6 / 123
第六話……どうにでもなる!
しおりを挟む
「な……何ですの、そのスキルは⁉️ あ、あり得ませんわ……!」
文字通り、元の場所に舞い戻ってきた私達に、戸惑いの表情で話しかける化物。
「たすくお姉ちゃん、すごいね!」
「あなたは一体……」
ラピスと剣士も殺陣を中断し、二人で並んだ上、こちらを見ていた。
化物達も今まで戦っていた二人の現在の様子に、さぞ驚くだろうと思ったら、それどころではないようだ。
「姫……ここは退却した方が……」
「何を言っているの! 当てればいいでしょう、当てれば! 近づけば当たるでしょう! 早くしなさい!」
「し、しかし、青い虎の実力も計り知れず、組合の人間と少なくとも互角以上であるなら、分が悪いかと……」
「命令よ! 次に私に同じ言葉を言わせたら、一族郎党皆殺し!」
「は、はっ!」
何となくだが、化物達の今のやり取りは、たすくの癪に障りそうだと思ったら、案の定、たすくが一歩前に出た。
「待てよ! 部下がせっかく冷静に戦力を分析して進言してるのに、感情だけでそれを否定するのはおかしいだろ!
それに、そんな下らない理由で死刑にするなんて愚の骨頂だ! 権威ある王族だとしたら尚更! もっとよく考えて、責任ある発言をしろよ!」
「はっ、余計なお世話ですし、何を今更! これまであなたからそんなことを言われた覚えは、一度たりともありませんが。同じような処罰を『何度も』、『目の前で』見過ごしてきたのに、よく言えますわね!
そして、あなた自身も部下の言うことなど、聞く耳を持たなかった。それがまさに無責任と言うんじゃなくて?」
この姫、化物だけど口は達者なんだよなぁ。たすくの体の人の過去の言動が分からない以上、たすくが論戦で不利になることは仕方がないことではあるが。
「全くその通りだ。だから、これまでのことは謝る。申し訳なかった。これからは自分を省みて、改めて生きて行くと約束する。
忘れていることもあるかもしれないから、その都度指摘してくれ。だから、そちらの発言も改めてほしい」
私はたすくの発言に驚きつつも、改めてたすくらしいなと思った。
自分は全く悪くないのに、まるで自分のことのように謝る。中々できることじゃないのに、平然とそれをやってのけたからだ。
「本当にあなたはバカでマヌケですね……。謝って済むなら、法律や刑など存在しないのです」
「それとこれとは話が別だろう。そもそも、冤罪なんだし」
「仮に冤罪だとして、それを認めたらどうなりますか? 陛下が誤ったご判断を下したことになり、それこそ権威が失墜するでしょう? 元王族なのにそんなことも分からないとは……。
あなたを処分する機会を陛下から与えられたことに、本当にいくら感謝しても足りないぐらいです」
「実の子を喜んで殺す父親がどこにいるんだよ! そういうのは裏の意図を読むんだよ! もし、そのまま実行したら、とんでもないことになるかもしれないぞ!」
「呆れた……。まさか、相手の意図を全く読めないあなたからそんな言葉が出てくるなんて、頭がおかしくなりそうですわ」
「分かった。話がとっ散らかって混乱するのも無理はない。まずは発言の見直しに立ち戻ろう」
「だ、か、ら! 余計なお世話だって言ってるでしょう! あーもうっ! 早くこのバカどもを殺しなさい!」
「やめろ、お前達! 俺が必ず説得するから! って、おい! 撃つな!」
たすくの発言が終わるよりも先に、部下二人がこちらに向かって走りながら魔法を放った。
「こうなったら……」
私達に目がけて飛んでくる爆裂魔法を避けようともせず、たすくは両手を前に出した。
当然、私にも危機が迫っているわけだが、それを冷静に見ている自分がいた。
今のたすくなら、どうとでも対処できるという確信があったからだ。ラピスや剣士も同じことを思っているだろう。
「何とか直撃は避けてくれよ……!」
たすくはそう言うと、爆裂魔法をそのままはね返した。
文字通り、元の場所に舞い戻ってきた私達に、戸惑いの表情で話しかける化物。
「たすくお姉ちゃん、すごいね!」
「あなたは一体……」
ラピスと剣士も殺陣を中断し、二人で並んだ上、こちらを見ていた。
化物達も今まで戦っていた二人の現在の様子に、さぞ驚くだろうと思ったら、それどころではないようだ。
「姫……ここは退却した方が……」
「何を言っているの! 当てればいいでしょう、当てれば! 近づけば当たるでしょう! 早くしなさい!」
「し、しかし、青い虎の実力も計り知れず、組合の人間と少なくとも互角以上であるなら、分が悪いかと……」
「命令よ! 次に私に同じ言葉を言わせたら、一族郎党皆殺し!」
「は、はっ!」
何となくだが、化物達の今のやり取りは、たすくの癪に障りそうだと思ったら、案の定、たすくが一歩前に出た。
「待てよ! 部下がせっかく冷静に戦力を分析して進言してるのに、感情だけでそれを否定するのはおかしいだろ!
