異世界<おせっかい>人情ラプソディ~いや、『おせっかいスキル』で無双って何⁉️~

立沢るうど

文字の大きさ
86 / 123

第八十六話……スキル訓練!

しおりを挟む
「ママ~」
「……よしよし……さすさす……」

 ユアさんの訓練前に、心も体も落ち着かせようということで、リズママに彼女を癒やしてもらった。
 さらに、お腹も撫でてもらって、健康出産の願掛けもした。裸にはなっていない。

「将来的には、回復効果の高い魔壁前で出産する、なんてこともあり得るのかもな」
「モンスター達に見守られながら? そうなったら面白いね。魔壁前の景観を損なわないようにする必要はあるけど。
 それは流石にテストの問題には入れてなかったね。追加で入れておこうか。最初の内は多分、モンスターに否定されるだろうけど」
「うおおお、わしの夢が膨らむぅぅ!」
「もし、たすく様方とモンスター様方がよろしいのであれば、私がその先駆けとなるのも良いのではないでしょうか。それが我が国の未来を、より明るく照らす道標にもなるかと。陛下にも相談してみますね」

「それは良い案だ。それまでに上手く友好関係と交渉をまとめたいな。まだ時間はあるから、ゆっくりでいいけど。いや、ゆっくりの方が良いか……。まぁ、それは置いておくことにしよう。
 さて、それじゃあ訓練を始めようか。まず意識だな。無関心スキルは、短絡スキルのように対象に何かを刺したり繋げたりするわけじゃないとのことだが、みかが言っていたように、『透明』が鍵になるような気はする。
 みんなが一度無関心になっても、回復手段はあると思うから、とりあえず自分の存在を薄めるイメージで、まずは試してみるか」
「でも、念のためにリスクを最小限に留めるようにした方が良いんじゃない?」
「では、私以外を守ってください。まずは、人間から試した方が良いですし、みかさんはユアさんの状態を確認する役割を担っているので、私しかいないでしょうから」
「ありがとう、セレナ。それで行こう。じゃあ、ユアさん。やってみてくれ」
「はい」

 ユアさんは目を瞑り、意識を集中しているようだ。

「…………。あ、薄くなってきた! この部屋に入ってきた時と同じぐらいには……なった!」
「じゃあ、セレナ。ユアさんの得意料理は何だと思う? 何だったら嬉しい?」
「え……。分かりません……。何が嬉しいかと言われても……特に何も……」

「成功してそう」
「次に、ユアさんからセレナに話しかけて、スキルを維持できるかやってみようか。財務省の同僚にも使っていたから、これまでは普通にできていたはずだけど、心を許している人を前にしてもそれができるかを確認する。同じ質問でいいと思う」

 そして、ユアさんがセレナに話しかけようとすると、微妙に透明度が下がった。

「意外に難しいですね……。もう一回やってみます」

 再度、透明度を上げてから試したところ、完璧ではないにせよ、さっきよりは透明度が下がらなくなった。

「まぁ、今は完璧じゃなくていいよ。こんな感じで日々訓練すればいいってことを知るのが大事だ。じゃあ、元に戻ってみて」
「…………。戻りが遅いような気はするかな。透明度が上がった時に比べて。その方が自然と言えば自然かもしれないけど」

「元に戻るための『魔法の言葉』を決めてもいいかもな。透明度を上げる時と違って、誰かに話しかければいいだけだし。自然な言葉としては……『サーズ様、お時間よろしいでしょうか?』とか。
 『いや、忙しい』と言われたら、無関心が続いている可能性が高いから、『では、いつであればよろしいでしょうか』と、どんどん食い下がる、みたいな。
 それについては、訓練しなくても考えておくだけでいいかな。でも、絶対に必要ではある」
「そうだね。不幸を避けるためにも」
「ありがとうございます。承知しました」

「じゃあ、セレナ。ユアさんの得意料理は何だと思う? 何だったら嬉しい?」
「あ、忘れてた……」
「え……。失礼とは思いますが、料理はしたことがなさそう。でも私は肉が好きなので、肉料理なら何でもいいですね」
「お恥ずかしながら、セレナ様のおっしゃる通り、料理をしたことがありません……」

「まぁ、貴族のご令嬢なら仕方がないよ」
「あ、やっぱりそうなんだ。でも、貴族なのに娘を城の実務に従事させるって、すごいね。だから、ユアさんと会うまでは普通に平民だと思ってた」
「お父様もお母様も、たとえ女であっても世間は知っておいた方が良いというお立場ですからね。さらに、知識と知恵を身に付ければ、子どもの教育や安全にも繋がるとのお考えでした。
 私もそのお考えには完全に同意しておりましたので、日々の勉強に励みました。その勉強や就職についても、特に何かを言われたこともなかったので、自分のペースで無理なく勉強し、自分の希望で財務省に入省しました。家計の管理の参考や我が領地への予算の配分にも繋がりますから。後者については、もちろん横領などではなく、正当な評価の下で配分するという意味です」

「大丈夫。それはみかの『目』が保証してるよ。
 さて、次は部分的な無関心か……。みか、何かアイデアはあるか? ユアさんの体全体が透明になるのと、部分化が結び付きづらいからさ。例えば、ラピスが提案した『声』や『言葉』だったり、プレアが提案した『衣服』だったりが、みかの目でどのように表されるか分からないんだ」
「うーん……。それは私も分からないなぁ……。とりあえず、やってみたら? 『行動』が大事なんでしょ? それで取り返しが付かないことにならない限りはさ」
「そうだな。実験や検証では、計画や想定も大事だが、試行錯誤が必要な時もある。
 よし、ユアさん。やってみてくれ。ユアさんの声から。元には戻せるようだから、特にみんなを守らないでやってみる」

 そして、ユアさんが目を瞑り、意識を集中させた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

魔法使いが無双する異世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです

忠行
ファンタジー
魔法使いが無双するファンタジー世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか忍術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです。むしろ前の世界よりもイケてる感じ?

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

処理中です...