまりにも多すぎるので忘れてしまったわ。
「……ひいふうみい……ちょっと作り過ぎたけれど、まあ、いいか」
合計12個のおにぎりを、焼台の上で焼き始める。
そして両面に焦げ目が軽くつく程度で、次は表面にタレを塗る。
このたれは卵黄と醤油を混ぜたもので、ちょっとだけ味醂を混ぜておく。
濃い味付けが希望の人は醤油と味醂を多めに、浅くあっさりとした味が好きならばタレはさっとひと塗りで結構。
この後の仕掛けの関係上、少し強めの味付けをしておく。
「よし、大体オッケーだな。次は……出汁か」
沸騰した雪平鍋を火から下ろし、昆布を一枚入れておく。
大体5分程度で昆布を引き上げると、次は厨房倉庫かり取り出した鰹節を二掴み、どさっと入れる。
そのあとは混ぜることなく、しばし放置。
鰹節が鍋の底に沈んだあたりで濾し布で濾し、濃厚な鰹だしの完成。
これをちょっと小さめの雪平鍋に入れて、酒と醤油を少々、塩を一つまみ程度。
軽くあたりを取って少し薄い『吸い物の地(吸地)』を作っておくと、最後は熱々の焼きおにぎりをどんぶりに入れて、その上から吸い物の地を注ぐ。
「んんん、いい感じに仕上がったな……と、ようやく起きて来たか」
二人が起きてくる前に食べようか考えていると、身支度を整えたシャットとマリアンも俺の近くにやってきた。
「ユウヤ、おはようだにゃ」
「ユウヤ店長、おはようございます。あの、寝坊して申し訳ありませんでした」
「いや、それは気にしなくていい。それよりも朝食にするか?」
「うん……って、朝からどうして、こんなおいしそうな匂いが流れてくるのだにゃ」
どうやら【焼きおにぎり茶漬け】の匂いでシャットの眼は完全に冷めたらしい。
マリアンも鼻をヒクヒクさせて、じっとどんぶりを眺めている。
「ははは。ちょっと飯が余っていたからな。いくら時間経過をコントロールできるといっても、炊き立ての飯を食べたいからな。ということで、昨日の余った飯を使って焼きおにぎりを作ったから、それを茶づけにした。ほらよ」
二人に焼きおにぎり茶漬けの入ったどんぶりととんすいを手渡す。
焼きおにぎりは一人二つ、それだけじゃ口寂しいだろうから、香の物も横にちょこんと。
丁度柴漬けが残っていたので、それを刻んで小皿に乗せて付けておいた。
「店長、これはどうやって食べるのですか?」
「シャットのように……かな?」
そうマリアンに説明している横では、シャットが焼きおにぎりを少しずつ崩し、吸地と一緒に掬って口の中へ。
「うっみゃぁぁぁぁぁぁぁぁ、これ、すっごくあっさりしていて、それで味がしっかりしていて美味しいにゃあ、この横についているパリバリした物も美味しいし、最高の朝食だにゃ」
「な、そういうことだ」
シャットの感想を聞いて、マリアンも頷いてまずは一口。
――カッ!!
そして目を丸く向いたかと思ったら、嬉しそうに何度も頷き、黙々と食べ始める。
「あはは、やけどするなよ……と、さて、俺も食べるとするか……」
どんぶりを手に、まずは一口。
うん、いい感じに仕上がっている。
呑んだ翌日とかは、こういうので胃を休めるのがいいんだけれど、疲れた翌朝っていうのも以外といい。そう思って食べていると、しばらくしてから俺たちの近くに貴族らしい豪華な服装の男性が近寄って来た。
ちょうど食べ終わった頃なので、どんぶりをテーブルに置いて軽く頭を下げてみるが。
「ああ、昨日は美味しい料理をありがとう。まさか旅の途中であのような食事を取れるとは思っていなくてね」
「ああ、ありがとうございます」
昨日、焼き鳥丼を食べてくれた貴族か。
その後ろからは、一人の騎士が洗い終わった食器を手に、こっちに向かってきている。
「さて、このような美味しい食事をいつも食べたいというのは、やはり貴族の我儘なのだろうね。私はアードベック、この辺境伯領の領主をしている。もしもよろしければ、私の屋敷に仕えてみる気はないかな?」
丁寧に訪ねて来るが、あいにくと今は人に仕える気はない。
もっとのんびりと、この世界を旅したくてね。
「誠に申し訳ありませんが。あいにくと、今はのんびりと旅がしたいのです。折角の申し出ですが、勘弁してください」
丁寧に告げてから頭を下げる。
すると、アードベック辺境伯もウンウンと頷いている。
「そうか、それは残念だが仕方がないね。ちなみにこの先は私の領都だけれど、そこでは何日ほど滞在する予定だね?」
「まだ決めていませんが。露店を開きながら、町の中を観光がてら見て回りたいと思っています」
「なるほど。では、私も急ぎ、視察を終えて領都に戻るとしよう。昨日の、ええっと……焼き鳥丼だったかな? あの味が忘れられなくてね。領都でも食べれたら嬉しいねぇ」
うん、そういうことならやぶさかである。
どうせ宛てのない旅だから、ちょっとノンビリするのはありだろう。
「それじゃあ、俺が露店をやっているときにでも顔を出してください。もしも仕込みをしてあったら、特別に焼き鳥丼を作って差し上げますよ」
「そうか、それは嬉しいねぇ……と、一つ頼みがあるのだが?」
んんん? この期に及んでどんな頼みを……と思っていたら。
「今、貴方たちが食べていた朝食、もしも余裕があったら売って欲しいのだけれど」
「ええっと、ああ、焼きおにぎり茶漬けですね、ちょっと待ってください」
俺達が食べたので、残りの焼きおにぎりは6つか。
確か昨日の晩は3人分だったよな、だったらちょうどいいか。
「それじゃあ、ちょっと時間を頂きます」
残っていた焼きおにぎりを遠火で炙りなおして。
ちょっとだけ焦げ目がついたころにどんぶりに入れてから、残った吸地をどんぶりに注ぐ。
芝漬もこれで使い切り、また注文しないとならないなぁ。
そして出来上がった焼きおにぎり茶漬けをトレーに乗せて、待っていた騎士に手渡す。
「はい、越境庵特製、焼きおにぎり茶漬けの出来上がりでさぁ」
「越境庵? それがあなたの店の名前ですか?」
「ええ。まあ、露店では『ユウヤの店』とか『焼き鳥のユウヤ』とか言われていますけれどね。領都からは『越境庵』っていう名前で統一するつもりです」
「そうか……では、次に会う時を楽しみにしているよ」
一人前6メレル、合計18メレルを受け取って完了。
食後の一休みと行きたいところだっだが、どうやら俺たちの世話になっている隊商が先に進まないと、辺境伯の乗っている隊商が動けないらしい。
「ユウヤ店長、隊商のリーダーかそろそろ出るって言ってましたよ」
「おぉっと、仕方ない、切り札を使うか」
焼台や汚れたバットなどを纏めて空間収納へ。
こうすると火が付きっぱなしの状態で時間停止するので、火事になることもない。
しっかりと火の始末をしたいところだけれど、急ぐのなら仕方がない。
「んんん……どんぶりとトレーの回収……って、まあ、次に会った時でいいか」
「それじゃあ出発しまーす!!」
隊商のリーダーの掛け声で馬車がゆっくりと走り出す。
しっかし、アードベック辺境伯は、なかなかに話の解る御仁だったなぁ。
あの面倒くさい、なんとか市長とは雲泥の差だったよ。
さて、このあとはまっすぐに領都か。
どんなところなんだろうなぁ。
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