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第六十四話……小さな妨害者
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妨害者は、子ども五名。一番下は一歳未満、その子を抱えた十一、二歳の女の子、五歳から七歳程度の子ども二人、リーダーらしき男の子も十二歳ぐらいだ。
「な、何だよこれ……! 体が動かない……! い、いや……そんなことより……。
い、今すぐ処刑をやめろ! この極悪非道の王族と家来達!」
「……。ごめん、ビル。妨害者は問答無用で止めるって言ったけど、この時間を俺に使わせてもらえないか?」
「殿下がおっしゃるのであれば、どうぞ」
「はぁ⁉️ 妨害者は殺すんだろ! 早く殺せよ! 嘘つきども!」
「君達は国王の宣言と宰相の説明を聞いたんだろ? あの素晴らしい宣言と説明を。なぜ妨害しようとした?」
「そんなの聞くわけねぇだろ! どうせ嘘なんだから!」
「……。そこに貼られた国家持続方針は読んだか?」
「文字なんて読めるかよ! そこに書いてあることも、どうせ嘘だろうが! いいから、殺せよ! 早く!
こんなクソガキ妨害者も殺せないのかよ! 臆病者の王族! 一度言ったことに責任を持てよ!」
「……。そんなに苦しみから解放されたいのか。首都内にもかかわらず、極度の貧困に喘ぎ、パンの一つも満足に手に入れられない現状の酷い苦しみから……。
ビル、至急食事と水を用意してやってくれ。すぐに調達できないなら、俺が城に飛んで行って、食堂から持って来る。丁度昼時だから大量にあるだろ」
その子ども達は、とてもみすぼらしい汚れた格好で、痩せ細り、ここに辿り着くだけでもやっとだったのではないかと思わせるほど、衰弱していた。
「はい。恐れながら、殿下が食堂に向かわれた方が早いかと。それはかまわないのですが……私が門兵で非番だった時、首都内を隈なく見回っていましたが、その子ども達は見たことがありません。また、そのような子どもがいるという話も聞いたことがありません。念のために確認したいのですが、本当に首都民でしょうか?」
「当たり前だろ! 俺達は洞窟門の外で暮らしてたんだから! どこが『隈なく』なんだよ!」
「なっ……! あそこのどこに住める場所があると言うんだ! 森しかないだろう!」
「だから、森で暮らしてたんだろ! そのぐらい分かるだろ! このバカ!
いいから殺せよ! 今すぐ! 何回言わせるんだよ!
食事も水もいらない! 持って来ても絶対に食べないからな!」
「ビル、あとは俺が説明しよう。君達も少しだけ我慢してくれ。ただ、最初に言っておかなければいけないことがある。
今から俺が話すこと……つまり、俺個人を信じる必要があるということだ。もちろん、俺の言葉に嘘偽りはない。そうでなければ、話すだけ時間の無駄だ。それが君達を苦しみから解放する条件だ」
子どもリーダーは、少し考えているようだ。
「『苦しみから解放する』って、俺達を殺すってことでいいんだよな? お前の言うことに納得できなかったら、殺してくれるんだよな?」
「君が望むのなら」
「じゃあ、話せよ。手短にな!」
「分かった。まず、確認したいことがある。君達が国や人を信じられなくなったのは、何度も裏切られてきたから。
国は何もしてくれない。人は君達を見て見ぬふりをするから。
最初に親に捨てられ、親戚にも捨てられ、行き場を失った。病気で親を失った子もいるだろう。
君達を助けようと近づいて来た人がいても、今はもう誰も助けてくれない。だから、誰も信用できない。食料と水を一時もらっても、最後まで面倒を見てくれる人などいないから、受け取るだけ時間の無駄。そうだな?」
「そうだよ!」
「でも君達は、『世の中には良い人もいる』、そのことを知っているはずだ。君達がこれまで生きて来られたのは、その人達が支えてくれたから。そうだな?」
「……そうだよ。だから何だってんだよ!」
「パンや食事をくれた首都民もいた。残り物をくれた店もあった。しかし、自分達の生活があるので、次第にその余裕もなくなり、断られるようになった。それを君達は理解していた。だから、『良い人』を否定しなかった。
そして、君達には親代わりだった人達もいた。ただ、その人達は病気で亡くなったり、衰弱死したり、攫われたり、時には街中で殺された人もいた。そこで、肉体的にも精神的にも限界を迎えた。
特に、最後の殺された人については、親と言うよりもお姉ちゃんみたいに、お互いに接することができて、頼りがいがあって、そして優しい人だった」
「なんで……なんで『姉ちゃん』のこと知ってるんだよ!」
「俺のスキルだよ。しかし、そのお姉さんは、街に働きに行ったその帰り、夜中に暴漢達に襲われ、陵辱された上、惨殺された」
たすくが、なぜあえてそのお姉さんを話題に挙げたのか、私には容易に想像できた。
きっと、合致してしまったのだろう。アイツらの言っていたことと……。
「な、何だよこれ……! 体が動かない……! い、いや……そんなことより……。
い、今すぐ処刑をやめろ! この極悪非道の王族と家来達!」
「……。ごめん、ビル。妨害者は問答無用で止めるって言ったけど、この時間を俺に使わせてもらえないか?」
「殿下がおっしゃるのであれば、どうぞ」
「はぁ⁉️ 妨害者は殺すんだろ! 早く殺せよ! 嘘つきども!」
「君達は国王の宣言と宰相の説明を聞いたんだろ? あの素晴らしい宣言と説明を。なぜ妨害しようとした?」
「そんなの聞くわけねぇだろ! どうせ嘘なんだから!」
「……。そこに貼られた国家持続方針は読んだか?」
「文字なんて読めるかよ! そこに書いてあることも、どうせ嘘だろうが! いいから、殺せよ! 早く!
