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第1章
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前田玲央 24歳 サラリーマン 独身 実家暮らし 彼女無し。
2023年2月26日某所
今日は、久しぶりの休みで欲しいものがある訳ではないが服でも見に街へ車で繰り出すことにした。
車道には、まだ若干の雪が残っていて気温もとても寒かった。
車をしばらく暖気して待つことにした。
そろそろ車も暖気がなったところで、厚着のコートとハットという一見マフィアを思わせるスタイルで車に乗り込んだ。
移動すること40分。
車に備え着けたスマホスタンドのスマホには、街まであと5分の距離と出ていた。
着いて悩む時間がもったいないと車内で信号待ちついでに考えることにした。
今日は土曜ということもあって車道はおろか歩道まで忙しなく人が行き来しているのでゆっくり考えれそうだ。
まず、いつものコインパーキングから降りたら服を見る以外にレコードショップに行ってみるかと思案を巡らせていた。
信号が青になったので、前に止まっていたトラックが前進しはじめてある程度直進していた。
その時、急に前のトラックから鉄パイプを縛っていた紐が千切れてパイプがフロントガラス目掛けて何本も飛んできた。
すかさず右折レーンが空いていたので避けようとレーンを見ると、さっきまで空いていたはずのレーンに他の車がいた。
そうこうしているうちに鉄パイプは、フロントガラスを貫通し最後見た景色は鉄パイプの中まで続く暗い穴だった。
気がつくと真っ暗なところに居たので夢かと思っていたが、それにしては何も起こらない。
周りを見渡すと相変わらず何もない暗闇が続くだけだった。
その時、暗闇に白い点が点滅したような気がした瞬間カーテンが開くように光が体全体を包み込んだ。
眩しいと思いつつ光の方を見ていると影が人型になって近づいてきた。
顔は相変わらず見えない。
「お前は、不運にも死んでしまったのだよ」
不意に影がそう言ってきたので思考が一瞬停止した。
「えっ⁉︎」
「何を言っているのか訳がわからない…」
すると影の主は、続けてこう言った。
「夢だと思っているのだな…」
「思い出してみろ」
すると、影の横の暗闇にスクリーンが浮かび上がってさっきの車内の映像が浮かび上がった。
「お前は、さっきまで車で街に向かっていた」
「そして、前を走っていたトラックの棒が突き刺さり死んでしまったのだよ」
突き刺さって死んだ後の映像も流れていた。
そこで、急に思い出した前田はどうしようもない不安、絶望感に襲われた。
それを見た影の主は、
「24歳で家庭もない気の毒なお前さんには、もう一度チャンスをやろうと思うのだが興味はないか⁉︎」
と聞いてきた。
それを聞くや
「チャンスっていうのはいったい何ですか⁉︎」
影の主は、待ってましたとばかりにスクリーンをプレゼンでもするように変えた。
「お前さんは、こっちの世界ではもう蘇ることはできないがこっちの世界…よく異世界とこっちで言っている世界なら転生する事ができる」
見てみると、エルフ耳っぽいのが見えた。
影の主は、続けてこう言った。
「もし、転生する気があるのならお前さんに力を幾つか使えるようにするが」
とまで言った瞬間に興味が最高潮になり影の主を遮った。
「転生します‼︎」
転生や力の興味もあることにはある。
だが、今まで普通のサラリーマンとして働いてきた前田にとっては、1からやり直せるという事がとても魅力的に感じた。
「そうか…」
「それなら話は早い‼︎」
「力は、何個かあるので好きに選んでくれ」
すると、スクリーンに何個も力が出てきた。
それを一つ一つ見ていき選択に要した時間は、さしてかからなかった。
選んだ力は、体力と知力、財力だった。
「本当にこの力でいいのか?」
「財力に関しては、最初から大金持ちというわけではないぞ⁉︎」
だが、前田は
「金が全くない極貧でないのなら大丈夫‼︎」
と自信満々に言い切った。
「それなら良いのだが…」
「それでは、お前さんを転生させる‼︎」
影の主が、そういうや光が視界を完全に見えなくするほど包み込んでしまった。