それに、そんな下らない理由で死刑にするなんて愚の骨頂だ! 権威ある王族だとしたら尚更! もっとよく考えて、責任ある発言をしろよ!」
「はっ、余計なお世話ですし、何を今更! これまであなたからそんなことを言われた覚えは、一度たりともありませんが。同じような処罰を『何度も』、『目の前で』見過ごしてきたのに、よく言えますわね!
そして、あなた自身も部下の言うことなど、聞く耳を持たなかった。それがまさに無責任と言うんじゃなくて?」
この姫、化物だけど口は達者なんだよなぁ。たすくの体の人の過去の言動が分からない以上、たすくが論戦で不利になることは仕方がないことではあるが。
「全くその通りだ。だから、これまでのことは謝る。申し訳なかった。これからは自分を省みて、改めて生きて行くと約束する。
忘れていることもあるかもしれないから、その都度指摘してくれ。だから、そちらの発言も改めてほしい」
私はたすくの発言に驚きつつも、改めてたすくらしいなと思った。
自分は全く悪くないのに、まるで自分のことのように謝る。中々できることじゃないのに、平然とそれをやってのけたからだ。
「本当にあなたはバカでマヌケですね……。謝って済むなら、法律や刑など存在しないのです」
「それとこれとは話が別だろう。そもそも、冤罪なんだし」
「仮に冤罪だとして、それを認めたらどうなりますか? 陛下が誤ったご判断を下したことになり、それこそ権威が失墜するでしょう? 元王族なのにそんなことも分からないとは……。
あなたを処分する機会を陛下から与えられたことに、本当にいくら感謝しても足りないぐらいです」
「実の子を喜んで殺す父親がどこにいるんだよ! そういうのは裏の意図を読むんだよ! もし、そのまま実行したら、とんでもないことになるかもしれないぞ!」
「呆れた……。まさか、相手の意図を全く読めないあなたからそんな言葉が出てくるなんて、頭がおかしくなりそうですわ」
「分かった。話がとっ散らかって混乱するのも無理はない。まずは発言の見直しに立ち戻ろう」
「だ、か、ら! 余計なお世話だって言ってるでしょう! あーもうっ! 早くこのバカどもを殺しなさい!」
「やめろ、お前達! 俺が必ず説得するから! って、おい! 撃つな!」
たすくの発言が終わるよりも先に、部下二人がこちらに向かって走りながら魔法を放った。
「こうなったら……」
私達に目がけて飛んでくる爆裂魔法を避けようともせず、たすくは両手を前に出した。
当然、私にも危機が迫っているわけだが、それを冷静に見ている自分がいた。
今のたすくなら、どうとでも対処できるという確信があったからだ。ラピスや剣士も同じことを思っているだろう。
「何とか直撃は避けてくれよ……!」
たすくはそう言うと、爆裂魔法をそのままはね返した。
0
あなたにおすすめの小説
ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者
哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。
何も成し遂げることなく35年……
ついに前世の年齢を超えた。
※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。
※この小説は他サイトにも投稿しています。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。
【あらすじ】
異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。
それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。
家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。
十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。
だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。
最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。
この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。
そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。
そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。
旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。
☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。
☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
魔法使いが無双する異世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです
忠行
ファンタジー
魔法使いが無双するファンタジー世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか忍術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです。むしろ前の世界よりもイケてる感じ?
転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~
ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。
コイツは何かがおかしい。
本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。
目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる