異世界<おせっかい>人情ラプソディ~いや、『おせっかいスキル』で無双って何⁉️~

立沢るうど

文字の大きさ
91 / 123

第九十一話……これからの予定!

しおりを挟む
「大丈夫。今日中には終わるよ。少し残業するかもしれないけど」

 仕事開始から四日目。昨日作成分の問題と資料をコーディーさんが回収し終わったあとに、前に言っていた通り、ビルさんが国賓部屋を訪れた。

「お疲れ様。もう少しだけ頑張ってくれ。それでは予定通り、洞窟Aを明日以降立ち入り禁止にし、おせっかいパーティーだけが入れるようにしておく」
「あ、ちなみに、それ以降の予定ってどうなってるの? サーズさんとユアさんの結婚式とかあるんでしょ? それにも参加しないと」

「いや、お二人のご希望で、婚姻関係は結ぶものの、結婚式、結婚披露宴は共に執り行わないことになった。まだ変革の真っ最中で、国民が苦しんでいるのに、呑気に結婚式などできないと。そんなのは後回しでいいし、やらなくてもいい、とのことだった。
 ただ、私達国民の感情としては、『一生やらないのもどうかと思うので、変革終了後に盛大に開き、我が国の真の門出と共に祝うのはどうか。国民にとっては、自粛なさったお二人を改めて喜ばせるための草の根変革の原動力にもなる』と進言し、ご納得いただいた。
 国王即位式、大臣就任式も行わない。国家持続方針が共有されている以上、時間の無駄だからだ。ちなみに、新殿下誕生式は、変革後のタイミング次第。
 一方で、『おせっかいパーティー』は絶対に開催するとの意気込みだ。それは、城内のみの小規模パーティーだし、もし開催しなかったら、我が国の英雄に対して失礼だし、我が国の恥だ、と全員が一致しているからな。
 明後日からの予定だが、モンスター用社会適合テストの修正がある場合は、そうしてもらって、たすくが忙しかったこともあって、我が国の法律や政策を読む時間がなかっただろうから、それに時間を当ててもらってかまわない。
 しかも、城内も城外も見て回っていないだろ? みんなにはゆっくり見てもらって、是非とも我が国の問題点を独自の視点から指摘してほしい。もちろん、モンスター達へのフォローがあれば、それも。
 それ以降は、陛下からのご要望である、たすくの『悪魔防止対策提案書』の作成完了および承認を以て、国家名誉勲章授与式を兼ねた『おせっかいパーティー』開催、そしてセントラルに出発、と私達は想定している。
 したがって、提案書に着手する際に、私達に出発日程を教えてほしい」
「私達の予定は分かったけど、そっちの予定は? 王子達やロマリとかどうするの?」

「それも進めている。殿下方には明朝、学習後社会適合テストを受けてもらう。ロマリは、短絡スキルに関係なく、スパイなので処刑確定だ。情報は十分引き出したので、殿下方の不適合判定に合わせて処刑する。他の兵士も余罪の調査が終わり、処刑確定。それもロマリと同様。
 そこでたすくに聞きたい。従事者用または国民用社会適合テストにより罪人を救済する基準だが、我が国で決めたい。基本的には、情状酌量見込みがない重罪人は救済なしの死刑。情状酌量ありでも、窃盗以外の重罪は救済なしの死刑。他は救済あり、場合によっては実刑。ただし、再犯罪は全て死刑。これでいいか?」
「……」
「一つだけ。情状酌量ありの私刑による重罪について、救済ありと明言してほしい。その場合、国による執行を肩代わりした状況が想定される。あるいは、改心させようと試みても、改心しなかった罪人がいた場合とか。それは、軽犯罪であっても、凶悪犯罪化する恐れがある場合も含まれる」

「分かった。大体は想定済みだが、凶悪犯罪化については判断が難しいと考え、盛り込まない予定だった。何とか条文化しよう。ちなみにそれは……」
「……」
「サザエ村全体だ。他の村に合わせたとのことだが、少なくともサザエ村は、俺が今言った通りのことを考慮していて、情状酌量がかなり大きい」