これで1からやり直せると前田は一安心して、期待に心躍らせながら転生していった。
2023年2月26日某所
今日は、久しぶりの休みで欲しいものがある訳ではないが服でも見に街へ車で繰り出すことにした。
車道には、まだ若干の雪が残っていて気温もとても寒かった。
車をしばらく暖気して待つことにした。
そろそろ車も暖気がなったところで、厚着のコートとハットという一見マフィアを思わせるスタイルで車に乗り込んだ。
移動すること40分。
車に備え着けたスマホスタンドのスマホには、街まであと5分の距離と出ていた。
着いて悩む時間がもったいないと車内で信号待ちついでに考えることにした。
今日は土曜ということもあって車道はおろか歩道まで忙しなく人が行き来しているのでゆっくり考えれそうだ。
まず、いつものコインパーキングから降りたら服を見る以外にレコードショップに行ってみるかと思案を巡らせていた。
信号が青になったので、前に止まっていたトラックが前進しはじめてある程度直進していた。
その時、急に前のトラックから鉄パイプを縛っていた紐が千切れてパイプがフロントガラス目掛けて何本も飛んできた。
すかさず右折レーンが空いていたので避けようとレーンを見ると、さっきまで空いていたはずのレーンに他の車がいた。
そうこうしているうちに鉄パイプは、フロントガラスを貫通し最後見た景色は鉄パイプの中まで続く暗い穴だった。
気がつくと真っ暗なところに居たので夢かと思っていたが、それにしては何も起こらない。
周りを見渡すと相変わらず何もない暗闇が続くだけだった。
その時、暗闇に白い点が点滅したような気がした瞬間カーテンが開くように光が体全体を包み込んだ。
眩しいと思いつつ光の方を見ていると影が人型になって近づいてきた。
顔は相変わらず見えない。
「お前は、不運にも死んでしまったのだよ」
不意に影がそう言ってきたので思考が一瞬停止した。
「えっ⁉︎」
「何を言っているのか訳がわからない…」
すると影の主は、続けてこう言った。
「夢だと思っているのだな…」
「思い出してみろ」
すると、影の横の暗闇にスクリーンが浮かび上がってさっきの車内の映像が浮かび上がった。
「お前は、さっきまで車で街に向かっていた」
「そして、前を走っていたトラックの棒が突き刺さり死んでしまったのだよ」
突き刺さって死んだ後の映像も流れていた。
そこで、急に思い出した前田はどうしようもない不安、絶望感に襲われた。
それを見た影の主は、
「24歳で家庭もない気の毒なお前さんには、もう一度チャンスをやろうと思うのだが興味はないか⁉︎」
と聞いてきた。
それを聞くや
「チャンスっていうのはいったい何ですか⁉︎」
影の主は、待ってましたとばかりにスクリーンをプレゼンでもするように変えた。
「お前さんは、こっちの世界ではもう蘇ることはできないがこっちの世界…よく異世界とこっちで言っている世界なら転生する事ができる」
見てみると、エルフ耳っぽいのが見えた。
影の主は、続けてこう言った。
「もし、転生する気があるのならお前さんに力を幾つか使えるようにするが」
とまで言った瞬間に興味が最高潮になり影の主を遮った。
「転生します‼︎」
転生や力の興味もあることにはある。
だが、今まで普通のサラリーマンとして働いてきた前田にとっては、1からやり直せるという事がとても魅力的に感じた。
「そうか…」
「それなら話は早い‼︎」
「力は、何個かあるので好きに選んでくれ」
すると、スクリーンに何個も力が出てきた。
それを一つ一つ見ていき選択に要した時間は、さしてかからなかった。
選んだ力は、体力と知力、財力だった。
「本当にこの力でいいのか?」
「財力に関しては、最初から大金持ちというわけではないぞ⁉︎」
だが、前田は
「金が全くない極貧でないのなら大丈夫‼︎」
と自信満々に言い切った。
「それなら良いのだが…」
「それでは、お前さんを転生させる‼︎」
影の主が、そういうや光が視界を完全に見えなくするほど包み込んでしまった。
これで1からやり直せると前田は一安心して、期待に心躍らせながら転生していった。
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