こんなクソガキ妨害者も殺せないのかよ! 臆病者の王族! 一度言ったことに責任を持てよ!」
「……。そんなに苦しみから解放されたいのか。首都内にもかかわらず、極度の貧困に喘ぎ、パンの一つも満足に手に入れられない現状の酷い苦しみから……。
ビル、至急食事と水を用意してやってくれ。すぐに調達できないなら、俺が城に飛んで行って、食堂から持って来る。丁度昼時だから大量にあるだろ」
その子ども達は、とてもみすぼらしい汚れた格好で、痩せ細り、ここに辿り着くだけでもやっとだったのではないかと思わせるほど、衰弱していた。
「はい。恐れながら、殿下が食堂に向かわれた方が早いかと。それはかまわないのですが……私が門兵で非番だった時、首都内を隈なく見回っていましたが、その子ども達は見たことがありません。また、そのような子どもがいるという話も聞いたことがありません。念のために確認したいのですが、本当に首都民でしょうか?」
「当たり前だろ! 俺達は洞窟門の外で暮らしてたんだから! どこが『隈なく』なんだよ!」
「なっ……! あそこのどこに住める場所があると言うんだ! 森しかないだろう!」
「だから、森で暮らしてたんだろ! そのぐらい分かるだろ! このバカ!
いいから殺せよ! 今すぐ! 何回言わせるんだよ!
食事も水もいらない! 持って来ても絶対に食べないからな!」
「ビル、あとは俺が説明しよう。君達も少しだけ我慢してくれ。ただ、最初に言っておかなければいけないことがある。
今から俺が話すこと……つまり、俺個人を信じる必要があるということだ。もちろん、俺の言葉に嘘偽りはない。そうでなければ、話すだけ時間の無駄だ。それが君達を苦しみから解放する条件だ」
子どもリーダーは、少し考えているようだ。
「『苦しみから解放する』って、俺達を殺すってことでいいんだよな? お前の言うことに納得できなかったら、殺してくれるんだよな?」
「君が望むのなら」
「じゃあ、話せよ。手短にな!」
「分かった。まず、確認したいことがある。君達が国や人を信じられなくなったのは、何度も裏切られてきたから。
国は何もしてくれない。人は君達を見て見ぬふりをするから。
最初に親に捨てられ、親戚にも捨てられ、行き場を失った。病気で親を失った子もいるだろう。
君達を助けようと近づいて来た人がいても、今はもう誰も助けてくれない。だから、誰も信用できない。食料と水を一時もらっても、最後まで面倒を見てくれる人などいないから、受け取るだけ時間の無駄。そうだな?」
「そうだよ!」
「でも君達は、『世の中には良い人もいる』、そのことを知っているはずだ。君達がこれまで生きて来られたのは、その人達が支えてくれたから。そうだな?」
「……そうだよ。だから何だってんだよ!」
「パンや食事をくれた首都民もいた。残り物をくれた店もあった。しかし、自分達の生活があるので、次第にその余裕もなくなり、断られるようになった。それを君達は理解していた。だから、『良い人』を否定しなかった。
そして、君達には親代わりだった人達もいた。ただ、その人達は病気で亡くなったり、衰弱死したり、攫われたり、時には街中で殺された人もいた。そこで、肉体的にも精神的にも限界を迎えた。
特に、最後の殺された人については、親と言うよりもお姉ちゃんみたいに、お互いに接することができて、頼りがいがあって、そして優しい人だった」
「なんで……なんで『姉ちゃん』のこと知ってるんだよ!」
「俺のスキルだよ。しかし、そのお姉さんは、街に働きに行ったその帰り、夜中に暴漢達に襲われ、陵辱された上、惨殺された」
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きっと、合致してしまったのだろう。アイツらの言っていたことと……。
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