「ふふっ、やはり正直に言ってくれるな。よし、取り計らおう。勇者管理組合支部の連中を勾留し、我が国の財産を守っていることを実績にもして」
「ありがとう、ビルさん」
「ビル、本当にありがとう」
「私からもありがとうございます! 私もサザエ村の一員として、このご恩を返していく所存です!」

「いや、もう十分すぎるほど返してもらってるよ。たすくの功績は、おせっかいパーティーの功績。おせっかいパーティーの功績は、メンバー一人一人の功績。それがパーティーであり仲間だ。だから、全員が英雄なんだ。
 サーズやマリッサ殿下ではないが、私も羨ましく思うよ。英雄がではなく、おせっかいパーティーの心の強さと楽しさが」
「ビルさんも十分すぎるほど味わってるでしょ? その楽しさを」

「そうだな。飴と鞭を味わってるよ」
「たすくと同じことを言ってるけど、ビルさんは喜んでるから、飴と飴でしょ」

「でも、十分とは言えないんだよなぁ。この部屋で何が行われているか分からないから。それを見せてくれたら、十分と言えるかもしれない」
「じゃあ、奥さんに手紙を送っておくね。『ビルくん二十六歳がドサクサに紛れて女の子の部屋を覗きたいとセクハラ発言をしました。この他にも度重なるパワハラをしているので、注意してあげてください。ビルくんの友人であるサウズ国の英雄より』って」

「やっぱり、鞭じゃないか!」
「鞭じゃないよ。ギロチンだよ」
「うーん……。流石のみかも、仕事のストレスが溜まってきたか?」
「そろそろ、ユアさんが来る頃でしょうから、リズさんに一緒に『よしよし』してもらいましょう」
「ビルさんはダメだよ! ガチでセクハラになるから!」

「わ、私も一度ぐらいはしてもらいたいのに……。頭をちょっとだけでいいから撫でてほしいのに……」
「はい、おじさんの典型セクハラ!」
「ビル、それはダメだよ。淫語を隠語にしても」

「いや、淫語でも隠語でもないんだが! セクハラ常習犯達に勝手に解釈されてるんだが!」
「私は被害者だから」
「俺は冤罪だから」

「……。もういい、仕事しよう……。手紙は送るんじゃないぞ! 絶対だぞ! フリじゃないからな!」
「可哀想になってきた……。嘘だよ、ビルさん。リズさえ良ければ、『よしよし』してもらっていいよ」

「ほ、本当か⁉️」
「どう、リズ?」
「…………男の人は、ちょっと……」

 ギロチンの代わりに、無慈悲なシャッターが下ろされ、ビルさんはトボトボと仕事に向かった。

 しかし、リズもネタだったようで、すぐにビルさんは扉の外で『よしよし』してもらっていた。その時のビルさんの表情は、みんなには見せられないほど崩れていたらしい。彼のイメージが粉々に壊れるほど……。

 ビルさん、家に帰ったはずなのに、休みきれてないんだなぁ……。
 宰相のとてつもない忙しさと精神的負担に同情しつつ、私は目の前の仕事に向かった。


 あ、今思えば、私とたすくとリズが追い詰めたせいかも……。
 まぁ、いいか。その分、リズの癒やしが気持ち良かっただろうし……。


 あとで謝ろう……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

魔法使いが無双する異世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです

忠行
ファンタジー
魔法使いが無双するファンタジー世界に転移した魔法の使えない俺ですが、陰陽術とか武術とか忍術とか魔法以外のことは大抵できるのでなんとか死なずにやっていけそうです。むしろ前の世界よりもイケてる感じ?

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

転生したら最強種の竜人かよ~目立ちたくないので種族隠して学院へ通います~

ゆる弥
ファンタジー
強さをひた隠しにして学院の入学試験を受けるが、強すぎて隠し通せておらず、逆に目立ってしまう。 コイツは何かがおかしい。 本人は気が付かず隠しているが、周りは気付き始める。 目立ちたくないのに国の最高戦力に祭り上げられてしまう可哀想な男の話。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

処理中です...