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第71話 小悪党の悪知恵
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鷹也は探偵からの報告を心待ちにしていたが、中間報告は調査中。
まだ見つかってはいなかった。
探偵の方でも調べあぐねていた。
住所の移転の情報もなく、足取りも掴めていなかった。
しかし、担当の西丘という男。
元々は所長の下に付いて真面目に仕事に取り組んでいたのだが、彩の写真を見た途端、悪心が起こっていた。
旦那に見捨てられ、どこかに行ってしまった女。
見つけて脅して抱いてしまおうという算段だった。
もう離婚されていると思っているだろう。
こんな美人を壊してみたい。
だが、その前に探さなくてはならない。
さまざまな手段を講じたが行き詰まった。
彩とおぼしきものを見つけたのは本当に偶然だった。
SNSで野良猫の画像が投稿されている一部にうっすらと通行人の中に彼女の顔らしきものが見えた。
ボヤけているが、西丘の感が「これだ!」と叫んだ。
西丘は友人の元に走った。その友人は会社で顔認証ソフトを使っている。それで調べて貰おうというのだ。
休日の友人の会社。二人はコッソリと忍び込んだ。
ウェブサイトの写真と、鷹也からメール送信された彩の画像。
それをパソコンに取り込んで調べて貰う。
「ウェブの画像は解像度も低いしだし、ボケてるからしっかり認識するかどうか」
「いいからやってみてくれよ」
ソフトの方でも、少し認証に戸惑っているようだったが出た結果は56パーセント。
「やっぱり本人と特定できるレベルじゃねーよ」
と友人はこぼしたが、西丘の方ではニヤリと笑った。
「でも50パーセント越えてんだろ? 良い結果だよ。悪かったな。約束のアイドルグループ“ワンワン探検隊”のチケットは後で持ってくるよ」
「へへ。マジ? やりぃ」
西丘はウェブの写真をほぼ確定と決め込んだ。
すぐさまSNSの投稿者にメッセージを送り、この写真は日本のどの辺かを聞くと、投稿者は旅行中に撮ったもので、細かい住所までは知らないが、中央から離れた県の市内。駅よりの方だったと情報をくれた。
西丘はすぐさま、事務所に有給休暇を取った。出張願いではない。休暇だ。
仕事で彩に会いに行くのではない。
所長の方でも彩の案件が進まず、手がかりがなかったのでリフレッシュということでそれを許した。
西丘は情報の市内に入りホテルに荷物を置くと、スマホの野良猫が写っている写真の場所を探した。
人に聞くとすぐだった。ホテルから約10分の場所。
写真に写っていた捜索対象者らしきものは、着飾る様子もなく買い物袋を手に提げていた。
生活の匂いがする。
ここで暮らしているのは間違いない。またこの道を通るだろう。
西丘は、そこでしばらく張り込むことした。
まだ見つかってはいなかった。
探偵の方でも調べあぐねていた。
住所の移転の情報もなく、足取りも掴めていなかった。
しかし、担当の西丘という男。
元々は所長の下に付いて真面目に仕事に取り組んでいたのだが、彩の写真を見た途端、悪心が起こっていた。
旦那に見捨てられ、どこかに行ってしまった女。
見つけて脅して抱いてしまおうという算段だった。
もう離婚されていると思っているだろう。
こんな美人を壊してみたい。
だが、その前に探さなくてはならない。
さまざまな手段を講じたが行き詰まった。
彩とおぼしきものを見つけたのは本当に偶然だった。
SNSで野良猫の画像が投稿されている一部にうっすらと通行人の中に彼女の顔らしきものが見えた。
ボヤけているが、西丘の感が「これだ!」と叫んだ。
西丘は友人の元に走った。その友人は会社で顔認証ソフトを使っている。それで調べて貰おうというのだ。
休日の友人の会社。二人はコッソリと忍び込んだ。
ウェブサイトの写真と、鷹也からメール送信された彩の画像。
それをパソコンに取り込んで調べて貰う。
「ウェブの画像は解像度も低いしだし、ボケてるからしっかり認識するかどうか」
「いいからやってみてくれよ」
ソフトの方でも、少し認証に戸惑っているようだったが出た結果は56パーセント。
「やっぱり本人と特定できるレベルじゃねーよ」
と友人はこぼしたが、西丘の方ではニヤリと笑った。
「でも50パーセント越えてんだろ? 良い結果だよ。悪かったな。約束のアイドルグループ“ワンワン探検隊”のチケットは後で持ってくるよ」
「へへ。マジ? やりぃ」
西丘はウェブの写真をほぼ確定と決め込んだ。
すぐさまSNSの投稿者にメッセージを送り、この写真は日本のどの辺かを聞くと、投稿者は旅行中に撮ったもので、細かい住所までは知らないが、中央から離れた県の市内。駅よりの方だったと情報をくれた。
西丘はすぐさま、事務所に有給休暇を取った。出張願いではない。休暇だ。
仕事で彩に会いに行くのではない。
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西丘は情報の市内に入りホテルに荷物を置くと、スマホの野良猫が写っている写真の場所を探した。
人に聞くとすぐだった。ホテルから約10分の場所。
写真に写っていた捜索対象者らしきものは、着飾る様子もなく買い物袋を手に提げていた。
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西丘は、そこでしばらく張り込むことした。
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