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GINJI

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俺は頼介の入院している病院に向かって、車を走らせていた。

頼介が事故に遭って、今日で11日目。
順調に回復しているという連絡は受けていたが、それでも顔を見ない事には安心できなかった。
だが、R-GUNのリーダーとして、やるべき事が山積みされていて、なかなか頼介の所に行けずにいた。
その事に苛立ちを覚えていたが、アイツが元気になった時のための居場所を守るのが俺の役割だと、自分に言い聞かせた。
頼介の世話は、将太くんが焼いてくれるはずだ。

そうして、今日、ようやく面会時間内に仕事を終える事ができ、俺は頼介のもとへ向かっていた。

頼介はもう一般病棟に移っていて、普通に食事もしていると言う。
大食らいのアイツの事だ。
病院のメシだけでは、到底、足りはしないだろう。
将太くんがいるから、ひもじい思いはしていないだろうが、それでもアイツの好きな食べ物を大量に買い込んで、病院までやってきた。

病室の前までやって来ると、アイツの笑い声が聞こえた。
それにちょっと安心して、将太くんが来ているんだなと思い、扉をノックした。

「頼介、俺だ。入るぞ。」
そう言って、病室の中に入っていった。

だが、そこに居たのは、意外な人物だった。

「ハルカ…ちゃん!?」

俺は目を丸くして、まるで頼介か蓮介のような、間抜けな声をあげてしまった。

「あ、GINJIさん!お邪魔しています。」
ハルカちゃんも驚いたように、頭を下げた。

「GINJIも来てくれたんだ!」
頼介も嬉しそうに元気な声をあげたが、俺の頭の中はそれどころではなかった。

「なんで、ハルカちゃんがここに?」
「頼介さんが、食べ物を持ってきてほしいって、お電話くださったんです。頼介さんが元気になって、私に連絡してきてくれて、私、本当に嬉しくって!」
「将太が勉強で忙しくて、あんまり来れないって言うから、春香ちゃんに差し入れ頼んだんだ。そうしたら、お弁当作ってきてくれたんだよ!すっごく美味しいんだ♪」

元気そうな頼介の様子を見て、嬉しいはずなのだが、俺は混乱していた。
ハルカちゃんを頼介に近づけようとしたのは、そもそも俺だ。
それなのに、俺の中で、暗い感情が押し寄せてきた。

「そうか、俺も食べ物を持って来たんだが、余計なお世話だったかもな。」
つい棘のある言い方をしてしまう。
だが、頼介は気を悪くした様子もなく
「そうなんだ!じゃあ、皆で一緒に食べようよ。」
と俺を手招きした。

それでも俺は
「イヤ、2人の邪魔をするわけにはいかないから、やっぱり帰るよ。」
と素っ気ない言い方をして、そのまま病室を出てしまった。
ハルカちゃんの引き留めようとする声にも、聞こえないふりをして、俺はそのまま病院を後にした。
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