異世界<おせっかい>人情ラプソディ~いや、『おせっかいスキル』で無双って何⁉️~

立沢るうど

文字の大きさ
36 / 123

第三十六話……対話!

しおりを挟む
「どうぞ、こちらです」

 私達は確信犯ランクの化物に案内され、奥へと進んだ。
 この人がサルディアさんなのだろうか。疑問に思っても、それをここで聞いたら、辻褄が合わないこともあるから、迂闊に聞けない。
 まぁ、すぐに分かることだけど。

 しばらく歩くと、化物が部屋の前で立ち止まり、扉をノックした。

「次官、お連れしました」
「入れ」

 どうやら、確信犯の化物はサルディアさんじゃなかったらしい。
 一方、扉の隙間から見えたサルディアさんの化物ランクは、『対話』ランクだった。私から見れば、こっちの方がイケメンだ。
 とりあえずは安心した。

「サルディアさんは、『対話』ね! 『対話』!」
「分かった。良かったよ」

 私とたすくが小声で確認し合うと、正面にある机の椅子に座ったサルディアさんは、そのことも気にせず、口を開いた。

「さて、早速で悪いが、話を聞かせてもらおうかな。このあと、会議があるのでね。寒くはないと思うが、そこの震えているラプスは少し我慢してほしい。さあ、誰が話してくれるのかな?」
「その前にちょっといいか? 案内してくれたところ悪いが、彼を退出させてくれないか? 大事な話だから」

「……。断る。彼は私の右腕で非常に優秀だ。この場にいてくれた方が、今後の話が早く進む」
「じゃあ、俺も何も話さない。サルディアさんも優秀なんだろ? そのぐらいのことは、やってくれよ」
「貴様、次官に向かって失礼だぞ! 勇者を騙った貴様に、優しく手を差し伸べた次官に向かって!」
「……。思ってもいないことを、よく怒って言えるなぁ。演技が上手いヤツが優秀だと評価されるのか? ここの評価システムはどうなってるんだ?」
「なっ……! 次官、やはりこの者達は即刻処刑すべきです!」
「お前の反対を押し切って、ここに呼んだサルディアさんの意志と時間を無駄にするつもりかよ。
 なぁ、サルディアさん、本当にコイツは優秀なのか? そう見せているだけで、アンタは騙されてるんじゃないのか?
 どこかで綻びが見えているかもしれないよな。城内、首都内の総点検を提案するよ」
「き、貴様ぁぁ!」

「そこまでだ! 分かった……。お前達と話すことは何もない。
 とりあえず、今日は城内に宿泊し、その後は私の指示を待て。勝手に城外に出ることは禁止。破ればその場で処刑だ。
 『ロマリ』、コイツらを例の部屋に入れたいが、人数も戦力も考慮する必要がある。適当な兵士を見繕ってきてくれ」
「……」
「はっ!」

 化物ロマリは、返事の後、部屋を出て行った。
 その直後、サルディアさんが急に立ち上がり、足早に私達の方に向かってきた。

「殿下、今の内に手短に状況をご説明ください!」
「ロマリは、サルディアさんを陥れるために、他派閥から送り込まれたスパイだよ。ビルさんを始め、サルディアさんの派閥がどんどん削られていったのも、アイツが主犯だ。
 今、迷いもせずここを出て行っただろ? サルディアさんがどうなろうとかまわない、むしろ死んでくれた方が良いと思ってるってことだ。加えて、アイツは優秀なんかじゃないって証左でもあるな。
 俺達はセントラルを変えに行く。でも、その前にサウズも変えたい。サルディアさんなら、それができるとビルさんが言っていた。
 それはそうだ。アンタは、身分を隠したサウズ地方サウズ国の第三王子で、王位継承権に最も近いと評判だったんだからな」
「なっ……!」
「え⁉️ そうだったの⁉️」

「言っておくが、ビルさんに聞いたわけじゃないぞ。俺のスキルだ。それ以外にも色々できる。
 俺の力を貸すから、一緒にサウズを変えようぜ! サルディアさん!」
「う……し……しかし……ま、まだ……それは……」

「決断、行動するまでは、まだ時間がある。その例の部屋っていうのは、俺達だけなのか? なら、連絡手段を確立しておくか。このプラチナ鉱石のことも話したいし……」
「なっ……! な、な、なぜそのことを早くおっしゃらないのですか!」

「いや、だってアイツがいたし……」
「はぁぁぁ……。そのプラチナ鉱石があれば、継承権争いなどゴミみたいなもの。どうにでもなりますよ……」
「セレナもビルさんも言ってたけど、そんなにすごいのか……」
「あ、アイツが戻ってきたみたいだよ!」

 ラピスの喚起に、慌てて机の前に戻り、姿勢を正すサルディアさん。微妙に化物だから、尚更コミカルで面白い。

 間もなく、バンッと扉が開き、化物ロマリと、思っていたよりも多くの化物兵士が、部屋の中に雪崩れ込んできた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

魔法使いが無双する異世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです

忠行
ファンタジー
魔法使いが無双するファンタジー世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか忍術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです。むしろ前の世界よりもイケてる感じ?

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

魔道具頼みの異世界でモブ転生したのだがチート魔法がハンパない!~できればスローライフを楽しみたいんだけど周りがほっといてくれません!~

トモモト ヨシユキ
ファンタジー
10才の誕生日に女神に与えられた本。 それは、最強の魔道具だった。 魔道具頼みの異世界で『魔法』を武器に成り上がっていく! すべては、憧れのスローライフのために! エブリスタにも掲載しています。

処理中です...