俺のオヤジはビジュアル系です。

ひよく

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ハルカ

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街で1人泣きそうになっている頼介さんを拾った。

本当に拾ったって感じ。
何か母猫とはぐれてしまった子猫みたいで、放っとけなくて。

よく利用する個室のある料理店に連れて行って、話を聞こうと思った。

頼介さんはどうやらGINJIさんと何かしらの行き違いがあったらしい。
ここは女の勘でしかないけれど、GINJIさんは頼介さんに対して、仲間とか兄代わりだとかそういうレベル以上の感情を持っている。
多分、GINJIさんは悩んでいると思う。
頼介さんの幸せを心から願っているのも、多分、GINJIさんだから。
いきなり突き放すような事を言ってしまったようだけれど、GINJIさんの気持ちも複雑なのだろう。

このGINJIさんの気持ちは、私から言うべきじゃない。
言うとすれば、GINJIさん本人だ。

でも、傷付いている頼介さんも励まさないと。
そう思って、お酒を勧めたら、頼介さんって、意外と弱かったみたい。
私はザルなんだけどね。

好きな人が良い具合で酔っているんだから、お持ち帰りしてしまいたいのは山々だけど、頼介さんに対しては、不誠実な事はできない。
ちゃんと送ってあげよう。

と思ったけれど、頼介さんの家って、知らないんだよね。
息子さんの連絡先がわかれば良かったんだけど、知らないし。

だけど、実はGINJIさんの連絡先は知っている。
前に何かあった時の連絡用にと、教えてくれていた。

私はその番号に連絡した。

呼び出し音がかなり鳴ってから、GINJIさんは出てくれた。
「春香ちゃん?どうしたんだ?」
GINJIさんは、どこかツラそうな声だった。
「実は頼介さんと飲んでいたんですが、酔いつぶれてしまって。送り届けるにも、住所知らないし、どうしましょう?○○というお店なんですが、GINJIさんもご存じですよね?」
ここまで言うと、ちょっと困ったような沈黙が流れた。

「行ってやりたいのは山々なんだが、実は体調が悪くて、ちょっと動けないんだ。」
「え、大丈夫ですか?GINJIさん!」
「いや、俺は大丈夫。気にしないでくれ。代わりの奴を行かせるから、待っていてくれ。」

そう言って、GINJIさんは電話を切った。

代わりの人って、誰だろう?

とにかくその人が到着するのを待つ事にした。
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